このページは、人身傷害保険の訴訟基準差額説を、マイクロキーワード戦略として弁護士法人ブライトの松本洋明弁護士が実務観点から解説したものです。
📝 この記事の3秒結論
- 人身傷害保険は約款基準で計算、加害者からは裁判基準で計算
- 訴訟基準差額説で約款と裁判基準の差額を人傷から追加請求可能
- 最高裁H24.2.20判決が起点、その後の判例蓄積で実務定着
- 人傷の追加受給で総手取りを最大化、ブライトでは複数の獲得実例
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人身傷害保険と加害者賠償の二重構造
交通事故被害者は2つの財源から補償を受けられる場合があります。
- 加害者からの損害賠償:裁判基準で計算(高い)
- ご自身の人身傷害保険:約款基準で計算(低めだが過失問わず)
通常、人身傷害から先に支払いを受け、加害者から差額を取る形ですが、「加害者から取れた金額が裁判基準より少ない場合」に問題が生じます。
従来の問題点
過失相殺等で加害者から取れた金額が約款基準・裁判基準のどちらより低い場合:
- 約款基準1,000万円
- 裁判基準1,300万円
- 加害者から取れた額:800万円(過失2割の場合)
従来は人傷から「約款基準1,000万円−加害者から取れた額800万円=200万円」しか追加されませんでした。
最高裁H24.2.20判決と訴訟基準差額説
最高裁平成24年2月20日判決を契機として、「訴訟基準差額説」が実務に定着しました。
この理論では:
- 裁判基準額1,300万円から加害者賠償800万円を控除した「裁判基準差額500万円」
- これを人傷から追加で受け取れる(約款基準内であれば)
- 結果として、被害者の手取りが200万円→500万円に増加
訴訟基準差額説の主張戦略
- 裁判または交渉で裁判基準ベースの損害額を確定
- 加害者からの実際の支払額(過失相殺後)を確認
- 差額を計算し、人傷保険会社に請求
- 人傷の約款条項を読み解いて根拠を主張
- 必要なら判例引用で説得
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約款の表現読み解きが重要
すべての人傷契約で訴訟基準差額説が認められるわけではなく、約款の表現次第で結果が変わります。
- 「裁判所が認めた金額」と書かれていれば差額説OK
- 「自社基準で計算」と書かれていれば困難
- 近年は多くの保険会社が約款を改定して認める方向
ブライトの実例
通勤中夫の労災死亡事例で、加害者賠償+労災給付+人傷を組み合わせた「トリプル補償」設計を実施。詳細はこちら
レンタカー加害者と連絡つかず事案では、人傷一括対応で治療費確保+加害者本人への訴訟二段構え。詳細はこちら
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請求順序の戦略
訴訟基準差額説を最大化する請求順序:
- 人傷から先行支払い受給(生活資金確保)
- 加害者賠償交渉・訴訟で裁判基準額確定
- 裁判基準額から既払額(人傷分・自賠責分)控除
- 残額を加害者から請求
- 残った差額を人傷に追加請求
まとめ
人身傷害保険の訴訟基準差額説は、被害者の手取り最大化に直結する重要論点です。約款の表現次第ですが、近年はほとんどの保険会社で活用可能。「人傷で先行受給→加害者賠償→人傷追加請求」の3段構えで進めましょう。
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監修:松本 洋明 弁護士(弁護士法人ブライト パートナー弁護士)
弁護士歴15年(63期)・元損保側代理人・年間100件超の交通事故案件を担当。重度後遺障害事案、外国籍被害者対応、素因減額の争い、個人事業主の収入立証など複雑事案に多数の実績。本件もブライトの実際の解決事例(守秘のため一部を匿名化)。
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