このページは、死亡事故×相続税/小規模宅地等の特例で自宅評価8割減について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 居住用宅地330㎡まで評価80%減(特定居住用宅地等)
- 配偶者は無条件で適用可。子は同居か「家なき子」要件を満たす必要
- 相続税申告期限まで未分割だと一時的に適用不可。3年以内の分割見込書を必ず提出
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小規模宅地等の特例とは
小規模宅地等の特例(租税特別措置法69条の4)は、被相続人が住んでいた自宅・事業に使っていた土地について、相続税評価額を大幅に減額できる制度です。死亡事故で高齢被害者が自宅を残して亡くなった場合、この特例の活用可否が相続税額を大きく左右します。
(1) 特定居住用宅地等:居住用宅地330㎡まで80%減
(2) 特定事業用宅地等:事業用宅地400㎡まで80%減
(3) 貸付事業用宅地等:賃貸用宅地200㎡まで50%減
特定居住用宅地等の適用要件(相続人別)
居住用宅地80%減を受ける要件は相続人によって異なります。
(A) 配偶者:無条件で適用可(同居・別居を問わない、相続後に売却しても可)
(B) 同居親族:相続税申告期限まで居住継続+所有継続
(C) 別居親族(家なき子):(1)被相続人に配偶者・同居相続人がいない、(2)相続開始前3年間自分・配偶者・3親等内親族・特別関係法人の所有家屋に居住していない、(3)相続開始時に居住している家屋を過去に所有していない、(4)申告期限まで所有継続
(C)の家なき子要件は2018年改正で大幅厳格化。「相続税対策のために子の名義を実家から外す」スキームは封じられました。
評価額への影響:5,000万円自宅の例
例:被害者の自宅評価5,000万円(330㎡以内)の場合:
(1) 特例なし:5,000万円が相続財産
(2) 特例適用:5,000万円 × (1 – 0.80) = 1,000万円が相続財産
差額4,000万円が相続財産から減るため、相続税率20%なら800万円の節税効果。30%なら1,200万円の節税効果。
死亡事故賠償金との関係
死亡事故の賠償金(慰謝料・逸失利益)は所得税・相続税ともに原則非課税ですが、(1)被害者の他財産(自宅・預貯金)の相続税は別途課税、(2)賠償金で取得した不動産の二次相続では課税対象、です。
賠償金で新たに不動産を取得する場合、(1)居住用→将来の小規模宅地適用要件を満たすか、(2)賃貸用→200㎡まで50%減、(3)事業用→400㎡まで80%減、を考えて取得する種類を選択します。「賠償金で投資マンション購入」は二次相続まで考えると合理的なケースが多いです。
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未分割申告のときの特例適用
死亡事故では賠償金確定が遅れるため、相続税申告期限(10ヶ月)までに遺産分割が未了になりがち。未分割申告では小規模宅地等の特例は一時的に適用できません。
対策:申告期限内に「申告期限後3年以内の分割見込書」を税務署に提出。3年以内に遺産分割が確定すれば、特例を遡及適用して税額還付を受けられます。やむを得ない事情で3年以内に分割できない場合は、3年経過後2ヶ月以内に「やむを得ない事由がある旨の承認申請書」を提出します。
配偶者居住権との組み合わせ
2020年施行の配偶者居住権と組み合わせると、配偶者が居住権(評価額低)を取得し、子が所有権(評価額低)を取得する設計が可能。両者ともに小規模宅地等の特例が使えるため、二次相続まで含めた節税効果がさらに大きくなります。
例:自宅5,000万円→配偶者居住権2,500万円(80%減で500万円)+子の所有権2,500万円(80%減で500万円)=合計1,000万円の課税。配偶者死亡時に居住権は消滅し、子の所有権が完全になる(二次相続なし)ため、二段階節税が成立します。
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ブライトの小規模宅地×死亡事故サポート
弁護士法人ブライトは、死亡事故・労災死亡事案で(1)損害賠償交渉、(2)相続人と居住状況の確定、(3)小規模宅地等の特例適用シミュレーション(提携税理士)、(4)申告期限後3年以内の分割見込書手続き、を一括サポートします。
「賠償金は来年確定するから相続税申告は後でいい」は危険。10ヶ月期限内の対応が、特例適用可否を決めます。早期にご相談ください。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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