電話で相談する LINE相談

基礎知識

KNOWLEDGE

脊椎圧迫骨折で後遺症が残ったら補償は?示談交渉の注意点、賠償例など具体的に解説

事故で強く背中を打ちつけると胸椎・腰椎圧迫骨折の可能性があります。椎体が折れると元に戻らないため後遺症は比較的認定され易いのです。
一方でその分、保険会社から
・素因減額の主張をされる
・事故との因果関係を否定されたり
するなど、適切な補償を得られないケースが多いのも現実です。ここでは、交通事故で脊椎圧迫骨折になったときの治療経過、後遺障害として認定される等級、妥当な賠償モデルなどを紹介させて頂きます。 

電話での無料法律相談はこちら

この記事では

  • ・保険会社との交渉における注意点
  • ・治療経過
  • ・後遺障害として認定される等級
  • ・弁護士に依頼したときの賠償額

などを具体的に解説します。

この記事で分かること

 この記事を読むと・・・

  • ・腰椎圧迫骨折の原因・症状・診断・治療についての基礎知識
  • ・腰椎圧迫骨折の後遺障害について保険会社と交渉する際に注意すべきポイント
  • ・後遺障害等級の認定や具体的な賠償事例
  • ・腰椎圧迫骨折事例において争点になりやすい事項

 がわかります。
「もしかしたら圧迫骨折かもしれない」という場合は今すぐ読み進めることをおすすめします。

腰椎圧迫骨折の原因

腰椎圧迫骨折は、腰椎の椎体に外部から圧力がかかることで生じる骨折のことをいいます。
車は時速数十キロという速度で走行しており、交通事故ではその高速度で衝突した衝撃が人体にかかるため、骨密度が低下していない健常者であっても腰椎圧迫骨折をすることは珍しくありません。高齢者や骨粗しょう症の方は骨密度が低下していますので、腰椎圧迫骨折のリスクがさらに高く、軽度の衝突事故であっても発生する可能性は十分にあります。

腰椎圧迫骨折の症状

腰椎圧迫骨折の主な症状は強い腰の痛みで、その多くは寝返りや起き上がりなどの動作時に特に強く起こります。さらに骨折の進行によって、神経障害が発生して下肢の痛みや痺れといった症状が出現することもあります。

このほか、背骨のがんが併発しているなど、骨折が重症化しやすい場合には強い神経障害を誘発する可能性もあります。脊椎は複数の骨で形成されているため、一部の骨だけでなく胸椎から腰椎にかけて複数箇所で起こることもあります。この痛みには個人差があり、あまり痛みを感じないという人も中にはいますが、それだけで骨折の程度が軽いとは言い切れません。

腰椎圧迫骨折の診断

腰椎圧迫骨折は「骨折」の一種なので、レントゲン、MRIといった画像診断で確認が可能です。交通事故で受傷した直後から強い痛みがある場合は、事故後に受診した病院ですぐに診断されることもあるでしょう。

しかし、事故の直後はあまり痛みを感じず、後になって骨折が判明することもあります。交通事故から間が空くほど、事故との因果関係に疑いが生じます。なので、自覚症状の有無に関わらず必ず出来るだけ早く病院で受診するようにしましょう。

腰椎圧迫骨折の治療

「腰椎圧迫骨折」と診断されたら、治療を開始します。
それでは、腰椎圧迫骨折の治療法と平均的な治療期間はれどのくらいなのかを解説します。

腰椎圧迫骨折の治療と平均的な治療期間

腰椎圧迫骨折の治療法は、
保存療法
手術療法
の2つがあります。

保存療法とは、腰にコルセットを巻いて固定しながら骨癒合が生じるのを待つという一般的な方法です。骨癒合にかかる期間は、およそ6週間ほどで、機能が回復するまでに12週間程度かかるのが平均的です。もちろん個人差がありますので、これはあくまで目安と考えてください。

