給付基礎日額
給付基礎日額とは
給付基礎日額(きゅうふきそにちがく)とは、労働者が労災発生時や疾病の発生確定時において、賃金に基づいて給付を受ける際に基準となる金額のことです。
この金額は、労働基準法に基づく労災保険制度において非常に重要な役割を担っており、具体的には労災発生日の直前3カ月間に支給された賃金総額を暦日数(休日を含む)で割った金額となります。この基礎日額は、保険給付の計算に用いられ、労働者が受け取る給付額を決定する重要な指標の一つです。
給付基礎日額の計算方法
給付基礎日額の計算方法は、給与の総額を暦日数で割るというシンプルな方法に基づいています。
- 労災発生直前の3カ月間に支給された総賃金(税金や社会保険料などの控除前の額面)を集計します。
- この総賃金に、ボーナスや特別手当など臨時に支給されるものは含まれませんが、通勤手当や住宅手当など定期的に支給される手当は含めます。
- 次に、総賃金額を、その期間の暦日数(休日も含む)で割ります。
例えば、3カ月間の総賃金が90万円で暦日数が90日であれば、給付基礎日額は90万円÷90日=1万円となります。
具体的な使用例
ある労働者が労災により休業することになった場合を考えましょう。休業補償給付は、労働者が休業した日数に対して支給されるもので、給付基礎日額の60%が支給されます。例えば、給付基礎日額が1万円の場合、1日の休業に対して6,000円が支給されます。
また、傷病補償年金や障害補償年金の場合も、給付基礎日額に基づく計算が行われます。そのため、給付基礎日額は労災保険において非常に重要な役割を果たしています。
給付基礎日額の見直し
給付基礎日額は、一度決定された後も状況に応じて見直しがされる場合があります。例えば、長期間にわたって休業する場合や、労災の症状が改善しない場合などが該当します。給付基礎日額の見直しは、労働者が公平かつ適正な給付を受けるための重要な手続きの一環です。