受給権の保護
受給権の保護とは
受給権の保護とは、労災保険給付を受ける権利(受給権)が、被災労働者や遺族の生活保障という目的を確実に果たせるように、法律上特別に保護されていることをいいます。
保護の内容
労災保険法は、受給権について次のような保護を定めています。
- 譲渡・担保・差押えの禁止:保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、または差し押さえることができません(労災保険法12条の5第2項)
- 退職による消滅の禁止:受給権は、労働者の退職によって変更されません(同法12条の5第1項)。被災後に退職・解雇されても、給付は継続して受けられます
- 非課税:労災保険給付として支給を受ける金銭には、租税その他の公課を課すことができません(同法12条の6)
実務上の意味
「退職したら労災がもらえなくなる」という誤解から、会社の退職勧奨に応じてしまったり、労災請求をあきらめてしまったりする方がいますが、退職しても受給権は失われません。また、借金があっても労災保険給付が差し押さえられることはありません。
会社とのトラブルへの対応
療養中の解雇制限(労働基準法19条)に違反する解雇や、労災請求を妨害する行為があった場合は、労働基準監督署への申告とあわせて、弁護士を通じた法的対応が可能です。
労災の損害賠償請求について詳しくは、重篤な労働災害の損害賠償請求もあわせてご覧ください。
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