労災事故の基礎知識

KNOWLEDGE

高所作業時の労災事故ー墜落制止用器具の使用について弁護士が解説

お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)

無料で問い合わせ

LINEで無料問い合わせ

高所作業と労災事故

令和3年の建設業における死亡災害発生状況を事故類型別にみると、墜落・転落によるものが高い割合を占めています。

実際、当事務所が相談を受ける事案の中にも、足場などの建設現場における墜落・転落事故、高所作業における安全対策の不備に関連する労災事故が多くあります。

そのため、高所作業における安全対策や墜落制止用器具(従来「安全帯」と呼ばれていたものです。)の使用等について解説します。

高所作業とは

高所作業とは、高さが2メートル以上の場所で行う作業をいい、労働安全衛生法や労働安全衛生規則等によって、事業者は墜落による労働者の危険を防止するための安全対策を講じることが義務付けられています。

簡単な作業やすぐに終わる作業であるとして、適切な安全対策を講じないまま作業を進めてしまった場合には、重大な怪我を伴う労働災害の発生に繋がりかねません。

高所作業は、様々な作業が考えられますが、たとえば、足場を用いた建設工事や解体工事、高層ビルの窓の清掃作業、天井内の電気工事や給排水設備工事などがあります。

高所作業における安全対策について

「安全帯」とは

「安全帯」とは、従前、墜落による危険のおそれに対応するものとして、ベルトとそれが接続されたランヤード(*ハーネスや胴ベルトに取り付ける胴綱で、ロープまたはストラップにフックなどの部品を付けた、いわゆる命綱の部分のことです。)までを含む器具を意味していました。

「安全帯」は大きく分けて、「フルハーネス型安全帯」と「胴ベルト型」がありました。

労働安全衛生規則上、たとえば、高さが2メートル以上の箇所(作業床の端、開口部等を除く。)で作業を行う場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれがあり、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければならないと定められていました(改正前の労働安全衛生法規則518条、519条)。

現在は「安全帯」とは呼ばない?

令和元年に施行された政令等の改正に伴い、従前「安全帯」と呼ばれていたものは、「墜落制止用器具」という名称に変更されました(労働安全衛生法施行令13条28号参照)。

高所作業において使用される胴ベルト型安全帯は、墜落時に内臓の損傷や胸部等の圧迫による危険性が指摘され、国内でも胴ベルト型の使用に関わる災害が確認されていましたので、安全帯の名称を「墜落制止用器具」に改め、その名称、範囲と性能要件が見直され、墜落による労働災害防止のための措置が強化されました。

「墜落制止用器具」として認められる器具

「墜落制止用器具」と認められる器具は、安全帯として認められていたもののうち、以下の①③のみです。


〈安全帯として認められていたもの〉

胴ベルト型(一本つり)

胴ベルト型(U字つり)

ハーネス型(一本つり)

従前「安全帯」に含まれていた②「胴ベルト型(U字つり)」には、墜落を制止する機能がないことから、現在は「要求性能墜落制止用器具」として認められなくなりましたので、注意が必要です

「墜落制止用器具」は、「フルハーネス型」を使用することが原則となりますが、フルハーネス型の着用者が墜落時に地面に到達するおそれがある場合(高さが6.75m以下)は、「胴ベルト型(一本つり)」が使用できます。

「墜落制止用器具」を使用しなければならない作業とは

事業者は、高さが2メートル以上の箇所であって、作業床を設けることが困難なときや作業床の端、開口部等で囲い、手すり、覆い等を設けることが困難なときには、要求性能墜落制止用器具を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じなければなりません。

また、墜落制止用器具は取扱説明書に従って、正しく装着しておかなければ、墜落等による事故を防止することはできません

肩ベルト、腰ベルト、胸ベルトをゆるみがないように締めているか、ランヤードのフックはできるだけ高い位置の堅固な建造物に取り付けているか、フックが滑り落ちるような箇所に取り付けていないかなど、事前に確認し、正しく墜落制止用器具を使用しましょう。

