交通事故の被害に遭ったときに必ず出てくる書類が交通事故証明書です。交通事故証明書は、保険金の受け取りに必要になるのみならず、裁判では証拠として提出しなければならない重要な書類です。とはいえ、一般の方には馴染みが薄く、「何が書いてあるのか」「どうすれば入手できるのか」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
そこでこのページでは、交通事故証明書の記載内容や用途、申請方法などについて詳しく解説します。交通事故の被害に遭われた皆様に関係することですので、ぜひ最後まで読んで参考にして下さい。
この記事でわかる事
- 交通事故証明書とは?
- 交通事故証明書が必要になる場面
- 交通事故証明書の記載事項
- 交通事故証明書の申請方法

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📝 この記事の3秒結論
- 自動車安全運転センターで申請、人身事故と物損事故で書式が異なる
- 申請から発行まで約1週間、申請料は1通800円程度
- 物損→人身切替は、警察に「人身事故扱いに切り替える」届出が必要
- 加害者の保険会社経由でも取得できるが、自分で取った方が早い
交通事故証明書とは?
交通事故が発生したことを証明する書類
交通事故証明書とは、交通事故が発生したことを正式に証明する書類です。
人身事故、物件事故(物損事故という言い方が一般的ですが、警察関係の扱いでは「物件事故」といいます)のいずれについても発行され、書面には、事故の日時・場所、当事者の氏名などが記載されます。「自動車安全運転センター」という期間が発行します。
交通事故証明書がなければ、交通事故の存在そのものを証明できなくなる可能性があります。もし交通事故の存在を証明できなくなると、事故を否定する加害者に賠償を求められなくなってしまいます。そのため交通事故証明書は、適正な補償を受けるためには必須の書類です。
交通事故証明書は警察に事故の届出をしないともらえない
交通事故証明書は、警察に事故の届出をしなければ作成されません。証明書を発行する「自動車安全運転センター」は、警察から提供された資料を基に書面を作成するからです。
したがって、交通事故に遭った場合には必ず警察に通報して、事故があったことを申告しなければなりません。事故の申告は法律上の義務でもあります。「軽い事故だった」「相手と話がついた」といった理由で事故の申告を怠ることのないようにしてください。
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交通事故証明書が必要になる場面
交通事故証明書が必要になる場面としては、主に以下が考えられます。
- 自賠責保険への保険金請求
- 任意保険への保険金請求
- 後遺障害の被害者請求
- 調停や裁判
このように、交通事故で何らかの請求をする場合にはまず必要となる書類であると考えてよいでしょう。
交通事故証明書の記載事項
交通事故証明書には以下の事項が記載されます。
- 事故照会番号
- 事故発生日時
- 事故発生場所
- 当事者の住所、氏名、生年月日、車両情報、自賠責保険情報など
- 事故類型
「人対車両の事故、車両同士の事故、単独事故」といった事故当事者の関係や、「正面衝突、側面衝突、接触、追突」といった事故態様などが記載されます。
- 照合記録の種別
人身事故か物件事故かが記載されます。
事故類型についての記載はありますが、事故の原因や過失割合については記載されないことになっています。そのため、交通事故証明書によって事故の詳細な状況を証明することはできません。
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交通事故証明書の申請方法
交通事故証明書は、任意保険に加入していれば保険会社が取得してくれるのが通常であり、自ら申請手続をしなければならない場面は多くありません。しかし、当事者双方が任意保険に加入していない場合など、自分で取得する必要があるケースもあります。以下を参考にして申請してください。
交通事故証明書を申請できる人
交通事故証明書は誰でも申請できるわけではなく、以下のように、事故について利害関係のある人しか申請できません。委任状があれば代理人でも申請できます。
- 事故の当事者(加害者、被害者)
- 交通事故証明書の交付を受けることについて正当な利益がある者(損害賠償請求権のある親族、保険金の受取人など)
交通事故証明書の申請方法は3種類
交通事故証明書の申請方法には以下の3つがあります。
自動車安全運転センターの窓口に直接出向く
自動車安全運転センターの窓口に行って直接請求できます。窓口に用意されている用紙に事故の日時・場所、当事者の氏名など必要事項を記入し、手数料(1通600円)を支払いましょう。センターは各都道府県にあり、所在地は以下のとおりです。事故の場所にかかわらず、最寄りのセンターで請求できます。
事故のあった都道府県にあるセンターにおいては、事故の資料が警察から届いていれば、証明書が即日発行されます。発行を急いでいる場合には、事故発生場所の都道府県にある窓口に直接出向くのがよいでしょう。
