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カスハラを訴える方法や対応策について、弁護士が詳しく解説。顧客からの理不尽なクレームにどう対処すべきか、法的手段や実際の事例をもとに企業の防衛策を紹介します。
近年、顧客からの理不尽なクレームや暴言など、カスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻な問題となっています。カスハラへの対応を誤ると、企業の信用が損なわれるだけでなく、従業員の精神的負担も増大します。この記事では、カスハラを法的に訴える方法や必要な手続き、企業が取るべき防衛策や事例を詳しく解説し、適切な対応をサポートします。
カスタマーハラスメント(カスハラ)は、企業や従業員に対して理不尽な要求や暴言、暴力などを行う行為を指します。カスハラに適切に対応しないと、企業の信頼低下や従業員の精神的被害につながります。法的手段を含めた適切な対応を理解し、企業と従業員の双方を守りましょう。
カスハラに該当する行為は、刑法や民法に基づいて処罰できる可能性がある行為です。具体的には、暴言や威嚇は「脅迫罪」や「恐喝罪」、身体的な暴力は「暴行罪」、長時間の拘束や土下座の強要は「強要罪」に該当します。また、業務を妨害する行為は「業務妨害罪」として立件できる可能性があります。企業や従業員が被害を受けた場合、これらの法律を根拠にして法的措置を取りましょう。
カスハラ行為が明確に犯罪に該当する場合は、警察に被害届を提出できます。暴力や脅迫、恐喝などが行われた場合や、営業妨害、従業員への精神的ダメージが発生した場合は、警察への通報を検討すべきです。録音や録画などの証拠があると、被害の事実を証明しやすくなります。被害届を提出するかどうかは、社内の法務部門や弁護士と相談して判断するとよいでしょう。
カスハラによる損害が大きい場合、民事訴訟で損害賠償を請求できます。訴訟を起こす場合には、以下を準備しましょう。
・被害内容を証明する証拠(録音・録画、メール、目撃証言など)
・損害額を計算するための資料(売上減少のデータ、従業員の治療費など)
・加害者の特定情報(名前、連絡先など)
訴訟は弁護士と相談しながら進めることが一般的です。カスハラの被害を受けた従業員や企業が適切に対応することで、再発防止にもつながります。
カスハラ行為がエスカレートすると、刑事事件や民事訴訟に発展するケースもあります。実際に裁判で争われた事例や適用された法律を理解しておくことで、適切な対応ができますので確認していきましょう。
土下座を強要する行為は「強要罪」に該当する可能性があります。実際にあったケースでは、顧客が店舗スタッフに対して「誠意を見せろ」と迫り、土下座を強要した事例があります。このケースでは、スタッフが精神的に追い詰められてしまい、被害届が提出されました。その結果、加害者には強要罪が適用され、罰金刑が科せられました。
強要罪は刑法第223条に基づき、「暴行または脅迫を用いて、他人に義務のないことを行わせた場合」に成立します。土下座を強要する行為は、相手の自由な意思決定を奪うため、法的に処罰の対象となります。
長時間にわたって従業員を拘束し、暴言を繰り返したケースでは、民事訴訟による損害賠償が認められた事例があります。ある飲食店で、顧客が「謝罪が不十分だ」として店長を4時間にわたり拘束し、暴言を浴びせ続けたケースがありました。このケースでは、精神的な苦痛が明確であると判断され、被害者に対して慰謝料が支払われました。
民法第709条では、「故意または過失によって他人に損害を与えた場合」に損害賠償責任が発生すると定められています。長時間の拘束や暴言は、精神的な損害として認定される可能性が高いため、民事訴訟による賠償請求ができます。
脅迫や暴力行為が行われた場合、刑事処分の対象となります。実際にあったケースでは、顧客がクレーム対応中に従業員に対して「お前を許さない」「家族にも危害を加える」と脅したことで、脅迫罪が適用された事例があります。このケースでは、従業員が録音した音声が証拠となり、加害者には懲役刑が科せられました。
