「追突事故なら相手が100%悪い」——一般論としてはそうですが、実際には保険会社が被追突車にも10〜20%の過失を主張してくるケースが少なくありません。駐車場内の事故はさらに複雑で、基本過失割合が一般道路と異なります。
この記事でわかること
- 追突事故の基本過失割合(0:100)と例外
- 駐車場内の事故の過失割合(判例タイムズ38号も修正)
- バック事故・発進事故・通路上の事故
- ドラレコ映像の重要性
- 「急ブレーキ」「ブレーキランプ不点灯」を主張されたときの反論
- 駐車場管理者への責任追及
この記事のポイント
- 追突事故は原則0:100だが、例外的に被追突車にも過失10〜20%認められるケースあり
- 駐車場内の事故は通路走行車と駐車区画への出入り車で30:70が基本
- ドラレコ映像の有無が過失割合を大きく左右
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追突事故の基本過失割合と例外
追突事故の基本過失割合は追突車100:被追突車0です。しかし、以下のケースで被追突車にも過失が認められます。
- ブレーキランプ不点灯(球切れ等):被追突車+10〜20%
- 合理的理由のない急ブレーキ:被追突車+20〜30%
- 法令違反の駐停車:被追突車+10〜30%
- 無灯火(夜間):被追突車+10〜20%
保険会社の主張への反論
保険会社が「急ブレーキだった」「ブレーキランプが点いていなかった」と主張してきた場合、ドラレコ映像・車検証(最終整備日)・目撃者証言で反論します。
急ブレーキ主張は「後続車の車間距離不保持」を反論ポイントに、ブレーキランプ不点灯は「相手も事前に気づけたはず」と主張します。
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駐車場内の事故
駐車場内の事故は判例タイムズ38号とは別に、駐車場特有の基準があります。
- 通路走行車 vs 駐車区画からの発進車:通路30:発進70
- 通路走行車 vs 駐車区画へのバック車:通路30:バック70
- 交差する通路での出合い頭事故:50:50
- 通路走行中の出合い頭(優先通路・非優先通路):優先20:非優先80
駐車場管理者への責任
駐車場の設備不良(照明不足・標識不備・死角設計)が事故の一因となった場合、駐車場管理者(土地工作物責任)への請求も検討できます。過去判例では、複合施設の駐車場事故で管理者に20〜30%の責任を認めた例があります。
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ドラレコ映像の重要性
特に駐車場内の事故ではドラレコが決定的な証拠になります。以下の点が映像で明確になれば、過失割合を大きく有利に進められます。
- どちらが先に動き始めたか
- 速度(駐車場内は10km/h以下が望ましい)
- ブレーキタイミング
- 視認可能な位置関係
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ブライトの実際の解決事例
※守秘義務のため、依頼者属性・事故現場・会社名等は匿名化・一部変更しています。
事例1:業務中トラック運転手・非接触急ブレーキ事故——因果関係・過失相殺を前提に自賠責基準で速やかな示談方針
業務中、前方車両(Uターンしようとしたタクシー)の不自然な動きに急ブレーキ→非接触。ドラレコを見る限り「それほどの急ブレーキには見えない」と因果関係で争われる可能性が高く、一定の過失相殺もあり得るため、自賠責基準での速やかな示談を目標とした。タクシー会社が保険会社経由ではなく内部の事故担当者で対応してきたため、治療費は一括対応ではなく「立替+内払請求」+労災・人傷の優先使用を設計。
事例2:バイク追越し禁止場所での追突——0:100を主張
バイク追越し禁止場所での追越し被害で、バイク全損。相手方が20:80を主張したのに対しブライトは0:100を主張。相手方車両のドラレコを取付し、「追越し禁止場所で追越しを行っていることは明らか」「道交法27条1項違反(譲避義務)の主張も根拠乏しい」旨を代理人弁護士に送付。物損ではバイク時価+買替諸費用の計上(怪我が大きく再購入が先になる場合、事故車両の購入時見積書ベース+新車購入予定の見積を取直して加算)。
事例3:コンビニ駐車場・入庫車vs出庫車の双方バック接触——示談金1,099,690円
コンビニ駐車場で当方がバック入庫中、既に前向き駐車していた相手方車両がバック出庫→右側後部ドアに接触。相手保提示の5:5に納得できず、判タ【335】【336】図の応用で20:80スタートを主張。事故翌日に店舗防犯カメラ(保管期間14日)に接触し、店長了承のもとUSBメモリで保管を依頼、23条照会も併用。同乗の子(6歳・4歳)の診断書は「処罰の対象が相手にもこちらにも及ぶ可能性」を警察から指摘され、提出しない方針(人身事故扱いは被害者本人のみで足りる/免許点数回避)。2026年2月、損保ジャパンから示談金1,099,690円で解決。
事例4:駐車場内のバック事故・運転者すり替え事案——対物賠償適用外となった事例
駐車場内で相手方車両が後退して追突。事故当時は男性が運転していたが、警察には助手席の女性(車両所有者)が運転していたと申告。運転者限定特約(女性限定)に加入していたためと推察。相手保による対物賠償(車両修理費)は適用されない見込みとなり、男性は任意保険未加入で他車運転特約も使用不可。運転者のすり替え立証にはドラレコ画像が決定的。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 玉突き事故の場合の過失割合は?
後続車が先行車に追突し、先行車が前方の車にさらに追突したケースでは、後続車100:中間車0:前方車0が原則です。中間車が先に急ブレーキだった場合は中間車にも過失が認められることがあります。
Q2. 駐車場で停車中にぶつけられた場合は?
停車中の車にぶつけた側が100%の過失を負うのが原則です。ただし、違法駐車・はみ出し駐車の場合は過失が10〜20%認められることがあります。
Q3. コンビニ駐車場と大型ショッピングセンター駐車場で扱いは変わる?
基本的な過失基準は同じですが、大型施設では通路幅・視認性・標識整備が充実しているため、個別事情で修正されます。
Q4. 追突事故のむちうちで14級認定は取れますか?
追突事故は衝撃が首に直接かかりやすく、むちうちの代表的な原因です。通院継続(6か月・週2〜3回)と診断書の充実で14級9号認定は十分可能です。
まとめ
- 追突事故の原則は0:100だが、ブレーキランプ不点灯・急ブレーキ等で例外あり
- 駐車場内は判例タイムズとは別の基準(通路30:出入り70等)
- ドラレコ映像が過失割合を決定づける
- 駐車場管理者への責任追及(工作物責任)も検討
この記事の監修者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|パートナー弁護士
大阪弁護士会(2011年登録)|京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了
専門:交通事故・労災事故・会社関係争訟・M&A・事業再生
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