ゆうちょ銀行・郵便局での払い込み
ゆうちょ銀行・郵便局で申請することもできます。申込用紙は最寄りの警察署・交番で入手可能です。用紙に必要事項を記入し、ゆうちょ銀行・郵便局の窓口またはATMで払い込みをしてください。交付手数料に加えて、払い込み手数料も必要です。
ゆうちょ銀行・郵便局で申請した場合、手元に郵送されるまで10日間程度かかります。
インターネットからの申込み
自動車安全運転センターのホームページからも申請可能です。フォームに必要事項を入力して申請してください。交付手数料の支払いはコンビニなどから可能です。入金確認後10日程度で郵送されます。なお、インターネットから申請できるのは、事故当事者本人だけですので注意してください。
交通事故証明書を申請できる期間
交通事故証明書の発行には期限があります。具体的には、人身事故の場合には事故から5年、物件事故の場合には事故から3年です。期限を過ぎてしまうと発行できなくなってしまうため、必要な場合には早めに申請手続をしてください。
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交通事故証明書を取得できない場合の対処法
交通事故証明書は通常、警察に届け出をした事故であれば自動車安全運転センターから発行されます。しかし、警察への届け出がなかった場合や、人身事故として扱われなかった場合などには、交通事故証明書が発行されないことがあります。証明書がないと労災・損害賠償請求の手続きで支障が生じるため、以下のような対処法を検討する必要があります。
ケース1:警察に届け出ていない場合
事故発生時に警察への届け出を怠っていた場合、原則として交通事故証明書は発行されません。事故から日が浅ければ、改めて警察に出向き「交通事故の届け出」を行うことで遡って受理されることがあります。事故から長期間経過した場合は、目撃者の証言・ドライブレコーダー映像・修理見積書など、事故の発生を裏付ける別資料を集める必要があります。
ケース2:物損事故扱いになっている場合
事故時には物損として届けたが、後日になって痛みが出てきたケースでは、医師の診断書を取得した上で、警察に「人身事故への切替」を申し出る必要があります。切替が認められれば、人身事故扱いの交通事故証明書が発行されます。切替期限は概ね事故から10日〜1か月程度(管轄警察署により異なる)とされており、早期の対応が重要です。
ケース3:交通事故証明書を紛失した場合
一度発行された交通事故証明書を紛失した場合は、自動車安全運転センターに改めて申請することで再発行が可能です。発行手数料は1通800円程度(窓口・郵送・コンビニ申込で異なる)で、事故から5年以内であれば原則として再発行できます。5年を超えた場合は、保険会社に保管されているコピーや、判決書・示談書等で代替できないか検討します。
通勤・業務中の事故では「第三者行為災害届」も必要
通勤中・業務中の交通事故は労災保険の対象となるため、労災給付を受ける際には交通事故証明書のほかに「第三者行為災害届」を労働基準監督署に提出する必要があります。労災給付と相手方への損害賠償の二重補償の調整に必要な書類で、提出を怠ると労災給付が受けられなくなる場合があります。
交通事故証明書が「人身事故扱い」になっていることが、労災(通勤災害)の認定にもプラスに働きます。物損事故のままでは労災認定が難航するケースもあるため、通勤中の事故でケガをした場合は、人身事故への切替を最優先で進めることをおすすめします。
関連記事:労災における第三者行為災害。概要や必要書類、注意点をわかりやすく解説
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交通事故証明書に関するよくある質問
Q. 交通事故証明書はいつまでに取得すべき?
明確な期限はありませんが、保険金請求や損害賠償請求では事故後できるだけ早く取得することが推奨されます。事故から5年を超えると自動車安全運転センターでの再発行ができなくなるため、その前に必ず1通取得・保管しましょう。
Q. 加害者側にも交通事故証明書は必要?
加害者側も自身の保険会社への報告や行政手続きで交通事故証明書を必要とすることがあります。被害者・加害者のいずれの立場でも自由に取得可能で、互いの取得を妨げる権利はありません。
Q. 自損事故の場合も交通事故証明書は出ますか?
自損事故(単独事故)でも、警察に届け出ていれば交通事故証明書が発行されます。車両保険の請求や搭乗者傷害保険の手続きで必要となるため、軽微であっても警察への届け出を行うことが重要です。
まとめ
ここまで、交通事故証明書について、必要な場面、記載事項、申請方法などについて解説してきました。交通事故証明書は、事故被害の補償を受けるためには不可欠の書類です。事故後は必ず警察に通報して、交通事故証明書を入手できるようにしておきましょう。
交通事故証明書の取得や、その後の損害賠償請求に関してなにかお困りのことがあれば、ぜひ弁護士にご相談ください。





