「相手の保険会社からきた示談提示額が、明らかに低い気がする」「弁護士に相談したら『裁判基準ならあと200万円増える』と言われたが、訴訟は時間も費用も重くて踏み切れない」――そんなときに有力な選択肢になるのが、公益財団法人 交通事故紛争処理センター(以下「紛セ」)への申立てです。
紛セは、訴訟ではない裁判外紛争解決手続(ADR)でありながら、裁判基準(赤本基準)に近い和解案を引き出せる、被害者にとって極めて有利な制度です。利用料は無料で、原則として2〜4か月で結論が出ます。にもかかわらず、相手任意保険会社の担当者がこの制度を案内してくることはほとんどありません。
その理由はシンプルです。保険会社にとって、紛セは「払いたくない金額を払わされる場所」だからです。本記事では、なぜ保険会社が紛セを嫌がるのか、紛セの仕組み・申立ての流れ・期間・費用、そして弁護士法人ブライトが赤本9割を狙うために紛セをどう活用しているかを、徹底的にご説明します。

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1. 保険会社の提示に納得できない|でも訴訟は重い、という被害者の声
1-1. 「赤本基準より大幅に低い」事前提示が来るのはなぜか
事故から数か月、治療が一段落したタイミングで、相手の任意保険会社から「損害賠償額のご提示」と題した書類が届きます。慰謝料・休業損害・逸失利益・治療費等の項目が並び、合計金額が太字で書かれています。
多くの被害者は、この金額が「相場」だと思って受け取ります。しかし弁護士に相談すると、しばしば次のように言われます。
- 「入通院慰謝料は赤本(裁判基準)の6〜7割しか提示されていません」
- 「主婦休業損害がまったく計上されていません」
- 「後遺障害逸失利益のライプニッツ係数が短く取られています」
- 「過失割合が一方的に被害者に不利な数字で組まれています」
これは保険会社が悪意で低く出しているというより、「示談で終わるなら任意保険基準で十分」「弁護士が出てこない限り赤本基準は払わない」という保険会社側の運用ロジックの結果です。逆に言えば、弁護士が介入し、然るべき場(紛セ・訴訟)に持ち込めば、賠償額は跳ね上がるということです。
1-2. 「訴訟は重い」と感じる被害者心理
では、低い提示に納得いかない被害者は、すぐに訴訟に踏み切れるかというと、そう簡単ではありません。実務上、訴訟には次のような心理的・物理的負担があります。
- 期間が読めない:判決まで1年〜1年半が一般的、長引けば2年超
- 費用負担への不安:印紙代・郵券・弁護士費用(LACがなければ自己負担)
- 本人尋問への抵抗感:法廷で相手側代理人から反対尋問を受ける
- 「裁判沙汰」への心理的ブレーキ:周囲に知られたくない
- 判決リスク:和解できなければ判決、判決内容が想定より低い可能性
「示談は安すぎる、でも訴訟は重い」――この狭間で立ち止まる被害者が選べる、もう一つのルートが紛セです。
1-3. なぜ紛セは保険会社から案内されないのか
多くの被害者は、保険会社の担当者から「ご納得いただけないようでしたら、紛争処理センターに申立てをすることもできますよ」と案内されることはまずありません。理由は明白で、紛セは保険会社にとって不利な制度だからです。次章以降で詳しくご説明します。

2. 交通事故紛争処理センター(紛セ)とは
2-1. 法務省・金融庁認可の公益ADR機関
交通事故紛争処理センターは、公益財団法人として運営される、交通事故に関する裁判外紛争解決手続(ADR)機関です。法務大臣・金融庁・国土交通省の認可を受けており、中立的立場から交通事故の和解あっ旋・審査を行います。
全国に本部・支部・相談室があり、東京本部のほか、札幌・仙台・さいたま・名古屋・大阪・広島・高松・福岡等に拠点があります。被害者は最寄りの拠点に申立てができます。
2-2. 紛セの3つの段階
紛セの手続きは、大きく次の3段階で進みます。
| 段階 | 内容 | 主体 |
|---|---|---|
| (1) 法律相談 | 申立人(被害者)が紛セの嘱託弁護士に事案を相談 | 嘱託弁護士 |
| (2) 和解あっ旋 | 嘱託弁護士があっ旋人となり、被害者・保険会社双方の主張を聞き、和解案を提示 | 嘱託弁護士(あっ旋人) |
