基礎知識

交通事故で顔に傷あとが残ってしまった!後遺障害認定と賠償金をわかりやすく解説!

10月 29, 2021

交通事故で顔に傷を負ってしまい、誰が見てもわかるような傷あとが残りました。担当医師からも「この傷は消えない」と宣言され、精神的に立ち直れそうにありません。

交通事故の被害者から、このようなご相談が寄せられました。今回は、顔に傷あとが残った場合の後遺障害の等級認定や、慰謝料などの賠償金について、わかりやすく解説します。特に、本記事の後半で解説する「逸失利益」に関しては、顔の傷あとをめぐって、相手方の保険会社とよく揉める重要なポイントです。

最後まで読んで参考にしてください。

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傷跡の箇所(部位)と大きさで変わってくる後遺障害等級

顔などに残ってしまった傷あとは、傷を負った箇所や大きさに応じて後遺障害の等級が認定される仕組みになっています。

醜状(しゅうじょう)障害について

「醜状(しゅうじょう)」とは、人目に付く程度以上に目立つ傷あとのことをいいます。

また、「外貌(がいぼう)」は、顔面部、頭部、頸部(首)のように、常に露出している部分です。首から上と考えてください。どうしても、顔・頭・首は人目につきやすいので、傷あとが残ると目立ちます。

ですので、交通事故で顔面、頭部、頸部(首)に残った傷あとは、「外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)」として後遺障害等級が認定され、慰謝料などの賠償金が支払われます。

顔などの傷あとの後遺障害の認定基準

首から上の部分の傷あとの後遺障害認定は、3つの等級に分かれています。

後遺障害7級12号 「外貌に著しい醜状を残すもの」

7級12号の「著しい醜状」とは、人目につく程度以上の傷あとで、具体的には、次のような傷あとが残った場合に該当します。

1)頭部に手のひら大(指の部分は含まない)以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)、または頭蓋骨に手のひら大以上の欠損(一部が欠けること)
2)顔面部に残った鶏卵大以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)、または10円硬貨大以上の組織陥没(くぼみができること)
3)頸部(首)に残った手のひら大以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)

後遺障害9級16号 「外貌に相当程度の醜状を残すもの」

「外貌に相当程度の醜状を残すもの」とは、顔面部に残った長さ5センチメートル以上の線状痕(線状の形をした傷)が該当します。
なお後遺障害9級16号は、外貌醜状の中でも「顔の傷あと」のみ該当です。

後遺障害12級14号 「外貌に醜状を残すもの」

「外貌に醜状を残すもの」とは、下記のような傷あとが残った場合に該当します。

  • 頭部に残った鶏卵大以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)、または頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損(一部が欠けること)
  • 顔面部に残った10円硬貨以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)または長さ3センチメートル以上の線状痕(線状の形をした傷)
  • 頸部(首)に残った鶏卵大以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)

上肢・下肢の傷あとの後遺障害の認定基準

上肢及び下肢の露出面の醜状(しゅうじょう)については、それぞれ後遺障害14級が認定されます。

後遺障害14級4号 「上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」

14級4号は、「上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」で、上腕から指先までの間に手のひら大の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)です。

後遺障害14級5号 「下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」

14級5号は、「下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの」で、大腿から足の背の部分に手のひら大の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)です。

その他傷あとの後遺障害の認定基準

紹介しました醜状(しゅうじょう)障害以外に、以下のような後遺障害が認定される可能性があります。

顔面神経麻痺

顔面神経麻痺は神経系統の機能の障害です。傷あとにはなりませんが、「外貌に醜状を残すもの」として、後遺障害12級が認定されるケースがあります。

上肢・下肢の露出面以外の傷あと

1)後遺障害12級相当に認定される可能性がある傷あと
・胸部及び腹部:全面積の2分の1程度以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)
・背部(背中)及び臀部(お尻):全面積の2分の1程度以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)

2)後遺障害14級相当に認定される可能性がある傷あと
・胸部及び腹部:全面積の4分の1程度以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)
・背部(背中)及び臀部(お尻):全面積の4分の1程度以上の瘢痕(外傷ややけどによる傷あと)

傷あとが残った場合にもらえる後遺障害慰謝料の相場

顔などに傷あとが残った場合は、後遺障害等級7級、9級、12級、14級に該当する可能性があります。それぞれの等級の後遺障害慰謝料の金額は下記のとおりです。

等級弁護士基準自賠責基準差額
7級1,000419▲ 581
9級690249▲ 441
12級29094▲ 196
14級11032▲ 78

(単位:万円)

後遺障害認定には面接が必要かも!?

後遺障害等級の認定は書面審査です。しかし傷あとによる認定は、自賠責調査事務所などで面接審査のケースがあります。傷あとの大きさや長さを実際に測定するのです。

性別による差はありません!

