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労災の「死亡事故」で遺族が受け取れる損害賠償は?相場と請求方法を解説

家族を業務中または通勤中の事故で亡くした場合、遺族には精神的な負担だけでなく、大きな経済的負担がのしかかります。労災が認定されれば遺族(補償)等給付などを受け取ることができますが、遺族の生活を安定させるためには十分な額ではないケースもあるでしょう。一方で、会社に過失がある場合、損害賠償を請求し、損害を回復することができます。損害賠償請求では会社の法的責任を認めさせる必要がありますが、個人では対応することが難しいため、法律の専門家である弁護士に相談するのが望ましいでしょう。

今回は、労災(死亡事故)が発生した場合の損害賠償請求について、請求方法や賠償額の相場、弁護士ができることなどを解説します。

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労災にあたる「死亡事故」とは?

そもそも労働災害(労災)とは、労働者が労務に従事したことによって被った負傷や疾病、死亡などを指す言葉です。業務中または通勤中の死亡事故は、労災に該当します。厚生労働省が令和5年5月23日に公表した「令和4年の労働災害発生状況」の資料によると、労災の死亡事故には、以下のような事例があります。

  • 墜落/転落
  • 交通事故(道路)
  • はさまれ/巻き込まれ
  • 激突され
  • 崩壊/倒壊
  • 飛来/落下 など

労災で家族が死亡した場合、遺族はどのような対応を取る必要があるのでしょうか。

労災で家族を亡くしてしまったら損害賠償は請求できる?

労災(死亡事故)が起きた際に、その後の経済的不安を取り除くために遺族がすべき対応として、「労災保険の申請」と「損害賠償請求の検討」があります。

労災保険とは、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病などに対して必要な保険給付を行うとともに、被災労働者の社会復帰の促進などの事業を行う制度のことです。家族を業務上または通勤時の事故で亡くした場合、労災が認定されれば遺族は労災保険から「遺族(補償)給付」「葬祭料」などの給付を受けることが可能です。

しかし、労災保険の給付だけでは、遺族に対する経済的な補償が十分ではない場合もあります。労災保険で失った損害を全て回復することは難しいため、遺族は会社に対し、慰謝料(被害者本人や遺族が受けた精神的苦痛に対する補償)を含め、「損害賠償請求」を検討するとよいでしょう。請求できる賠償金の主な種類は、以下の通りです。

死亡慰謝料:亡くなった被害者本人と遺族への慰謝料
死亡逸失利益:被害者が死亡したため喪失した収入
治療費:入院・通院後に被害者が亡くなった場合の期間中の治療費・入院費
葬儀費用:被害者の葬儀費用

当該労災について不法行為・債務不履行(安全配慮義務違反)などがあれば、賠償請求が認められ、上記のような賠償金を受け取れるケースがあります。

【関連記事】労働保険とは?受けられる補償や受ける方法を解説
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早めに弁護士に相談するメリット

損害賠償請求が認められるには、安全配慮義務違反など会社の法的責任を立証する必要があります。いざ損害賠償請求を行っても、会社に死亡事故に関する賠償責任が無ければ、請求は通りません。責任があったとしても、簡単に非を認めないケースもあるでしょう。また、個人で請求するには申請手続きが複雑で労力がかかるうえ、専門的知識も必要となります。そのような場合、法律の専門家である弁護士に、早めに相談・依頼するのが安心です。弁護士は、以下のような対応を行ってくれます。

  • 企業との交渉・裁判
  • 損害賠償請求の手続き
  • 示談交渉や損害賠償を立証するための証拠集め  など

家族を亡くした悲しみの中、遺族が事故直後から相手方に対して損害賠償請求の手続きを行うのは、大きなストレスとなるでしょう。しかし、弁護士に相談・依頼すれば、面倒な手続きや交渉を任せることができるほか、示談交渉や訴訟時に不利な状況になるのを避けることもできます。

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労災で家族が亡くなった場合の損害賠償金の事例を紹介

労災で家族を亡くした場合の損害賠償金は事例によりケースバイケースですが、一般的には被害者の家庭内での役割や、年齢・収入などに応じて決まります。ここからは、「死亡慰謝料」と「死亡逸失利益」について、実際の裁判例を基に賠償金額を紹介します。賠償金額の目安として参考にしてください。

(以下参考:『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部)

死亡慰謝料の事例

先述したように、死亡慰謝料は亡くなった被害者本人と遺族に対する慰謝料です。以下が死亡慰謝料における総額の目安となります。ただし、これは一応の目安とし、金額は被害者の事情等によって増減します。

