LINE相談

HOME> 用語集 一覧> 50音 た行 > 治ゆ

治ゆ

読み方
ちゆ

治ゆとは

治ゆ(ちゆ)とは、労災保険や交通事故の損害賠償などの文脈で使用される法律用語で、必ずしも「完全に回復した状態」を意味するものではありません。むしろ、一般的には傷病の症状が安定し、医学上一般に認められた治療を行ってもこれ以上の回復が見込めない状態、すなわち「症状固定」の状態を指します

治ゆの具体的な意味

労災保険における治ゆ

労災保険における「治ゆ」とは、業務上の負傷や疾病に対する治療の結果、症状が安定し、さらに医学的に一般に認められた治療を行ってもそれ以上の改善が期待できない状態を指します。

これは、「完全な回復」ではなく、むしろ「これ以上治療を行っても効果が期待できない」状態を意味します。

  • 負傷の場合:創面が癒合し、症状が安定した状態
  • 疾病の場合:急性症状が消退し、慢性症状が持続しても安定している状態

具体例

例えば、交通事故で骨折した場合、骨が完全に治癒しないが、これ以上の治療を行っても症状の改善が見込めない状態で「治ゆ」と判断されます。この場合、通院やリハビリを続けても、日常生活における症状の改善が見られない場合が該当します。

治ゆと後遺障害

治ゆの状態になった後でも、傷病の後遺症が残る場合があります。労災保険や自動車保険では、後遺障害が認定されることがあります。後遺障害の等級認定は、治ゆ後に行われる面談や医師の診断書に基づいて決定されます。

  • 治ゆ後の面談:労災保険の場合、労基署の担当者が被災労働者との面談を行い、症状の確認を行います。
  • 医師の診断書:後遺障害の等級認定には、主治医による詳細な診断書が重要です。

後遺障害認定のポイント

  1. 通院・検査の継続:主治医の指示に従い、継続的に治療を受けることが重要です。治療を途中でやめると、適切な後遺障害認定を受けられない可能性があります。
  2. 事故発生直後の検査記録:事故直後の検査記録は、傷病と事故との因果関係を証明するために重要です。
  3. 説得力のある診断書・意見書:医師による詳細な診断書や意見書が後遺障害認定において重要な役割を果たします。

治ゆの判断基準

治ゆの判断は医学的見地から行われます。一般的に以下の基準が考慮されます。

  • 症状の安定性:症状が安定し、医学上一般に認められた治療を行っても改善が見込めない状態。
  • 治療効果の限界:治療を行ってもこれ以上の改善が見込めない状態。

例えば、骨折後の理学療法を続けても、運動障害が一時的に改善するが、翌日には元の状態に戻るといった場合は、「治ゆ」と判断されます。

「治ゆ」は法的に重要な概念であり、その判断は適切な医療と診断に基づいて行われます。したがって、被災労働者や事故被害者は、治療の過程で主治医との連携を密にし、適切な診断書を得ることが重要です。

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-4965-9590

※受付時間 9:00-18:00