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戦後、日本は資本主義国となり、自由競争の市場原理のもとで発展してきました。しかし、事業者がそれぞれのルールで商品を販売すると、消費者にとっての不利益が生じるおそれがあります。商品やサービス(以下、商品)によって発生する不利益から消費者を守る法律の一つに景品表示法があります。 この記事では景品表示法について解説しています。2024年に施行予定の改正景品表示法についても触れていますので、商品の販売やプロモーションなど景品表示法にかかわる仕事をしている方は、ぜひ最後まで読んでください。
景品表示法は正式名称を不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)といいます。名称のとおり、事業者が商品を販売する際の不当表示や不当な景品によって、消費者の購買意欲を不当に誘引して消費者に必要のない商品を購入させたり、宣伝文句としてうたっている性能を有しない商品を購入させたりすることを防ぐことを目的とした法律です。
不当な広告を展開する事業者に対しては、消費者庁や都道府県知事が是正命令、つまり措置命令や課徴金納付命令を出せます。これに従わない事業者は、刑事罰を受けることもあります。
一方で景品表示法では、商品価格に対する景品の価格にも規制しています。ここでいう景品とは、商品購入の前後に消費者が受け取れる販促物のことです。これは景品の価格が一定以上になり、消費者が「景品を目当てに商品を選ぶ」という経済活動の本質から外れる行為を防止するために規制しているものです。
景品表示法に限ったことではありませんが、法律は時代にあわせて改正されます。令和5年10月の改定では、インターネット広告におけるステルスマーケティング、つまり消費者が広告と認識できない広告への規制内容が追加され、そして令和6年の改正では、違反時の自主的な対策を促す内容や従来より厳重な刑罰が追加される予定となっています。
景品表示法の目的は、不当な広告や不当な景品から消費者を守ることです。そのため、広告の表示内容や商品購入前後の景品の金額などについて細かい規制があります。また、ステルスマーケティングによる不当な広告も景品表示法の主な規制範囲に含まれます。
不当表示とは、商品の機能・性能や効果、それに取引条件が正しくない、あるいはわかりづらい表示のことをいいます。機能・性能や効果に関する正しくない表示を優良誤認表示、取引条件に関する正しくない表示を有利誤認表示といいます。
店舗への来店、あるいは商品購入を促すために景品をつけることがあります。しかし、景品の金額が一定以上高価になると、消費者が景品目当てに不必要な商品を買って経済的損失を被るおそれがあります。そのため、景品表示法では景品の金額についても規制があるのです。
ステルスマーケティングとは、広告と明示せずにインフルエンサーや実際に商品を使用した消費者が感想を投稿することで、広告と同じ効果をもたせるものです。景品表示法では、消費者に当該商品を不当によく思わせることを防止する目的でステルスマーケティングを規制しており、広告と認識できないような表示方法や、恣意的な投稿、つまり口コミなどを規制しています。
優良誤認表示とは、商品の機能・性能、あるいは効果に対して正しくない情報を表示することです。たとえば、次のような内容が規制の対象となります。
もちろん上記内容が事実であれば問題ありません。しかし、表現が虚偽や過大であったときに優良誤認表示とみなされる場合があります。
まず、「絶対に」という表現は基本的によくありません。どのような消費者やどのようなケースも対象にすることになり、企業としてはそこまで担保できないため記載すべきではないとされているのです。「環境に優しい」に関しても、その根拠は何なのか?同業他社の製品と比べてどの程度環境負荷が低いのか?など、定量的なデータが必要になります。
「AI搭載」も、AIが実装されているからこその具体的な機能がなければいけません。昨今、AIという言葉だけが広まっていますが、AIの本質である強化学習や深層学習の機能がないと、基本的にはAIと呼べません。「業界No.1」に根拠が必要なことは言うまでもありませんが、「業界トップクラス」はさらに表現が曖昧になっており、不当に消費者に対してよい印象を与えてしまいます。
上記のような表示を行うときは、科学的な根拠や統計的に問題のないサンプル数での実験データなど、定量的で再現性のあるデータがないと優良誤認表示とみなされる場合があります。
不実証広告とは、広告でうたっている機能・性能や効果をデータで証明できない広告のことをいいます。
消費者庁は優良誤認表示の疑いのある事業者に根拠となる資料の提出を求めることができます。その場合、事業者は15日以内に消費者庁に資料を提出する必要があり、それができない場合には優良誤認表示とみなされます。
つまり、消費者庁は該当する広告が優良誤認表示であることを証明する必要はなく、科学的根拠などのデータを示せないことをもって事業者は景品表示法違反となってしまいます。もちろん、提出したデータが広告でうたっている機能・性能や効果を証明できると判断できない場合も、景品表示法違反となり得ます。