次に手術療法ですが、こちらは重度の骨折で痛みがコントロールできないという場合に選択される治療方法です。腰椎圧迫骨折には、「バルーン椎体形成術」と呼ばれる椎体に骨セメントを入れて骨を補強する手術が行なわれます。平均的な治療期間は約3ヶ月程度となっています(内部の神経損傷による痛み、運動障害がない場合)。

電話での無料法律相談はこちら

保険会社との交渉における注意点

後遺障害等級が認定されたら,相手方保険会社と最終の賠償交渉を行います。大きく争点となるのは後遺障害逸失利益でしょう。基本的に後遺障害等級に応じた賠償が行われるのが実務ですが,脊椎圧迫骨折の場合は「認定等級よりは後遺障害による逸失利益は低いはずだ(つまりそこまでの後遺障害はない)」と反論されます。

これに対する反論としては
・骨折の程度・内容
・事故後から症状固定,そして現在までの腰背部の痛み・シビレ
などを医療記録により反論し,等級通りの被害が生じているというものになります。それでも保険会社が減額を強硬に主張してくる場合には,紛争処理センターや裁判など中立な第三者の判断を仰ぐことで適正な賠償金獲得を目指していくべきです。

レントゲン・CTで確定的な所見を得る。

先ほど説明したとおり、腰椎圧迫骨折はレントゲンやCT・MRIといった画像診断での確認ができる後遺障害です。これら画像診断をもとに確定的な所見を得ることが、保険会社に対する有力な交渉材料の1つとなりますので、必ず押さえておくべきです。

後遺障害等級の認定

腰椎圧迫骨折によって残存する後遺症はいくつか考えられます。腰椎には非常に多くの神経が通っていますので、神経障害が後遺症となる場合もあります。加えて、折れた骨が完全に元通りにならず変形・奇形になる後遺症もあり得ます。

腰椎圧迫骨折の後遺障害等級

先ほど述べたとおり、腰椎圧迫骨折の後遺症には様々な種類があります。そのため、複数の後遺障害等級が候補となり得ます。基本的な考え方として、変形が最も重く、運動障害、奇形が後に続きます。

等級 後遺障害 要約

6級5号

せき柱に著しい変形または運動障害を残すもの

背中が大きく曲がった

第8級2号

せき柱に運動障害を残すもの

背中が多少曲がった

11級7号

せき柱に奇形を残すもの

背中が曲がっていない

骨折した腰椎が脊椎の一部となって、「せき柱に著しい変形または運動障害を残すもの」として後遺障害等級第6級5号と認定される可能性があります。

これより軽度のものでは、「せき柱に運動障害を残すもの」が第8級2号、「せき柱に奇形を残すもの」が第11級7号と認定されます。圧迫骨折は、上記の中で一番軽度の「奇形」と取り扱われます。多くの場合、圧迫骨折は画像診断で骨が折れていることが確認できるため、「せき柱に奇形を残すもの」として後遺障害第11級7号に該当することになります。

後遺障害認定の申請について

後遺障害認定の申請方法は、
・相手方加入の保険会社を通じて行う「事前認定」
・被害者自身(代理人の弁護士)で行う「被害者請求」
という2通りの手段があります。

腰椎圧迫骨折の後遺症については、完治しないことが考えられます。なので、診断された段階から後遺障害等級認定の申請を考慮しつつ治療を進めておきましょう。

後遺障害診断書作成、申請時の注意点について

脊椎圧迫骨折については,基本的に椎体骨折の有無と程度により認定されることになります。なので、レントゲンなどの画像により証明可能です。このことから、後遺障害診断書はシンプルで良いように思われがちです。

しかし実際は、等級認定において可動域制限も重要です。また、最終的な賠償交渉のときには骨折の程度や内容はもちろん自覚症状などは重要な証拠となります。なので,後遺症による痛みやシビレ,日常生活のなかで支障のある行動などをしっかりと後遺障害診断書の「自覚症状」欄に記載してもらうようにしましょう。主治医がしっかりと書いてくれるか不安な方はメモで渡してみると良いでしょう。