| (3) 審査(裁定) | あっ旋案に保険会社が応じない場合、3名の審査員による審査会で裁定 | 審査会(弁護士・学識経験者) |
2-3. 申立てができる事案・できない事案
紛セで取り扱える事案には一定の範囲があります。
- 取扱対象:自動車(原付・バイク含む)による交通事故で、自賠責保険・任意保険会社・JA共済等が相手方となる人身損害・物損案件
- 原則対象外:加害者個人を相手とする案件(無保険車事故等)、自転車対自転車等で自動車保険が絡まない事故、訴訟係属中の事案
つまり、相手方に任意保険(または共済)がついている通常の交通事故であれば、ほぼすべての類型で紛セを利用できます。

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3. なぜ保険会社は紛セを嫌がるのか|3つの構造的理由
3-1. 理由①:あっ旋案が裁判基準(赤本)寄りで出る
紛セのあっ旋人は、東京三弁護士会・大阪弁護士会等の経験豊富な弁護士です。彼らは日頃から交通事故訴訟の実務に携わっており、判断基準は当然「赤本(民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準)」を中心とした裁判基準です。
このため、紛セで出てくる和解あっ旋案は、相手保険会社が示談段階で提示してきた任意保険基準の金額とは比較にならないほど、裁判基準寄りの水準になります。具体的には次のような違いが生じます。
| 項目 | 任意保険基準(示談提示) | 紛セあっ旋案 |
|---|---|---|
| 入通院慰謝料 | 赤本の60〜70%水準 | 赤本の85〜95%水準 |
| 後遺障害慰謝料 | 自賠責基準+α | 赤本基準ほぼ満額 |
| 休業損害 | 主婦休損は限定的 | 裁判基準どおり計上 |
| 逸失利益 | 労働能力喪失期間を短縮 | 赤本の標準的な期間で計算 |
同じ事案でも、紛セに持ち込むだけで賠償総額が1.5倍〜2倍になるケースは珍しくありません。
3-2. 理由②:審査(裁定)に保険会社は事実上拘束される
紛セの最大の特徴は、審査(裁定)結果に対して保険会社側が原則として拘束される点にあります。
仕組みはこうです。あっ旋段階で和解案が出ても、保険会社が「この金額では本社決裁が通らない」等として応じない場合があります。その際、被害者(申立人)は審査の申立てができます。3名の審査員(弁護士・学識経験者)による審査会が開かれ、裁定が下されます。
この裁定について、申立人(被害者)が同意すれば、保険会社側は原則として裁定を尊重しなければならないという運用ルールが、各保険会社と紛セの間で確立されています。これは、保険会社が紛セの認可・公益性を尊重する立場から、業界全体で受け入れているスキームです。
つまり、保険会社にとって紛セは、「行ったら最後、あっ旋・裁定で出た金額を払わされる」場所なのです。だからこそ示談段階で被害者を紛セに行かせたくない、というのが本音です。
3-3. 理由③:訴訟と違って遅延損害金・弁護士費用は基本付かないが、本体額が大きく上がる
訴訟になると、保険会社は本体額のほかに遅延損害金(年3%)・弁護士費用相当額(認容額の約10%)を上乗せで支払う可能性があります。これを避けるため、保険会社は紛セ段階で和解する動機もあります。
しかし紛セあっ旋では、遅延損害金・弁護士費用は基本的に和解金額に含まれない運用です。一見、保険会社に有利に見えますが、本体額(慰謝料・逸失利益等)が裁判基準ベースで大きく上がるため、トータルでの保険会社の支出は示談に比べて大きく増えます。
結局、保険会社にとっては「示談で安く終わらせたい→できなければ紛セで赤本寄りに払う→それも嫌なら訴訟リスクを呑む」という構図になっており、紛セは『中庸でありながら被害者有利』な制度設計になっているのです。

4. 紛セ申立ての流れ|6ステップで完了する手続き
4-1. ステップ①:申立て(電話または書面)
申立ては最寄りの紛セ拠点に電話または郵送で行います。電話で初回相談日を予約し、所定の申立書(紛セのHPからダウンロード可能)に必要事項を記入します。申立て自体は無料で、印紙等の費用は一切かかりません。
4-2. ステップ②:法律相談(初回相談)
申立て受理後、初回の法律相談が設定されます。担当の嘱託弁護士が、被害者の事故概要・治療経過・相手保険会社の提示内容を聞き取り、争点を整理します。所要時間は1〜2時間程度です。
