ご家族を突然、交通事故で亡くされた——この記事をお読みの方の多くは、まだ事故から数日〜数週間で、「頭が真っ白で何も手につかない」「何から始めればいいのか分からない」状態なのではないかと思います。
最初にお伝えしたいのは、今、何もできなくて当然ということです。弁護士法人ブライトがこれまでお手伝いしてきたご遺族の方々も、ほぼ全員が同じ状態でした。あるご遺族(70代女性のお母様を亡くされたご長女)は、当時を振り返って「辛さが大きくて、病院・警察・葬儀の対応がうまくできなかった」とおっしゃっていました。
この記事では、「今、最低限やるべきこと」と「今は急がなくていいこと」を、実際のご遺族の経験をもとに整理します。無理のない範囲で、できることから進めてください。
この記事でわかること
- 事故直後(当日〜3日)に最低限やるべきこと
- 葬儀〜四十九日の間、急がなくていいこと
- 一方で、早めに動いた方がいいこと(防犯カメラ・治療費の支払い方法など)
- 警察から「示談の考えを書いてください」と言われたときの対応
- 他のご遺族はどう向き合われていたか(実例)
- 周囲に助けを求めていい相手(家族・市町村・弁護士)
この記事のポイント
- 保険会社・賠償金・示談の話は、葬儀が落ち着いてからで間に合います
- 事故から1〜2週間以内に動いた方がいいのは「ドライブレコーダー映像」「防犯カメラ映像」の確保だけ
- 死亡診断書は原本5〜10部を取得しておくと、後の手続きが格段に楽になります
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
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今、何もできなくて当然です——まずご自身の心と体を守ってください
大切なご家族を交通事故で突然失ったとき、人は誰でも強い精神的ショックを受けます。「涙が止まらない」「眠れない」「食事がのどを通らない」「加害者に対する怒りで冷静でいられない」——これらはすべて、当然の反応です。
弁護士法人ブライトにご相談に来られるご遺族の多くは、事故から1〜2週間以内に初回相談のご連絡をいただきますが、当日はただ泣かれるだけで話が進まないことも少なくありません。それでも問題ありません。まずは最低限の対応だけを押さえて、ご自身の心と体を休めることを優先してください。
周囲の人に頼ることをためらわないでください
ご遺族お一人ですべてを背負う必要はありません。以下の人たちはあなたを助けてくれる立場にあります。
- ご親族・ご友人:葬儀の段取り・親戚への連絡・買い物などをお願いしましょう
- 葬儀社:死亡診断書から火葬許可証取得・葬儀の段取りまで包括的にサポートしてくれます
- お住まいの市区町村役所:死亡届・国民健康保険・介護保険・遺族年金手続きなどの窓口を案内してくれます
- 被害者の勤務先:通勤災害の場合の労災申請、死亡退職金、未支給給与の手続き
- 弁護士:保険会社とのやり取り、示談交渉、相続関係の整理を代理します
事故直後(当日〜3日)に最低限やるべき3つのこと
①死亡診断書を複数部取得する
死亡診断書(または死体検案書)は、病院から発行されます。この書類は死亡届・火葬許可申請・相続手続き・保険金請求・年金手続きすべてに必要になる重要書類です。
実務上の鉄則は、原本5〜10部(コピーではなく原本)を最初に取得しておくことです。後から追加発行を求めると、手数料(1部3,000〜5,000円程度)がかさむだけでなく、時間もかかります。葬儀社のスタッフに「どの手続きでいくつ必要か」を確認すると、必要部数を見積もってくれます。
②警察の実況見分・事情聴取への対応
人身事故の場合、警察が実況見分(事故現場での状況再現調査)を行います。被害者が即死されたケースでは、ご遺族が警察から事情を聴かれることがあります。
ここで大切なのは、記憶があいまいな点は「分かりません」と答える勇気を持つことです。ブライトが扱った実際の事案で、警察から「信号の色はどうでしたか?」と誘導的に聞かれ、よく覚えていないのに「青だったと思います」と答えてしまったご遺族がいらっしゃいました。後の損害賠償交渉でこの供述が不利に働くケースもあるため、確信のない点は「不明」と伝えてください。
