電話で相談する LINE相談

基礎知識

KNOWLEDGE

交通事故の慰謝料の計算方法|むちうちでの金額例も紹介

交通事故の被害に遭った場合、精神的苦痛に対する慰謝料を相手方に請求できます。とはいえ、慰謝料の計算方法がわからず「適正な慰謝料はいくらなのか知りたい」「保険会社の示談案に応じていいのかわからない」という方も多いのではないのでしょうか。

電話での無料法律相談はこちら

ここでは、

  • ・交通事故の慰謝料の計算方法
  • ・むちうちの場合の慰謝料計算の具体例
  • ・慰謝料を増やすためのポイント

などをご紹介します。交通事故の被害に遭われてしまった方はぜひ最後までお読みください。

交通事故の慰謝料の種類

交通事故の慰謝料にはいくつかの種類があります。まずは慰謝料についての基本的な知識をおさえておきましょう。

「慰謝料」と「賠償金」の違い

「慰謝料」と似た言葉に「賠償金」がありますが、これらは同じものではありません。

「賠償金」とは「交通事故で受けたすべての損害に対して支払われる金銭」のことをいいます。治療費、休業損害、車両の修理費といったすべての損害を総称した言葉です。

「慰謝料」とは「交通事故により生じた被害者の精神的苦痛に対して支払われる金銭」のことをいいます。精神的苦痛も損害の一種ですので、慰謝料は賠償金のうちの一部になります。賠償金が広い意味をもつ言葉で、慰謝料は精神的損害についての賠償金を指すということです。

「賠償金=慰謝料」ではないので注意してください。

入通院慰謝料

慰謝料の種類としては、まず入通院慰謝料というものがあります。

入通院慰謝料とは、交通事故でケガを負い、入院・通院を余儀なくされたことで生じた精神的苦痛に対する慰謝料です。傷害慰謝料と呼ばれることもあります。金額は、症状固定となるまでに入通院した日数や期間の長さによって決まります。

症状固定とは、それ以上治療しても症状の回復が見込めない状態のことです。症状固定とされた後の期間について入通院慰謝料は発生しません。具体的な金額は下記の「交通事故の慰謝料の計算方法」を参照してください。

後遺障害慰謝料

症状固定後に残った症状が後遺障害として認定されれば、後遺障害慰謝料も発生します。後遺障害慰謝料は、交通事故によるケガで後遺障害が残ってしまったことで生じた精神的苦痛に対する慰謝料です。

金額は、認定された等級によって異なります。等級は1級から14級まであり、1級が最も重度の障害で、数字が大きくなるほど障害の程度が軽いことを意味します。症状ごとに認定される等級が決まっており、例えばむちうちの場合には程度によって12級または14級です。具体的な金額は下記の「交通事故の慰謝料の計算方法」を参照してください。

交通事故の慰謝料の計算方法

慰謝料計算には3つの基準がある

交通事故の慰謝料計算には、計算する主体によって
・「自賠責基準」
・「任意保険基準」
・「弁護士基準」

の3つの基準があります。詳しくは以下で説明しますが、金額は基本的に「自賠責基準<任意保険基準<弁護士基準」の順に大きくなることは知っておきましょう。

自賠責基準は最低限の補償

自賠責基準とは、自賠責保険が支払をする際に用いられる基準です。自賠責保険は被害者に最低限の補償をすることを目的にしていますので、金額は3つの基準の中で最も低くなります。

【自賠責基準の入通院慰謝料】
自賠責基準の入通院慰謝料は、次の手順で計算します。
1.「治療期間(病院に入通院した期間)」と「実通院日数(実際に病院に入通院した日数)×2」のうち小さいのはどちらかを判断する。
2.1で小さい方の日数に4300円をかける。
※2020年3月31日以前に発生した事故については4200円

例えば、通院期間3ヶ月、実通院日数15日の場合は以下のとおりです。
1.「3ヶ月(90日)」と「15日×2=30日」では30日の方が小さいので「実通院日数×2」を用いる。
2.4300円×30日=12万9000円
したがって、このケースの自賠責基準で計算した入通院慰謝料は12万9000円です。
自賠責基準の後遺障害慰謝料
自賠責基準の後遺障害慰謝料は等級によって以下のように定まっています。