また、暴力行為が伴ったケースでは、暴行罪が適用されることがあります。ある小売店で、顧客が対応に不満を持ち、従業員を殴ったことで暴行罪が適用された事例があります。このケースでは、加害者に罰金刑が科せられました。
カスハラは、状況によって刑事責任や民事責任が問われる可能性があります。企業や従業員が被害に遭った際は、録音や録画などの証拠を確保し、法的対応を検討しましょう。
カスタマーハラスメント(カスハラ)の被害を受けた場合は、企業として適切な対応をとりましょう。初期対応を誤ると、被害が拡大したり、企業の信用に悪影響を及ぼす可能性があります。被害を最小限に抑え、従業員を守るために、適切な対応と連携体制を整えておくことが求められます。
カスハラが発生した際には、初期対応の迅速さと正確さが重要となります。まずは、対応する従業員を精神的に落ち着かせることが必要です。無理に応じようとせず、冷静に状況を把握し、事実関係を正確に記録します。
記録する際は、次のような内容を正確に残しておきましょう。
証拠を残すことで、後の法的対応や交渉がスムーズになります。特に録音や録画は、カスハラ行為を客観的に証明するために役立ちます。
カスハラ対応は、現場の担当者だけで判断せず、複数人で対応することが望ましいです。1人で対応すると、精神的な負担が大きくなるだけでなく、判断を誤るリスクもあるからです。
カスハラ行為がエスカレートしそうな場合は、速やかに上司や法務部門と連携します。特に、暴力や脅迫が発生した場合には、現場対応を超えて法務部門や弁護士の指示を仰ぐことが重要です。また、第三者の立ち合いを求めることで、交渉の透明性が高まり、加害者による不当な要求や言動を抑制できる場合があります。
カスハラ行為が脅迫や暴力に発展した場合、警察への通報を検討する必要があります。たとえば、以下のようなケースでは、警察や弁護士への相談が有効です。
警察への通報が難しい場合でも、弁護士に相談することで、民事訴訟や損害賠償請求など、適切な対応を検討できます。弁護士と相談しながら証拠をまとめ、法的に正当な対応を進めることで、企業と従業員を守ることにつながります。
企業が迅速かつ適切に対応することで、カスハラ被害を最小限に抑え、従業員の安心感を与えられます。また、カスハラへの対応体制が整っている企業は、従業員のモチベーション維持や企業イメージの向上にもつながるでしょう。
カスタマーハラスメント(カスハラ)への適切な対応は、企業運営や従業員の精神的な健康に大きな影響を与えます。企業がカスハラから従業員を守るために、具体的な防衛策を整備し、現場で実践できる体制を築いていきましょう。
カスハラ対応の基盤となるのが、対応マニュアルの作成です。初期対応の手順や記録方法、上司や法務部門への報告基準などを明確にし、現場で迷わず対応できるようにすることが求められます。マニュアルの内容を従業員に周知するために、定期的な研修を実施し、ロールプレイを取り入れると効果的です。従業員が適切に対応できることで、被害の拡大を防げます。
カスハラによる精神的なダメージを軽減するために、企業内に相談窓口を設置しましょう。匿名で相談できる体制を整えることで、従業員が安心して被害を報告できるようになります。また、産業カウンセラーや心理士を配置することで、精神的ストレスのケアや具体的な対応策のアドバイスができるようになります。
カスハラ対応には、証拠を残すことが重要です。電話応対の場合は自動録音機能を導入し、店頭対応では防犯カメラやボディカメラを活用することで、実際のやり取りを客観的に証明できます。録音・録画の存在を顧客に知らせることで、不当な要求や暴言を抑制する効果も期待できます。
カスハラが社会問題化する中で、企業や自治体でも対応策が強化されています。最新の法規制や成功事例を理解することで、企業が適切に対応しやすくなります。
東京都は2024年10月4日に「東京都カスタマーハラスメント防止条例」を可決し、2025年4月1日から施行予定です。この条例では、カスハラを「不当な言動により、従業員に精神的・身体的苦痛を与える行為」と定義しています。