有利誤認表示とは、取引条件を消費者に有利なように誤認させる情報を表示することです。たとえば、次のような内容が規制の対象となります。
有利誤認条件では、表示内容が事実であってもほかに条件があったり、そもそも安くない金額なのに値引きしているように見せかけているといった手法が見受けられます。また、先着◯◯名様プレゼントのような景品の場合、本当に◯◯名がもらえることを消費者が確認する術がなく、景品の数がそもそも少なかったり、景品をもらうために厳しい条件が課されている場合もあります。
措置命令とは、消費者庁や都道府県が景品表示法に違反した事業者に対して講ずる行政措置の一つです。具体的には一般消費者に与えた誤認を排除、つまりHPや新聞等に訂正文を掲載したり、再発防止策を策定したり、違反行為、つまり不当な広告の表示をやめるよう命じたりします。
課徴金納付とは、誤認を与える広告により不当に得た利益を変換させる目的で、お金、つまり課徴金を納付させる命令のことです。金額は当該商品の売上額の3%相当額とされています。しかし、事業者によっては商品ごとの売上を管理していない場合もあり、課徴金の金額算出に時間がかかり、その結果、課徴金納付が遅くなることがあります。令和6年に施行される改正景品表示法では、この対策も盛り込まれています(詳細後述)。
消費者庁や都道府県が命じた措置命令や課徴金納付に従わない事業者には、2年以下の懲役、あるいは300万円以下の罰金、あるいはその両方が科されることがあります。現行法(令和6年4月時点)では、措置命令や課徴金納付に従わない場合に限り刑事罰を受ける可能性があります。しかし、改正法ではこの点も変更になっています(詳細後述)。
2023年度に消費者庁から発せられた行政処分、つまり措置命令および課徴金納付命令を紹介します。
メルセデス・ベンツ日本は、同社が供給する多目的スポーツ車(SUV)のうち、「GLAクラス」と「GLBクラス」に該当する3車種と高性能シリーズである「AMGライン」などのカタログが不当表示に該当すると認定され、12億3097万円の課徴金納付を命じられました。
この違反は商品カタログの中で、舵角に応じてステアリングのギア比を変える機構である「ダイレクトステアリング」や、渋滞で停止後に自動で再発信する機能である「自動再発進機能」が、あたかも標準装備であるかのように表示されていたことによるものです。実際にはオプションのため、実装するためには追加料金が必要でした。また、AMGラインについては、取り付けられたサスペンションがあたかも通常以上の機能・性能があるように誤認させながら、実は通常のグレードと同じ部品を使っていたとのことです。
この事案は2024年4月時点で、国内過去最高額の課徴金納付命令です。
大幸薬品は、同社が供給する二酸化塩素を主成分とした消毒薬である次の商品のパッケージが不当表示に該当すると認定され、6億744万円の課徴金納付を命じられました。
この違反は商品パッケージに「空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去」、「用途 空間のウイルス除去・除菌・消臭にご使用いただけます。」と表示して、あたかもこれらの商品の主成分である二酸化塩素により、室内空間に浮遊するウイルス、あるいは菌が除去または除菌される効果があるように消費者に誤認させたものです。同社が消費者庁の求めに応じて提出した資料には、これらの効果を裏付けるものはなく、不当表示とみなされました。
日本マクドナルドは、同社が供給する「東京ローストビーフバーガー」および「東京ローストビーフマフィン」の広告表示(各々のセット商品を含む)が不当表示に該当すると認定され、2171万円の課徴金納付を命じられました。
この違反はテレビコマーシャル(CM)において、「しっとりリッチな東京ローストビーフバーガー」という音声を流すと同時に、ローストされた牛赤身肉の塊をスライスする映像を流すことにより、あたかもブロック肉を使用しているように見せかけたものです。しかし、実際には牛の成形肉、つまり牛赤身肉を切断・加熱後に結着させて、形を整えたものを使用していたとのことです。
ライザップは、自社で展開するダイエットを目的としたフィットネスプログラムにおいて「30日間全額返金保証制度有」と広告に表示して、あたかも入会後30日なら無条件で全額返金されると消費者に誤認させました。この件について神戸市の消費者団体「NPO法人 ひょうご消費者ネット」から改善の申し入れを受けました。
この違反(行政措置を受けていないため、あくまでも疑惑)は、全額返金されるのは同社が認めた場合に限ることを明示せず、全額返金にならないケースもあるにもかからわず、あたかも無条件かのように消費者に誤認させたものです。同社ははじめ「法的根拠を欠くもの」と消費者団体からの申し入れを拒否していましたが、その後態度を一転。「最高水準の結果をお約束すべく、プログラム開始から30日間はいかなる理由でも、ご納得いただけないときは、全額を返金いたします。」とHPに記載しました。