後遺障害等級 自賠責基準の金額(※)
1級:要介護 1650万円(1600万円)
1級:上記以外 1150万円(1100万円)
2級:要介護 1203万円(1163万円)
2級:上記以外 998万円(958万円)
3級 861万円(829万円)
4級 737万円(712万円)
5級 618万円(599万円)
6級 512万円(498万円)
7級 419万円(409万円)
8級 331万円(324万円)
9級 249万円(245万円)
10級 190万円(187万円)
11級 136万円(135万円)
12級 94万円(93万円)
13級 57万円
14級 32万円

※2020年3月31日以前に発生した事故の自賠責基準は()内の金額

任意保険基準は会社によって異なる

任意保険基準は、相手方の任意保険会社が示談金額の提案をする際に用いる基準です。保険会社によって基準は異なり、公開はされていませんが、おおむね自賠責基準に多少の上乗せをしたものとなっています。

弁護士基準だと金額が大きくなる

弁護士基準は、弁護士が請求する際に用いる基準です。裁判で認められる金額をもとにしているため「裁判基準」と呼ばれることもあります。3つの基準の中では最も高額になります。弁護士基準は『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準』という本(通称「赤い本」)に記載されているものを用いることが多いです。

弁護士基準の入通院慰謝料

赤い本に記載されている基準は以下の表のとおりで、症状固定までの入通院期間をもとに計算します。重傷の場合と軽傷の場合で用いられる表が異なります。
軽傷の表が用いられるのは、むちうちで他覚所見がない場合等です。他覚所見とは、症状を医学上客観的に説明できる画像所見や検査所見のことをいいます。すなわち、むちうちで自覚症状しかなく、客観的に症状を説明できる証拠がない場合には軽傷の表を用います。

重傷の場合(単位:万円)

入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月 11ヶ月 12ヶ月 13ヶ月 14ヶ月 15ヶ月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306 314 321 328 334 340
1ヶ月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311 318 325 332 336 342
2ヶ月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315 322 325 329 329 344
3ヶ月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319 326 331 336 340 346
4ヶ月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 316 323 328 333 338 342 348
5ヶ月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325 330 335 340 344 350
6ヶ月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327 332 337 342 346
7ヶ月 124 157 188 217 244 266 286 304 316 324 329 334 339 344
8ヶ月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331 336 341
9ヶ月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333 338
10ヶ月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335
11ヶ月 150 179 207 234 258 278 296 312 324 332
12ヶ月 154 183 211 236 260 280 298 314 326
13ヶ月 158 187 213 238 262 282 300 316
14ヶ月 162 189 215 240 264 284 302
15ヶ月 164 191 217 242 266 286

軽傷の場合(単位:万円)

入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月 11ヶ月 12ヶ月 13ヶ月 14ヶ月 15ヶ月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195 204 211 218 223 228
1ヶ月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199 206 212 219 224 229
2ヶ月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201 207 213 220 225 230
3ヶ月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202 208 214 221 226 231
4ヶ月 67 95 119 136 152 165 176 185 192 197 203 209 215 222 227 232
5ヶ月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204 210 216 223 228 233
6ヶ月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205 211 217 224 229
7ヶ月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206 212 218 225
8ヶ月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207 213 219
9ヶ月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208 214
10ヶ月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209
11ヶ月 117 135 150 160 171 179 187 193 199 204
12ヶ月 119 136 151 161 172 180 188 194 200
13ヶ月 120 137 152 162 173 181 189 195
14ヶ月 121 138 153 163 174 182 190
15ヶ月 122 139 154 164 175 183

表の入院期間と通院期間が交わる箇所の数値が、弁護士基準の入通院慰謝料の基本的な金額になります。
例えば「重傷、入院3ヶ月、通院6ヶ月」の場合は211万円、「軽傷、入院なし、通院4ヶ月」の場合は67万円です。

