このページは、企業の労務/普通解雇 vs 懲戒解雇の選択について、企業の労務問題対応を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、人事担当者・経営者向けに実務ポイントを整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 普通解雇は「解雇権濫用法理」、懲戒解雇は「就業規則記載事由+相当性」が要件
- 懲戒解雇は退職金不支給・転職不利等の重い効果あり
- 実務では普通解雇+退職金支給の方が紛争リスクが低い
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普通解雇と懲戒解雇の違い
解雇には(1)普通解雇、(2)懲戒解雇、(3)整理解雇の3種類があります。問題社員対応では普通解雇と懲戒解雇の選択が論点になります。
(A) 普通解雇:能力不足・勤怠不良・適性欠如等を理由とする解雇。労働契約法16条の解雇権濫用法理に従う
(B) 懲戒解雇:労働者の重大な非違行為に対する制裁としての解雇。就業規則の懲戒事由に該当+懲戒権濫用法理(労契法15条)に従う
普通解雇の有効要件
普通解雇が有効と認められるには:
(1) 客観的合理的理由:解雇相当の事実が客観的に存在
(2) 社会通念上相当性:解雇という重い処分が相当
(3) 解雇予告(労基法20条):30日前予告または30日分以上の解雇予告手当
能力不足を理由とする解雇では、(a)改善の機会の付与、(b)指導・教育の実施、(c)配置転換の検討、を経た上での解雇が原則。いきなりの解雇は無効リスク高い。
懲戒解雇の有効要件
懲戒解雇が有効と認められるには:
(1) 就業規則の懲戒事由該当:横領・無断欠勤長期化・暴行・経歴詐称等の事由が就業規則に明記
(2) 事案の重大性:軽微な違反では懲戒解雇は重すぎ
(3) 過去の処分との均衡:類似事案で懲戒解雇していなければ無効
(4) 適正手続き:弁明の機会付与・懲戒委員会等
(5) 労基署への解雇予告除外認定:取得すれば解雇予告手当不要
懲戒解雇の重い効果
懲戒解雇の効果:
(1) 退職金不支給または減額
(2) 解雇予告手当不支給(労基署認定取得時)
(3) 雇用保険の給付制限(自己都合扱い)
(4) 転職時の悪影響(履歴書記載)
(5) 社会的信用毀損
これらの重い効果のため、裁判所は懲戒解雇の有効性を厳格に判断。慎重な検討が必要。
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実務的な選択判断
(A) 懲戒解雇が妥当:(1)横領・着服、(2)業務上の重大犯罪、(3)取引先への重大背信、(4)長期無断欠勤、(5)経歴詐称(重大)
(B) 普通解雇が妥当:(1)能力不足、(2)勤怠不良(軽微)、(3)業務命令違反(軽微)、(4)協調性欠如
(C) 退職勧奨が妥当:(1)グレーケース、(2)早期解決希望、(3)紛争リスク回避優先
解雇撤回・地位確認訴訟への対応
解雇後、被解雇者から解雇無効主張・地位確認訴訟が提起されるリスクは常にあります。対策:
(1) 解雇前の内部手続きを文書化(指導記録・改善機会付与の証拠)
(2) 解雇通知書での解雇理由を具体的に記載
(3) 弁護士監修での退職届・退職合意書の取得
(4) 訴訟提起時の早期和解検討(解雇無効+バックペイ支払いを避けるため)
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ブライトの解雇対応サポート
弁護士法人ブライトは、企業の問題社員対応で(1)解雇種別の戦略選択、(2)就業規則・懲戒委員会等の手続き整備、(3)解雇通知書・退職合意書の作成、(4)解雇無効訴訟への対応、(5)退職金・解雇予告手当の最適化、を一括サポートします。
解雇は「最後の手段」。事前の指導・改善・配置転換を経たうえで、慎重に判断することが紛争予防の鍵です。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
企業法務・労務問題対応で多数の実績。問題社員対応・解雇・懲戒処分・退職勧奨・残業代請求・ハラスメント対応など、企業側の労務トラブル予防と紛争解決を一括サポート。中小企業の経営者・人事担当者のご相談に応じています。
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