条例により、事業者には以下の義務が課されます。
東京都は条例に基づくガイドラインを策定し、企業や従業員への啓発活動を進めています。
神奈川県や大阪府では、東京都のようなカスハラ防止条例は制定されていませんが(2025年3月現在)、独自の取り組みが進められています。
神奈川県では、企業や労働者向けにカスハラの定義や対応方法をまとめた資料を公開し、企業が適切に対応できるような指針を示しています。また、相談窓口の設置や従業員教育の強化を通じて、カスハラの早期発見と対応を促しています。
大阪府では、職員へのカスハラ対策として、名札をフルネームから名字のみの表記に変更する措置を2025年4月から実施する予定です。これは、職員への迷惑行為や理不尽な要求から守るための取り組みの一環です。また、大阪府には「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」があり、暴力的な行為や迷惑行為の防止を目的とした規制が行われています。
ある小売業では、カスハラ対応マニュアルを作成し、対応を統一したことで従業員の負担が軽減されました。また、顧客対応の場に防犯カメラや録音機器を設置し、客観的な証拠を確保できるようになったことで、トラブル対応がスムーズになっています。
飲食店業界では、「従業員への暴言や不当な要求には対応できません」と明示することで、トラブルの発生率が大幅に低下しました。録音や録画による証拠収集も、カスハラ行為の抑止に役立っています。
カスタマーハラスメント(カスハラ)の被害を受けた場合、従業員や企業が適切に対応するためには、専門の相談窓口や支援制度を活用することが重要です。厚生労働省や法テラス、業界団体などが提供しているサポートを知っておくことで、精神的な負担の軽減や法的な対応が可能になります。
厚生労働省では、カスハラを含むハラスメント問題に対応するため、「カスタマーハラスメント・就活ハラスメント悩み相談室」を設置しています。この相談室では、従業員や就職活動中の学生が受けたハラスメントに関して、無料で相談が可能です。
相談室では、次のようなサポートをしています。
電話やオンラインでの相談も可能なため、被害者が安心して相談できる環境が整っています。
カスハラによる損害賠償請求や刑事事件への対応が必要な場合は、法テラス(日本司法支援センター)の活用が有効です。法テラスでは、カスハラ被害に関する法律相談を無料または低額で受けることができます。
法テラスのサポート内容には、次のようなものがあります。
特に、カスハラが暴力や脅迫に発展した場合や、損害賠償を求める場合には、法テラスの支援が大きな助けとなります。
業界団体でも、カスハラ対策に関するサポートが提供されています。たとえば、小売業や飲食業では、業界団体が従業員向けのカスハラ対応マニュアルを作成したり、研修を実施しています。また、労働組合がカスハラ対応のための専用窓口を設け、被害を受けた際の報告・相談を受け付けているケースもあります。
業界団体が提供する支援制度を利用することで、現場の対応力を強化し、従業員の精神的負担の軽減ができます。また、業界全体でカスハラ対策を進めることで、企業単独では難しい問題にも効果的に対応できるでしょう。
カスハラが発生した場合、まずは社内での適切な初期対応や証拠の確保が重要です。防犯カメラや録音機器を活用して客観的な証拠を残すことで、法的対応やトラブルの再発防止に役立ちます。また、被害が深刻な場合には、警察への被害届や弁護士への相談を検討しましょう。
ブライト法律事務所では、カスハラ問題に精通した弁護士が、被害内容に応じた適切な対応方法をアドバイスいたします。損害賠償請求や刑事手続きなど、法的手段に関するサポートも可能です。カスハラ被害にお悩みの企業・従業員の方は、ぜひブライト法律事務所にご相談ください。
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