事件概要
35歳男性が事故により頭部外傷の傷害により感情抑制や社会的活動ができなくなるなどの重度の高次脳機能障害が負ったことで、障害者施設の利用費用を含めて2億円の賠償額が認められた事案。
担当弁護士:和氣良浩、笹野皓平
事故の状況
バイク運転中に信号のある交差点を青信号で直進進入したところ、対向車線から右折進行してきた自動車と衝突した。
被害者の年齢と性別
35歳、男性、独身
傷病名
脳挫傷による高次脳機能障害
相談内容
ご家族から、被害者本人が、高次脳機能障害のため、感情抑制ができず、周囲にも暴言を吐いたり、暴力を振るうなど、家族を含めて第三者と適切な関係を築けないなかで、加害者側の保険会社とどのように賠償交渉を進めていけば良いか。
また、このような状態の被害者本人を家族(高齢の母親と40歳独身の兄)で世話をすることはとてもできないため、どうしたら良いか。
弁護士の活躍
ご相談を受け、入院中の被害者本人と面談させて頂きました。面談のときは薬により感情・行動がコントロールされていたため、暴れるなどはありませんでしたが、明らかに正常な反応は示されませんでした。
その後、主治医と面談し、脳損傷の程度が大きく、損傷部位も感情を制御するところであるとの説明を受け、自賠責で、後遺障害等級1級1号であると認定されると予想しました。争点としては、将来介護費用をどの程度まで認められるかでした。
そのほか、争点として過失相殺もありましたが、幸いにも人身傷害保険に加入していたため、過失の有無にかかわらず損害額全額の補償・賠償を受けられる状態であったため、主たる争点ではなくなりました(人身傷害保険により被害者の過失分に相当する損害が補償されます)。
将来介護費用をどの程度、算定すべきかというのが最も重要ですが、その前提として、将来的に被害者にはどのような介護が必要であるのか、そのためにどのような施設が適切であるのか、ということが非常に重要となります。
また、ご家族としても、自宅で家族介護ができない以上、被害者の介護を引き受けてくれる施設があるのか、施設探しが非常に重要になるため、病院のケアマネージャー(介護支援専門員)と連携して、介護施設探しをサポートさせて頂きました。
結果として精神病院に付属している障害者施設に入所させてもらうことができ、その施設から今後、必要な施設利用料などの見積もりや介護計画などの資料をもらいました。
後遺障害は想定通り1級1号が認定され、加害者側保険会社と交渉したところ、裁判をせずに総額2億円の賠償を受けることができました(人身傷害保険金を含む)。 事件解決のなかで成年後見申立ても必要となりましたが、その申立てからその後の手続きまで含めて、弊所として全面的にサポートさせて頂きました。
増額した賠償金
2億円
弁護士費用
約1500万円(成年後見申立て費用など全て含む)
相談者様の声
家族が突然、大変な事故に遭って一命は取り留めたものの、暴力的でとても家族でその後の世話を見ることができないと思い、本当に不安な日々を過ごすなかで、紹介によりブライトさんに相談したところ、専門的でかつ具体的なアドバイスをして頂けたため、信頼してご依頼させて頂きました。
依頼後は、弁護士の先生が全面的に動いてくれて、施設まで見つけてもらい、安心して預けることができました。
本人が施設にお世話になりながらも困らないぐらいの賠償金も獲得してもらいましたし、過失で引かれる損失分も保険でカバーできるというアドバイスをもらい、最終的には全額が補償されたとのことで、本当に満足しています。