アディーレ法律事務所は、過払い金返還請求に関して「今だけの期間限定で返金保証キャンペーンを実施」などとうたって、あたかも今申し込めば返金保証を受けられると消費者に誤認させました。この件についてアディーレ法律事務所が業務停止2か月の処分を受けたほか、元代表社員である石丸幸人弁護士が業務停止3か月の懲戒処分を受けました。
この違反は、「今だけ」とうたいながら実際には約5年にわたって継続的に実施されていたものです。HPでは「◯◯月■日〜◯◯月▲▲日まで」期間限定であるかのように表示し、その期間が過ぎたあとに、ふたたび期間を設定して同様の表示を行っていました。
飯田グループホールディングスおよびほか四社(住宅情報館、一建設、飯田産業、アーネストワン=いずれも子会社)は、以下のような表示(一例)をして消費者を誤認させたとして、措置命令を受けました。
以上はいずれも飯田グループホールディングスのHPに表示されていたものですが、他四社についてもHPやポスティング・チラシなどにおいて不当な表示を掲載しました。この件について飯田グループホールディングスほか四社は措置命令を受けました。
この違反は、飯田グループホールディングスほか四社が提供する役務が同業他社に比べて、広告に挙げたそれぞれの調査結果において第一位を獲得したかのように消費者に誤認させたものです。しかし、実際は飯田グループホールディングスを含む特定の9事業者を比べただけのものであり、客観的な調査に基づくものではありませんでした。
バウムクーヘンは、同社が供給するペット用サプリメント「アイズワン」について、犬の白濁した目が改善するかのような効果をうたったとして1016万円の課徴金納付命令を受けました。
具体的には自社Webサイトにて、目が白濁している犬のイラストとともに、「年齢とともに不自由になっていくココ・・・若々しかった目の輝きもなくなったような・・・」というコピーを掲載。さらに、犬の飼い主が白濁した目をもつ犬を抱えているイラストとともに、「私にもできることが何かあるはず!!」などと記載したうえで、目の周りにキラキラした光の加工を施した犬の画像とともに、「クリアで綺麗な透き通った気分に!」などと記載していました。
これに対して同社は、裏付けとなる資料の提出を消費者庁から求められたため、提出しました。しかし、その資料中に上記内容を裏付ける根拠はなく、課徴金納付命令を受けることになりました。
東京マルイは、同社が供給するBB弾「パーフェクトヒットシリーズ」のうち0.2gの
BB弾、および0.25gのBB弾についてその材料が生分解性があるように表示していたとして1353万円の課徴金納付命令を受けました。
具体的には同社のWebサイトにて「本物の安心感 成分解 ベアリング研磨0.20g BB弾 植物由来(PLA)やミネラル成分とで構成された『本物』の生分解、高精度BB弾です。石油系の原材料は一切使用していません。」などと表示していたため、消費者庁は根拠となる資料の提出を求めました。しかし、同社から提出された資料により表示の裏付けとなる根拠が示されていなかったため、課徴金納付命令となりました。
ハハハラボは、同社が供給する機能性表示食品「メラット」について、実際よりはるかに大きな効果が出るとうたって消費者を誤認させたとして措置命令を受けました。
具体的には同社アフィリエイトサイトにおいて「何をやっても太る理由が判明! 食べていないのに太るのは”燃焼力”がないから 50kg以上の女性 9割がしていない 3週間で60.8kg→47.2kgまで痩せた方法がすごい!」などと表示していたため、消費者庁は根拠となる資料の提出を求めました。しかし、同社から提出された資料には表示の裏付けとなる根拠が示されていなかったため、措置命令となりました。
中国電力は、同社が供給する家庭用電力プラン「ぐっとずっと。プラン スマートコース」(以下、スマートコース)および「ぐっとずっと。プラン シンプルコース」(以下、シンプルコース)において、一般的なプランより電気代が安くなると表示して措置命令を受けました。
具体的には、同社Wbサイトにおいてスマートコースについて「ご家庭のお客さまに最も多くご契約いただいている『従量電灯A』よりも、1年間で約1,200円おトクになる新コースです。」、「電気のご使用量が比較的少なく、時間帯を気にせずに電気をご使用になりたいお客さま(月平均ご使用電力量400kWh以下)におすすめです。」などと表示していました。また、同社パンフレットにおいてシンプルコースについて「『従量電灯A』で電気をたくさん使うご家庭なら年間約10,000円おトクに!」、「ご家族が多いご家庭や、昼間は家にいることが多いお客さまなど、ご使用量が月平均400kWhを越えるお客さまにおすすめです。」などと表示していました。
しかし、実際には、両プランの電気料金に含まれる燃料費調整額が、従量電灯Aのそれを上回るため、スマートコースにおいて月平均電力使用量が400kWh以下であっても、またシンプルコースにおいて同400kWhを越える場合であっても、電力料金が従量電灯Aより安価にならないケースがありました。