安全衛生特別教育の新設

以上のとおり、「墜落制止用器具」への名称変更、範囲、性能要件の見直しとともに、高所作業等を行う労働者は特別教育が必要となりました(労働安全衛生法59条3項、労働安全衛生規則36条40号、41号、特別教育規程24条)。

具体的には、高さ2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、

 ❶昇降器具を用いて労働者が当該昇降器具により身体を保持しつつ行う作業
  (40度未満の斜面における作業を除く。「ロープ高所作業」といいます。)

 ❷墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業にかかる業務

などの業務を行う労働者は特別教育を受けなければなりません。

特別教育の内容

特別教育の内容は、

  •  学科4.5時間(作業に関する知識、墜落制止用器具に関する知識、労働災害の防止に関する知識、関係法令)
  •  実技1.5時間(墜落制止用器具の使用方法等)

です。

弁護士に相談するメリット

建設現場などの高所作業における墜落・転落の事故に遭われた場合には、まずは弁護士法人ブライトにご相談ください。

墜落・転落による事故に遭われた場合、重大な怪我を負われるケースが多くあり、労災保険からの給付だけでは到底元の生活に戻ることはできません。

当事務所では、そのような労災事故について、会社側に損害賠償請求をした結果、適切な賠償を受けることができたケースを数多く経験しています。

当事務所では労災問題に特化した労災事故専門チームを擁しており、初回相談は無料でお受けしていますので、まずはお電話またはメールにてお問い合わせください。

お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)

無料で問い合わせ

LINEで無料問い合わせ

  • この記事を書いた人

代表弁護士:和氣 良浩

弁護士法人ブライト代表弁護士: 2006年に独立開業してから様々な事故の回復に努めてきました。これまで1000件を超える事故を解決して参りましたが、被害者が低い賠償金で納得させられているケースをたくさん見てきました。 一人でも多くの被害者が適切な補償を受けられるように情報発信を行っています。

関連記事

基礎知識

通勤、仕事中の怪我は労災保険で治療しましょう

軽傷でも労災保険は使える 仕事中・通勤中に怪我をしてしまったが、軽い怪我なので労災は使えないと考えてしまう人もいるかもしれません。 しかし、骨折などに至らないような軽い怪我であっても、業務遂行性・業務 ...

基礎知識

労災事故と高次脳機能障害ついて弁護士が解説

高次脳機能障害とは 高次脳機能障害(こうじのうきのうしょうがい)とは、病気や事故などのさまざまな原因で脳の一部を損傷したために、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などの知的な機能に障害が起こった状態を ...

基礎知識

クレーン作業中の労災事故ついて弁護士が解説

クレーンとは クレーンとは、大きな物を動力で吊り上げて水平に運ぶことができる機械のことをいい、業務で使用されるクレーンには様々な種類があります。 例えば、工場などで天井や地面に設置されるクレーン(天井 ...

基礎知識

家族が労災で死亡した場合に遺族がするべきことは?労災保険や損害賠償について

不幸にもご家族を業務中または通勤中の事故で亡くした場合に、どのような補償を受けられるのか、不安を抱えるご遺族もいるでしょう。ご家族を失ってしまったことに対する精神的苦痛の緩和や、今後の生活再建のために ...

基礎知識

労災保険の請求手続を会社が協力してくれない場合

労災が発生しても、治療や休業などに伴う労災保険給付をスムーズに受けられずに困っている方からのご相談が後を絶ちません。その原因の一つとして、事業主・会社が労災保険の請求手続に協力してくれないケースが挙げ ...

労災事故担当弁護士

  • パートナー弁護士 笹野 皓平

    パートナー弁護士 笹野 皓平
  • 弁護士 有本 喜英

    弁護士 有本 喜英

事務所概要

事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-4965-9590

※受付時間 9:00-18:00

完全成功報酬だから相談・着手金は無料