TREATMENT TERMINATION
「そろそろ治療は終了です」
と言われても、諦めないでください。
交通事故の治療中、保険会社から「治療費の支払いを終了します」と通告されることがあります。まだ痛みが残っているのに、打切りに応じていいのでしょうか。
この記事では、通告を受けたときの正しい対処を、弁護士の視点でお伝えします。
📖 この記事の目次
01なぜ保険会社は「治療の終了」を急がせるのか
交通事故後、3〜6か月ほど治療が続くと、相手方の保険会社から担当者がこう連絡してきます。
「これ以上の通院は、症状固定ということで」
「軽微な事故ですので、◯月末で治療費のお支払いを終了します」
これらの通告の背景には、保険会社側の明確な事情があります。
- 治療費の支払いを早く止めたい(会社の損失を抑える)
- 慰謝料の計算期間を短くしたい(通院期間が長いほど慰謝料は増える)
- 早期に示談を成立させたい(案件を早く終わらせたい)
つまり、保険会社から見た「終了のタイミング」は、被害者の医学的な回復状況とは必ずしも一致しません。担当者が親切そうに「そろそろ」と言ってきても、それは会社としての運用判断であって、あなたの身体の状態を医学的に評価した結果ではないのです。
02打切り通告に応じる必要はありません
✓ 最も大切なポイント
治療をいつ終わらせるかを決めるのは、医師(医学的な判断)であって、保険会社ではありません。
法律用語では、これ以上治療を続けても症状が改善しないと医師が判断する時点を「症状固定」といいます。症状固定は、レントゲン画像、神経学的検査、患者の自覚症状などを総合して、医師が医学的に判断するものです。
保険会社の担当者が「そろそろ終了」と言ってきたとしても、それはあくまで保険会社側の事務的な都合による通告であり、症状固定の医学的判断とは別物です。
⚠️ よくある誤解
「保険会社が終了と言ったら、もう病院に行っても無駄なんじゃないか」と考える方が多いのですが、治療の必要性がある限り、治療を続ける権利はあります。打切り以降の治療費は一時的に自己負担になることがありますが、後から自賠責保険への被害者請求で取り戻せるケースも多くあります。
03通告を受けた日にすべき3つのこと
保険会社から「そろそろ終了」と連絡が来たら、慌てて返答せず、まず次の3つを行ってください。
STEP 01
電話口で即答しない
「わかりました」と承諾する返事は禁物です。「医師と相談のうえ、改めて回答します」と伝え、一旦持ち帰ってください。口頭での合意だけでも、後のトラブルになります。
STEP 02
主治医に現状を伝える
次の通院のときに、「保険会社から治療終了を言われたが、まだ症状がある。継続が必要か診断してほしい」と率直に相談しましょう。医師が継続の必要性を認めれば、診断書や意見書を書いてもらえる場合があります。
STEP 03
弁護士に相談する
保険会社との交渉を自分一人で続けるのはプレッシャーが大きいもの。弁護士が代理人として入れば、以降のやりとりは弁護士が引き受けます。弁護士費用特約があれば、自己負担0円で依頼できます。
打切り通告を受けた方、まずはご相談ください
初回相談は無料/弁護士費用特約の確認も一緒にします
04治療継続を主張するための「医学的根拠」
保険会社に「治療を続けてください」と主張するには、医学的な根拠が必要です。感情や印象だけでは相手は動きません。
① 症状メモを日付入りで残す
- 痛みの部位と強度(10点満点で何点か)
- 日常生活で困っていること(寝返り・階段・長時間座る等)
- 仕事に支障が出ている具体的なエピソード
② 医師の診断書・意見書
「治療継続の必要性がある」ことを、医師に書面で書いてもらえるかを相談しましょう。「まだ症状が残存しており、リハビリの継続が医学的に必要」といった記載があれば、保険会社に対する強力な反証になります。
③ 画像所見の追加撮影
骨折部位の癒合状況や軟部組織の状態を、MRIやCTで追加撮影することで、客観的な症状の根拠が揃います。特に腰椎圧迫骨折のように、画像所見が後の後遺障害認定にも関わる傷病では、撮影漏れがないよう注意が必要です。
