このページは、死亡事故/後遺障害認定後に死亡したケースの請求権承継について、死亡事故・労災死亡事案の遺族支援を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、相続実務とリンクさせて整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 症状固定後に死亡:後遺障害分も相続人が承継できる
- 症状固定前に死亡:後遺障害分は不可、死亡分のみ請求
- 事故と死亡の因果関係立証が論点
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後遺障害から死亡に至るパターン
事故で重傷を負い、その後遺障害が原因または契機となって死亡に至るケースは少なくありません。代表的パターン:
(1) 高次脳機能障害・植物状態で長期療養→ 合併症で死亡
(2) 脊髄損傷で寝たきり→ 床ずれ・肺炎で死亡
(3) 内臓損傷で透析必要→ 機能低下で死亡
(4) 重度の精神障害で自殺
(5) 後遺障害認定後の自然経過での死亡
症状固定前後で請求権が変わる
(A) 症状固定後に死亡:被害者は事故時点で(1)入通院期間の損害、(2)後遺障害逸失利益、(3)後遺障害慰謝料、を請求する権利を取得済み。これら全てが相続人に承継される。死亡が事故と因果関係あれば、(4)死亡慰謝料・死亡逸失利益(後遺障害分との差額)も追加で請求可能
(B) 症状固定前に死亡:症状固定がないため後遺障害は確定せず、請求権は(1)入通院期間の損害、(2)死亡慰謝料、(3)死亡逸失利益、のみ
症状固定後死亡のメリット
症状固定後に死亡したケースの典型的計算(例:30歳男性が事故で1級後遺障害認定後、5年後に合併症で死亡):
(1) 入通院慰謝料:5年で約400万円
(2) 後遺障害慰謝料1級:2,800万円(赤本基準)
(3) 後遺障害逸失利益(5年分):5年分の収入
(4) 介護費用:5年分
(5) 死亡慰謝料:2,800万円(家族の支柱)
(6) 死亡逸失利益(残期間分):30年×収入×係数
合計1〜2億円規模。後遺障害慰謝料と死亡慰謝料を「二重取り」できる構造です。
事故と死亡の因果関係立証
後遺障害から死亡に至った場合、(1)事故、(2)後遺障害、(3)死亡、の因果関係立証が論点になります。
立証の方法:(1)主治医の診断書・意見書、(2)死亡診断書(直接死因と原死因)、(3)解剖結果、(4)医学的鑑定。判例は「事故が死亡の重要な原因の一つ」と認められれば因果関係を肯定する傾向。
因果関係が否認される典型例:(1)事故から長期間(10年以上)経過、(2)被害者の生活習慣(飲酒・喫煙等)が主因、(3)既往症が主因。これらは弁護士の主張立証で覆せる余地があります。
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一時金示談済の場合の追加請求
後遺障害について既に一時金で示談している場合、その後死亡しても追加請求が困難になることがあります。
但し、(1)示談時に「将来事故の影響で死亡した場合は別途協議」と留保条項を入れる、(2)示談から短期間での死亡なら錯誤・詐欺等を主張、(3)損害の予見不可能性を立証、で追加請求の余地があります。
後遺障害の重い被害者の場合、安易に一時金示談しないことが重要。年金型示談(将来死亡時の調整可能)の検討も。
相続実務上の注意点
(1) 被害者が生前に賠償金を一部受領していた場合、その額を相続人が把握する必要
(2) 後遺障害の介護費・治療費は被害者本人の損害なので、相続人は債権として承継
(3) 死亡後は相続人が請求権者となって示談・訴訟を継続
(4) 介護していた家族の自身の慰謝料(民法711条と別枠)も検討
(5) 相続税申告:賠償金は非課税だが他財産との合算は申告必要
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ブライトの後遺障害→死亡事案サポート
弁護士法人ブライトは、後遺障害から死亡に至った事案で(1)生前の請求権承継、(2)事故と死亡の因果関係立証、(3)後遺障害分と死亡分の二重請求、(4)介護家族の慰謝料請求、(5)相続実務との連携、を一括サポートします。
「症状固定したから示談で終わり」と考えがちですが、その後の死亡で追加請求できる事案があります。安易な示談前にご相談ください。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
死亡事故・労災死亡のご遺族支援を多数担当。「賠償請求権の相続」「相続放棄との関係」「労災遺族年金の損益相殺」「海外在住相続人の対応」など、賠償交渉と相続実務(戸籍調査・遺産分割・遺言)を一人の弁護士で完結できる体制でご家族をお支えしています。
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