このページは、企業の労務/試用期間中の本採用拒否について、企業の労務問題対応を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、人事担当者・経営者向けに実務ポイントを整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- 試用期間中も解雇権濫用法理は適用(やや緩和)
- 14日以内の解雇は解雇予告手当不要
- 本採用拒否事由は採用時の判定不能事由に限定
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試用期間の法的性質
試用期間とは、本採用前に労働者の能力・適性を判定する期間で、判例上「解約権留保付き労働契約」とされています(最判昭和48年12月12日「三菱樹脂事件」)。労働契約は成立しているため、本採用拒否は「解雇」に該当します。
試用期間の長さは2〜6ヶ月程度が一般的。1年以上の試用期間は判例上問題視されることがあります。
本採用拒否の判例基準
本採用拒否(試用期間中の解約)が有効と認められる基準:
(1) 留保された解約権の行使として相当:採用時に判定不能だった事実が判明
(2) 客観的合理的理由・社会通念上相当性:通常の解雇より緩和されるが、なお必要
(3) 典型的な本採用拒否事由:(a)経歴詐称の発覚、(b)業務遂行能力の欠如、(c)勤怠不良、(d)協調性欠如、(e)健康状態の問題
14日以内の解雇予告手当不要ルール
労基法21条1号は「日々雇い入れられる者」「2か月以内の期間を定めて使用される者」「季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者」「試用期間中の者」(14日を超えない者)について、解雇予告手当不要と定めています。
つまり、試用開始から14日以内に本採用拒否すれば解雇予告手当不要。但し、14日を超えた場合は通常通り30日前予告または解雇予告手当が必要です。
本採用拒否の実務手順
(1) 試用開始時に判定基準を明示(業務目標・行動基準)
(2) 試用期間中の業務評価を継続記録
(3) 改善指導の実施・記録化
(4) 試用期間終了前2週間頃に本採用可否を判定
(5) 本採用拒否の場合は書面で通知(理由記載)
(6) 退職勧奨で円満退職を目指すことも検討
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14日経過後の本採用拒否
試用開始から14日経過後の本採用拒否では:
(1) 解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)が必要
(2) または30日前予告(試用期間延長など)
(3) 解雇理由の客観的合理性+社会通念上相当性
(4) 解雇通知書での理由の具体的記載
退職勧奨という選択肢
本採用拒否のリスクを避けるため、退職勧奨(自主退職を促す)を選択する企業も多いです。
(1) メリット:解雇紛争リスクなし、退職金支給で円満解決
(2) デメリット:労働者が拒否すれば本採用継続
(3) 注意点:強要・脅迫的言動は退職強要として違法
(4) 退職合意書の作成で後日紛争を防ぐ
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ブライトの試用期間対応サポート
弁護士法人ブライトは、試用期間中の本採用拒否対応で(1)試用期間制度の設計、(2)業務評価記録の整備支援、(3)本採用拒否通知書の作成、(4)退職勧奨の進め方、(5)本採用拒否無効訴訟への対応、を一括サポートします。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
企業法務・労務問題対応で多数の実績。問題社員対応・解雇・懲戒処分・退職勧奨・残業代請求・ハラスメント対応など、企業側の労務トラブル予防と紛争解決を一括サポート。中小企業の経営者・人事担当者のご相談に応じています。
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