専業主婦・主夫が交通事故に遭った場合、給与収入がなくても「休業損害」として家事労働の価値を請求できます。保険会社は主婦の休業損害を低く見積もる傾向があるため、弁護士交渉で適切な金額を確保することが重要です。
この記事でわかること
- 家事従事者の休業損害の算定基準(賃金センサス女性学歴計)
- 日額約10,000円〜13,000円の計算根拠
- 入通院日数×日額の計算式
- 保険会社が自賠責基準(日額5,700円)を提示するパターン
- 休業損害が認定された事例・金額
- 主夫・シングルファザーの場合の扱い
この記事のポイント
- 主婦の休業損害は裁判基準で日額約10,000〜13,000円
- 自賠責基準の日額5,700円の2倍以上の差がある
- 賃金センサスの該当年度を使って計算
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主婦の休業損害の計算方法
裁判基準では、家事従事者の休業損害は賃金センサス女性労働者全年齢平均学歴計(令和4年で約385万円)を基礎として、365日で割った日額を使います。
例:賃金センサス女性385万円÷365日=日額約10,548円。これを通院日数・入院日数に乗じて計算します。
休業日数の判断
通院日は原則全日が休業損害の対象。通院していない期間も、症状により家事ができなかった日は加算可能です。
症状固定までの期間のうち、次のような割合で認定するのが一般的です。
- 入院期間:100%(全日)
- 通院期間(症状重い時期):50〜80%
- 通院期間(回復期):20〜50%
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保険会社との交渉
保険会社は主婦の休業損害について、自賠責基準である日額5,700円を提示するのが通例です。しかしこれは最低基準であり、裁判基準では倍近くになります。
弁護士が介入することで、賃金センサスを用いた裁判基準での交渉が可能になり、休業損害だけで数十万〜数百万円の増額が見込めます。
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ブライトの実際の認定事例
※守秘義務のため、依頼者属性・事故現場・会社名等は匿名化・一部変更しています。
事例1:20代女性主婦・小腸大部分切除+人工肛門造設・併合11級——請求約2,014万円
交通事故で小腸大部分・大腸一部切除、人工肛門造設(後に閉鎖)、腹部瘢痕、鎖骨骨折。相手保初回提示1,241万円→再提示1,350万円。主婦休損の賃金センサスは「症状固定時年」(事故時ではない)を使用して有利に主張。傷害慰謝料は重傷のため緑本重傷→赤本別表Ⅰの80%を適用。また夫の付添看護費として夫の会社員給与(実損・賞与減額含む)を請求、介護休業給付金5か月分の控除範囲を争う。
事例2:70代後半女性・年金生活+長女家事担当・死亡事故——和解4,700万円(主婦休損8割認定)
年金生活の高齢女性が青信号横断歩道上で衝突された事案。平均余命6年÷2=3年ではなく平均余命の半分6年をライプニッツ5.4171で計算。家事従事者性の立証として、同居長女(校長職)の家事を担っていた点を立証。就労可能証明書を取得。
事例3:40〜50代男性会社役員・併合14級——役員報酬1,440万円の労務対価性争い
追突事故・併合14級認定。主婦休損ではないが、基礎収入の認定で参考になる事案。確定申告で減収がなくても、役員報酬の労務対価性を証人尋問で立証し、尋問後の裁判官心証で基礎収入400万円→1,440万円に引上げ。配当も役員給与と一体の労務対価として立証。
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よくある質問(FAQ)
Q1. パートで働いている主婦の場合は?
兼業主婦の場合、実際のパート収入 or 賃金センサス女性全年齢のうち、いずれか高い方を基礎に計算できます。パート収入が低い方でも賃金センサス基準を主張可能です。
Q2. 一人暮らしの場合は家事従事者と認められますか?
家族に対する家事ではないため、家事従事者としての休業損害は原則認められません。ただし、家族の世話をしていた実績(帰省時の介護など)があれば一部認められることがあります。
Q3. 賃金センサスとは何ですか?
厚生労働省が毎年公表する「賃金構造基本統計調査」のことで、性別・年齢・学歴別の平均賃金が記載されています。損害賠償実務で広く使われます。
Q4. 家事ができなくなった分を家政婦を雇った場合は?
実際の家政婦代を領収書等で立証すれば、休業損害として請求可能です。
まとめ
- 主婦・主夫の休業損害は裁判基準で日額約10,000〜13,000円
- 賃金センサス女性学歴計を使用
- 保険会社は自賠責基準(日額5,700円)を提示しがち——交渉で倍額確保可能
- 主夫も女性基準で請求可能
- 通院しなかった日でも家事ができなかった日は請求対象
この記事の監修者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|パートナー弁護士
大阪弁護士会(2011年登録)|京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了
専門:交通事故・労災事故・会社関係争訟・M&A・事業再生
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