バンザンは、同社が供給する学生向け学習指導サービス「メガスタ高校生」、「メタスタ中学生」、および「メガスタ私立」において「No.1」や「第1位」と表示するなど、あたかも同業他社の類似サービスと比較して満足度が高いように表示したとして、6346万円の課徴金納付命令を受けました。
具体的には、同社Webサイトにおいて「オンライン家庭教師で利用者満足度No.1に選ばれました!」や「第1位 オンライン家庭教師 利用者満足度」などと表示していました。しかし、実際には調査を委託した事業者が行ったのは、同社が提供する前述の三つのサービスを利用したか否か明確でない者に行った調査であり、満足度を客観的に調査したものではありませんでした。
北海道電力は、同社が供給する家庭用の電気および都市ガスの小売に関する表示において、電気料金およびガス料金が安くなるような表示をしたとして、措置命令を受けました。
具体的には、同社が電気の検針票とともに配布したリーフレット「あなたのでんき 2020年 冬号 Vol.406」において、「電気もガスもまとめてほくでんがおトク!」や「ガスのご契約が北海道ガスの『一般料金』のお客さまがおトクになる ガスとくパック」などと表示していた。また、「ほくでんガス+ほくでんの電気料金プランエネとくポイントプランのセットで ガス料金が北海道ガスの『一般料金』より5%おトクに! 電気とガス合わせたら年間約6,000円相当おトク!」と具体的な金額も表示していました。
しかし、実際はこの水準の金額で同サービスを利用するには、ポイントサービスに加入したうえで毎月のログイン、週刊コラムの閲覧など条件をクリアする必要があったのです。つまり、サービスに加入するだけでは、うたっている金額では利用できないものでした。
ドミノ・ピザジャパンは、同社が供給するピザ「アメリカン」のチラシにおいて実際の価格より安く思わせるような表示があったとして、措置命令を受けました。
具体的には、特定の店舗で配布したチラシに「お持ち帰り半額 毎日、いつでも、どのピザでも、好きなだけ お持ち帰り」や「お持ち帰り 半額 M¥950(税込) R¥1,249(税込)L¥1,550(税込)」、あるいは「デリバリー M¥1,900(税込) R2,499(税込) L¥3,100(税込)」などと表示していた。しかし、実際には表示された価格にサービス料と称して最大299円が加算されるものでした。
富士通クライアントコンピューティングは、同社が供給するノートパソコン「LIFEBOOK WU2/G」などについて、価格が不当に表示されていたとして措置命令を受けました。
具体的には、同社Webサイトにおいて「WEB価格(税込)187,880円 キャンペーン価格(税込) 148,425円 21%OFF(10/5 14時まで)」と表示して、あたかもキャンペーン価格が通常価格より安いと誤認するように表示していた。しかし、実際には販売実績のない商品だったのです。
大木製薬は、同社が供給する商品「ウイルオフ ストラップタイプ」と「ウイルオフ マグネットタイプ」、および「ウイルオフ 吊下げタイプ」について、その効果を不当に大きく表示したとして4655万円の課徴金納付命令を受けました。
具体的には、同社Webサイトやテレビコマーシャル、およびYouTubeの動画広告において、同商品を首からぶら下げている人物の画像とともに「二酸化塩素のパワーで、ウイルス除去・除菌 ウイルオフ ストラップタイプ」などと表示していました。しかし、消費者庁が同社に求めて提出された資料には効果の裏付けとなる根拠が記載されておらず、課徴金納付命令をうけました。
ゼンワールドは、同社が供給するプラチナ触媒および二酸化チタン触媒の組成物を含有する塗布剤を住宅等の窓ガラスに塗布する役務や商品(以下参照)について、効果の表示が不当だとして措置命令を受けました。
具体的には、同社Webサイトにおいて「㈱ゼンワールドや、居室や室内などの空気環境を改善する特許技術エアープロットをご提供します。 エアープロットはアレルギーの原因となる花粉、ダニの死骸や糞、シックハウス症候群の原因となる化学物質(ホルムアルデヒド等)、PM2.5、ウイルス、臭い等、さまざまな空気が汚れる原因物質を除去します。 窓ガラスにエアープロットを塗布することで、太陽光とプラチナチタン触媒の相乗効果で空気がキレイになり、快適で安心できる空気環境を作ることができます」と表示していました。
しかし、消費者庁から求められて提出した資料には、同商品の効果を裏付ける根拠が記載されておらず、措置命令を受けました。
W-ENDLESSは、同社が供給する食品「Dr.味噌汁」(ディーアールドットみそしる)において、その効果が高いと誤認させる表示をしたとして530万円の課徴金納付命令を受けました。
