契約
人事労務
債権回収
消費者
炎上
会社運営
準備中
カスハラの暴言例を多数紹介!顧客からの「馬鹿」「無能」などの暴言や精神的攻撃、長時間拘束、理不尽な要求など、カスタマーハラスメントの実態と企業の対策方法を完全解説。厚労省の法整備動向や企業の具体的な対応事例も紹介し、従業員を守るためのマニュアル作成や研修実施など、効果的な対策を詳しく解説します。
近年問題となっている「カスハラ」(カスタマーハラスメント)。本記事では、顧客からの暴言や不当な要求の具体例を紹介し、従業員への影響や企業の対策、法的側面を解説。カスハラから従業員と企業を守るための完全ガイドです。
近年、サービス業を中心に「カスハラ」と呼ばれる問題が深刻化しており、顧客からの理不尽な要求や暴言に悩む従業員が増加する中、企業側の適切な対応策が求められています。
カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客が企業や従業員に対して行う理不尽なクレームや言動のことを指します。厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」では、「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態度が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」※1と定義されています。
※1出典:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」参照:2024.03.11
カスハラの対策が重要視される理由は、従業員の精神的健康を損なうだけでなく、企業の業務効率低下や離職率上昇にも直結するからです。2025年4月から東京都でカスハラ防止条例が施行され、企業のカスハラ対策義務化も進んでいます。
カスハラと正当なクレームを区別する判断基準を企業側は準備する必要があります。不当要求との違いは、カスハラの根底には「嫌がらせ」という目的があることです。商品不具合への過度な対応要求は不当要求ですが、罵詈雑言を浴びせる行為はカスハラとなります。
職場環境を守るには、カスハラに関する研修実施や相談体制整備が効果的です。また、対処法を明確にしたマニュアル作成も大切でしょう。
カスタマーハラスメント(カスハラ)は様々な業種で発生し、従業員の精神的健康や企業の業務効率に深刻な影響を与えています。実際に起きた具体的なカスハラ事例を紹介します。
スーパーでは、ポイント付与トラブルから顧客が「この従業員を辞めさせろ」と大声で騒ぎ、何度も来店して責任者を呼び、レジカウンターを叩くなど問題行為を繰り返し、警察沙汰になった事例があります。精算機エラーに対応した従業員に「早くしろ、クズ!」などの暴言を吐くケースも報告されています。
コールセンターでは「頭が悪い」「無能だ」などの人格否定が頻発しています。ある通信会社では1週間で400回以上のクレーム電話を受け、「今すぐ謝罪にこい」「ブサイク」などの暴言を繰り返す顧客がいました。「お前の名前と社員番号を言え」「訴えてやる」といった脅迫も報告されています。
宿泊業では、自動精算機案内に不満を持った顧客が「おれは社長だぞ」「クビにしてやる」と発言。従業員の名刺を破り「正座しろ」と要求するなど、威圧的態度と暴言が報告されています。
ある衣料品チェーンで、タオルケットに穴が開いていたと返品した女性が、返品を受け付けたにもかかわらず「交通費を払え!」「土下座して謝れ!」と大声で要求。従業員が土下座すると、その様子を写真に撮りSNSに投稿。さらに家まで謝罪に来るよう要求したため、店側が被害届を提出し、女性は強要罪で逮捕されました。
介護業界では、利用者家族が、サービス提供中に家族自身の悩みの相談に乗るよう執拗に求めたり、利用者への特別扱いを求め、断ると何時間も怒鳴り散らして帰らないといった事例があります。また、訪問介護でエアコン掃除などサービス範囲外の作業を要求され、断ると暴言を吐かれるケースも報告されています。
ホテルでは、顧客が宿泊のたびに清掃不備を執拗に指摘し、客室のグレードアップや顧客の前での清掃を要求するケースがあります。「泊まる部屋の上下左右に宿泊客を入れないよう」要求したり、契約にない送迎を繰り返し求めるなど、不当な要求も報告されています。
カスタマーハラスメント(カスハラ)は従業員個人だけでなく、企業全体にも深刻な影響を及ぼします。ここでは、カスハラがもたらす具体的な影響と被害について解説します。