③加害者側からの連絡に一人で対応しない
事故当日〜数日のうちに、加害者本人や加害者側の任意保険会社から連絡が入ることがあります。中には「治療費・葬儀費用はこちらで手配します」「携帯電話の解約もこちらでやります」と申し出てくる保険会社もあります。
このとき、金銭に関する話(示談金額・過失割合など)には即答しないでください。「今は葬儀で動けないので、落ち着いてから連絡します」で十分です。示談書・同意書にこの段階でサインすることは絶対に避けてください。
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急いだ方がいいこと:証拠の保全だけは早めに
多くの手続きは葬儀後でも間に合いますが、「証拠の保全」だけは事故から1〜2週間以内に着手した方が安全です。なぜなら、証拠になる映像は短期間で消えてしまうからです。
防犯カメラ・ドライブレコーダーは上書きされる前に確保
事故現場の近くのコンビニ・銀行・民家の防犯カメラ映像は、多くの場合1〜2週間で上書きされて消えます。過失割合が争点になる事案では、この映像が決定的な証拠になることがあります。
ご遺族ご自身で回収することは難しいため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。弁護士から「映像保存依頼書」を該当店舗・機関に送付すれば、証拠として保存してもらえます。
入院中の治療費が「自由診療」になっていないか確認
被害者がすぐには亡くならず、数日〜数週間の入院期間があった場合、治療費が「自由診療」扱いになっていることがあります。自由診療は健康保険の3〜5倍の金額になるため、後の損害賠償で過失相殺されると、自己負担が発生するリスクがあります。
ブライトで扱った事案でも、入院中の治療費が自由診療だったため、弁護士が病院に委任状を送付して健康保険への切り替え交渉を行ったケースがあります。これも早めの弁護士相談で対応できる論点です。
葬儀〜四十九日:急がなくていいこと
この期間は、ご遺族にとって最も精神的に苦しい時期です。以下については葬儀が落ち着いてからで全く問題ありません。
- 保険会社との示談交渉——慰謝料・逸失利益の話は数か月先で間に合います
- 弁護士への正式な委任契約——初回相談だけでもOK、契約は落ち着いてから
- 遺産分割協議——相続人間の話し合いは四十九日明け以降が一般的
- 遺品整理・携帯電話の解約——数か月以内にゆっくり進めて大丈夫です
弁護士法人ブライトでは、この期間中はこちらからお電話を差し上げず、四十九日明けまで待って折り返し架電するよう配慮しています。「今すぐ決めなければ」と焦る必要はありません。
葬儀費用の領収書だけは必ず保管
一方で、葬儀費用の領収書は必ず保管してください。裁判基準では原則150万円まで葬儀関連費用として損害賠償に含めることができます。仏壇購入費・墓石購入費も、一定範囲で認められることがあります(事案ごとに判断)。
警察から「示談の意思を書いてください」と言われたら
事故から数週間以内に、警察から「加害者との示談についての考えを書いてください」という書面が届くことがあります。これは刑事処分(略式起訴か正式起訴か、起訴猶予か)を決めるための参考資料です。
ここで記入する内容は、後の民事賠償交渉とは別物ですが、「示談に応じる」と安易に書いてしまうと、加害者の刑事処分が軽くなることがあります。ブライトの過去事案では、以下のような回答を弁護士が起案した例があります。
「示談については代理人弁護士に一任しています。横断歩道を青信号で渡っていた落ち度のない母を死亡させた加害者には厳罰を望みます。民事訴訟を予定しています。」
警察からの書面が届いたら、まずは弁護士にご相談ください。無料相談の範囲内で回答案の起案をサポートできます。
お問い合わせ、相談は無料です
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他のご遺族はどう向き合われたか(ブライトの実例)