【弁護士基準の後遺障害慰謝料】
弁護士基準の後遺障害慰謝料は、等級に応じて以下のとおりになります。

後遺障害等級 弁護士基準の金額
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

電話での無料法律相談はこちら

交通事故の慰謝料計算の具体例~むちうちの場合

むちうちで3ヶ月通院したケース

まず、むちうちで3ヶ月(実通院日数は30日)通院した場合の入通院慰謝料を計算してみましょう。

自賠責基準では、以下のようになります。
1.「治療期間3ヶ月(90日)」より「実通院日数30日×2=60日」の方が小さいので「実通院日数×2」を用いる。
2. 4300円×60日=25万8000円
したがって、このケースの自賠責基準で計算した入通院慰謝料は25万8000円となります。

弁護士基準では、以下のようになります。
1.むちうちで症状を医学上客観的に説明できないケースでは、軽傷の表を用いる。
2.軽傷の表で「通院のみ3ヶ月」の場合の箇所を参照すると、53万円となっている。
したがって、このケースの弁護士基準で計算した入通院慰謝料は53万円となります。

任意保険基準は自賠責基準に少し上乗せした金額になることが多いので、弁護士基準が最も高額であることがわかります。
なお、通院が3ヶ月で終了するケースでは後遺障害は認定されませんので、後遺障害慰謝料は発生しません。

むちうちで6ヶ月通院したケース

次に、むちうちで6ヶ月(実通院日数は60日)通院した場合の入通院慰謝料を計算してみましょう。

自賠責基準は以下のようになります。
1.「治療期間6ヶ月(180日)」より「実通院日数60日×2=120日」の方が小さいので「実通院日数×2」を用いる。
2. 4300円×120日=51万6000円
したがって、このケースの自賠責基準で計算した入通院慰謝料は51万6000円となります。

弁護士基準は以下のようになります。
1.むちうちで症状を医学上客観的に説明できないケースでは、軽傷の表を用いる。
2.軽傷の表で「通院のみ6ヶ月」の場合の箇所を参照すると、89万円となっている。
したがって、このケースの弁護士基準で計算した入通院慰謝料は89万円となります。

通院が6ヶ月の場合でも、弁護士基準の方が高額になっていることがおわかりになるでしょう。

また、通院が6ヶ月以上になると、後遺障害が認定されるケースもあります。後遺障害14級が認められた場合の後遺傷害慰謝料は、自賠責基準で32万円、弁護士基準で110万円です。入通院慰謝料に加えてこの金額が加わります。

交通事故の慰謝料を増やすためのポイント

ここまで交通事故の慰謝料の計算方法を紹介してきましたが、適正な額の支払いを受けるにはポイントがあります。以下の点に気をつけてください。

事故後すぐに病院に行く

交通事故の被害に遭ったら、救急車で搬送されなかったとしても、すぐに整形外科を受診してください。
事故直後には痛みがなくても、後から痛みが生じてくることも考えられます。事故直後に受診していないと「痛みは事故と関係なく生じたのではないか」として、事故とケガの因果関係を争われてしまう可能性があります。事故によって症状が生じていることを示すため、遅くとも事故の翌日には病院に行きましょう。

むちうちでは週2~3回通院する

むちうちになった場合には、週に2~3回通院するようにしてください。理由は2つあります。

1つめの理由は、入通院慰謝料を確実に受け取るためです。
弁護士基準では、実通院日数ではなく通院期間で入通院慰謝料が決まるので、通院回数を増やす必要はないようにも思えます。しかし、実際には通院頻度が少ない場合、実通院日数が基準とされてしまうことがあります。月に10日程度通院していれば、通院期間を基準とした入通院慰謝料を確実に請求可能です。したがって、週に2~3回通院するのが適切になります。

2つめの理由は、後遺障害が認定される可能性を上げるためです。通院期間が6ヶ月以上になると後遺障害が認定されることがありますが、通院頻度が少なければ認定の可能性は低くなります。後遺障害が認定されれば高額の後遺障害慰謝料が発生するので、少なくとも週2~3回通院するのがおすすめです。

整骨院に通う場合は事前に許可を得る

痛みを緩和するため整骨院に通院したい場合は、必ず事前に医師や相手方保険会社に説明して、許可をもらうようにしましょう。
整骨院でなされる施術は、医療行為ではありませんので、医師の許可がないと事故と因果関係のある通院と認められなくなってしまうおそれがあります。保険会社が、「整骨院に通院する必要がなかった」として治療費すら支払ってくれない可能性もあります。したがって、整骨院への通院を考えている場合には医師と保険会社の許可を取ってください。

