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商事留置権

読み方
しょうじりゅうちけん

商事留置権とは

商事留置権(しょうじりゅうちけん)とは、商取引において生じる債権の担保として、債務者の物品を占有し続ける権利のことを指します。

これは、債権者債務者からの支払いが遅延した場合に、その債権を確保するための手段として役立ちます。一般的に、商事留置権は民法上の留置権と類似していますが、商法特有の規定が適用されるため、その具体的な運用方法や条件が異なります。

商事留置権の基本的な要件

商事留置権を行使するためには、いくつかの基本的な要件を満たす必要があります。これらの要件は、債務者債権者の関係において重要な役割を果たし、実務上の手続きや争点を明確にするために欠かせないものです。

債権の存在

この債権は、商人どうしの取引でなければなりません。商品の売買契約やサービスの提供契約などが該当します。

占有の継続

次に、債権者債務者の物品を占有している必要があります。しかし、債権者が不法に物品を占有している場合、商事留置権を行使することはできません。

弁済期の到来

さらに、債権が弁済期にない間は、商事留置権は発生しません。支払いの期日が過ぎているにもかかわらず、債務者が支払いを行っていない状態にある必要があります。

商事留置権の具体例と活用法

商事留置権は、さまざまな商取引において利用されることがあります。ここでは、具体的な事例を通じてその活用法を紹介します。

輸送業における商事留置権

輸送業者が荷主から荷物を預かった場合、送料の支払いが期日を過ぎても行われないとき、輸送業者はその荷物を留置することができます。これは、輸送業者が運送契約に基づく債権を確保するための手段として利用されます。

修繕業における商事留置権

自動車修理業者が顧客の車を修理した後、修理代金の支払いが滞っている場合、修理業者が車を留置することができます。これは、修理業者が作業に対する対価を確保するための一般的な方法です。

倉庫業における商事留置権

預かっている保管物に対する保管料の支払いが遅れている場合、倉庫業者はその保管物を留置する権利を有します。これにより、倉庫業者は保管料の支払いを確保することが可能です。

商事留置権の限界と注意点

商事留置権は強力な権利ではありますが、その行使にあたっては一定の限界や注意点が存在します。ここでは、商事留置権を行使する際の注意点について詳しく見ていきます。

適法性の確保

商事留置権を行使する際には、適法性を確保することが重要です。具体的には、商人どうしの取引であること、債権が法的に有効であること、商取引により債務者の物品を占有していること、そして弁済期が到来していることが求められます。これらの条件を満たさない場合、商事留置権は成立しません。

商事留置権と民事留置権の違い

最後に、商事留置権と民事留置権の違いについて解説します。これらの違いを理解することで、商事留置権の特性をより深く理解することができます。

適用範囲の違い

商事留置権は商取引に限定される一方、民事留置権は一般の取引に広く適用されます。つまり、商事留置権は商法上の特別な規定に基づいており、商取引における信頼性を確保するための手段として用いられます。

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