具体的には、同社Webサイトにて、細身で筋肉質な上半身の人物画像とともに「それは今までは全く違う、”我慢しない”ボディメイク法で、『これだ!』と思って試してみることに。 辛い食事制限や運動ではダメだった僕も、その方法を試してみると…」などと表示していました。しかし、消費者庁からの求めに応じて提出した資料には、その効果を裏付ける根拠が記載されておらず、課徴金納付命令を受けました。
さくらフォレストは、同社が供給する機能性表示食品「きなり匠」および「きなり極」について、その効果を不当に大きく見せる表示をしたとして措置命令を受けました。
具体的には、同社Webサイト、および同社が発行する冊子および容器包装において、以下のような表示を行いました。
しかし、消費者庁から求められて提出した資料には、同商品の効果を裏付ける根拠が記載されておらず、措置命令を受けました。
沖縄特産販売は、同社が供給する商品「養力珪素」について、その効果を不当に大きく見せる表示をしたとして、2464万円の課徴金納付命令を受けました。
具体的には、配布したダイレクトメールにおいて、あたかも本商品を摂取、あるいは噴霧することで、珪素の作用により血液をサラサラにする効果や、血管を強くして高血圧・高血糖および糖尿病を改善する効果などがあるように表示しました。その後、消費者庁から効果を裏付ける資料の提出を求められたにもかかわらず、期日までに提出しなかったため、課徴金納付命令を受けました。
マルキユーは、同社が供給する釣り用の疑似餌四商品(下記参照)において、あたかも水中の微生物によって生分解されるような表示をしていたとして、1774万円の課徴金納付命令を受けました。
具体的には、商品パッケージにおいて、「本品は水中の微生物によって分解される生分解性樹脂を使用しており、保存液も含め全て魚や人体に無害です。」と表示していました。しかし、消費者庁から求められて提出した資料には、その効果を裏付ける根拠が記載されていなかったため、課徴金納付命令を受けました。
景品表示法では、商品の機能・性能、そして効果の表現を規制しています。どのような表現が相応しくないのか確認しましょう。
コピーと性能の整合性を確認しましょう。性能は基本的に数値で表現できます。その数値を絶対的、そして相対的にとらえたとき、コピーに使っている言葉に対して違和感がないことが大切です。もちろん言葉の感じ方は消費者それぞれです。しかし、社会通念上著しく乖離している表現については一般的に考えて誤解を与えないように修正する必要があります。
効果を示す場合も同様です。効果の中には数値で示せないものもあり、その感じ方も消費者次第ということもあります。しかし、科学的、あるいは医学的に証明されていないことを効果としてうたうには非常にリスクがあることを覚えておきましょう。仮に「原理はわからないが、確かな効果がある」場合には、それを証明できるだけのデータ(実験結果)や根拠が必要です。
消費者に誤解を与えるような表現はやめましょう。たとえば、「業界No.1」と表現する場合は、その根拠を示しましょう。「◎◎社の◯◯年度の調査で一位を獲得した」というような根拠が必要です。ただし、その調査で一位を獲得したことをもって、「なぜ業界No.1といえるのか?」ということを説明しないと根拠になりません。
同業他社と商品の金額を比較して「業界No.1」と表現するのもリスクがあります。たとえばスマートフォンのプランの場合、プランの仕様がまったく同じことはなかなかないでしょう。同一でないものを比べて、金額の大小を比較しても意味がありません。
機能・性能、効果を示す証拠資料をよく確認しておきましょう。証拠資料がないのは以ての外ですが、たとえ証拠資料があったとしても、その内容を確認する必要があります。具体的には次のような内容です。
確固たる証拠資料が用意できたら、必要に応じて提出できるようにきちんと保管しておきましょう。提出が求められたら15日以内に提出する必要があり、自然災害などよほどのことがない限り延長が認められることはありません。
令和5年10月より、ステルスマーケティングへの規制がはじまりました。この規制は主にインターネット上の広告を想定したものです。どのようなことに注意する必要があるのか、確認しましょう。
自社の商品を購入してくれた消費者に口コミを依頼するのは問題ありません。しかし、口コミの内容について、ポジティブな内容を書くように指示していれば問題になり得ます。また、ポジティブな内容を書くように指示したうえで報酬を渡す行為も、もちろん問題になり得ます。
商品のPRをインフルエンサーに有償で依頼することもあるでしょう。以前なら、それが広告とわからず「インフルエンサーが本当に使って、個人的な感想を投稿している。インフルエンサーがよいと言っているなら、よい商品かもしれない」と消費者が勘違いして購入するケースもありました。しかし、令和5年10月以降は広告である旨の表示が必要となっています。
テキストベースのSNSであれば、「#PR」のようなハッシュタグをつけて対応しましょう。ただし、無闇に多くのハッシュタグをつけて「#PR」がわかりにくいようにすると問題になり得ます。
動画の場合は、動画内において広告である旨を記載する必要があります。ただし、記載していても動画の終わりごろにごく短い時間だけ、他の文字より小さく薄く、といった状態では問題になり得ます。