4-3. ステップ③:相手保険会社への通知・主張書面の交換
紛セから相手任意保険会社に申立て受理の通知が送られ、相手保険会社の担当者(または代理人弁護士)が手続きに参加します。被害者側は主張書面(請求の根拠を整理した書面)と関連証拠を提出します。相手側も反論書面を提出します。
4-4. ステップ④:和解あっ旋期日(複数回)
嘱託弁護士があっ旋人となり、双方を交互に呼び出して主張を聞き、争点を絞り込みます。期日は通常2〜4回程度開かれます。1回あたり1〜2時間です。あっ旋人は中立ですが、双方の言い分を聞いた上で「この事案であれば、慰謝料はこの水準が相当」といった具体的な水準感を提示します。
4-5. ステップ⑤:あっ旋案の提示
主張・反論が出尽くした段階で、あっ旋人から和解あっ旋案が提示されます。被害者・保険会社双方が同意すれば、その内容で和解書を作成し、終了します。
4-6. ステップ⑥:審査(あっ旋不調の場合)
保険会社があっ旋案に同意しない場合、被害者は審査の申立てができます。3名の審査員による審査会で裁定が下され、被害者が同意すれば保険会社は原則として裁定に従う、という流れです。
| ステップ | 所要期間目安 | 被害者の主な作業 |
|---|---|---|
| ①申立て | 当日〜1週間 | 申立書の作成・送付 |
| ②初回法律相談 | 申立てから2〜4週間後 | 事案の説明 |
| ③主張書面の交換 | 1〜2か月 | 主張・証拠の提出 |
| ④和解あっ旋期日 | 2〜4回(1〜3か月) | 必要に応じ出席 |
| ⑤あっ旋案提示・同意 | 1〜2週間 | 同意可否の判断 |
| ⑥(必要時)審査 | 1〜3か月 | 審査申立て |
全体の所要期間は、平均で申立てから3〜6か月。訴訟(1〜2年)に比べて圧倒的に早く結論が出ます。
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5. 紛セで満額勝ち取るための3つのポイント|弁護士介入の意味
5-1. ポイント①:陳述書(申立書)の質が結果を左右する
紛セのあっ旋人は経験豊富な弁護士ですが、事案を理解する素材は申立人側が提出する書面と証拠です。事案の事実関係・受傷の機序・治療経過・現在の症状・賠償項目ごとの根拠を、論理的かつ過不足なく整理した主張書面・陳述書を提出できるかどうかで、あっ旋案の水準は大きく変わります。
ご自身で申立てた場合、書面は手書きの「言い分」になりがちで、争点の整理・赤本基準による損害計算・判例引用・写真や図面の効果的な使い方等が抜け落ちます。結果として、あっ旋人も「証拠と主張が弱いので、この水準まで」と判断せざるを得ません。
弁護士が介入することで、陳述書・主張書面は「赤本のどの基準のどの数字に基づき、いくら請求するか」「なぜその過失割合が妥当か」「なぜその通院期間が必要だったか」を、判例・証拠と紐づけて主張できる構成になります。
5-2. ポイント②:後遺障害・過失割合の事前整備
紛セは「賠償額の交渉の場」ですので、後遺障害等級・過失割合といった『前提条件』は紛セ申立て前にできるだけ確定させておく必要があります。
- 後遺障害:被害者請求で適切な等級を獲得しておく(事前認定で進められた事案は要見直し)
- 過失割合:刑事記録(実況見分調書)・ドラレコ映像・目撃者陳述等の客観的証拠で、自分に有利な過失割合を主張できる材料を整える
- 治療経過:症状固定までの通院実日数・整形外科と整骨院の役割分担を明確化
これらの「前提条件」を整備しないまま紛セに突入すると、あっ旋段階で前提を争う羽目になり、和解水準が思うように上がりません。
5-3. ポイント③:あっ旋人との「相場感」のすり合わせ
紛セのあっ旋人は、複数の弁護士が交代で担当します。あっ旋人によって、相場感や和解案の作り方には個性があります。経験のある弁護士は、あっ旋人の判断傾向を踏まえて、どの主張をどこまで強く出すかを調整します。
たとえば「この種の事案では、あっ旋人はまず赤本8割で和解案を作りがち。9割を引き出すには、追加でこの判例とこの証拠を出す必要がある」といった戦略的判断は、紛セを多数経験している弁護士でなければ難しい部分です。
6. 訴訟との比較|紛セを選ぶべき場合・訴訟を選ぶべき場合
6-1. 紛セと訴訟の比較表
| 項目 | 紛セ | 訴訟 |
