交通事故でご家族を突然亡くされたとき、多くのご遺族が抱える共通の思いがあります。「他のご遺族はどうされているのだろうか」「自分だけがこんなに苦しんでいるのか」——。
この記事では、弁護士法人ブライトがこれまでお手伝いしてきた6つのご遺族の実例を、守秘義務に配慮して匿名化したうえで紹介します。立場もご年齢も事故状況もさまざまですが、どの方も最初は「何も手につかない」状態から、少しずつ向き合っていかれました。
すべてのご遺族に共通するのは、「一人で抱え込まずに誰かに頼った」という点でした。その「誰か」がご家族・ご親族であったり、勤務先の上司であったり、弁護士であったり、時期も相手もさまざまですが、頼れる相手を見つけられたことが、解決への転機になっています。
この記事でわかること
- 立場・年齢・事故状況の異なる6つのご遺族の実際の経験
- 事故直後〜弁護士相談〜解決までの時間軸
- 各ご遺族が「つまずいたポイント」と「乗り越え方」
- 家族内で意見が分かれたときの対処法の実例
- 弁護士に依頼したタイミングと、その後の変化
この記事のポイント
- ご遺族が弁護士相談された時期は事故1週間〜2か月以内が最多。ごく一部、数年後に相談に至ったケースも
- 家族内で意見が分かれるのは珍しくない——丁寧に調整することで前に進めます
- 同じ「死亡事故」でも、ご家族の構成や事故類型によって解決の道筋は大きく異なります
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
📘 ご遺族の方へ|遺族向け総合ガイド(事故から3日/1週間/1ヶ月の緊急度別対応・解決事例8,400万円) もご覧ください。
事例1:20代の一人娘をバイク事故で亡くされたお母様(A様)
事故の概要
A様のお嬢様(20代)は、交際中の男性が運転するバイクの後部座席に乗車中、交差点で右折してきた自動車と衝突し、頭部外傷で6日後に亡くなられました。A様は20代で離婚されており、お嬢様を一人で育ててこられた方。相手方ドライバーは任意保険未加入で、自賠責3,000万円の範囲でしか払わないという姿勢でした。
A様が向き合われた道のり
事故の知らせを受け、A様は病院に駆けつけられましたが、お嬢様が亡くなるまでの6日間はほぼ眠れず、食事もとれなかったとのこと。通夜・葬儀の段取りはご親族に任せるしかなく、「自分は泣くことしかできなかった」と振り返られていました。
葬儀から約2週間後、インターネット検索で弁護士法人を見つけ、初めて電話されたのが最初のアクションでした。それまでは加害者側保険会社からの連絡にも「今は話せません」と伝えるだけで精一杯。
つまずきポイントと解決
- 警察から「信号の色はどうでしたか?」と誘導的に聞かれて「両方青」と供述してしまい、後の過失割合争いに
- 離婚した元夫(お嬢様の実父)が相続人として登場——養育費未払いだった元夫に賠償金が流れる懸念
- 相手方任意保険未加入のため、相手方ドライバー個人の資産と、バイク運転者の彼氏の任意保険を共同被告化
最終的に、共同不法行為の主張で判決総額約8,400万円+遅延損害金を獲得。和解だと遅延損害金・弁護士費用10%が削られるため、敢えて判決を選択しました。元夫への分配を最小化するため、寄与分調停も並行活用。
A様の言葉(事件終了後)
「受領したお金は小分けに預金した方がいいですか」「再婚を考えていますが財産分与の対象になりますか」——事件終了時にこうした質問をされました。弁護士から「賠償金は特有財産なので財産分与の対象外」「税金もかからない」と説明を受け、ようやく少し前を向けるようになったとのことです。
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事例2:70代のお母様を横断歩道事故で亡くされたご姉弟(B様・C様)
事故の概要
B様(校長職)とC様(ご長男)のお母様(70代後半)は、青信号の横断歩道を歩いて横断中に、高齢者が運転する軽自動車にはねられ死亡されました。お母様はB様家族と同居され、家事の大半を担われていた方。過失割合は明らかに0:100(被害者に落ち度なし)でした。
ご姉弟が向き合われた道のり
B様は後から振り返って、「葬儀も病院対応もうまくできませんでした。辛さが大きくて、何を言われても頭に入ってこなかった」とおっしゃっていました。救いだったのは、当日の警察官と葬儀の親戚から「弁護士に相談した方がよい」とアドバイスされたこと。
事故から7日後、B様のお勤め先の上司の紹介で、ブライトに初回メール相談。約1週間以内に来所相談の場を設けることができました。
つまずきポイントと解決
- 高齢の年金生活者のため、当初は「逸失利益が低く見積もられるのでは」と不安
- 相続人がご姉弟2名——賠償金の分配に心配があったが、法定相続分(各1/2)で自動承継されることを弁護士から説明
- 警察から「示談についての意思」を書面で求められ、弁護士が回答案を起案