顔の傷あとなどについての各後遺障害等級の認定基準や賠償金については、性別に関係なく同等に扱われます。昔は男女間で等級の認定基準などに差が設けられていましたが、2011年に現在の後遺障害等級制度になり、性別による差はありません。

示談交渉のポイントになる逸失利益

逸失利益はどのようなものか、計算方法などを含めて解説します。

逸失利益とは

交通事故により死亡や後遺障害の被害をうけて働けなくなり、将来得られたはずの収入が失われます。

この失われた収入を逸失利益といいます。後遺障害を認定された被害者は加害者側(保険会社)に対し、逸失利益の賠償を求めることが可能です。逸失利益は次の式で計算できます。

1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
=逸失利益

1年あたりの基礎収入

年収のことで通常は事故日前年の収入を基礎収入とします。基礎収入の基準は以下の通りです。

・給与所得者:事故日前年の源泉徴収票に記載されている年収
・自営業者 :事故日前年の確定申告額や納税証明書に記載されている年収

労働能力喪失率

労働能力喪失率とは、交通事故の後遺障害により労働能力が喪失した割合です。後遺障害の等級別にそれぞれ労働能力喪失率が下記のとおり定められています。

等級労働能力喪失率
第1級100%
第2級100%
第3級100%
第4級92%
第5級79%
第6級67%
第7級56%
第8級45%
第9級35%
第10級27%
第11級20%
第12級14%
第13級9%
第14級5%

労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

労働能力喪失期間とは、将来いつまで労働できないかを年ベースで算出した数値です。
原則、症状固定日(これ以上治療を継続しても改善が見込めないと医師から診断された日)から67歳までの期間とされています。

顔に傷あとが残った場合の賠償金試算例

では、顔に傷あとが残った場合の慰謝料などを含めた賠償金総額を計算してみます。
被害者Aさんの事例で解説します。

<被害者Aさん>

  • 事故日:2020年4月20日(追突事故、加害者の過失100%)
  • 年齢40歳女性(症状固定日時点)、職業は士業(自営)、2019年の年収1,200万
  • 休業期間:3か月
  • 入院日数:60日(2か月)
  • 通院日数:30日(1か月)
  • 後遺障害7級12号認定済。
  • 逸失利益は減額適用なし(労働能力喪失率56%、労働能力喪失期間67歳まで認定済)
  • 示談交渉のサポートを弁護士に依頼。

後遺障害慰謝料:1,000万円

弁護士がサポートしていますので、弁護士基準の後遺障害7級の慰謝料1,000万が適用されます。

逸失利益:1億2,316万円

基礎収入(1,200万円)×労働能力喪失率(56%)×労働能力喪失期間(67歳まで27年)に対応するライプニッツ係数(18.327)=1億2,315万7,440円(約1億2,316万円)

治療のためにかかった治療費:50万円

休業損害(交通事故により収入が減少した損害):300万円

Aさん休業期間は3か月(収入なし)。
月収100万(1,200万÷12=100万)×3=300万の休業損害となります。

入通院慰謝料:122万円

後遺障害慰謝料とは別途に賠償請求可能。
入院2か月、通院1か月の慰謝料(弁護士基準)は、122万円。

入通院慰謝料別表Ⅰ

 入院1月2月3月
通院53101145
1月2877122162
2月5298139177
3月73115154188
4月90130165196
5月105141173204
6月116149181211
7月124157188217
8月132164194222
9月139170199226
10月145175203230
11月150179207234
12月154183211236

(単位:万円)

賠償金合計(Aさんの場合):1億3,788万円

なぜ? 逸失利益で揉める醜状障害(顔の傷あとをめぐり!)

後遺障害の等級が正式に決定すると、後遺障害慰謝料の金額が確定し、後遺障害による労働力低下に伴う逸失利益の賠償請求をします。

被害者の就労状況などにより、労働能力喪失期間や労働能力喪失率が調整(減額)されるケースは確かにあります。しかし醜状障害の逸失利益に関しては、特に保険会社などから認められないケースが多いです。裁判になっても否認されるケースがあります。

なぜ醜状障害で逸失利益が否認されるのか?

逸失利益が否認される背景について説明します。醜状障害は他の後遺障害などと異なり、身体そのものは障害で制限されるわけではないので、労働能力は低下しないという考え方からきています。

労働能力が低下せず、これまでと同じように働けるので、利益や収入は減少しないという考え方になっているのです。

醜状障害で逸失利益の認定を勝ち取るポイント

しかし全てが認定されないわけではないので、あきらめないでください。見た目が重要になる職業の皆さんはいらっしゃいます。また接客や営業など顔の傷あとにより、円滑なコミュニケーションが取れずに労働能力が低下するケースもあり得ます。

被害者の醜状障害の程度、職業、環境などを総合的に勘案し、きちんと事実関係に基づき立証できれば、逸失利益の認定を勝ち取る可能性は十分にあります。

まとめ

交通事故の示談交渉の中でも、顔の傷あとなどの醜状障害は非常に専門性が要求される示談交渉です。醜状障害の後遺障害の認定や、慰謝料などの損害賠償請求で、ご不満やご不安を抱えていらっしゃる場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。

ご相談者さまの疑問点にお応えし、適正な補償が受けられるようにサポートします。

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  • この記事を書いた人

代表弁護士:和氣 良浩

弁護士法人ブライト代表弁護士: 2006年に独立開業してから交通事故被害の回復に努めてきました。これまで1000件を超える交通事故を解決して参りましたが、被害者が低い賠償金で納得させられているケースをたくさん見ており、交通事故をめぐる現状は依然として深刻なままです。適切な補償が得られるよう、被害者の方の不安に寄り添いながら、被害回復を行っていきたいと存じます。

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