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クレーンとは
クレーンとは、大きな物を動力で吊り上げて水平に運ぶことができる機械のことをいい、業務で使用されるクレーンには様々な種類があります。
例えば、工場などで天井や地面に設置されるクレーン(天井クレーン、ケーブルクレーンなど)や建設現場などで資材や鉄骨等の重量物を吊り上げて移動させる移動式クレーンなどがあります。
クレーン作業と労災事故
工場等に設置されるクレーン、各種の荷役に使用される移動式クレーン等及びゴンドラは、工期の短縮、生産性の向上等の面から多くの作業現場に採用されてきています。
しかし、重量物を取り扱うことによる危険や墜落危険等のほか、機械の大型化、高速化等に伴って被害が大きくなるおそれがあり、また、クレーンに起因する労働災害も多発しており、現在増加傾向にあります。
また、クレーン等の労働災害を業種別にみると、死傷者数では製造業が最も多く、次いで建設業、運輸交通業の順となり、死亡者数においては建設業が最も多くなっています。
特に建設業では重量物(鉄の資材など)をクレーンでつり上げることも多く、その吊荷が落下して作業員に当たったような場合やクレーン自体が横転した場合などには、死亡事故につながりかねません。
そのため、労働安全衛生法及び関連規則において、製造段階から使用段階に至るまでの機械自体の安全性の確保や作業の安全について事業主に多くの義務を課しています。
クレーンの運転には資格が必要?
クレーンに関しては、労働安全衛生法に基づき、クレーン等の製造及びその他の安全基準を定めた厚労省令として、『クレーン等安全規則(以下「クレーン則」といいます。)』が制定されています。
クレーン則においては、クレーン一般の製造及び設置、使用及び就業、検査等のほか、移動式クレーン、デリック、エレベーター、建設用リフト、簡易リフト、玉掛けについてそれぞれ詳細な規定が設けられています。
その中で、各クレーンの運転にあたって免許が必要な場合があります。
クレーンの運転にはクレーン・デリック運転免許が必要
つり上げ荷重が5トン以上のクレーンの運転には、クレーン・デリック運転士免許を取得することが必要です(クレーン則22条、同223条、労働安全衛生法施行令(以下「施行令」といいます。)20条6号)。
ただし、床上操作式クレーン(床上で運転し、運転者が荷とともに移動する方式のクレーン)の場合は、床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者であれば運転することができます。
移動式クレーンの運転には移動式クレーン運転士免許が必要
つり上げ荷重が1トン以上の移動式クレーンの運転業務については、移動式クレーン運転士免許を取得することが必要です(クレーン則68条、同229条、施行令20条7号)。
ただし、つり上げ荷重が1トン以上、5トン未満の移動式クレーン(小型移動式クレーン)については、小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者であれば運転することができます。
クレーンの運転免許以外にはどのような規定がある?
クレーン作業には以下のような内容も規定されています。
玉掛け技能講習の修了(クレーン則221条、施行令20条16号)
つり上げ荷重1トン以上のクレーン、移動式クレーン、デリック等の玉掛け業務を行うためには、玉掛け技能講習を修了することが必要です。
特別教育の実施(例:クレーン則21条)
事業主は、次のクレーンの運転業務に労働者を就かせるときは、安全のための特別教育を行わなければなりません。
- つり上げ荷重が5トン未満のクレーン
- つり上げ荷重が5トン以上の跨線テルハ
- つり上げ荷重が1トン未満の移動式クレーン
立入禁止(例:クレーン則29条)
事業主は、ワイヤーロープや磁石等で荷がつり上げられている場合には、その荷の落下により事故が発生するおそれがあるため、荷の下に労働者を立ち入らせてはいけません。
クレーンに起因する事故と損害賠償請求
クレーン則には、クレーンの使用や就業等に関し様々な規定がありますが、事業主がクレーン則を遵守せず、適切にクレーンを使用させなかったために、クレーンに起因する労災事故が発生した場合、被災者が重大な怪我を負うことも少なくありません。
事業主がクレーン則に違反した状態でクレーン作業を行わせたことにより、事故に遭った場合、被災者は労災保険給付でまかなわれない慰謝料などの損害を事業主に請求できる場合があります。
弁護士に相談するメリット
当事務所では、クレーン作業中の労災事故について、多数の相談を受け、実際、事業主等へ請求し、適切な賠償を受けることができたケースを取り扱った経験も多くあります。
クレーン作業中その他クレーンに起因する事故に遭われた方は、まず弁護士にご相談ください。
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