「労災で家族が亡くなった。損害賠償はいくら受け取れるのか」——この疑問に正確に答えるには、死亡慰謝料・逸失利益・遺族補償給付の計算を正確に行う必要があります。弁護士基準で算定すると、労災保険給付に加えて数千万円の損害賠償を会社に請求できるケースがほとんどです。この記事では、遺族が受け取れる損害賠償の相場・計算方法・請求手順を具体的に解説します。
労災「死亡事故」として認定されるケースとは
労災の死亡事故とは、業務上の事故・疾病・過労などが原因で労働者が死亡した場合を指します。以下のようなケースが該当します。
- 建設現場・工場での転落・機械事故による死亡
- 業務中の交通事故による死亡
- 過重労働による過労死(脳・心臓疾患)
- ハラスメント・過労による自死(業務起因性が認められる場合)
- 職業病(アスベスト・有害物質)による死亡
これらが業務起因性(業務と死亡の間に相当因果関係がある)と認められれば労災と認定されます。
遺族が会社に請求できる損害賠償の相場
会社への損害賠償は、弁護士基準(裁判基準)で算定します。以下は目安です(実際の金額は年収・年齢・扶養家族の状況により異なります)。
① 死亡慰謝料(弁護士基準)
| 被災者の立場 | 慰謝料の目安 |
|---|---|
| 一家の支柱(家族を養っていた方) | 約2,800万円 |
| 配偶者・子・父母(家事従事者含む) | 約2,500万円 |
| その他(独身・扶養家族なし) | 約2,000〜2,500万円 |
これに加え、配偶者・子・父母それぞれの固有の慰謝料(各100〜400万円)も請求できます。
② 逸失利益(将来得られなくなった収入)
逸失利益は「年収 × 生活費控除率(1 – 生活費割合) × 就労可能年数に対するライプニッツ係数」で計算します。
例:年収600万円・40歳の男性(扶養家族あり)の場合
- 生活費控除率:30%(扶養家族ありの場合)
- 就労可能年数:67歳まで(27年)のライプニッツ係数 = 約17.3
- 逸失利益 = 600万円 × 70% × 17.3 = 約7,266万円
年収・年齢・扶養家族の数によって大きく変わります。弁護士による正確な計算が必要です。
③ 葬儀費用・弁護士費用
実費の葬儀費用(150万円程度)と、訴訟になった場合の弁護士費用(損害額の約10%)も請求できます。
労災保険給付と損害賠償の調整(損益相殺)
労災保険の遺族補償年金・一時金を受け取った場合、会社への損害賠償金との間で「損益相殺」が行われます。重複する損害については差し引かれますが、慰謝料は損益相殺の対象外のため全額受け取れます。
損益相殺の対象・対象外
| 損害項目 | 損益相殺 |
|---|---|
| 逸失利益 | 対象(遺族補償年金等と調整) |
| 死亡慰謝料 | 対象外(全額請求可) |
| 遺族固有の慰謝料 | 対象外(全額請求可) |
| 葬儀費用 | 葬祭料と調整 |
早期に弁護士に依頼するメリット
- 証拠保全:事故直後に現場写真・書類を確保。会社の隠滅を防ぐ
- 損害賠償額の最大化:弁護士基準での計算で自力交渉より大幅に増額
- 時効管理:死亡から3年の時効を確実に管理
- 遺族の負担軽減:悲しみの中で複雑な手続きを代行
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