|---|---|---|
| 期間 | 3〜6か月 | 1年〜1年半(長引けば2年超) |
| 申立て費用 | 無料 | 印紙・郵券(請求額に応じ) |
| 判断基準 | 赤本基準(85〜95%水準) | 赤本基準ほぼ満額(過失相殺後) |
| 遅延損害金 | 原則含まれない | 事故日から年3% |
| 弁護士費用相当額 | 原則含まれない | 認容額の約10% |
| 本人出頭 | 原則不要(代理人で完結) | 本人尋問あり |
| 結論への拘束力 | あっ旋:任意/審査:保険会社側拘束 | 判決:両当事者拘束 |
| 非公開性 | 非公開 | 原則公開 |
| 心理的負担 | 軽い | 重い(尋問あり) |
6-2. 紛セが向いている事案
- 賠償項目の金額水準のみが争点(過失割合・後遺障害等級は概ね決着済)
- 早期解決を希望する(治療終了から1年以内に終わらせたい)
- 本人尋問・公開法廷への心理的抵抗が強い
- 賠償額に対して遅延損害金・弁護士費用相当額の上乗せ効果が小さい(請求額3,000万円以下が目安)
6-3. 訴訟を選ぶべき事案
- 過失割合が大きく争われている(40:60と20:80のような大きな乖離)
- 後遺障害等級認定の結果に争いがある(訴訟内で再評価したい)
- 請求額が大きく(目安5,000万円以上)、遅延損害金・弁護士費用相当額の上乗せ効果が大きい
- 保険会社が紛セの審査結果に従わない可能性が事前に予測される事案(極めて稀)
6-4. 紛セ→訴訟の二段階戦略もあり
実務上は、まず紛セに申立て、あっ旋案・裁定の水準を確認した上で、納得できなければ被害者側が同意せず訴訟に移行する、という二段階戦略も選択肢になります。紛セで提出した主張書面・証拠は、訴訟でもそのまま活用できるため、ロスは最小限です。
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7. 弁護士法人ブライトの紛セ活用方針|赤本9割を狙う実務
7-1. 「赤本9割」を一つの目標水準とする
弁護士法人ブライトでは、示談・紛セ・訴訟のいずれの段階でも、「赤本(裁判基準)の9割」を一つの目標水準として交渉します。これは、紛セあっ旋案の標準的な水準である「赤本85〜95%」のうち、上限近く(90%超)を狙う、という運用方針です。
そのために、私たちは事案ごとに「比較表(項目別の相手保険会社提示 vs 当方主張)」を作成し、ご依頼者と共有します。「何が争点で、いくらの幅で動くのか」を可視化することで、ご依頼者ご自身が交渉の進捗を把握できます。
7-2. 紛セ陳述書の作成ノウハウ
ブライトが紛セで重視するのは、陳述書・主張書面の質です。具体的には、次の要素を盛り込みます。
- 事故態様の客観的再現:刑事記録・実況見分調書・ドラレコ映像を踏まえた、過失割合の主張根拠
- 受傷機序と治療経過の医学的整合性:整形外科・整骨院の通院記録、症状の推移、後遺障害診断書の記載
- 項目別の損害計算書:赤本のどの頁・どの基準を適用したかを明示し、計算過程を一目で示す
- 類似判例の引用:同種事案の裁判例で認められた水準を提示
- 被害者本人の生活影響:後遺症・通院による生活上の支障を具体的なエピソードで陳述
これらをパッケージ化することで、あっ旋人が「赤本9割の和解案を出すのが妥当」と判断せざるを得ない素材を、最初から提供します。
7-3. 担当体制:松本(実働主力)・笹野(訴訟二次決裁)・和氣(方針)
ブライトの紛セ案件は、次の体制で進めます。
- 和氣良浩弁護士(代表):受任時の方針決定。紛セで進めるか、訴訟か、二段階戦略かをご依頼者と相談の上で決定
- 松本洋明弁護士(実働主力):陳述書・主張書面の起案、あっ旋期日の出席、相手保険会社代理人との交渉
- 笹野皓平弁護士(パートナー):紛セ→訴訟移行が想定される事案の二次決裁、訴訟移行時の方針決定
- パラリーガル:申立書・主張書面の体裁整備、証拠取りまとめ、ご依頼者との連絡(LINE主軸)
8. ブライトの紛セ実例|3つのパターン
※以下はブライトの実際の対応傾向を匿名化・一般化したものです。個別事案の結果を保証するものではありません。
8-1. 実例①:示談提示から紛セ申立てへ切替え、赤本9割の和解
- 事案:60代女性、追突被害、頸椎捻挫・腰椎捻挫で6か月通院、後遺障害14級認定
