このページは、企業の労務/パワハラ加害社員への懲戒処分手順について、企業の労務問題対応を多数取り扱う弁護士法人ブライト(代表:和氣良浩弁護士)が、人事担当者・経営者向けに実務ポイントを整理した解説記事です。
📝 この記事の3秒結論
- パワハラ防止法(労働施策総合推進法)で企業に対応義務
- 事実認定は加害者・被害者・第三者の聴取で慎重に
- 懲戒処分は譴責→減給→降格→出勤停止→懲戒解雇の段階的選択
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パワハラ防止法の企業義務
2020年施行(中小企業は2022年)の労働施策総合推進法(パワハラ防止法)により、企業には以下の措置義務が課されています:
(1) パワハラ防止方針の明確化と周知・啓発
(2) 相談窓口の設置
(3) 事実関係の迅速かつ正確な確認
(4) 被害者の救済措置
(5) 加害者への適正な措置
(6) 再発防止策の実施
(7) プライバシー保護
(8) 不利益取扱いの禁止
パワハラの定義(3要件)
パワハラの定義(厚労省指針):
(1) 優越的な関係を背景とした言動:上司・先輩等
(2) 業務上必要かつ相当な範囲を超えた:業務指導の範囲を超える
(3) 労働者の就業環境が害される:精神的・身体的苦痛を与える
6類型:(1)身体的攻撃、(2)精神的攻撃、(3)人間関係からの切り離し、(4)過大な要求、(5)過小な要求、(6)個の侵害。
事実認定の進め方
パワハラ申立てがあった場合の事実認定手順:
(1) 被害者からの聴取(複数回・複数人体制で)
(2) 加害者への聴取(弁明の機会付与)
(3) 第三者(同僚・部下等)への聴取
(4) 物的証拠の収集(メール・LINE・録音・防犯カメラ等)
(5) 客観的事実関係の整理
(6) パワハラ該当性の判断(弁護士・人事・経営層で検討)
懲戒処分の段階
パワハラへの懲戒処分は段階的に:
(1) 譴責(けん責)・戒告:始末書提出・口頭注意。軽微なケース
(2) 減給:1回の額が平均賃金の1日分以下、総額が1賃金支払期の賃金総額の10分の1以下(労基法91条)
(3) 降格・降職:役職・等級の引き下げ
(4) 出勤停止:通常1〜3ヶ月、期間中は無給
(5) 諭旨退職:退職勧奨を拒否すれば懲戒解雇
(6) 懲戒解雇:最も重い処分。極めて悪質なケース
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相当性判断の論点
処分の相当性は以下を総合判断:
(1) パワハラの態様・回数・期間
(2) 被害者の精神的・身体的損害
(3) 加害者の地位・反省の程度
(4) 過去の同種事案での処分との均衡
(5) 加害者の弁明・反論の内容
(6) 業務上の必要性(指導の範囲か)
加害者からの反訴リスク
過剰な懲戒処分は、加害者から「処分無効」「会社の名誉毀損」等の反訴リスクがあります。対策:
(1) 弁明の機会を確実に付与
(2) 懲戒委員会での審議記録
(3) 弁護士監修での処分通知書作成
(4) 過去の同種事案との均衡確保
(5) 加害者へのケアも忘れない(ハラスメント研修受講等)
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ブライトのパワハラ対応サポート
弁護士法人ブライトは、パワハラ対応で(1)社内調査の手順設計、(2)被害者・加害者・第三者ヒアリング、(3)事実認定の中立判断、(4)懲戒処分の相当性判断、(5)処分通知書の作成、(6)再発防止策の構築、を一括サポートします。
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監修:和氣 良浩 弁護士(弁護士法人ブライト 代表弁護士・登録番号30856)
企業法務・労務問題対応で多数の実績。問題社員対応・解雇・懲戒処分・退職勧奨・残業代請求・ハラスメント対応など、企業側の労務トラブル予防と紛争解決を一括サポート。中小企業の経営者・人事担当者のご相談に応じています。
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