※守秘義務のため、依頼者属性・事故現場・関係者名はすべて匿名化・一部変更しています。
事例1:20代のお嬢様をバイク事故で亡くされたお母様
事故当日、警察から「両方青信号でしたよね?」と誘導的に聞かれたが、実際には信号の色をしっかり見ていなかったとのこと。ご葬儀後の落ち着いた時期にWEB検索で弁護士法人を見つけ、葬儀2週間後に初回相談。相手方が任意保険未加入だったが、共同不法行為の主張で総額約8,400万円の判決を取得。
事例2:高齢のお母様を横断歩道で亡くされたご姉弟
事故当日、警察と葬儀の親戚から「弁護士に依頼した方がいい」とアドバイスを受け、事故7日後に上司の紹介で弁護士にメール相談。ご姉弟2名で委任契約を結び、約1年半で総額4,700万円の訴訟上の和解に至る。ご姉弟はのちに「辛さで何もできなかったが、弁護士がすべて代わりにやってくれたので助かった」とおっしゃっていました。
事例3:通勤中のご主人を軽トラ事故で亡くされた奥様
事故13日後に当方保険会社経由で弁護士相談。娘さんのご主人(義兄)が交渉に関わりたがり相続人間で意見対立しかけたが、弁護士が「相続人全員揃わないと相談を受けられない」と丁寧に説明し、家族内の足並みを揃えてから受任。
よくある質問(FAQ)
Q1. 事故から何日以内に弁護士に相談すべきですか?
急ぐ必要はありません。多くのご遺族は事故から1〜2週間以内、葬儀が落ち着いてからご相談されます。ただし、防犯カメラ映像の保全が必要なケース、加害者側の弁護士がすでに就任しているケース、被害者が入院中で自由診療になっているケースは早めのご相談をおすすめします。
Q2. 加害者側の保険会社から連絡があったら、どう対応すればいいですか?
「今は葬儀で動けないので、落ち着いてからご連絡します」と伝え、示談金額・過失割合についてはその場で回答しないでください。同意書・示談書への署名も絶対にしないでください。一度サインしてしまうと、後から覆すことが極めて難しくなります。
Q3. 死亡診断書は何部取ればいいですか?
原本5〜10部が実務上の目安です。死亡届・火葬許可申請・相続手続き・生命保険金請求・年金手続き・損害賠償請求などで、それぞれ原本提出を求められます。葬儀社のスタッフに「どの手続きでいくつ必要か」を相談すると、適切な部数を教えてもらえます。
Q4. 精神的にまだ話ができる状態ではありません。相談できますか?
全く問題ありません。ブライトにご相談に来られるご遺族の多くは、初回相談ではお話が進まないこともあります。ご家族の方に付き添っていただく、LINEやメールで文字ベースでやり取りする、自宅にお伺いする(遠方の場合)など、状況に合わせた対応をいたします。
Q5. 相談料・着手金はかかりますか?
弁護士法人ブライトでは、交通事故の死亡事案は相談料0円でお受けしています。弁護士費用特約(ご自身またはご家族の自動車保険・火災保険に付帯)があれば、自己負担なしで依頼可能なケースが大半です。特約がない場合も、完全成功報酬でお受けするため、手出しの費用は発生しません。
まとめ
- 今、何もできなくて当然です。まずご自身の心と体を休めてください
- 事故直後(当日〜3日)でやるべきは「死亡診断書の複数部取得」「警察の事情聴取への慎重な対応」「加害者側からの連絡への即答回避」の3つだけ
- 示談・賠償金・遺産分割などの話は葬儀が落ち着いてからで間に合います
- 防犯カメラ映像だけは1〜2週間で上書きされるため、早めに弁護士に相談して保全を
- 警察から「示談の意思」を聞かれる書面が届いたら、その場で回答せず弁護士に相談を
- ご遺族お一人で抱え込まず、ご親族・葬儀社・市区町村・弁護士に頼ってください
この記事の監修者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|パートナー弁護士
大阪弁護士会(2011年登録)|京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了
専門:交通事故・労災事故・会社関係争訟・M&A・事業再生
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)




