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守秘義務

読み方
しゅひぎむ

守秘義務とは

守秘義務(しゅひぎむ)とは、弁護士や法律専門家が業務を遂行するうえで知り得た秘密情報を、第三者に漏らさない義務のことを指します。この義務は倫理的、法的に厳格に守られるべきものであり、顧客の信頼を維持するための重要な要素です。

最近の法律事務所でのデジタル化が進む中、情報漏洩リスクが高まっており、守秘義務はますます重要視されています。

具体的には、弁護士がクライアントとの間で知り得た情報、例えば事実関係、相談内容、証拠資料などを第三者に公開しないことが求められます。この秘密情報は、クライアントの利益の保護、および適切な法的サービスの提供において非常に重要な役割を果たします。

和氣良浩 弁護士

この記事の監修者

和氣 良浩(わけ よしひろ)

弁護士法人ブライト|代表弁護士

弁護士歴20年以上(2006年登録)/大阪弁護士会

「大阪で20年以上、中小企業の企業法務に携わってきた経験から、秘密保持義務は契約書を作って終わりではなく、日々の情報管理体制まで含めて設計することが重要だと感じています。顧問先130社以上の実務で培った知見をもとに、実効性のある秘密保持体制の構築をサポートしています。」

企業における従業員・退職者の秘密保持義務

守秘義務は弁護士だけの義務ではありません。企業法務の場面では、従業員や退職者も、雇用契約書・就業規則・入社時や退職時に締結する秘密保持誓約書(NDA)に基づき、在職中はもちろん退職後も業務上知り得た顧客情報・技術情報・営業秘密などを第三者に開示・利用しない義務を負うのが一般的です。

この秘密保持義務は「情報をどう扱うか」に着目した義務である点で、退職後に競合他社への就職や同種事業の開業といった行為自体を制限する競業避止義務とは性質が異なります。両者が重なり合う場面もありますが、秘密保持義務=情報管理、競業避止義務=行為制限、と整理すると実務上は理解しやすくなります。

企業がこの義務を実効性のあるものにするには、就業規則・NDA・退職時誓約書の整備に加え、秘密情報の範囲を具体的に定義し、アクセス制限や退職時の返還・削除手続きまで運用に落とし込むことが欠かせません。契約書の作成・見直しから社内運用体制の設計まで、自社だけで対応しきるのは容易ではないため、弁護士法人ブライトの顧問弁護士サービスのように、法務部がない会社の「外部法務部」として実務に伴走する専門家の関与が有効です。

守秘義務の法的背景

守秘義務は、様々な法令および倫理規範に根拠を持っています。日本では、弁護士法第23条が守秘義務を明文化しています。これに違反して正当な理由なく秘密を漏らした場合には、弁護士会による懲戒処分を受けるほか、刑法第134条第1項(秘密漏示罪)に基づき刑事罰(罰金や懲役)が科される可能性もあります。

また、国際的にも守秘義務は非常に重要視されており、例えばアメリカの弁護士会(ABA)は「モデルルール」という形で守秘義務について詳細なガイドラインを設けています。

EUのGDPR(一般データ保護規則)に代表されるように、国際的にも個人情報や機密データの保護は厳格化されており、多国籍企業や海外取引を行う企業においても、守秘義務の遵守は極めて重要な課題となっています。

守秘義務の具体例

守秘義務が具体的にどのように適用されるかを理解するために、いくつかの事例を挙げてみます。

法律相談

例として、離婚問題に関する相談を受けた場合、相談者が提供した情報や資料は全て秘密として扱われます。これにはメールの内容や送付された書類、口頭での説明などが含まれます。

弁護士がこれらの情報を同意なく第三者に漏らした場合、守秘義務違反となります。

裁判手続き

裁判手続きにおいても、守秘義務が適用されます。

弁護士はクライアントから得た証拠や戦略情報を適切に管理し、相手方や無関係の第三者に漏らさないようにしなければなりません。特に、証拠保全のために依頼された資料や証言内容については、非常に慎重に取り扱う必要があります。

デジタル時代の守秘義務の課題

現代の法律事務所は、デジタル技術の利用が一般的になっていますが、これに伴い守秘義務の遵守が一層難しくなっています。

クラウドサービスの利用

例えば、多くの法律事務所がクラウドサービスを利用してデータを管理していますが、この場合データ漏洩のリスクが生じます。

クラウドサービスのセキュリティ対策が不十分であると、ハッキングによる情報漏洩が発生する可能性があります。そのため、業務に利用するクラウドサービスの選定には細心の注意が必要です。

リモートワークの進展

また、新型コロナウイルスの影響でリモートワークが一般化したこともあり、法律事務所は在宅勤務環境でも守秘義務を遵守するための対策を強化する必要があります。

具体的には、VPNの利用や強固なパスワード管理、暗号化通信の導入などが挙げられます。

守秘義務違反の結果とその対策

守秘義務違反が発生した場合、法的および社会的な大きな影響があります。

法的制裁と社会的信用の失墜

守秘義務違反が認定された場合、弁護士は懲戒処分を受ける可能性があります。また、クライアントからの訴訟を受けることも考えられます。さらに、弁護士としての社会的信用を失うことにもなり、長期的なキャリアにおいても大きなダメージを受けるでしょう。

違反防止策

このような事態を避けるために、多くの法律事務所では日常的に以下のような対策が講じられています。

  • 定期的なセキュリティトレーニングの実施
  • 情報管理システムの強化
  • クライアントとの守秘義務契約の確認・更新

以上の対策を適切に実施することで、守秘義務の違反を未然に防ぎ、クライアントの信頼を維持することができます。

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