- 相手提示:入通院慰謝料を赤本60%水準で提示、後遺障害慰謝料も自賠責基準+α
- 方針:示談継続では限界と判断し、紛セ申立てに切替え
- 主張:陳述書で通院実日数・症状経過・主婦業への影響を詳細に整理、赤本9割を目標主張
- 結果:あっ旋案で慰謝料項目が示談提示の約1.7倍に増額、ご依頼者同意で和解成立
8-2. 実例②:過失割合と慰謝料を同時に争点化、紛セで両方獲得
- 事案:40代男性、出会い頭事故、相手保険会社は当方過失40%を主張
- 相手提示:過失40%控除後、慰謝料も任意保険基準
- 方針:刑事記録(実況見分調書)を取り寄せ、当方過失20%が相当と整理した上で紛セ申立て
- 主張:過失割合の根拠を実況見分調書の見取図と整合させて主張、慰謝料は赤本基準で計算
- 結果:あっ旋案で過失割合が25:75に修正、慰謝料も赤本85%水準まで引上げ、賠償総額は当初提示の約2倍
8-3. 実例③:紛セ→訴訟移行を想定した二段階戦略
- 事案:50代男性、後遺障害12級、逸失利益が大きく争点
- 相手提示:労働能力喪失期間を5年に短縮した提示
- 方針:まず紛セで様子を見て、あっ旋案の水準次第で訴訟移行を判断する二段階戦略
- 主張:逸失利益について赤本標準の労働能力喪失期間で計算、現職への影響を陳述書で詳述
- 結果:あっ旋案で労働能力喪失期間が10年で計算され、ご依頼者の希望水準を満たしたため和解成立(訴訟移行は不要となった)
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9. よくあるご質問(紛セQ&A)
9-1. 弁護士費用特約(LAC)は紛セでも使えますか
はい、使えます。ご自身の自動車保険・火災保険等に付帯する弁護士費用特約は、紛セ申立てを含む弁護士活動に対して原則適用されます。LAC約款上の上限額(法律相談料10万円・弁護士費用300万円が標準)の範囲内であれば、ご依頼者の費用負担は実質ゼロです。
9-2. 紛セ申立てに必要な書類は何ですか
- 申立書(紛セのHPからダウンロード可能)
- 事故証明書
- 診断書・診療報酬明細書(治療期間中の全部)
- 後遺障害認定結果通知書(認定済みの場合)
- 相手保険会社からの提示書面
- (あれば)ドラレコ映像・目撃者陳述・刑事記録
弁護士に依頼する場合、これらの取り寄せ・整理は弁護士側で行います。
9-3. 紛セあっ旋案に同意したくない場合はどうなりますか
申立人(被害者)はあっ旋案に同意する義務はありません。同意しない場合、(1)審査の申立てに進む、(2)申立てを取り下げて訴訟に移行する、のいずれかを選択できます。なお、あっ旋案に同意しないことで紛セ手続き自体が打ち切られる、といった不利益はありません。
9-4. 紛セで決まった金額に保険会社が支払いを拒否することはありますか
あっ旋段階では保険会社にも同意権がありますので、保険会社が「同意しない」と回答することはあります。ただし、その後の審査(裁定)で出た結論については、被害者が同意すれば保険会社側は原則拘束される運用が確立しています。実務上、審査結果に保険会社が従わないケースは極めて稀です。
9-5. 物損のみの事案でも紛セは使えますか
はい、使えます。修理代・代車費用・評価損(格落ち損害)等の物損項目についても、紛セで取り扱えます。ただし、人身事案に比べて争点が技術的(過失割合・修理範囲・評価損の認定)になりやすいため、弁護士の関与が成果を大きく左右します。
10. 紛セ活用で気をつけたい3つの落とし穴
10-1. 落とし穴①:後遺障害が確定していないと話が進まない
紛セは賠償額の交渉の場であり、後遺障害等級認定の審査機能はありません。後遺障害申請が未了のまま紛セに申立てると、手続きが進まない・あっ旋人から「先に等級認定を取ってきてください」と差戻されるケースがあります。紛セ申立ての前に、被害者請求で後遺障害認定を取得しておくのが定石です。
10-2. 落とし穴②:過失割合の客観的証拠を集めずに突入してしまう
過失割合は、紛セあっ旋でも保険会社が強く争う項目です。刑事記録(実況見分調書)・ドラレコ映像・目撃者陳述等の客観的証拠を集めずに紛セに突入すると、あっ旋人も「双方の言い分が拮抗しているので、当事者の合意ベースで決めましょう」となり、結局保険会社主張に近い水準で着地しがちです。