カスハラは従業員の心身に深刻な影響を与えます。厚生労働省の調査※2によると、カスハラを受けた従業員の67.6%が「怒りや不満、不安などを感じた」と回答し、46.2%が「仕事に対する意欲が減退した」と報告しています。さらに、21.2%が「眠れなくなった」、8.8%が「通院したり服薬をした」という深刻な状況に陥っています。
※2出典:厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」参照2024.03.11
繰り返される理不尽な要求や言動は従業員のストレスを増大させ、うつ病や不安障害などの精神疾患を招くことがあります。不安感と恐怖感により仕事への意欲を失い、業務効率が低下するだけでなく、頭痛や胃痛、睡眠障害などの身体的な健康問題も引き起こします。
最悪の場合、休職や退職に至るリスクもあり、2021年の調査では交通運輸や観光サービス業に従事する人々の約半数(46.6%)が直近2年以内にカスハラの被害を受けていることが明らかになっています。
カスハラは企業イメージや業績にも大きな打撃を与えます。SNSや口コミでのカスハラ情報の拡散により企業の評判が損なわれ、マスコミによる報道で企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
特に近年は、匿名で投稿できるネットやスマートフォンで手軽に悪評を拡散できるSNSによって、企業のイメージダウンや業績悪化につながる被害が増加しています。「ネットに書き込んでやる」「評判を悪くするぞ」といった脅しもカスハラに該当します。
また、カスハラ対応に時間とリソースを割かれることで通常業務が滞り、他の顧客への対応が遅れたり質が低下したりすることで、全体的な顧客満足度の低下を招きます。カスハラを目撃した他の顧客にも不快感を与え、企業イメージの悪化につながります。
カスハラ対応に追われることで売上や利益の損失が発生するだけでなく、「カスハラに毅然と対応できない会社」というイメージが定着してしまうリスクもはらんでいるのです。
カスタマーハラスメント(カスハラ)対策は、企業と従業員の双方が取り組むべき重要な課題となっています。2025年4月から東京都ではカスハラ防止条例が施行され、厚生労働省も企業へのカスハラ対策義務化を進めています。効果的な対策を講じることで、従業員の精神的健康を守り、企業の業務効率向上にもつながります。
企業はカスハラから従業員を守るための明確なルールを作成する必要があります。まず、カスハラの定義を明確にし、基本方針を決めることが重要です。厚生労働省のマニュアルでは「カスハラは自社にとって重大な問題である」「カスハラを放置しない」「カスハラから従業員を守る」などの基本方針を定めることを推奨しています。
対応マニュアルには、「ひとりで対応しない」「ひとりで判断させない」「解決を早めようとしない」「書類の作成・署名・捺印は絶対にしない」といった具体的なルールを盛り込むことが効果的です。また、カスハラがエスカレートして犯罪行為になった場合は、警察や弁護士と連携を取る体制も整えておくべきでしょう。
東京都では2025年度にカスハラ防止奨励金を創設し、積極的なカスハラ防止対策を講じる中小企業に対して40万円を支給する制度も始まります。この制度を活用して、自社のカスハラ対策を強化することも検討すべきです。
カスハラ対策には従業員への適切なトレーニングが不可欠です。トレーニングでは、カスハラの兆候を見極め、適切に対応するためのスキルや知識を身につけることが目的となります。ロールプレイやケーススタディを活用した研修が効果的で、例えば「レジ操作が遅い、早くしろ!」などと怒鳴られた場合の対応を事前に練習しておくことで、実際の場面でも冷静に対応できるようになります。
また、適切なコミュニケーションスキルを身につける機会を提供し、顧客との信頼関係を築くトレーニングも重要です。「客に対してその態度は何だ!」といった場面を未然に防ぐため、適切な言葉遣いや態度を従業員が身につけることがカスハラ防止につながるでしょう。
カスハラに直面した際の対応方法を知っておくことは、従業員の自己防衛において非常に重要です。まず、ひとりで対応せず、記録役を置くなど複数人で対応することが基本となります。また、事実関係を確認し、顧客の話を時系列順にメモを取ることで、双方の認識を一致させることが大切です。
カスハラと判断した場合は、毅然とした態度で対応することが重要です。「私どもとしては、そのようなご要望には応じることができません」や「これ以上続けられる場合には、法的措置をとります」などと明確に伝えることで、それ以上のハラスメント行為を抑止できる場合もあります。
