このページは、死亡事故×相続/賠償金で取得した不動産の相続税評価減について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 現金1億円→不動産購入で評価6,000万円程度に下落(路線価評価)
- 賃貸物件にすればさらに借家権・貸家建付地で20〜30%減
- 居住用なら小規模宅地等の特例で最大80%減
死亡事故・労災事故のご遺族からのご相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
賠償金1億円の保有方法による相続税の差
死亡事故賠償金1億円を受領後、(1)現金で保有、(2)居住用不動産購入、(3)賃貸用不動産購入、で将来の相続税が大きく変わります。
例:相続財産が賠償金由来の1億円のみ・相続人は子1名・基礎控除3,600万円のケース。
(1) 現金1億円→課税対象6,400万円→税額1,220万円
(2) 居住用不動産1億円(路線価評価6,000万円)→小規模宅地80%減で1,200万円→基礎控除超え0円→税額0円
(3) 賃貸用不動産1億円(路線価6,000万円・貸家建付地20%減・借家権30%減で約3,360万円)→課税対象0円→税額0円
路線価評価のしくみ
不動産の相続税評価は実勢価格(売買価格)ではなく、(1)土地は路線価、(2)建物は固定資産税評価額、で評価されます。一般的に:
(A) 土地:路線価は実勢価格の約80%(地域差あり)
(B) 建物:固定資産税評価額は実勢価格の約60%(築年数で減価)
つまり、現金1億円で実勢価格1億円の不動産を買うと、相続税評価額は約6,000〜7,000万円に下がります。これだけで30〜40%の評価減です。
貸家建付地・借家権による追加評価減
賃貸用不動産にすると、さらに評価が下がります。
(A) 貸家建付地:自用地評価 × (1 – 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)。借地権60%・借家権30%・満室なら(1 – 0.18) = 0.82。土地評価が18%減
(B) 貸家:固定資産税評価額 × (1 – 借家権割合 × 賃貸割合)。30%減
(C) 小規模宅地等の特例(貸付事業用):200㎡まで50%減
これらを組み合わせると、現金1億円が相続税評価3,000〜4,000万円程度まで圧縮されることもあります。
居住用不動産+小規模宅地等の特例(80%減)
賠償金で居住用不動産を購入し、要件を満たして小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等330㎡まで80%減)を適用すると、最も強力な節税効果になります。
例:路線価6,000万円の自宅 → 80%減で1,200万円。基礎控除(3,600万円〜)の範囲内に収まり、相続税0円。賠償金1億円が次世代に無税で移転できます。
適用要件は配偶者・同居親族・家なき子の別で異なるため、購入前に税理士・弁護士と相談することが重要です。
死亡事故・労災事故のご遺族からのご相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
タワマン節税封じと評価ルール改正
2024年から「タワマン節税封じ」のルールが導入され、市場価格と相続税評価額の乖離率が一定以上のマンションは評価減効果が薄まりました。
新ルールでは、(評価額 ÷ 市場価格) が0.6未満の場合に評価額を補正係数で引き上げ。築浅高層階タワマンが対象。一方で、戸建て・低層マンション・築古物件はルール適用外なので、節税余地は依然残ります。
賠償金で不動産購入を検討する際は、最新の評価ルールを踏まえて物件選定するようご注意ください。
不動産購入のリスクと判断軸
節税効果は大きい一方、不動産購入には以下のリスクがあります。
(1) 流動性:売却に時間がかかる。緊急の資金需要に対応しにくい
(2) 維持コスト:固定資産税・管理費・修繕費の継続負担
(3) 価格変動:節税額より大きな含み損リスク
(4) 賃貸経営の手間:空室・トラブル・税務申告
判断軸:(1)10年以上保有できるか、(2)賃貸需要のあるエリアか、(3)管理を任せる体制があるか、を確認。即金性が必要なご遺族は現金保有または金融商品の方が適切なこともあります。
死亡事故・労災事故のご遺族からのご相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
ブライトの賠償金×不動産取得サポート
弁護士法人ブライトは、死亡事故・労災死亡事案で(1)損害賠償交渉、(2)賠償金受領後の資産設計(提携税理士・不動産業者)、(3)居住用・賃貸用の物件選定アドバイス、(4)購入後の小規模宅地等の特例適用設計、を一括サポートします。
「賠償金は現金で取っておく」が必ずしも最善ではありません。次世代への確実な承継を目指すなら、賠償金確定段階から不動産活用を視野に入れることをお勧めします。
同じテーマの関連記事
監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
▶ ご相談・お問い合わせ
死亡事故・労災事故のご遺族からのご相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)