10-3. 落とし穴③:期待値を過大に設定してしまう
紛セは赤本基準寄りの和解案が出ますが、「常に赤本100%が出る」わけではありません。あっ旋人は両当事者の納得を引き出す立場ですので、典型的には赤本85〜95%水準で和解案を出します。これを「想定より少ない」と感じて全件審査・訴訟に移行すると、かえって時間とエネルギーを失う場合があります。「どこで折り合うか」を弁護士と事前にすり合わせておくことが重要です。
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11. ブライトの相談体制
11-1. 相談料・着手金・弁護士費用特約
弁護士法人ブライトは交通事故の被害者救済に特化した事務所です。相談料は無料で、ご自身の自動車保険に弁護士費用特約(LAC)がついていれば、原則として弁護士費用のご負担は発生しません。
弁護士費用特約がない場合でも、紛セあっ旋による増額見込みと費用を比較して「ご依頼いただくほうが手取りが増える」と判断できる場合のみ受任します。費用倒れになりそうな場合は正直にお伝えしますので、無理な勧誘は一切ありません。
11-2. ご相談から紛セ申立てまでの流れ
- お電話・LINE・LPフォームからご連絡
- パラリーガルが事故概要・現在の進捗・保険会社の提示内容を簡単にヒアリング(約15分)
- 松本弁護士または和氣弁護士が無料相談(オンライン可・約30〜60分)
- 示談継続・紛セ申立て・訴訟のいずれが最適かをシミュレーションでご提示
- ご依頼の場合は委任契約、即日で相手任意保険会社へ受任通知発送
- 紛セ申立て準備(陳述書・主張書面の起案、証拠の取りまとめ)
11-3. ご相談時にお手元にあると話が早い書類
- 事故証明書(自動車安全運転センターから取り寄せ)
- 相手任意保険会社からの提示書面
- 診断書・診療報酬明細書(既に手元にあるもの)
- 後遺障害認定結果通知書(認定済みの場合)
- ご自身の自動車保険証券(弁護士費用特約の有無確認)
- (あれば)ドラレコ映像・目撃者連絡先
12. まとめ
交通事故紛争処理センター(紛セ)は、「示談は安すぎるが、訴訟は重い」という被害者の中間ニーズに、最も合致する制度です。利用料は無料、原則3〜6か月で結論が出て、和解案は赤本(裁判基準)の85〜95%水準。審査(裁定)結果については保険会社側が原則拘束されるため、実質的に被害者有利な制度設計になっています。
保険会社の担当者がこの制度を案内してこないのは、保険会社にとって「払いたくない金額を払わされる場所」だからにほかなりません。「示談に応じてくれない場合は、紛セという選択肢があります」と知っているかどうかで、賠償額は数十万円〜数百万円単位で変わります。
ただし、紛セで赤本9割水準まで引き出すには、陳述書・主張書面の質、後遺障害・過失割合の事前整備、あっ旋人との相場感のすり合わせ、といった専門的な対応が不可欠です。ご自身で申立てた場合、あっ旋人も「証拠と主張が弱いので、この水準まで」と判断せざるを得ません。
弁護士法人ブライトでは、松本弁護士(実働主力)を中心に、和氣弁護士(方針決定)・笹野弁護士(訴訟二次決裁)の体制で、紛セ案件を多数扱っています。陳述書の作成ノウハウ、項目別の比較表によるご依頼者との情報共有、必要に応じた紛セ→訴訟の二段階戦略まで、一貫してご支援します。
「相手保険会社の提示額に納得できない」「訴訟までは踏み切れないが、このまま示談したくない」――そんなときは、まずは無料相談で、ご自身の事案が紛セに向いているか、向いているとしてどこまで増額が見込めるかをお聞かせください。シミュレーションを踏まえて、最適な道筋をご提案します。
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ご相談はこの弁護士が対応します
本記事のテーマに関するご相談には、以下の弁護士チームが対応いたします。それぞれの専門領域を活かし、ご依頼者様にとって最適な解決を目指します。
松本 洋明 弁護士
交通事故部の担当弁護士。過失割合から人身傷害保険の交渉まで、後遺障害等級の獲得にも注力。弁護士歴15年・元損保側代理人として、年間100件以上の交通事故案件を担当しています。
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