社員が自社の商品について、プライベートでSNSに投稿することもあります。この行動そのものはよいことですが、社員の立場によっては問題になり得ます。たとえば、EC担当や営業担当など一般社員でも販売に直結する部署や、経営陣の場合は問題になり得ます。一方、製造工場の作業員など販売に直接関与しない職種の社員なら、問題にならないとされています。
景品表示法は、故意でなくても知識がなく違反してしまう場合があります。そのような事態を防ぐために、社員への教育をきちんと行いましょう。
社外の研修に社員を派遣することが大切です。社外研修なら、一般的かつ最新の情報を知ることができます。また、同業他社の社員や講師など景品表示法にかかわる人の様子も知れるため、自社、あるいは自身を客観的に見る機会としてよいでしょう。ただし、社外の人と話すときは、社内秘の情報を話さないように注意してください。
社外研修は一般的な内容を学ぶのに適していますが、参加人数が多いと質問しづらかったり、そもそもデリケートな質問ができなかったりすることがあります。また、講師が弁護士とは限らず、必ずしも法律に詳しいわけではありません。
そこで、弁護士を招いて社内研修を行うと、それらの問題を解決できます。社内研修なら比較的気軽に質問でき、多少デリケートな質問もできるでしょう。また、ただ講義を聴くだけでは、知識が記憶されないこともあり、質問してはじめて理解が深まるのです。なぜなら、質問するには「わかった点」と「わからなかった点」を整理する必要があるためです。わかった点を整理する過程で参加者の頭の中が整理され、質問することでわからなかった点を解決できます。
販売にかかわる社員には、その他の部署の社員とは別に定期的に教育機会を与えるのもよいでしょう。景品表示法はたびたび改正されており、改正されるたびに新たな違反事例が増えていきます。法律の条文や消費者庁のガイドラインを読んでも社員にわかってもらえない場合は、事例を示すとわかってもらいやすくなることもあります。
教育が必要なのは社員だけではありません。フリーランスを含む外注先にも教育は必要です。しかし、社員でないためわざわざ教育機会を与える経営者は少ないでしょう。そのため、納品物の確認が必要なのです。
フリーランスの中には最低限の景品表示法の知識がない人や、最新の法律をキャッチアップしようとしない人もいます。フリーランスは納品物がすべてであるため、納品物のなかにそのような表現があった場合は、すぐに是正してもらうようにしましょう。
また、フリーランスの中にはさまざまな倫理観をもった人がおり、社会通念上考えられないような内容や数値が記載されている場合もあります。もちろん社内でのチェックや弁護士によるリーガルチェックをきちんとすると思いますが、フリーランスによっては一般常識が通用しないこともあると考えておいたほうがよいでしょう。
ここでは、現行の景品表示法に関する疑問をQ&A方式で紹介します(※1)。ただし、以下の内容はあくまでも一般的な見解であり、いかなるケースにもあてはまるものではありません。詳細を知りたい方は、当弁護士事務所までご連絡ください。
※1:消費者庁「表示に関するQ&A」
以下のようなものが「表示」に含まれます。
不当表示の内容の決定に関与した事業者が、規制対象です。そのため、自社で供給する商品を製造するメーカーや販売する卸売業者・小売業者が対象となるのです。卸売事業社や小売事業者からすると、扱っている商品はあくまでメーカーのもの、つまり自社の商品ではないという認識かもしれませんが、あくまでも「自社で供給する商品」と認識されます。
景品表示表は、あくまでも自社で提供する商品をもつ事業者を対象としているため、製造や販売に直接関与しない広告代理店は規制対象となりません。しかし、販売は企業にとって売上を上げるための大切な手段であり、広告代理店の不備によって不当表示がなされると、メーカーや卸売業者、そして小売業者に大きな被害を与えることになります。規制対象とはなりませんが、十分な注意が必要です。
チラシ広告の表示内容を最終的に決めたのは小売業者であるため、規制対象になります。しかし、規制対象となることと過失の有無、あるいはその程度は別の話です。
景品表示法では、不当な表示を決定した事業者のみならず、他事業者の商品の表示内容を決定した事業者、つまり委託先や、他の事業者に商品の表示内容の決定を委ねた事業者、つまり委託元も含まれます。そのため、上記の場合、メーカーと小売業者の両方が規制対象となります。
小売業者が表示の決定に一切関与していない場合は、規制の対象になりません。
次の二つの要件を満たすものが「合理的な根拠を示す資料」と認められます。
1.客観的に実証された内容
2.効果や性能と提出資料が適正に対応していること
基本的には商品・サービスの効果や性能に関する多数の専門家やその業界において一般的に認められた方法を用いる必要があります。しかし、そういった専門家や一般的な試験方法が存在しない場合には、社会通念上および経験則上、妥当と認められる方法で実施される必要があります。
