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動産売買先取特権

読み方
どうさんばいばいさきどりとっけん

動産売買先取特権とは

動産売買先取特権(どうさんばいばいさきどりとっけん)とは、動産売買において、売主が売買代金の支払いを確保するために一定の優先権を持つことを指します。

これは、日本の民法第311条、第332条に規定されており、売主は買主が購入した動産に対して他の債権者よりも優先して弁済を受ける権利を持ちます。

具体例として、ある企業が製品を他社に売却し、代金の支払いが遅延した場合を考えます。この場合、動産売買先取特権によって売主は他の債権者よりも先に製品の代金を回収する権利を持つことができます。この権利があることにより、売主は代金未払いや不履行のリスクを軽減できるのです。

動産売買先取特権の適用条件

動産売買先取特権が適用されるためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

まず、売買の対象が動産であることが必須です。動産とは、不動産以外の財産を指し、具体的には自動車や家電製品、原材料や商品の在庫などが該当します。また、売買契約が正式に成立していることも必要です。

さらに、売主から買主に対して代金の支払い請求が行われていることが条件となります。その際、売主は動産の引渡しをする前に先取特権を主張することができるため、事前の確認が重要となります。

このように、動産売買先取特権は売主が取引のリスクを最小限に抑えるための有益な手段といえます。

動産売買先取特権の行使手続き

動産売買先取特権を実際に行使するためには、特定の手続きを経る必要があります。

まず、売主が代金の支払いを求める場合、買主に対して正式に催告を行う必要があります。この催告は、通常、内容証明郵便などの形式で行われます。

催告が行われたにもかかわらず、買主が代金の支払いを完了しない場合、売主は先取特権を行使して動産を差し押さえる権利を持ちます。差し押さえは、裁判所の命令によって行われるため、法的手続きを経る必要があります。この際、売主は証拠書類や契約書を準備し、適切な法的手続きを踏むことが求められます。

差し押さえが認められた後、動産は公売に付され、その売却代金から優先的に売主の代金が支払われます。このプロセスを通じて、売主は未払いの代金を回収することができます。

動産売買先取特権のメリットと留意点

動産売買先取特権には多くのメリットがありますが、一方で留意すべき点も存在します。

まず、最大のメリットは、売主が他の債権者よりも優先的に弁済を受けられる点です。売主は代金未払いのリスクを大幅に軽減することができます。

一方で、動産売買先取特権を行使する際には、法的手続きを正確に行う必要があります。手続きが不十分であったり、証拠が揃っていない場合、先取特権の行使が認められない可能性があります。

さらに、動産の実際の引渡しが行われる前に先取特権を主張することも可能ですが、その場合の証拠作成や契約書の明確化は不可欠です。適切な書面による契約と記録を残すことが、後々のトラブル防止につながります。

以上のようなメリットと留意点を踏まえ、動産売買先取特権を活用することで、売主は取引の安全性を高めることができるでしょう。

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