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取締役会

読み方
とりしまりやくかい

取締役会とは

取締役会(とりしまりやくかい)とは、主に株式会社において経営の重要な意思決定を行うための会議体です。

この会議体は取締役によって構成され、企業の方針や戦略、主要な業務上の決定事項を議論し、決定します。取締役会は、単なる形式的な会議ではなく、企業の成功や失敗に直接関与する重要な役割を果たします。取締役会の設置は会社法によって規定されており、多くの企業では定期的に開催されることが一般的です。

取締役会の主な目的は、経営の監督と意思決定です。特に、業務執行取締役や執行役員が日常的に行っている業務を監視し、その成果や問題点について議論します。また、取締役会は業績報告や予算の承認、重要な契約や取引の承認など、多岐にわたる業務を行います。企業にとって、取締役会の役割は非常に重要であり、その適切な運営が企業の成長や健全な経営に影響を与えます。

取締役会の構成と役割

取締役会の構成は、企業ごとに異なりますが、通常、取締役会長、社長、専務、常務、その他の取締役で構成されます。取締役会長は、取締役会の議長として会議を主導し、議決事項の調整を行います。社長は、企業の最高経営責任者として、取締役会の決定事項を実行に移す役割を担います。他の取締役も重要な役割を果たしており、各自が担当する部門の業務について報告し、議論を行います。

取締役会は、企業の戦略的な方向性を決定する場所でもあります。中長期的な経営戦略や事業計画の策定、新規事業の立ち上げ、資本投資の判断など、企業の未来に大きな影響を与える決定を行います。これらの決定は、取締役会での議論と合意を経て行われるため、取締役会の議論は慎重かつ詳細に行われることが求められます。

また、取締役会は企業ガバナンスの観点からも重要です。取締役会の健全な運営によって、企業の透明性や公平性が保たれ、株主や従業員、取引先などのステークホルダーの信頼を得ることができます。

取締役会と法律の関係

取締役会は、会社法によって規定される組織ですが、その運営には法的なルールが厳格に適用されます。取締役には、企業の利益を最優先に行動する義務があり、これを「忠実義務」と言います。忠実義務を怠ると、取締役は企業や株主に対して損害賠償責任を負うことがあります。

さらに、取締役会には「善管注意義務」と呼ばれる義務もあります。これは、取締役が企業の経営にあたって、専門知識や経験をもとに適切な注意を払って業務を行う義務です。この義務を怠った場合、取締役は企業に対して損害賠償責任を負う可能性があります。

取締役会の決議には、適切な手続きと定足数の確保が必要です。会議は原則として取締役全員が参加する形で行いますが、法令や定款に基づく特例がある場合もあります。例えば、緊急時には書面による決議や、遠隔地からの参加が認められることもあります。

取締役の責任を明確にするためには、会議の議事録を作成し、記録を保管する必要があります。議事録には、会議の日時、場所、出席者、議題、議決事項、反対意見などを詳細に記載します。この議事録は、後で法的なトラブルが生じた際の証拠となりうるため、正確かつ細心の注意を払って作成することが重要です。

取締役会の実際の運営

取締役会の運営には、事前準備が不可欠です。議題の設定、関連資料の準備、取締役間の事前の意見交換など、準備段階での努力が重要です。また、取締役会の議論が建設的かつ効果的に行われるためには、議長の進行能力も求められます。議論が紛糾した際には、議論を整理し、適切な結論に導く役割を担います。

取締役会の運営に関するガイドラインやベストプラクティスも存在します。例えば、取締役会のメンバー構成は、多様性を確保することが推奨されています。異なる視点や専門知識を持つ取締役が参加することで、より多角的な議論が可能となり、適切な意思決定が行えるでしょう。

さらに、企業によっては、外部取締役を導入するケースも増えています。外部取締役は、企業外部の視点から取締役会の議論に参加し、独立性の高い意見を提出します。そうすることで、企業ガバナンスの強化や透明性の向上が期待されます。

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