この記事でわかること
- 顧問弁護士のプランごとの考え方・違い・選び方と、費用対効果を最大化する相談のタイミングがわかる
この記事のポイント
- プラン差は「作業量」より運用設計(使い方)で決まる
- 「契約=安心」ではなく「対話=安全」が本質
- トラブル後では遅い。予兆で相談するほどコスパが上がる
顧問弁護士を検討している経営者の多くが、最初に引っかかるのはここです。
「結局、高いプランを契約させられるんじゃないか?」
「月額で、どこまでやってもらえるのか分からない…」
このようなご不安を抱かれること自体、とても自然なことだと思います。法務は“成果が見えにくい”うえに、料金体系も難しく感じやすい。ただ結論から言うと、顧問弁護士の価値は「高いプラン」ではなく、適切なタイミングで相談できる運用にあります。
本記事では、実際に多くの経営相談で扱われる論点をもとに、プランの違いを比較しながら、あなたに合う選び方を整理します。読み終える頃には、「まず何から相談すべきか」が明確になります。
目次
顧問弁護士のプラン差は「何をするか」より「どう使うか」
顧問弁護士のプランを比較すると、多くの人が「対応範囲の違い」に注目します。しかし実務では、プラン差は“業務メニュー”以上に、相談頻度・コミュニケーション量・意思決定の支援範囲で生まれます。
たとえば、ある小規模事業の経営者が「業務委託の契約書を作ったので確認してほしい」と相談したケース。内容自体はシンプルでしたが、よく聞くと「途中で仕様変更が増え、口頭合意が積み重なっている」状態でした。
この段階で“契約書の赤入れ”だけで終えると、また揉める。そこで重要になるのが、契約の意図・変更の管理・揉めやすい論点の先回りという運用設計です。
つまり、顧問弁護士の価値は「作業」ではなく、事故らない判断を一緒に作ること。プラン選びは、その相談の仕方に合わせて決めるのが合理的です。
3段階プランの役割を「利用シーン」で整理する
顧問弁護士の料金プランは段階式になっていることが多いですが、大事なのは“金額”ではありません。見るべきは 「あなたが、どう使いたいか」です。
ここでは、弁護士法人ブライトの料金体系を例に挙げながら、それぞれのプランがどのような企業やシーンに最適なのかを整理します。
弁護士法人ブライトの顧問弁護士サービス:プランごとのサービス内容
| サービス内容 | Standard | Advanced | Second Opinion |
| 月額基本利用料(税別) | 5万円 | 10万円 | 3万円 |
| 法務ドック (基本的事項の確認) | 〇 | 〇 | △ (簡易型) |
| 法務ドック (第2期以降) | 〇 | 〇 | ✖ |
| 法律相談 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 経営・新規 ビジネス相談 | 〇 | 〇 | ✖ |
| 個別案件 (着手金の割引) | 20% | 30% | ✖ |
| 業務に費やす時間/月 | 2時間/月 | 5時間/月 | 1時間/月 |
※注1)プラン毎の業務に費やす時間を相当超過する場合は別途費用(1時間3万円(税別))が発生する事をブライトから貴社に事前にお伝えし、了解を得られた場合のみ超過業務を行います。また、頻繁に超過業務が発生する場合は上位プランへのお申し込みをおすすめします。
※注2)中途解約を希望される場合は、1か月前までにご連絡いただければ随時解約させていただきます。
1. Standardプラン(月額5万円)
多くの企業にとって基本となるのがこのプランです。通常の法務ドック(企業の法務リスク診断)に加え、第2期以降の継続的な法務ドックも対象となります。月2時間の稼働枠があり、契約書レビューや一般的な法律相談が可能になります。
【具体的な利用シーン】
弁護士法人ブライトでは、個人事業主から上場企業まで、9割以上のクライアント企業様がスタンダードプランで満足されています。「法務担当がいない中小企業」が、経営判断が絡む論点を日常的に相談するのに適しており、 特に効果的なのは“揉める前”の相談です。あるケースでは、取引先から急に契約条件の変更を迫られ、社内で対応に迷っていました。この段階で相談し、メール文面と条件提示の順序を整えただけで、トラブルの芽が小さいうちに収束しました。
また、万が一紛争になった場合も、個別案件の着手金20%割引が適用されるため、有事の際の保険としても機能します。
2. Advancedプラン(月額10万円)
上場企業や、事業展開のスピードが速い組織に向けた上位プランです。こちらも通常の法務ドックに加え、第2期以降の継続的な法務ドックも対象となります。稼働枠は月5時間と余裕があり、最大の特徴は「経営・新規ビジネス相談」が可能になる点です(Standard以下では対象外)。
【具体的な利用シーン】
単なる法務チェックだけでなく、「この新規事業モデルは法的に成立するか?」「リスクをどう許容して攻めるか?」といった、経営戦略に関わる相談が可能になります。顧問弁護士が“法務部”として機能し、意思決定のスピードを加速させます。
個別案件の着手金割引も30%と手厚くなります。上位プランで品質が変わるわけではありませんが、会社の構造上、スピーディーな経営判断や複雑な法務課題に対応するためには、このリソースが必要になります。
3. Second Opinionプラン(月額3万円)