使用者の体験談を、性能や効果を裏付ける資料として使用するには、無作為抽出法で相当数のサンプルを選定するなど、統計学的に十分な客観性が担保されている必要があります。
サンプルの中に自社社員やその家族がいる場合は作為的な要素を含んでいるため、統計的に客観性が担保されているとはいえません。また、自社に寄せられた体験談においても、体験談を送る時点でその使用者はポジティブな感想を持っているとみなされ、ネガティブな感想より多いと考えられます。そのため、自社に寄せられた体験談は統計的に客観性が担保されているとはいえません。
性能や効果を裏付ける資料は、消費者庁長官が求めた日から15日以内に提出すると決められています。これを過ぎた場合には優良誤認表示とみなされます。自然災害など、ごく限られた条件においては個別に延長が認められるケースも制度としてはありますが、「新しく実験する必要がある」といった内容では認められません。
提出期限が過ぎて優良誤認表示とみなされたあとも、追加の証拠資料を提出して正当性を主張することはできます。
そもそも消費税法では、税込価格の表示が義務付けられています。また、総額表示方式が導入されて一定程度経過している現在では、税込みか税抜きか明示せずに税抜き金額だけを記載している場合、消費者が税込価格と誤認するおそれがあります。この場合、有利誤認表示に該当するおそれがあります。
値下げ前の価格を「当店通常価格」などとうたって、値下げ後の価格と併記する、つまり二重価格表示を行う際は、値下げ前の価格が「最近相当期間にわたって販売されていた価格」でなければなりません。値下げ前の価格がこれに該当するかどうかは、個別具体的に判断されますが、一般的には次のように考えられています。
メーカーが予め設定しているメーカー希望小売価格と小売価格を二重価格表示することは問題ありません。しかし、メーカー希望小売価格が小売業者の意向に沿って決められたものである場合は、この限りではありません。
自社の商品と、競合他社の類似品を比較した広告を比較広告といいます。比較広告では商品の機能や性能、そして取引条件が客観的に比較されていることが大切です。不当表示に該当しないようにするには、以下の点に注意する必要があります。
一般的に、比較広告において類似商品の選択は自由に行えます。しかし、性能や機能が著しく異なるなど社会通念上、あるいは取引通念上同等でないものと比較して、自社商品が優れていると誤解させる広告は、不当表示に該当するおそれがあります。
以下に示すように、実際には商品の購入ができない、あるいは著しく困難であるにもかかわらず、あたかも購入できるように表示する広告を「おとり広告」といいます。具体的には以下のような広告です。
複数店舗の情報を示すチラシであっても、チラシに記載されているより目玉商品の数が少ない店舗があると、おとり広告に該当するおそれがあります。チラシのスペースの都合上、全店舗の目玉商品の数を記載できないときは、対象店舗中もっとも少ない目玉商品を記載しましょう。また、目玉商品の用意がない店舗があるときは、その店舗名をチラシに記載する必要があります。
「不動産のおとり広告に関する表示」が指定されており、次のような広告を不当表示としています。
「有料老人ホームに関する不当な表示」が指定されています。有料老人ホーム選択時の検討項目として挙げる以下の内容に、実際は制限事項があるのに明示されていない場合や、表示内容が明らかでない場合に、不当表示とみなされるおそれがあります。
一般的に「特選(撰)」や「極上」は、ほかの商品と比べて優位性があるように思われます。しかし、実際には品質や製造方法に優位性がない、つまり事実に基づかないでそのような表示のみを行っている場合には、不当表示に該当するおそれがあります。業界独自のルールなどについて主要な業界団体に確認してみて下さい。
閉店、つまり当該店舗単体で考えた場合の廃業に該当する場合に「閉店セール」、つまり通常価格より安く販売することがあります。このようなセールを行うと、一般的に消費者は「そのお店は閉店するため、閉店までの一定期間のみ安く販売されている」と認識します。
そのため、実際には閉店しないのに閉店セールを行ったり、閉店する意思はあってもその時期が明確でない場合に閉店セールを行うと、不当表示に該当するおそれがあります。もちろん、「閉店するが、翌日になるとまた開店する」という意味の閉店セールも不当表示になり得ます。
景品表示法の改正は2023年5月の国会で可決され、公布されました。施行日は公布から1年6か月以内であるため、2024年中には施工されます。ここでは景品表示法の改正内容を確認します。
確約手続とは、景品表示法に違反した業者に対して自主的な改善を求めるための手続きです。現行法では、景品表示法に違反した場合、自主的に対応したとしても措置命令や課徴金納付命令を受けるように運用されています。つまり、違反がわかった時点で対応すれば消費者の被害を最小にできるにもかかわらず、対応の有無にかかわらず処分を受けてしまうのです。
