自営業者・フリーランス・個人事業主の休業損害は、会社員と異なり算定が複雑です。確定申告書の数字をどう使うか、売上減少と経費の関係、固定費の扱いなど、専門的知見が必要になります。
保険会社は「確定申告の所得が低い」「赤字」などを理由に休業損害を大幅減額することが多く、弁護士介入で適切な金額を確保することが重要です。
この記事でわかること
- 自営業の休業損害の計算方法(事業所得÷365日)
- 確定申告書の見方(所得・売上・経費)
- 固定費(家賃・人件費等)の扱い
- 代替労働力の費用(アルバイト・外注費)の請求
- 売上減少の立証方法
- 過少申告していた場合の対応
この記事のポイント
- 事業所得(確定申告B表の㊹所得金額)÷365で日額を計算
- 固定費(家賃・従業員給与等)は休業中も続く経費として別途請求可能
- 代替労働力費用(雇用・外注)も請求可能
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(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)

自営業の休業損害の計算
自営業の休業損害は以下の式で計算します。
休業損害 =(事業所得 + 固定費)÷ 365 × 休業日数
- 事業所得:確定申告書B第一表の㊹「所得金額」の合計
- 固定費:休業中も発生する経費(家賃・リース料・従業員給与・光熱費基本料等)
- 休業日数:通院・入院による実際の休業日数
収入増加傾向の立証
開業間もない方や業績が上昇中の方は、単純な前年所得ではなく、事故前3か月の実績を年換算したり、事業計画書を基に将来の所得を主張することも可能です。
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売上減少の立証
休業による売上減少を立証するには、以下の資料が必要です。
- 事故前年・前々年の確定申告書(過去の売上推移)
- 事故後の月次売上・通帳(減少実績)
- 顧客との取引記録(受注停止・納期延長の証拠)
- 会計ソフトの出力データ
税理士の意見書を添付することで、立証力が格段に増します。
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代替労働力費用
休業中にアルバイト・外注を雇って事業を継続した場合、その費用を「代替労働力費用」として請求できます。これにより、売上減少と代替労働力費用のダブル計算にならないよう、いずれかに集約されます。
例:整体院経営者が交通事故で3か月休業→代替スタッフを雇用し月20万円×3か月=60万円を代替労働力費用として請求。
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ブライトの実際の解決事例
※守秘義務のため、依頼者属性・事故現場・会社名等は匿名化・一部変更しています。
事例1:30代男性・一人親方(個人事業主)・高次脳機能障害(バイク事故)——基礎収入を4パターン試算し最適ラインを主張
バイク事故で頭部外傷・高次脳機能障害・顔面骨折。基礎収入の立証で支払明細書ベース(夜勤込み)662万円/確定申告の所得+地代家賃+損害保険料+修繕費+通信費=402万円の複数パターンを試算して依頼者に提示。症状固定日は医師交渉で後ろ倒ししてリハビリ継続を主張、早期症状固定による等級低下を回避。12級前提で約1,544万円、5級想定時は約7,017万円の試算。
事例2:40〜50代男性会社役員(年収1,440万円)・追突事故——証人尋問で基礎収入1,440万円への引上げ
法人成りしている代表者の事案。確定申告上は減収がなく休損は認められにくい状況だったが、役員報酬の労務対価性を証人尋問で立証。尋問後の裁判官心証で基礎収入400万円→1,440万円に引上げ。配当(300万/180万/120万)も会社からの役員給与と一体の労務対価として立証。
事例3:40代男性・外国籍・個人事業主兼派遣社員(解雇)——解雇理由証明書で事故と解雇の因果関係を立証
バイク事故後、解雇理由証明書に「交通事故により出勤停止」と明記されており、事故と解雇の因果関係を立証。休業損害は派遣給与月20万×期間で計算、逸失利益は賃金センサス636万円(事故当年所得178万円を超える)で主張。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 青色申告の特別控除は所得に加算される?
加算されます。青色申告特別控除(65万円・55万円・10万円)は税務上の控除であり、実際の所得金額には含まれるべきと主張可能です。
Q2. 過少申告していた場合の休業損害は?
実際の収入を通帳・請求書等で立証できれば、確定申告書の数字を超える休業損害を主張できます。ただし所得税追徴のリスクもあるため、弁護士・税理士と相談して判断を。
Q3. 開業1年目で前年実績がない場合は?
事業計画書・事故前数ヶ月の実績・同業種の賃金センサスなどを使い、事故がなければ得られたはずの収入を主張します。
Q4. 法人成りしている場合は?
法人の代表者の場合、役員報酬が基礎収入になります。法人自体の損害(受注減等)は別途法人名義で請求検討となります。
まとめ
- 事業所得+固定費÷365×休業日数の式で計算
- 代替労働力費用(アルバイト・外注費)も請求可能
- 確定申告書・月次売上・税理士意見書が立証資料
- 保険会社の低額提示を弁護士が交渉で大幅増額可能
この記事の監修者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|パートナー弁護士
大阪弁護士会(2011年登録)|京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了
専門:交通事故・労災事故・会社関係争訟・M&A・事業再生
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