このページは、死亡事故×相続/配偶者居住権で遺された配偶者の住まいを守るについて、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 配偶者居住権は2020年4月施行。配偶者は自宅に住み続けながら、他財産も多く受け取れる
- 死亡事故では「自宅は子に・配偶者居住権は妻に」とすれば、賠償金を妻に多く配分できる
- 居住権は遺産分割協議または遺言で設定。登記が対抗要件
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配偶者居住権とは何か
配偶者居住権は、2020年4月施行の改正民法で新設された制度です(民法1028条)。被相続人が所有していた建物に、配偶者が無償で住み続けられる権利で、所有権より価値が低く設定できます。
例:自宅評価額3,000万円の場合、所有権を子(評価1,500万円)、配偶者居住権を妻(評価1,500万円)と分けると、妻は自宅に住みながら預貯金・賠償金から1,500万円相当を別途受け取れる。これが配偶者保護の核です。
死亡事故ケースで配偶者居住権を活かす場面
夫が死亡事故で亡くなり、相続人が妻と子2人。自宅3,000万円、預貯金1,000万円、損害賠償金5,000万円のケース。
(1) 配偶者居住権なし:妻は自宅(3,000万円)を取得+預貯金250万円+賠償金1,250万円=法定相続分1/2の4,500万円を埋めるため、自宅取得後の現金は1,500万円のみ。
(2) 配偶者居住権あり:妻は居住権(1,500万円)+預貯金500万円+賠償金2,500万円=合計4,500万円。住まいを確保しつつ、現金を3,000万円受け取れる。
つまり、配偶者居住権を使うことで、賠償金からより多くを生活資金として確保できます。これが死亡事故ケースで有用な理由です。
設定方法:遺産分割協議・遺言・調停
配偶者居住権は、(1)遺産分割協議、(2)遺言(遺贈)、(3)家庭裁判所の遺産分割調停・審判で設定できます。
遺言で設定する場合は「配偶者●●に対し、別紙物件目録記載の建物につき配偶者居住権を遺贈する」と明記。遺産分割協議で設定する場合は、協議書に同様の文言を入れます。設定後は法務局で「配偶者居住権の設定登記」を行い、第三者対抗要件を備えます。
評価方法(簡易計算式)
配偶者居住権の評価は国税庁の公式に基づきます(相続税法23条の2)。簡易計算式:
建物評価額 × {(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数} × 複利現価率
例:木造建物(耐用年数33年)、築15年、配偶者60歳(平均余命約29年)の場合、複利現価率や法定耐用年数の関係で、所有権の約30〜50%が居住権評価になります。詳細は税理士に確認しますが、目安として「自宅評価の半分が配偶者居住権」と覚えておくと便利です。
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配偶者居住権の消滅と譲渡禁止
配偶者居住権は配偶者の死亡により消滅し、所有者(子)に完全な所有権が戻ります。これにより、配偶者死亡時に二次相続税が発生しないというメリットがあります。
一方、配偶者居住権は譲渡できません(民法1032条2項)。売却して現金化はできないため、「将来の介護施設入居資金として売却したい」場合は不向きです。施設入居が予測される場合は、配偶者居住権ではなく自宅所有権を取得する選択肢も検討します。
死亡事故賠償金との合算設計
死亡事故では損害賠償金が数千万円〜1億円規模になることもあります。この賠償金を配偶者居住権と組み合わせれば、ご遺族の生活設計が大きく変わります。
(1) 配偶者居住権で住まい確保、(2) 賠償金で生活費・介護費・教育費を確保、(3) 自宅所有権は子に承継、という三段階設計が可能。これは「住まい・生活・将来」の3層を弁護士が一括設計する死亡事故賠償×相続の実務です。
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ブライトの配偶者居住権設計サポート
弁護士法人ブライトは、死亡事故・労災死亡事案で(1)損害賠償交渉、(2)配偶者居住権設定(遺産分割協議書・登記)、(3)税務シミュレーション(提携税理士)を一括対応します。
「住まいと生活費の両方を守りたい」というご遺族の願いを、賠償金と相続制度の組み合わせで実現します。配偶者居住権は2020年新設の比較的新しい制度。専門家でも経験差が大きいため、死亡事故・相続両方を扱う事務所への相談をお勧めします。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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