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時効の中断・時効の停止
時効の中断・時効の停止とは
時効の中断(じこうのちゅうだん)および時効の停止(じこうのていし)とは、法律において債権や債務に関する権利行使の期限である「時効」の進行を一時的に止める、またはリセットする制度を指します。
民法において、時効は一定期間が経過することで権利が消滅するか、取得されるものですが、特定の状況下ではその進行が妨げられることがあります。ここでは、新しい民法の「時効の完成猶予」および「時効の更新」との関連も含めて解説します。
時効の中断とは
時効の中断とは、一定の行為が行われた時点で、時効の進行が完全にリセットされ、再びゼロから計算が始まることを指します。これにより、時効が完成しそうな段階であっても、中断の原因となる行為があれば、その時点で時効は無効となります。
中断の原因
時効が中断する原因には、以下のようなものがあります:
- 裁判上の請求:債権者が裁判所に訴訟を提起した場合、その時点で時効が中断します。裁判上の請求は法的に最も強力な時効中断の手段とされています。
- 差押え、仮差押え、仮処分:債権者が差押えなどの強制執行手続きを行うことも時効の中断原因となります。
- 債務の承認:債務者が債務を認めた場合も、時効は中断されます。例えば、借金の返済の一部を支払うことで、債務者は債務を認めたことになり、時効がリセットされます。
時効の停止とは
時効の停止は、時効の進行が一時的に停止することを指します。中断と異なり、停止が終了するとその時点から時効が再開しますが、進行が完全にリセットされるわけではありません。民法改正前には「停止」として扱われていましたが、現在では「時効の完成猶予」という概念に再構成されています。
民法改正と「時効の完成猶予」および「時効の更新」
2020年の民法改正により、「時効の中断」および「時効の停止」という概念は、「時効の完成猶予」および「時効の更新」に再構成されました。この改正は、時効に関するルールをより明確化し、利用者に分かりやすくするためのものです。
時効の完成猶予
「時効の完成猶予」は、一定の事由が発生した場合に、時効の進行が一時的に止まることを意味します。例えば、訴訟が起こされた場合や、調停が行われている間は時効の完成が猶予されます。この猶予が終了すると、残りの期間が再び進行します。
時効の更新
「時効の更新」は、従来の「時効の中断」に相当するもので、一度中断が起こると、それまで経過した期間は無効となり、新たに時効が開始されます。裁判上の請求や、債務の承認がこれに該当します。
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