安易に相手の要求を飲むと、同じ要求を繰り返されるリスクがあるため、断固として拒否する姿勢も必要です。どんな状況でも謝罪文の作成や署名・捺印は絶対に行わず、「上司の判断が必要です」と伝えて自分で安易に対応しないことも重要です。
カスハラを受けた従業員の心理的サポートは非常に重要です。UAゼンセンが2024年に実施した調査によると、カスハラ被害経験者の精神健康度は7.75ポイントで、被害経験のない従業員の5.41ポイントと比較して明らかに高く、軽度のストレス状態に相当します。
この調査では、カスハラ被害を受けた従業員の心身の状態変化として「嫌な思いや不快感が続いた」(50.5%)、「腹立たしい思いが続いた」(15.1%)が多く、深刻なケースでは「寝不足が続いた」(1.2%)、「心療内科などに行った」(0.8%)という回答も報告されています。
直近2年以内にカスハラ被害にあった人の割合は46.8%で、2020年の調査(56.7%)より減少したものの依然として高い水準です。カスハラの種類としては「暴言」(39.8%)が最も多く、「威嚇・脅迫」(14.7%)、「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」(13.8%)と続いており、メンタルヘルスへの影響が懸念されています。
カスタマーハラスメント(カスハラ)は単なる迷惑行為にとどまらず、法的責任を伴う深刻な問題です。カスハラ行為は民事上の責任だけでなく、刑事上の責任も問われる可能性があります。
カスハラ行為は様々な犯罪に該当する可能性があります。特に多いのが脅迫罪(刑法222条)で、顧客が従業員に対して「生命」「身体」「自由」「名誉」「財産」に危害を加える旨を告知して恐怖を与えた場合に成立します。具体的には「痛い目に遭わせてやる」「ネットに晒すぞ」といった発言が該当し、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられます。
また、名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)も成立する可能性があります。従業員に対して暴言を吐いたり、名誉を傷つける発言をした場合に該当します。
その他にも、暴力を振るえば暴行罪(刑法208条)や傷害罪(刑法204条)、理不尽な要求を強制すれば強要罪(刑法223条)、金銭を要求すれば恐喝罪、業務を妨害すれば威力業務妨害罪(刑法234条)が成立する可能性があります。
カスハラによって従業員が精神的ダメージを受けたり、企業の業務に支障が生じたりした場合、民法709条に基づく不法行為による損害賠償請求が可能です。企業は被害を受けた従業員の代わりに、または企業自身の損害について、カスハラ行為者に対して損害賠償を請求できます。
実際の事例としては、名古屋市の飲食店で顧客が「食あたりをした」と因縁をつけて金銭を脅し取ろうとした事件では、恐喝罪と威力業務妨害罪で被告2人にそれぞれ3年と1年10か月の懲役刑が下されました。
また、大阪市に対して8か月間に53回もの情報公開請求を行い、執拗に質問文書の送付や架電による不当な要求を繰り返した男性に対して、大阪市が強要行為等の差止と損害賠償を請求し、一部認容された事例もあります。
カスタマーハラスメント(カスハラ)は従業員の精神的健康や企業の業務効率に深刻な影響を与える社会問題です。スーパーマーケットでの「この従業員を辞めさせろ」という暴言、コールセンターでの人格否定や脅迫的発言、宿泊業での威圧的態度など、様々な業種で発生しています。「土下座して謝れ」と要求し強要罪で逮捕された事例や、サービス範囲外の作業要求など不当な要求も多発しています。
弁護士法人ブライトでは、このようなカスハラ問題に対して、複数の弁護士とパラリーガルによる専門チームが企業をサポートします。従来型の受動的な顧問契約とは異なり、能動的・自発的に法務リスクを発見し改善策を提案。企業の組織文化まで深く理解することで的確な提案が可能です。チャットツールを活用した気軽な相談体制や、「企業の法務リスク診断」による予防的アプローチも特徴です。月額5万円からのプランで、まるで社内の法務部のように機能し、カスハラなどの法的トラブルから企業と従業員を守ります。
CONTACT
弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら
お電話での
お問い合わせ
※受付時間 9:00-18:00
よくある質問FAQ
アクセスACCESS