兼業主婦(パート・アルバイト+家事)の休業損害は、パート収入と家事労働の価値のうち高い方を選択できます。実務的にはほとんどのケースで「賃金センサス女性全年齢平均」が有利となり、パート実収入より多くなります。
この記事でわかること
- 兼業主婦の休業損害の計算方法(高い方を選択)
- パート収入+家事労働の二重取りの可否
- 子育て・介護期の家事労働価値
- 休業損害に適用する「実日数 vs 症状固定までの期間」
- 保険会社のパート収入のみ提示への反論
- 認定事例と金額相場
この記事のポイント
- 兼業主婦はパート収入より賃金センサス女性全年齢平均が有利になるケースが大半
- パート収入と家事労働の二重取りは原則不可、高い方を選択
- 子育て期(3歳未満の子あり等)は家事労働価値が高く評価されやすい
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兼業主婦の休業損害の計算
兼業主婦の基礎収入は、以下のうち高い方を使います。
- 実際のパート年収(源泉徴収票の支払金額)
- 賃金センサス女性労働者全年齢平均学歴計(令和4年で約385万円)
例:パート年収240万円の兼業主婦→賃金センサス385万円の方が高いので385万円を基礎に日額計算。385万÷365≒日額10,548円×休業日数。
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二重取りの可否
原則として、パート収入と家事労働価値の二重取りはできません。「兼業主婦は二つの仕事をしている」と主張しても、判例は二重評価を認めていません。
ただし、パート以外の活動(育児・介護・地域活動)が特に重い場合は、家事労働の価値を上方修正する余地があります。
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子育て期・介護期の特殊な取り扱い
子育て期(幼児あり)
3歳未満の幼児がいる場合、家事労働の価値はより高く評価される傾向にあります。ベビーシッター費用・保育料・家政婦費用を実費で証明することで、休業損害の上方修正が可能です。
介護期
同居の要介護者がいる場合、介護の実態を陳述書で立証することで、休業損害日額を上げて主張することができます。
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ブライトの実際の解決事例
※守秘義務のため、依頼者属性・事故現場・会社名等は匿名化・一部変更しています。
事例1:夫妻同時被害・家事従事者(主婦)——通院日を夫妻別々に計上する工夫
追突被害で夫妻同時被災。基本過失20:80(判タ【104】、相手車ドラレコで修正要素検討)。主婦休損を請求するにあたり、夫妻が自家用車で別々に通院しているため、夫の通院日と妻の通院日を別個に計上(同日合算ではなくそれぞれの日数)する工夫を実施。整骨院施術の必要性・相当性(医師の指示・同意が必要)を訴訟化リスクを踏まえて管理。最終的に訴訟提起で解決。
事例2:母子家庭・センターラインオーバー被害——新価特約で買替+主婦休損請求
女性+子2名同乗(チャイルドシート未装着)、母子家庭の可能性ある事案。相手方のセンターラインオーバーで過失0:100、新車が大破。物損では新価特約で買替、代車特約で「新車納車までの代車対応」を相手保へ交渉、下取額等の関係でローン返済額が上がったことへの不満にも対応。人損はむちうちで主婦休損を請求(請求時に同居家族を確認)、母子家庭ならそれに応じた主張。
事例3:生活保護受給者の主婦休損請求——「建前上の別居」で請求断念となったケース
同居家族がいても主婦休損が認められるとは限らない実務の落とし穴。生活保護受給中で「建前上は同居していない」扱いになっているため主婦休損の請求は困難と判断し、同乗者の人損は費用倒れとして受任見送りになった事例。主婦休損の要件である「家事従事の実態」と「同居家族の認定」に注意が必要。
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よくある質問(FAQ)
Q1. フルタイム勤務でも家事分は請求できますか?
フルタイムでも家事の実態があれば請求余地はありますが、パート・アルバイトと比べて上乗せ余地は限定的です。賃金センサスが実年収を下回る場合は実年収を使います。
Q2. 夫がいない母子家庭の場合は?
子どもがいる単身家庭の場合も家事従事者として扱われ、賃金センサス基準での休業損害が認められます。
Q3. 休業損害証明書はパート先からもらう?
パート部分の休業損害については、勤務先から「休業損害証明書」を発行してもらう必要があります。家事労働部分は別途主張します。
Q4. 産休・育休中も家事労働の休業損害は認められますか?
認められます。産休・育休中は給与が下がるものの、家事従事者としての価値は継続しているため、賃金センサス基準で主張可能です。
まとめ
- 兼業主婦はパート実収入と賃金センサス女性平均の高い方を選択
- 二重取りは不可だが、子育て・介護期は上方修正余地あり
- パート部分は休業損害証明書、家事部分は別途主張
- 保険会社の「パート収入のみ」提示は不当——弁護士介入必須
この記事の監修者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|パートナー弁護士
大阪弁護士会(2011年登録)|京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了
専門:交通事故・労災事故・会社関係争訟・M&A・事業再生
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