このページは、労災死亡/通勤災害と業務上災害の境界線について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 通勤災害は住居と就業場所の合理的経路・方法での移動中の災害
- 逸脱・中断(寄り道・買い物等)があると原則として通勤災害不認定
- 日常生活に必要な行為(病院・育児・買い物)は例外的に認められる
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通勤災害と業務上災害の違い
労災保険では、(1)業務上災害(労働基準法上)、(2)通勤災害(労働者災害補償保険法)、を区別します。給付内容はほぼ同じですが、認定要件が異なります。
業務上災害:業務遂行中・業務に起因する事故。事業主の支配下での事故が中心。
通勤災害:住居と就業場所間の合理的経路・方法での移動中の災害。事業主の支配下にない事故も含む。
通勤災害の3要件
通勤災害として認定されるには、以下の3要件を満たす必要があります(労災保険法7条2項)。
(1) 就業に関連する移動:(a)住居と就業場所間、(b)複数就業場所間(副業先間も含む)、(c)単身赴任先と帰省先間
(2) 合理的経路・方法:通常用いる経路と方法。複数の合理的経路があれば いずれも通勤
(3) 業務性のない移動:業務命令での移動は通勤災害ではなく業務上災害扱い
逸脱・中断の原則と例外
通勤中に「逸脱・中断」(寄り道・買い物等)があると、その時点以降は原則として通勤と認められません。但し、「日常生活に必要な行為」のうち厚生労働省令で定めるものは例外的に通勤として認められます(労災保険則8条)。
例外として認められる行為:(1)日用品の購入、(2)職業訓練・教育訓練、(3)選挙権の行使、(4)病院・診療所での受診、(5)父母兄弟姉妹・子の介護(継続的反復的行為)。これらは「中断時間中は通勤と認められないが、再度通勤に戻れば通勤として認められる」というルールです。
具体例:認定される/されないケース
(A) 認定されるケース:(1)帰宅途中にスーパーで夕食食材購入→事故、(2)病院に立ち寄った帰途で事故、(3)子の保育園送迎中の事故、(4)介護施設にいる親の見舞い帰途の事故、(5)複数勤務先間の移動中の事故
(B) 認定されないケース:(1)友人との食事会で長時間滞在後の事故、(2)趣味のジムに立ち寄って運動後の事故、(3)恋人宅・友人宅に泊まった翌朝の通勤事故、(4)勤務後に飲み会参加で泥酔状態の事故、(5)通常経路を大幅に外れた寄り道中の事故
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テレワーク時代の通勤災害論点
コロナ禍以降、テレワークが普及し、通勤災害の認定が複雑化しています。
(1) 在宅勤務日の自宅内事故:原則として業務上災害(業務に従事中の事故)として認定可能
(2) 在宅勤務とオフィス勤務の混在:オフィス出社日のみ通勤災害ルール適用
(3) サテライトオフィス出社:合理的経路・方法であれば通勤災害
(4) 在宅勤務中の私的活動中の事故:認定不可(昼食準備・育児・家事との切り分けが論点)
通勤災害と交通事故の交錯
通勤災害が交通事故である場合、(1)労災保険の通勤災害給付、(2)加害者・加害者保険会社への損害賠償請求、を並行して進めます。両者は損益相殺の対象となるため、専門的計算が必要です。
注意点:通勤災害は会社の安全配慮義務違反としての請求対象になりにくい(事業主の支配下にない事故のため)。但し、(1)会社が車通勤を強制していた、(2)危険な経路を指定していた、(3)勤務時間が原因で危険な時間帯の通勤になった、等の場合は会社責任を主張する余地があります。
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ブライトの通勤災害サポート
弁護士法人ブライトは、通勤災害事案で(1)通勤性・経路の合理性主張、(2)逸脱・中断の例外該当性主張、(3)交通事故ある場合の加害者賠償と労災給付の併行請求、(4)テレワーク事案の業務上災害認定、を一括サポートします。
「寄り道していたから通勤ではない」と諦める前にご相談ください。例外規定の活用で認定される事案が多数あります。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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