解決は訴訟上の和解で総額4,700万円(ご姉弟各2,350万円)。当初見込みの3,000万円を大きく上回りました。B様がお母様の家事を担ってもらっていた事実を立証し、主婦休損の8割認定を獲得したことが決め手。受任から解決まで約1年4か月。
📖 この事例の詳細記録(B様・C様の1年4か月の道のり)はこちら
事例3:通勤中のご主人を軽トラ事故で亡くされた奥様(D様・60代)
事故の概要
D様のご主人(60代・現役会社員)は、通勤途中に歩行者として軽トラックにはねられ亡くなられました。労基署で通勤災害(労災)認定済み、ご自身の自動車保険には人身傷害補償1億円+車外特約付きというトリプル補償があり、論点が複数絡み合う複雑な事案でした。
D様が向き合われた道のり
D様はお子様が2人(長男・長女)いらっしゃり、長女のご主人(義兄)が「自分も交渉に関わりたい」と強く申し出てこられたことで、相続人間に緊張が生まれました。
弁護士は「相続人全員が揃わないと法律相談自体が受けられない」(弁護士職務基本規定上の利益相反)と丁寧に説明し、1回目の相談を一度キャンセル。その後、ご家族で話し合いの時間を設け、義兄は関与させない方向で3名(D様・長男・長女)の足並みを揃えてから正式にご相談となりました。
つまずきポイントと解決
- 労災+自賠責+人身傷害のトリプル調整が必要
- 弁護士費用特約300万円を相続人3名で分配(配偶者150万・子各75万)する実務論点
- 相続(遺産分割)は別途司法書士に依頼し、交通事故賠償金の分配と切り分け
見通しとして年収600万円の場合で総額約5,300万円、年収1,000万円の場合で約6,700万円が提示され、現在進行中。
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📖 この事例の詳細記録(D様の労災トリプル補償と相続人緊張の乗り越え)はこちら
事例4:20代のご長男を警備業務中に亡くされたお父様(E様)
事故の概要
E様のご長男(20代)は、国道で旗振り警備の業務中にトラックに突っ込まれて亡くなられました。勤務先の警備会社は労災未加入で、経験の浅い若者に交通誘導の業務をさせていたという背景がありました。
E様が向き合われた道のり
E様は、息子さんとは離れて暮らされており、ご長男の生活実態(同居家族・生計維持関係)が不明な状態。事故から約半年後、刑事裁判判決の直前というタイミングで、弁護士法人の労災LPから初回相談にお越しになりました。
つまずきポイントと解決
- E様(ご長男のお父様)が損害賠償請求権者に該当しない可能性が判明(生計維持関係・相続順位の問題)
- 加害者会社の弁護士と、被害者配偶者の弁護士が同一事務所だった疑念
- 労災保険と交通事故の損害賠償の調整
本件は、相談の結果「ご遺族ご自身に請求権がないため受任に至らず」となった事案です。ただし、そこに至るまでの整理(誰が請求権者か、どの手続きが必要か)を弁護士と一緒に確認できたこと自体が、E様にとっては気持ちの整理の一助になりました。
この事例から言えるのは、「受任に至らない相談も無駄ではない」ということです。請求権の有無・適切な窓口の案内だけでも、ご遺族にとって貴重な情報になります。
事例5:ご主人(58歳)を自転車事故で亡くされた奥様(F様)
事故の概要
F様のご主人(58歳・警備員)は、自転車で走行中に右折してきた自動車に巻き込まれ、約17メートル引きずられて重傷を負い、事故から8か月後に亡くなられました。ご主人は過去の労災で既に後遺障害5級を取得されており、障害厚生年金を受給中という特殊事情がありました。相続人はF様と前妻との間のお子様の2名。
F様が向き合われた道のり
最初は別の法律事務所に依頼されていましたが、対応に納得できず契約を解除し、ブライトに切り替えてのご依頼でした。ご相談時にはすでに内払金・仮渡金の一部を受領済み、健康保険未適用のまま自由診療になっていたなど、多くの実務論点が残されていました。
つまずきポイントと解決
- 前妻のお子様との相続関係(併合審理・自賠責仮渡金の相続人間分配)
- 既存の労災5級認定——「障害厚生年金を逸失利益として請求」という形で活用
- 被害者の住居が実母名義の借家——家賃立替金の整理
訴訟上の和解で経済的利益2,445万円(賠償金2,000万円+自賠責145万円+加害者本人からの別途支払い300万円)を確保。受任から解決まで約2年半。弁護士の切替によって、それまで滞っていた論点が動いた典型例です。
📖 この事例の詳細記録(A様の障害厚生年金を逸失利益として請求した戦略)はこちら
事例6:和歌山にお住まいのご両親が息子さんを亡くされた事例(G様ご夫妻)
事故の概要
G様ご夫妻(ご高齢)のご子息がバイク走行中に死亡事故に遭われました。ご両親は和歌山にお住まいで、ブライトの事務所までは片道数時間の距離。商工会議所ネットワーク経由でご紹介いただいた事案です。