被害者の属性 基準額
一家の大黒柱の場合 2800万円
母親・配偶者の場合 2500万円
その他(独身の男女や子供など)の場合 2000万円~2500万円

世帯の生計を維持していた男性(38歳)の場合

この男性は配偶者と2人の子供がおり、世帯の生計を維持しており、本人分2,800万円、妻200万円、子2人が各100万円、合計3,200万円が認められました。

母親(31歳)の場合

この女性は2人の子供がおり、自身の母も扶養していました。本人分2,700万円、子2人各200万円、母100万円、合計3,200万円が認められました。

単身男性(31歳)の場合

この男性は、弟と妹がおり、自身の母を扶養していました。また、離婚した妻との間に娘がおり、養育費を毎月4万円支払っていました。本人分1,800万円、母400万円(922万円余の扶養利益喪失の損害の他に)、弟・妹・娘各200万円、合計2,800万円が認められました。

単身男性(31歳)の場合

この男性は、就職後に勤勉だったこと、結婚を誓っていた交際相手もいたことなどから、2,800万円が認められました。

死亡逸失利益の事例

労災の場合における死亡逸失利益は、原則として事故前の収入を基礎に算出します。この基礎収入額と、事故がなければ働けるはずであった年数(就労可能年数)をもとに算定を行います。ただし、若年労働者(おおむね30歳未満)の場合には、学生との均衡の点もあるため、政府による「賃金構造基本統計調査の概況」(全年齢平均の賃金センサス)を原則として用いることとなっています。ここでは、認められた「基礎収入額」や「就労可能年数」、「合計額」のケースを挙げます。

高校および専門学校卒の保育士(女・20歳)の場合

学歴は高専・短大卒と同じとみなすことができるとして、女性高専・短大全年齢平均384万5,700円を基礎とし、就労可能年数47年間を認めました。

会社員(男・26歳)の場合

被害者の事故前年給与収入は180万円前後で、被告は男子学歴計全年齢平均賃金を得られるか否かはわからないと主張しました。しかし、26歳と若年者であり、勤務先での勤務を続ければ将来的に学歴計・全年齢平均賃金を得られる蓋然性が認められるとして、基礎収入を男子学歴計全年齢平均549万4,300円生活費控除率を50%として認めました。

生活費控除率とは

被害者が生存していた場合に得られたはずの収入から、生活する上で必要とされる生活費分を差し引くための一定の割合のことです。

控除の割合は被害者の家族構成や性別、年齢などに応じて異なります

地方公務員の小学校教諭(女・33歳)の場合

採用後、事故まで約5年間良好な成績で勤務し、標準的な昇給がありました。事故に遭わなければ、55歳に達するまで毎年定期昇給をし、60歳の定年時に退職金を得て退職すること、その後再任用されて5年間勤務を続ける蓋然性があったとして、定年までの給与および退職手当、ならびに再任用後の給与にかかる逸失利益として、合計6,216万円余を認めました。

なお、慰謝料算定は一人ひとりの具体的事情によって変動します。被害者の年収や社会的地位、扶養者の有無などのさまざまな要素を考慮の上算定されるため、ケースごとに得られる損害賠償の種類や総額は大きく異なります。

労災保険給付と損害賠償との調整をふまえた損害賠償の請求方法

労災の死亡事故が起きた後、損害賠償を請求する場合、どのような手続きを踏めばよいのでしょうか。まずは、労災保険の申請と損害賠償請求を行う際に、前提として知っておきたい知識について解説します。

「損益相殺」的な処理について

労災保険給付がなされた上で損害賠償請求をする場合、労災保険や自賠責などで受領済みの補償については、既に払われたものとして扱い、賠償金から控除するという、損益相殺的な処理がなされます。これは、二重補填という不合理を解消するための措置です。

例えば、労災保険の補償として、先に遺族補償年金を受給した場合、遺族補償年金を受給する度、加害者への賠償金が減額となります。

なお、労災保険は、被災労働者などの財産的損害の補償を目的としている性質から慰謝料には影響を与えないため、保険給付との調整とは無関係に請求できます。

損害賠償の請求フロー

遺族が会社に損害賠償を請求する際の、一般的なフローについても見ていきましょう。

① 労災申請
② 既払い金及び損害額の計算
③ 会社との示談交渉
④ 損害賠償請求訴訟(③が不成立の場合に実施)

先述のように、労災からの給付と損害賠償で、重複する補償は受けられません。そのため、労災で補償を受けたのちに会社に請求できる損害額は、労災保険で受け取った金額を差し引いた額となります。(フロー①②)

まずは会社と話し合いで和解を目指すために示談交渉を行い、交渉がうまくいかなかった場合は、損害賠償訴訟で解決を目指します。(フロー③④)

示談交渉や損害賠償訴訟時は、会社の賠償責任を立証するための証拠集めも必要です。弁護士は主に、既払い金及び損害額の計算や会社との示談交渉、損害賠償訴訟をサポートします。

労災の死亡事故に関するご相談は、弁護士法人ブライトへお任せください

労災(死亡事故)における損害賠償請求では、相手方の法的責任をいかに立証できるかが大切です。当事務所は、労災問題に特化した「労災事故専門チーム」を擁しており、経験豊富な弁護士が、クライアントの損害を回復するべく適切に対応いたします。

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笹野 皓平

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