被告人

被告人とは

被告人（ひこくにん）とは、民事訴訟や刑事訴訟において、原告から訴えを提起された側の人物や法人のことです。

具体的には、刑事訴訟の場合、検察官から犯罪行為の疑いを持たれて訴追される者を示します。一般的には、犯罪が発生した際に逮捕や起訴され、その後の裁判で自身の潔白を証明する必要があります。民事訴訟では、契約違反や損害賠償を求められた場合などに、訴えられた方が被告人となります。

刑事訴訟における被告人の位置付け

刑事訴訟において、被告人は犯罪の嫌疑をかけられた個人や法人です。検察側が提出する証拠や証言に基づいて、有罪か無罪かが判断されます。被告人には弁護士が付き、法廷での弁護活動が行われます。

重要な点として、被告人には「無罪推定」という大原則が適用されます。この原則は、被告人が有罪と証明されるまでは無罪と考えられることを示しています。

例えば、ある人が窃盗の容疑で逮捕された場合、逮捕された時点ではまだ被告人とは呼ばれず、正式に起訴されて初めて被告人となります。裁判では検察側がその人が窃盗を行ったことを証明しなければなりません。一方、弁護側はその人が無実であることを証明するために証拠を提示したり、証言を求めたりします。

民事訴訟における被告人の役割

民事訴訟では、被告人は原告から何らかの請求を受けた側です。例えば、契約違反や不法行為による損害賠償請求などが代表的なケースです。被告人は原告の主張に反論し、自己の権利を守るために行動します。民事訴訟では、双方の主張と証拠を基に法廷が判断を下します。

具体例として、ある会社が製品の瑕疵（かし）に対して損害賠償を請求された場合、この会社が被告人となります。会社は、自社の製品が何らかの理由で瑕疵が発生したことを否定する証拠を提出し、もしくは原告の請求が不当であることを証明しなければなりません。このようなケースでは、詳細な契約書や製品の管理記録、専門家の証言などが重要な証拠として用いられます。

被告人の権利

被告人には様々な権利があります。刑事訴訟においては、黙秘権があります。この権利により、自己に不利益な供述を拒否することができます。また、弁護人を選任する権利も保障されています。民事訴訟でも、被告人には原告の主張に対して反論し、証拠を提出する権利があります。