ご夫妻が向き合われた道のり
事故の翌日、相手方保険会社から「弁護士費用特約使う想定で」と事前連絡。その翌日、片道数時間かけて初回来所相談にお越しになりました。弁護士は、初回面談だけで委任契約を急がず、まず「費用のご案内と今後の進め方について」という書面を先行発送。2週間後に「お返事急ぎませんが、ご質問があればどうぞ」とフォロー電話。
事故から2か月後、ご高齢のため事務所ではなく自宅訪問で面談し、ここで委任契約を正式締結。公式LINEで日常のやり取りができるようにし、遠方でも不便なく連絡が取れる体制に整えました。
つまずきポイントと解決
- 遠方でご高齢——事務所来所が困難
- 警察からの事故調書(書類送検)通知の意味が分からず不安
- 保険会社とのやり取りを一括で弁護士に任せられるかどうか
この事例のポイントは、「ご遺族のご事情に合わせた柔軟な対応」が可能であること。自宅訪問・LINE連絡・代筆対応など、ご高齢・遠方の方でも手続きを進められるよう、弁護士側で柔軟に対応しています。
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6つのご遺族に共通していたこと
立場も事故類型も異なる6つの事例ですが、振り返ってみると、以下のような共通点がありました。
- 事故直後は「何もできない」状態——皆さんが「頭が真っ白」「辛さで対応できなかった」とおっしゃっていた
- 誰かのアドバイスが転機——警察官、葬儀の親戚、勤務先の上司、相手方保険会社、ネット検索など、きっかけは人それぞれ
- 初回相談から委任契約までは急がない——事例6では2か月のインターバルがあった
- 家族内で意見が分かれるのは珍しくない——事例3のように丁寧に調整することで前に進める
- 遠方・ご高齢でも依頼可能——自宅訪問・LINE・郵送で手続きが進む
よくある質問(FAQ)
Q1. 自分と似た状況のご遺族の事例を知りたいのですが、相談時に教えてもらえますか?
はい。初回相談時に、ご依頼者様の事故類型・ご家族構成と近い解決事例を、守秘義務の範囲内でお話しすることができます。賠償額の目安や、解決までの期間、つまずきやすいポイントなどをお伝えすると、見通しを立てやすくなるというご遺族が多くいらっしゃいます。
Q2. 家族内で意見が分かれている場合も相談できますか?
相続人全員が揃わないと正式なご相談はお受けできません(利益相反の問題)。ただし、ご家族内で話し合いをする際の論点整理や、どうすれば意見を揃えられるかのアドバイスは、窓口担当者との事前相談という形でお伝えできます。事例3のように、家族内の調整に1〜2週間かけてから正式相談に来られる方も多くいらっしゃいます。
Q3. 遠方ですが依頼できますか?
可能です。事例6のように、自宅訪問・LINEやメールでのやり取り・書類は郵送で対応しています。交通事故の損害賠償交渉は、ほとんどが電話・書面で進むため、事務所まで来所いただく機会は初回面談と訴訟期日くらいです(期日も遠方の場合は電話会議で対応可能)。
Q4. すでに別の弁護士に依頼していますが、切替できますか?
可能です。事例5のように、前の弁護士事務所との契約を解除したうえで、ブライトで受任するパターンは珍しくありません。ただし、既に示談書にサインしていたり、訴訟で判決が確定していたりすると、覆すのは極めて困難です。切替を検討されている段階で、まずご相談ください。
Q5. 請求権がないと言われた場合、何もしてもらえませんか?
事例4のように、ご相談者ご自身には請求権がない(相続順位・生計維持関係による)というケースも稀にあります。その場合でも、正当な請求権者(ご親族のどなたか)をご案内する、必要な手続きの流れをお伝えするなど、情報提供は無料で行っています。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
- 6つのご遺族の実例から、立場・事故類型・ご家族構成が異なっても、「誰かに頼ること」が転機になっている
- 事故直後は誰でも「何もできない」状態。そこから動き出すタイミングは人それぞれ
- 家族内で意見が分かれても、丁寧に調整することで前に進める
- 遠方・ご高齢・すでに別弁護士依頼中など、状況に合わせた受任方法が選べる
- 受任に至らない相談でも、情報提供・請求権者の確認だけでもご遺族の助けになる
この記事の監修者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|パートナー弁護士
大阪弁護士会(2011年登録)|京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了
専門:交通事故・労災事故・会社関係争訟・M&A・事業再生
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