なお、許可を得て整骨院に通う場合であっても、整形外科も定期的に受診してください。まったく整形外科に行かない月があると、ケガの治療の観点から適切でないだけでなく、通院の必要がないとみなされ、保険会社から治療費の打ち切りがなされてしまいます。

治療費打ち切りには簡単に応じない

通院中の治療費は、相手方保険会社が代わりに支払ってくれますが、事故から一定期間が経過すると、保険会社が治療費の打ち切りを通告してきます。「治療が終了した」「それ以上治療しても改善せず症状固定となっている」というのが保険会社の言い分です。

しかし、治療費の打ち切りには簡単に応じてはなりません。治癒や症状固定の判断においては、医師の見解が重視されます。保険会社は支払額を抑えるために治療費打ち切りを主張しますが、医師と相談してさらなる治療が必要ということであれば、治療を続ける必要があります。くれぐれも保険会社の言いなりにならないようにしてください。

後遺障害認定を受ける

後遺障害認定があると後遺障害慰謝料を受け取れるため、慰謝料の金額が大幅に増額します。後遺障害の申請方法には事前認定と被害者請求の2つの方法があります。

事前認定は手続きを相手方保険会社に任せる方法です。手間は少ないですが、保険会社は認定に積極的ではないため、適切な書類の提出が期待できないという問題があります。

これに対して被害者請求は被害者自ら書類を集めて申請する方法です。認定にプラスになる書類を提出できるというメリットがある反面、手間がかかります。どのような書類を提出すればよいかを判断するのも難しいため、被害者請求の手続きを交通事故に精通した弁護士に依頼するのもよいでしょう。

弁護士基準で請求する

上述したように、弁護士基準で計算すると慰謝料は高額になります。もっとも、被害者が弁護士基準で請求しても保険会社は取り合ってくれないというのが現実です。弁護士基準で慰謝料を受け取りたいという場合には弁護士に依頼しましょう。

交通事故の慰謝料交渉を弁護士に依頼するメリット

慰謝料が増額する

弁護士に依頼する大きなメリットは、慰謝料を弁護士基準で請求できるということです。入通院慰謝料、後遺障害慰謝料のいずれについても、自賠責基準や任意保険基準に比べて大幅な増額が期待できます。

弁護士費用が気になる方もいらっしゃるかと思いますが、着手金無料・完全成功報酬制の弁護士を選べば、費用倒れを防げます。また、ご自身が加入する任意保険に弁護士費用特約が付帯されていれば、300万円までの弁護士費用はかかりません。むちうちであれば、弁護士費用が300万円を超えることはまずありませんので、自己負担ゼロでの依頼が可能です。

保険会社とのやりとりを任せられる

相手方保険会社とのやりとりを弁護士に任せられる点もメリットです。
交通事故の被害者は、ケガを負ったうえに、親切とは言い難い保険会社への対応で精神的ストレスを抱えてしまいます。治療費の打ち切り、過失割合の争い、示談交渉といったやりとりに被害者は慣れていません。弁護士に依頼すれば保険会社と直接話す必要はなくなり、治療や日常生活に集中できます。

後遺障害認定のサポートを受けられる

弁護士は後遺障害認定もサポートします。
後遺障害認定のためには、通院方法、受けるべき検査、後遺障害診断書の作成、必要書類の収集など注意点が数多くありますが、被害者がすべてを把握するのは困難です。特にむちうちで画像などの他覚所見がないという場合には、後遺障害認定のハードルは高くなります。弁護士にアドバイスを受けたり、手続きを任せたりすることで適切な等級の獲得へと近づきましょう。

まとめ:交通事故の慰謝料に疑問があれば弁護士に相談を

この記事では、交通事故の慰謝料の計算方法、慰謝料を増やすポイントなどを解説しました。弁護士基準が高額であること、後遺障害認定が重要なことなどをご理解いただけましたでしょうか。

相手方保険会社は、被害者の無知につけこんで支払額を抑えようとすることもあります。保険会社の対応に不満を抱いたり、提示された示談金額が適正なのか疑問に思ったりした場合には、ぜひお気軽に弁護士にご相談ください。

電話での無料法律相談はこちら

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-6366-8770

※受付時間 9:00-18:00