💡 これらの資料を弁護士と共に整理し、書面で保険会社に回答することで、担保される治療期間が1〜3か月延びることは珍しくありません。
05それでも打切られたときの2つの選択肢
交渉しても保険会社が頑なな場合、選択肢は2つあります。
| 選択肢A:健康保険で治療継続 | 選択肢B:自費で継続+後から被害者請求 |
|---|---|
|
健康保険(3割負担)で通院を継続。 会社員なら、仕事中の事故は労災保険を使える場合も。 保険組合に「第三者行為による傷病届」を提出する必要があります。 |
いったん全額自己負担で通院し、自賠責保険に被害者請求することで回収。 領収書・診断書を保管しておけば、後から120万円の限度額まで請求可能。 |
どちらを選ぶか、また両方を使い分けるかは、事案の性質・経済状況・怪我の程度によって変わります。弁護士にご相談いただければ、最も取りこぼしの少ない組み合わせを一緒に設計します。
06打切り後を見据えた準備
打切りの可能性がある段階から、次の局面(後遺障害申請)の準備を始めると、スムーズに進みます。
- 症状固定前から、後遺障害診断書の書き方を医師と相談しておく
- 画像所見(レントゲン・CT・MRI)のコピーを自分でも保有する
- 症状メモを継続し、「残存する症状」を客観化する
- 「事前認定」ではなく「被害者請求」で後遺障害申請に切り替える準備をしておく
💡 後遺障害の認定は、周辺記事②「後遺障害等級の実務」で詳しく解説しています。
07ブライトで対応した事例
CASE STUDY
打切り通告を覆し、症状固定まで治療継続できたケース
| ご相談者 | 30代男性、通勤中の追突事故 |
| 状況 | 保険会社から「軽微な事故のため、3か月目で治療終了」と通告 |
| 当初の見込み | 痛みが継続していたが、自費で続けるのは経済的に困難 |
▶ ブライトがしたこと
- 通院状況を詳細ヒアリング(痛みの部位・強度・頻度・医師の指示)
- 主治医と連携して治療継続の医学的必要性を書面化
- 保険会社に対し、書面で正式に継続を要請
- 整骨院の施術費は、被害者請求で自賠責から回収する方針を並行
▶ 結果
※ 具体的な期間・金額は、公開承認後に確定します。
08よくあるご質問(FAQ)
Q1. 保険会社から電話で「今月末で打切り」と言われましたが、もう拒否できませんか?
拒否できます。口頭での通告だけで治療終了が確定するわけではありません。医師と相談のうえ、継続の必要性を書面で回答することで、延長できる可能性があります。
Q2. 打切り後の自費分は、あとから本当に戻ってくるのですか?
自賠責保険への被害者請求で、120万円の限度額までは回収できる可能性が高いです。それを超える分は、最終の示談交渉や訴訟で取り戻します。領収書と診断書を必ず保管しておいてください。
Q3. 健康保険で事故の治療を受けてもいいのでしょうか?
はい、使えます。健康保険組合に「第三者行為による傷病届」を提出する必要がありますが、3割負担で通院を継続できます。のちに相手方から回収した治療費で、健康保険組合に返還することになります。
Q4. 労災保険は使えますか?
通勤中・業務中の事故であれば、労災保険が使えます。労災は治療費が全額支払われ、休業補償も受けられます。過失割合に関係なく使える点が大きなメリットです。
Q5. 弁護士に相談するタイミングは、打切り通告を受けてからで間に合いますか?
通告前からが理想ですが、通告後でも間に合います。早ければ早いほど、選択肢が多く残されています。「まだ打切られていないから」と待たず、不安を感じたら早めにご相談ください。
まとめ
治療打切りの通告を受けたら、次の5点を押さえてください。
- 電話口で即答しない(「医師と相談のうえ回答します」)
- 治療終了の判断は医師が行う。保険会社の判断ではない
- 継続が必要なら、医学的根拠(診断書・画像・症状メモ)を揃える
- 打切られたら健康保険/労災/被害者請求で継続
- 次の局面(後遺障害申請)の準備を並行する
一人で抱え込まず、打切りの連絡が来た時点で、弁護士に相談することを強くお勧めします。
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