このページは、ドラッグストア駐車場での車両同士事故の解決事例をもとに、駐車場事故特有の過失割合争いと防犯カメラ早期確保の実務ポイントを中心にまとめた解説記事です(本記事は複数の解決事案を再構成した解説記事です。登場人物の属性・金額・事故場所等は実際の事案と異なります)。
📝 この記事の3秒結論
- 駐車場での車両同士事故は判例タイムズの基本図表が直接適用されない
- 類推適用で過失割合を主張するため証拠保全が最重要
- 商業施設駐車場の防犯カメラは保管期間14日が標準のため早期確保が必須
- 弁護士費用特約(LAC)があれば自己負担なしで弁護士に依頼できる
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事案の概要
今回ご紹介するのは、商業施設(ドラッグストア)の駐車場内で発生した車両同士の接触事故の事案です。ご依頼者(以下「被害者」)が駐車スペースから通路へ出庫しようとしたところ、通路を走行してきた相手方車両と衝突しました。
駐車場内では走行車両・出庫車両・歩行者が複雑に交錯しており、「どちらが優先か」「速度はどうだったか」といった争点が複数生じやすい環境です。相手方の保険会社は当初、被害者側に高い過失割合を主張してきましたが、弁護士が介入して防犯カメラ映像を確保・活用したことで交渉が大きく動きました。
なお、被害者は自動車保険に弁護士費用特約(LAC)を付帯していたため、弁護士費用の自己負担なしで依頼することができました。弁護士費用特約の活用について詳しくはこちらの記事もご参照ください。
駐車場事故と判例タイムズの関係
交通事故の過失割合は、一般的に「判例タイムズ(民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準)」の図表をベースに決まります。しかし、ドラッグストア駐車場のような商業施設の駐車場で発生した車両同士の事故には、この図表が直接適用されないケースがほとんどです。
その理由は、判例タイムズの基本図表が「道路交通法上の道路」における交通を前提としているからです。私有地である商業施設の駐車場は原則として同法の「道路」には該当せず、信号機や優先道路といった道路交通法上の規律が直接適用されません。
類推適用による過失割合の主張
だからといって過失割合の主張ができないわけではありません。実務では以下のような判例タイムズの図表を類推適用して、事故態様に応じた過失割合を交渉の出発点とします。
- 判タ【335】【336】:駐車スペースから出庫する車両と通路通行車両の事故
- 判タ【338】:バック中の車両同士の衝突事故
- 商業施設駐車場特有の注意義務(徐行義務・周辺確認義務)
出庫車両には「安全確認をしてから出庫する義務」が課される一方、通路通行車両にも「駐車スペースから出てくる車両に備えて徐行する義務」が認められます。したがって、通路走行車が速度超過だったり不注意だったりすれば、相手方の過失割合が引き上げられる余地があります。
この点について、弁護士が客観的な証拠をもとに主張することで、保険会社が当初提示した過失割合から大幅に修正できる場合があります。
⚠️ 保険会社の提示する過失割合に納得できないあなたへ
「あなたにも○割の過失がある」と言われても、その根拠を確認しましたか?