しかし、改正法では内閣総理大臣に対して「是正措置計画」を提出して認定されれば、措置命令や課徴金納付命令が発出されないと確約されます。これにより事業者は早急に被害者保護の対応ができるようになり、結果的に被害の最小化につながるのです。
もちろん、提出した是正措置計画を守らなかったり、是正措置計画そのものの内容に不備があり認定されなかったりした場合はこの限りではありません。
課徴金制度には返金措置があります。課徴金納付命令の対象となった商品を購入した消費者から申し出があった場合、当該消費者の購入額のうち3%以上のお金を返金すると、その金額分だけ課徴金が減額されます。
これは被害者保護をすすめるための措置で、課徴金として徴収すると国庫に入ることになりますが、被害者に返金することで少しでも多く被害の弁済にあてられます。ただし、被害者に返金することと、被害者が納得するか否かは別のことです。場合によっては損害賠償請求されることもあります。
現行法では事業者が被害者に対して行う返金は、現金しか認められていません。しかし、この制度の利用件数が少ないことを鑑みて、昨今利用者が増えている電子マネーでの返金を可能にします。しかし、電子マネー以外の返金手段、たとえば商品券やポイント、それに商品交換等を認めてしまうと、被害者と事業者の関係が続いてしまうことになります。そこで改正法では、第三者型前払式支払手段、つまり、いわゆる電子マネーに限定して現金以外の返金を認めています。
課徴金の金額は、違反と認められた商品の売上額によって決まります。しかし事業者によっては売上の管理がきちんとされておらず、当該商品の売上額の把握に長い時間を要する場合もあります。その結果、課徴金納付にも時間がかかり、事業者が適切なタイミングで適正な対応をできないと問題となっていました。
改正法では、所定の資料を用いて売上金額を合理的に推計できる内容が盛り込まれています。これにより、正確な売上金額がわからない場合でも、課徴金納付を遅滞なく行えるようになるのです。
景品表示法に違反する事業者の中には、措置命令や課徴金納付命令を受けても違反を繰り返す法人もあります。そのため、一定期間内に景品表示法違反を繰り返す事業者に対して、課徴金の金額を割増計算できるようになります。
現行法では、当該商品の売上の3%が課徴金の金額ですが、改正法では過去10年以内に課徴金納付命令を受けた事業者、あるいは当該命令を受けた後に再度課徴金納付命令を受けた場合には、課徴金を当該商品の売上の4.5%として計算するようになります。
優良誤認表示や有利誤認表示を行うなどして景品表示法に違反した業者は、現行法において、措置命令や課徴金納付命令を受けます。そして、これらの命令に従わなかった場合に限り、刑事罰を受けるという流れでした。しかし、改正法ではこれらの命令の前に100万円以下の罰金を命ずることができるようになります。
刑事罰を抑止力とすることで、事業者のさらなる意識向上、そして公平公正な販売活動が行われる社会への改善が期待されています。
送達制度とは、法律に違反した事業者に対して、行政処分を知らせるときの連絡手段のことをいいます。現行法では送達制度が明確に定められていませんでしたが、改正法では整備されています。
適格消費者団体とは、不特定多数の消費者の利益を保護することを目的として設立された団体です。内閣総理大臣の認定を受けており、消費者契約法12条に定められた差止請求権を行使するための適格性を有する団体なのです。
現行法では、優良誤認表示の根拠となる資料の開示を求められるのは消費者庁です。しかし、改正法では適格消費者団体もこれの提出を事業者に求められるようになります。ただし、事業者は適格消費団体に対して必ずしも提示する義務はなく、あくまでも努力義務になります。
この記事では景品表示法について解説しました。景品表示法は不当な広告から消費者を守ることを目的とした法律で、優良誤認表示や有利誤認表示を規制します。また、令和5年からはステルスマーケティングに他する規制もはじまりました。
故意に消費者を誤任させる表示は以ての外ですが、法的知識がない故に違反してしまうこともあります。これを防ぐためには定期的に社員教育などが必要となります。また協力事業者、つまりフリーランスから納品されたものの確認にも気が抜けません。誰が決めたコピーであっても、その検討にかかわっているあなたの会社が、その責任を追うことになります。
また、2023年5月に公布された改正景品表示法は2024年中に施行される予定です。施行後に慌てないように、今のうちに現行の景品表示法および改正内容をおさえておきましょう。
社内で対応できない場合は、私たち弁護士がお手伝いいたします。
【メタディスクリプション】
この記事では「景品表示表とは何か?」という疑問が解決できるよう解説しています。この記事を読めば、法律の概要や摘発事例、そして2024年に施行される改正景品表示法の内容も把握でき、企業のコンプライアンス体制の強化が期待できます。
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