このページは、死亡事故・労災死亡/遺産分割協議書に賠償金を含めるべき?相続人複数のときの実務について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 死亡事故の損害賠償請求権は相続財産扱い。遺産分割協議の対象に含めるのが原則
- 一括受領後の分配トラブル防止のため「賠償金分配合意書」を別途作成するのが実務
- 遺族年金は受給権者固有の権利で遺産分割対象外。混同しないこと
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死亡事故の損害賠償請求権は相続財産か
死亡事故で発生した損害賠償請求権は、被害者が死亡した瞬間に相続人へ承継される財産です。判例上「相続性肯定説」が確立しており、慰謝料も逸失利益も相続財産として扱います(最判昭和42年11月1日)。
したがって、遺産分割協議書に「不動産」「預貯金」と並んで「対●●株式会社に対する損害賠償請求権」として記載すべきです。実務では、加害者・保険会社との示談がまとまった後の「示談金●●円」を協議対象とすることが多くなります。
法定相続分どおりか・寄与分を考慮するか
賠償金の分配は原則として法定相続分どおりですが、生前に被害者の介護を担っていた相続人がいる場合、「寄与分」(民法904条の2)を主張できる余地があります。死亡事故では生前期間が短いため寄与分が認められにくいですが、長年同居・介護していたケースは検討価値があります。
また、近親者固有の慰謝料(民法711条)は受給者固有の権利で遺産分割対象外。配偶者・子・父母それぞれが個別に請求し、個別に受領します。
一括受領→分配のときの「賠償金分配合意書」
保険会社は通常「代表相続人」に一括振込します。代表者が他相続人へ分配する際、後日「振込が少ない」「税金分を引かれた」とトラブルになる例が多発しています。
そのため、示談前に「賠償金分配合意書」を作成し、(1)代表受領者、(2)各相続人への分配額、(3)分配時期、(4)弁護士費用・税金の負担方法を明記しておくのが実務の鉄則です。弁護士が示談書と同時に作成すれば、後日の紛争を防げます。
遺産分割協議書に書くか・別書面にするか
賠償金を「遺産分割協議書」に書くか、「分配合意書」を別書面にするかは実務判断です。
(1) 不動産・預貯金と同時並行:遺産分割協議書に1つの財産として記載する方がシンプル。
(2) 示談未了で長期化:遺産分割協議は他財産で先行し、賠償金は別途分配合意書で処理する方が機動的。
当事務所では(2)が多く、相続税申告期限(10ヶ月)を意識した分業を推奨しています。
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相続税申告との関係
死亡事故の損害賠償金は「非課税」(相続税法基本通達3-10)。ただし、申告書には「非課税財産」として記載が必要なケースもあります。
注意したいのは、示談未了のまま申告期限(死亡から10ヶ月)が来る場合。後日確定した賠償金は所得税の対象にもなりませんが、税理士・弁護士が連携して「みなし相続財産」「未収金」の扱いを決める必要があります。
遺族年金・生命保険との切り分け
遺族厚生年金・遺族基礎年金は受給権者固有の権利で、遺産分割対象外(最判平成7年11月7日)。生命保険金も「受取人固有の財産」として遺産分割対象外が原則です。
これらを混ぜて協議すると、(1)他相続人から「公平でない」と争いになる、(2)税務上も贈与とみなされるリスクがあります。賠償金・年金・保険金は「3つの別財布」と理解し、それぞれ別々に処理しましょう。
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ブライトの遺産分割×賠償金一体サポート
弁護士法人ブライトは、(1)交通事故・労災の損害賠償交渉、(2)相続人確定(戸籍調査)、(3)遺産分割協議書・賠償金分配合意書作成、(4)相続税申告(提携税理士)まで一気通貫で対応します。
賠償金の分配は「金額が大きい」「相続人間の関係が壊れやすい」という二重の難しさがあります。弁護士が中立調整役として入ることで、ご遺族間の関係を守りながら適正な分配を実現できます。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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