具体的な賠償事例について

以下、具体的な賠償事例を紹介します。

腰椎圧迫骨折で後遺障害11級の認定を受けたケース

(40歳 パート専業主婦)

損害項目 賠償金額(例)
入通院慰謝料 140万3334円
入院雑費 1万5000円
休業損害 63万7808円
後遺障害慰謝料 420万円
後遺障害逸失利益 1422万1752円
合計 2047万7894円

腰椎圧迫骨折事例においてよく問題となる争点について

最後に、腰椎圧迫骨折の事例でよく問題となる
・「素因減額」
・「事故との因果関係」
・「後遺障害逸失利益の喪失率」
の3つの争点について解説します。

素因減額

既往症減額とも言われます。例えば「骨粗しょう症のために軽い転倒でも圧迫骨折が生じたのだから,加害者に全額賠償させるのはおかしい,10~40%程度は減額すべきだ」との反論がなされる場合があります。これを「素因減額」と言います。

高齢者の場合には,そもそもほとんどの方が骨粗しょう症となっている場合が多くあります。そのため、「この減額主張は的外れである」と反論することになりますが、保険会社は賠償金を減らそうとして必死になって反論してきます。もし大幅な素因減額を迫ってくるのであれば、わざわざ任意交渉で解決することはありません。紛争処理センターか裁判など中立な第三者の判断を仰ぐことをおすすめします。

事故との因果関係

脊椎圧迫骨折は高齢者などに頻発することから,保険会社から事故とは無関係であるとの反論がなされることがあります。特に事故直後の診断で発見されなかった場合には,事故後に生じたものだとの反論が多くなされます。これに対しては,MRI画像などによりある程度は
・事故前の「陳旧性」(古いもの)
・事故後の「新鮮」
のどちらか診断可能ですので,お医者さんに相談してみるとよいでしょう。

また,厳密に因果関係は証明できなくても,一般人なら今回の事故によって圧迫骨折が生じたのだろうと考える程度に立証できれば因果関係が認められます。弊所では協力医に意見を求め、因果関係で争われることがないようにしています。

後遺障害逸失利益の喪失率

通常、後遺障害等級が認定された場合、後遺障害逸失利益を損害賠償請求します。その金額は「喪失率」によって決まります。後遺障害等級が認定されたからといって一般的な喪失率がすんなり認められるとは限らず、保険会社との示談交渉で揉める可能性があります。
 
保険会社としてはなるべく支払う慰謝料を下げたいので、「後遺障害による逸失利益はない」と主張してくることがあるのです。例えば、第11級7号の「奇形」として認定された場合に、「骨が少しばかり変形したところで、労働能力は失われないので逸失利益はない」と主張されることがあります。

特に、被害者が事務職の場合にはこのような主張がなされる可能性が高まります。しかし、この変形により慢性的な痛みを抱えているのであれば、定期的な緩和処置(マッサージなど)が必要です。加えて、その痛みによって集中力も減退するなども影響はあります。つまり、被害者の労働能力は少なからず失われていると考えられます。

保険会社の主張に対して納得がいかない時は、きちんと理論立てて反論しましょう。そうして正当な賠償額を受け取れるようにしていくことが大切です。

まとめ

腰椎圧迫骨折は、人体の中でも特に重要な部分である腰椎の骨折であり、その態様によっては神経を損傷して重大な後遺症が残ることも十分に考えられる傷害です。また、「骨折」の一種ですので、多くの場合はレントゲン・CT・MRIといった画像診断により、後遺障害等級の認定で重要な他覚的所見を得ることが可能です。診断された段階から、後遺障害認定の申請を考慮しつつ進めていくことが大切です。

素因減額や事故との因果関係、逸失利益の喪失率など争点となりやすい事項についても知った上で、適切な対応を行うことも大事になってくるでしょう。これらを全て被害者自身で行うことは難しく、大変な労力となりますので、交通事故の損害賠償請求でお悩みであれば、ぜひ一度弊所までご相談ください。

電話での無料法律相談はこちら

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-6366-8770

※受付時間 9:00-18:00