この記事でわかること
- 顧問契約の「範囲内」と「範囲外」の境界線
- 追加費用が発生する典型ケース
- 料金表(目安)を見ながら、自社ケースを判断する方法
この記事のポイント
- 追加費用は「相手を動かす局面(交渉・訴訟など)」で発生しやすい
- 費用は「時間×難易度×責任の重さ」で変動する
- 料金表を見れば“どこから個別案件か”が判断できる
「顧問弁護士って月額でどこまでやってくれるの?」
ここが曖昧だと、いざトラブルが起きたときに“追加費用が怖くて相談が遅れる”という最悪のパターンになります。
結論、顧問契約の中心は日常の予防(相談・チェック)で、交渉・訴訟・M&Aなどの責任が重い局面は個別案件として追加費用になりやすい、という整理が基本です。
この記事では「どこから追加費用なのか」を線引きし、さらに実際の料金表(目安)も掲載して、比較検討できる状態にします。
目次
顧問契約の「範囲内」と「範囲外」は何が違う?
顧問契約の“範囲内”は、企業活動の中で日常的に出てくる「確認」と「予防」が中心です。たとえば契約書の軽微なチェックや、取引条件の相談など、「この文言危ない?」を早めに潰す役割のことです。
一方で“範囲外”になりやすいのは、弁護士が前面に立って相手方を動かす必要がある局面です。交渉、内容証明、訴訟などは、弁護士が代理人として矢面に立つため、責任も工数も一段上がります。
たとえば、取引先から突然「契約解除と損害賠償」を示唆する通知が届いたケース。社内で状況整理をして「どう返すべきか」を相談する段階なら顧問内で収まることがありますが、実際に書面を作成し、相手と交渉して落とし所を作る段階に入ると、個別案件として設計した方が事故が起きにくい。ここが境界線です。
追加費用が発生しやすい代表的なケース(まずは全体像)
追加費用が発生しやすいのは、次のような“実行フェーズ”です。
- 相手方との交渉(代理人対応)
- 内容証明の作成・発送、初期交渉
- 支払督促、債権回収の法的手続
- 訴訟・調停・審判などの裁判手続
- 保全・執行・証拠保全などの強制力を伴う手続
- 組織再編・M&A(スキーム検討、交渉、契約作成)
実際、弁護士法人ブライトの「個別ご対応事案料金表」でも「一般企業法務」「労務」「組織再編・M&A法務」「紛争法務」などに分けて、個別対応事案の各料金を設定しています。
ここで重要なのは、顧問=何でも定額の範囲内(追加料金なし)ではないこと。顧問は“日常の予防”を高速化する仕組みで、リスクが大きい局面は個別に設計して守る、という発想が合理的です。
【料金表】顧問契約の範囲外になりやすい業務と費用目安
▶弁護士法人ブライト:個別ご対応事案料金表(令和8年1月22日現在)
| カテゴリ | 項目 | 料金 |
| 一般企業法務 | 契約書の新規作成 | •通常業務に伴うものは無料(原則として月額基本料金内) •M&A、機関関係、複雑事案等は、20万円~ |
| 〃 | サービス利用規約の作成、改訂 | 20万円~ |
| 〃 | プライバシーポリシーの作成、改訂 | 10万円~ |
| 〃 | ネット上投稿削除関係(事案による) | 20万円~ |
| 労務 | 就業規則の作成、確認 | 30万円~ |
| 〃 | 未払残業代請求、従業員トラブル対応 | 30万円~ |
| 〃 | 労働組合との交渉 | 50万円~ |
| 組織再編・M&A法務 | スキーム検討、書面・契約書作成、交渉、協議等 | 50万円~ (内容や規模により応相談) |
| 紛争法務 | 内容証明の作成、発送、初期交渉 | 5万円~ |
| 〃 | 支払督促手続 | 10万円~ |
| 〃 | 交渉 | •着手金:25万円~ •報酬金:25万円~(ただし、旧報酬基準を考慮する) |
| 〃 | 保全 | •着手金:30万円~ •報酬金:成果に応じて算定(本案事件との関係等を考慮する) |
| 〃 | 訴訟・調停・審判 | •着手金:40万円~(交渉その他から移行する場合は要相談) •報酬金:成果に応じて算定(40万円~を目安に、旧報酬基準を考慮) |
| 〃 | 執行 | •着手金:20万円~ •報酬金:成果に応じて算定(本案事件との関係等を考慮する) |
| 〃 | 証拠保全 | 32万円~ |
| セミナー・社員研修 | 契約書関連、労働法務、カスハラ、債権回収など(貴社個別事情をヒアリングの上、カスタマイズ) | 15万円(1時間当たり)~ |
【料金に関する注記】
- 上記料金は、弁護士法人ブライトが提供する顧問弁護士サービスご契約による着手金割引後の金額です。
- 料金は、弁護士1名1時間3万円(税別)のタイムチャージとして、想定される工数を踏まえ設定されています。