弁護士に依頼することで、証拠に基づいた反論が可能になります。
防犯カメラの早期確保が最重要な理由
駐車場事故の過失割合を争う上で、最も強力な証拠になるのが防犯カメラの映像です。当事者双方の言い分が食い違う場合でも、カメラ映像があれば事故直前の速度・位置関係・確認行動を客観的に示すことができます。
しかし、ここで多くの被害者が知らないために後悔するポイントがあります。それが保管期間の問題です。
商業施設の防犯カメラ保管期間は「14日が標準」
商業施設の防犯カメラ映像は、多くの場合14日前後で上書き消去されます。施設によっては7日以内のところもあります。事故発生後、保険会社同士のやり取りを待っていると、気づいたときにはもう映像が消えていた——というケースは珍しくありません。
映像が消えてしまえば、事故態様の立証が「当事者の言い分の争い」に後退してしまい、被害者にとって不利な状況になりかねません。
防犯カメラを確保するための実務手順
以下の手順を、事故後できるだけ早く(遅くとも1週間以内に)進めることが重要です。
- 事故直後に店舗管理者・警備員に申し出る
「事故の映像を保全してほしい」と直接伝え、書面または口頭で保全依頼の記録を残す。 - 警察への届出と並行して進める
物損事故として届け出るだけでなく、捜査上の証拠として警察が映像を確保してくれることもある。 - 個人での開示が困難な場合は弁護士に依頼する
弁護士法23条照会(弁護士会照会)を活用することで、施設側に映像の提供を求めることができる。 - ドライブレコーダー映像も確認する
自車・相手方双方のドライブレコーダー映像も重要な証拠になる。事故直後に相手方に確認を求めることも検討する。
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事故から日が浅いほど、証拠を確保できる可能性が高まります。
弁護士法人ブライトでは、防犯カメラ映像の保全交渉もサポートします。
弁護士が介入してどう変わったか
本事案では、弁護士介入後に以下のような流れで解決に至りました。
①防犯カメラ映像の早期確保
受任直後、弁護士からドラッグストアの店舗管理部門に対して映像保全の申し入れを行い、事故当時の映像を確保しました。映像には相手方車両が通路を比較的高い速度で走行していた様子が記録されており、これが過失割合交渉の重要な根拠となりました。
②過失割合の修正交渉
相手方保険会社が当初提示していた過失割合に対し、映像と類推適用すべき判例タイムズの図表を根拠に修正を求めました。客観的な映像証拠があることで、保険会社側も根拠なく高い過失割合を維持することが難しくなり、最終的に被害者側に有利な割合で合意に至りました。
③物損・修理費の適正化
修理費についても、相手方保険会社の提示額が市場相場と乖離していた部分について交渉を行い、適正な損害賠償額での解決となりました。
駐車場事故における過失割合の考え方については、過失割合の基本解説ページもあわせてご参照ください。
💡 弁護士費用特約(LAC)があれば自己負担ゼロで依頼できます
多くの自動車保険に付帯している弁護士費用特約を使えば、弁護士費用は保険会社が負担します。
「弁護士に頼むとお金がかかる」とためらっている方も、まずは確認してみてください。
駐車場事故で被害者が取るべき初動対応チェックリスト
駐車場事故に遭ったとき、焦ってしまうと大切な証拠を失いかねません。以下のチェックリストを参考に、冷静に対応してください。
- ✅ 事故直後に警察へ届出(物損事故でも必ず届け出る)
- ✅ 相手方の情報を確認(氏名・連絡先・車両ナンバー・保険会社)
- ✅ 現場写真を撮影(車両の損傷箇所・接触位置・周辺の状況)
- ✅ 店舗管理者に防犯カメラの保全を依頼(当日中が理想)
- ✅ 目撃者がいれば連絡先を確保
- ✅ 自車のドライブレコーダー映像を保存(上書きされる前に保存)
- ✅ 早期に弁護士へ相談(証拠の保全期限があるため早いほど良い)
弁護士法人ブライトにご相談ください
弁護士法人ブライトは、着手金0円・完全成功報酬制で交通事故被害者を全面的にサポートします。駐車場事故のように過失割合の争いが生じるケースや、防犯カメラ映像の確保が急がれる案件も、豊富な経験をもとに迅速に対応します。
「保険会社の提示額が妥当かどうかわからない」「相手方が過失を認めない」「防犯カメラの映像をどう入手すれば良いかわからない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。初回相談は無料です。
交通事故に遭われた直後の対応について詳しくは、事故後の対応ガイドもご覧ください。
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【監修者】
松本 洋明(まつもと ひろあき)
弁護士法人ブライト 代表弁護士
弁護士登録:2010年(修習63期)/弁護士歴16年
交通事故専門チームを率い、過失割合・後遺障害・損害賠償交渉の各分野で多数の解決実績を持つ。
「被害者の権利を最大化する」を理念に、着手金0円・完全成功報酬制で依頼者をサポート。