すでに別の弁護士や専門家がいる状態で、「この判断、本当に妥当?」を確認するためのプランです。こちらも「簡易型」にはなりますが、法務ドックを実施させていただきます。稼働時間は月1時間に設定されており、ピンポイントな確認作業に特化しています。
【具体的な利用シーン】
ある経営者は、既存のルートで作られた契約書を見て「なんか不利な気がする」と感じ、このプランを利用しました。 実際に見ると、解除条項と損害賠償の扱いが偏っており、交渉の余地がありました。このケースでは、契約書をゼロから作り直すよりも、修正方針の妥当性を短時間で確認し、交渉カードを整理するのが最適解でした。
「高いプランを売りつけられる」不安が消えない理由
顧問弁護士の検討で不安が残るのは、あなたの理解不足ではありません。原因はシンプルで、「法務は成果が見えにくい」からです。
たとえば広告なら、数字で良し悪しが見える。でも法務は、何も起きないことが成果です。つまり、価値が“未然防止”として現れる。そして怖いのは、トラブルが起きてから。この段階だと、選択肢が減り、交渉余地も狭まり、結果として負荷が増えます。だからこそ「あとで相談」になりがちなのですが、実はここが落とし穴です。
「契約=安心」ではない。リスクヘッジは“対話”で発動する
顧問契約を結んだだけで、リスクが消えるわけではありません。顧問契約は、相談して初めて機能します。
ある経営者が「顧問を付けたから大丈夫」と思っていたものの、現場では相変わらず口頭合意で仕事が進み、揉めた後に初めて弁護士へ連絡が来ました。状況を聞くと、すでに相手方の主張と証拠が固まり、取り得る手が限られていました。
一方、同じ業界でも、日常的に「この条件で進めていいか」を相談している会社は、揉める前に止められるので“そもそも燃えない”。
顧問弁護士は「鎧」ではなく、作戦会議に参加してくれる参謀です。
トラブル後より「予兆の段階」で相談した方がコスパが高い
ここはかなり重要です。顧問弁護士を使う最も賢いタイミングは「何かあったら」ではなく、何かが起きそうな時です。
たとえば、
- 契約書が相手側作成で、条件が偏っている気がする
- 取引先が急に強気な条件変更を言い出した
- 従業員・業務委託の関係が曖昧なまま拡大している
この“予兆”で相談すると、できる対策が多くなります。反対に、揉めてからだと「証拠」「時系列」「相手の出方」に縛られて、打てる手が減ります。
とはいえ、忙しい経営者ほど「今はまだ大丈夫」で先延ばししがちです。そんなあなたにこそ、“予兆のうちに短く相談する運用”をおすすめします。結果として、トラブル対応のコストも、意思決定のストレスも減ります。
どこまで月額内?よくある誤解と現実的な線引き
顧問相談で多い誤解が「大きな紛争も月額の範囲で全部やってもらえる」というものです。ここは期待値を整えた方が、後で揉めません。
一般に、顧問契約は「継続的な相談・レビュー・軽微な対応」を中心に設計されます。一方で、訴訟対応や大規模交渉のように負荷が大きいものは、個別案件として切り分ける考え方が一般的です。
実際、ある会社では「取引先とのトラブルが大きくなった時だけ相談」という運用をしていました。すると、相談の度に状況が重く、初動も遅れ、結果として長期化しやすくなります。逆に、軽い相談を積み上げている会社は、重症化する前に処置できます。
顧問契約は「全部込みの魔法」ではなく、早期治療の仕組みと考えると腑に落ちます。
失敗しない顧問弁護士の選び方(比較の判断軸)
比較検討の軸は、金額ではなく「運用の相性」です。見るべきポイントは次の3つ。
1.相談しやすい導線があるか
連絡手段・レスポンス基準・相談の切り出しやすさ。“相談できない顧問”は置物です。
2.高額プラン前提で話していないか
最適解より売上優先の提案だと、関係が歪みます。“必要なら上げる”が自然で、最初から値上げの方向で説明されているのでは危険信号だと思います。
3.予防法務の説明ができるか
「揉めたらこうする」だけでなく、「揉めないためにこう設計する」を言語化できるかが重要です。
ある経営者は、顧問を検討して複数の事務所に相談した結果、“対話の仕組み”を提案してくれた事務所を選び、結果として社内の判断が速くなりました。顧問弁護士は、“経営の意思決定”を効果的に行うことに適していると思います。
まとめ
顧問弁護士のプラン選びで大切なのは、「高い・安い」ではなくどう使うかです。
- プラン差は“作業量”よりも運用設計(相談の仕方)で決まる
- 「契約=安心」ではなく、相談して初めて安全になる
- トラブル後より、予兆の段階で相談する方が合理的
- 比較は“価格”ではなく、相談導線・姿勢・予防法務で見る
法務は、問題が起きてから動くほど苦しくなります。先回りして相談できる体制を作ることが、経営のリスクを最小化する一番の近道です。迷っているなら、まずは「今抱えている予兆」を整理して相談するところから始めてください。
FAQ:よくある質問
Q1. 顧問弁護士は、契約しただけで安心できますか?
安心の土台にはなりますが、「契約しただけ」では効果は限定的です。顧問の価値は“対話”で発動します。予兆の段階で短く相談できる運用を作るほど、トラブルの芽を小さいうちに摘めます。
Q2. プランの違いは、具体的に何で決まるのですか?
対応範囲のメニュー差というより、相談頻度・意思決定支援の密度・運用負荷で差が出ます。日常相談向き、体制補完向き、セカンドオピニオン向き、といった「利用シーン」で整理すると、自社に合うプランが判断しやすくなります。