なぜ追加費用が発生する?決め手は「責任の重さ」
追加費用の理由はシンプルで、弁護士業務が“作業”ではなく判断と責任の仕事だからです。同じ「契約書」でも、相手方が強硬だったり、損害が大きかったりすると、一文の定義が致命傷になります。
たとえば、業務委託で成果物の定義が曖昧なまま進んで、納品後に「これでは足りない」と追加要求が続出するケースがあります。顧問相談の段階で止められれば軽傷ですが、既に揉めて相手と対峙する局面になると、対応工数も責任も跳ね上がります。
だから、追加費用の根っこは“責任の重さ”。ここを理解すると「追加費用=損」ではなく、「損失を防ぐ保険料」になっていきます。
「青天井で増える」は誤解。見通しで管理できる
とはいえ、「裁判になったら青天井では?」と身構える気持ちはわかります。しかし実務では、最初から分岐(交渉→手続→訴訟)を見立てて進めるのが一般的です。
たとえば、未払い請求のケースで相手が話し合いに応じない場合、交渉だけ粘ると時間だけが経過します。早期に「支払督促」「訴訟」へ切り替える判断基準を持っていれば、迷走しにくい=コストも読みやすくなります。
弁護士法人ブライトの料金表も「内容証明」「支払督促」「交渉」「訴訟」など段階で整理されており、局面ごとの判断がしやすい形になっています。
また、弊所では「追加費用が発生する場合は、必ず作業着手前に見積書を提示する」というルールを徹底しています。そのため「顧問契約の範囲内だと思って相談しているのに、後になって追加費用を請求された」という事態は起こりません。 「ここからは別料金になりますが、進めますか?」という合意形成を必ず行うため、費用のコントロール権は常にクライアント企業様にあります。
費用を抑える“賢い準備”は3つだけ
費用を抑える最大のポイントは「弁護士の把握時間を減らす」ことです。
1. 事実関係は「時系列+証拠」で揃える
未払い請求でも労務トラブルでも、時系列に並べて証拠を添えるだけで争点が見えます。メールが散乱してる状態より、整ってる状態の方が弁護士の判断が速い=工数が減る。
2. AIはあくまでも補助的なツールとして、弁護士には全て資料を渡す
AIで事実関係や主張まで整理してから、弁護士に渡す方もおられますが、それだとクライアント企業様が本当はどのようなことが気になっていて、何をしたいのかが不明確になってしまいます。AIを使って事実関係を整理することは有効ですが、あくまでも補助的なツールと考えて使用しましょう。もちろん、膨大な資料を送っても、弁護士はAIを使ってそれを読むことになりますので、費用がそれだけ高くなることはありません。
3.トラブルが発生する前に投げる(予防法務が最安)
「追加費用が怖くて放置→トラブルが発生してから依頼」が一番高くなります。顧問弁護士の価値は「トラブルが発生する前に止める」ことにあります。
迷ったらこの判断基準。顧問契約範囲内か?個別案件か?
判断基準をまとめると以下のようになります。
【顧問契約範囲内が向いている】
「この条項危ない?」「この対応方針でいい?」など“予防・確認”
【個別案件が向いている】
「交渉を任せたい」「裁判の可能性がある」「M&Aで失敗できない」など“実行フェーズ”
現場でありがちなのは、交渉が必要なのに顧問契約範囲内で粘って返答が遅れ、相手の態度が硬化するケース。この迷走がトータル損失を増やします。早い切り分けが正義です。
まとめ
顧問弁護士の追加費用は「突然、降って沸いた損失」ではなく、責任が重い局面を安全に進めるための設計です。費用はかかりますが、ご自身で対応されるよりは専門家の弁護士に任せることで、企業にとっては本業に専念することができることになりますので、全体としての費用対効果は高いものと考えます。
- 顧問弁護士の役割は「日常の予防・確認」
- 顧問契約範囲外は「交渉・訴訟・M&Aなど実行フェーズ」
- 料金表を見ると、局面ごとの費用感が把握できる
- 生成AIを活用した事実整理・証拠準備・早期相談でトータル損失は下げられる
不安の正体は“見えないこと”。見える化して、必要なところだけ弁護士を使う。これが一番賢い顧問契約です。
FAQ:よくある質問
Q1. 顧問契約の範囲内でどこまでできますか?
日常的な相談・契約書チェックなど「予防・確認」が中心です。相手方との交渉、内容証明、訴訟など“相手を動かす局面”は個別案件になりやすいです。
Q2. 追加費用が怖いです。相談はいつがベストですか?
火種の段階がベストです。事実整理・証拠準備ができているほど工数が減り、紛争化によるトータル損失も抑えられます。





