お問い合わせ、相談は無料です
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「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じもの?呼び方と書式の種類を整理
検索では「後遺症診断書」という言葉もよく使われますが、自賠責の後遺障害申請で使う書類の正式な名称は「後遺障害診断書」です。「後遺症診断書」は、この書類を指す通称として使われていることがほとんどで、書式を取り寄せるときは「後遺障害診断書」と伝えれば話が通じます。
ただし、「後遺症が残ったことを証明する診断書」は用途ごとに書式が分かれており、1通あれば全部に使い回せるわけではありません。ここを取り違えると、書式が違うという理由で受け付けてもらえず、作成し直しになります。
| 用途 | 書類の呼び方 | 書式の入手先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害申請(交通事故) | 後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険用) | 相手方保険会社/自分の任意保険会社。当ページの参考書式も利用できます | 全国共通の書式。交通事故の等級認定はこの書類が中心資料になります |
| 労災保険の障害(補償)給付 | 労災用の診断書(障害給付請求書の添付書類) | 労働基準監督署 | 自賠責用とは書式が別です。ただし先に自賠責の等級認定を受けている場合、その後遺障害診断書と認定結果の写しを提出することで、労災用の診断書の作成を省略できることがあります。2通作成すると診断書費用が二重にかかるため、事前に労働基準監督署へ確認してください |
| 歯や顎の後遺障害 | 歯科用の後遺障害診断書 | 相手方保険会社 | 一般の書式とは様式が異なります |
| 生命保険・傷害保険の給付請求 | 各保険会社所定の後遺障害診断書 | 契約している保険会社 | 保険会社ごとに独自書式。自賠責用の写しでは受け付けられないことがあります |
通勤中や業務中の交通事故では、自賠責と労災の両方を使える場面があります。どちらの制度から先に受け取るかで最終的な手取りが変わることもあるため、第三者行為災害(労災と交通事故が重なる場合)の解説もあわせてご確認ください。
後遺障害診断書の書き直し・追記はお願いできる?断られたときの選択肢
結論から言うと、誤記の訂正や、実施済みの検査結果の追記であれば、医師にお願いできることが多いです。一方で、医師が診療上そう判断していない内容を書き加えてもらうことはできません。ここを区別しておくと、医師との話がこじれずに済みます。
| お願いする内容 | 対応してもらえる可能性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 日付の誤記(受傷日・診断日・症状固定日)の訂正 | 高い | カルテと突き合わせれば明らかな誤りであり、訂正は事実の是正にあたります |
| 測定済みの可動域について、他動値の追記 | 高い | 測定していれば追記できます。未測定の場合は再測定をお願いすることになります |
| 実施済みの検査結果(画像所見・神経学的検査)の追記 | 高い | すでにカルテにある情報を診断書に反映してもらう依頼です |
| 治療していた部位が傷病名から漏れている場合の追加 | 状況による | カルテに治療の記録があるかどうかが分かれ目になります |
| 自覚症状の記載を、より具体的にしてもらう | 状況による | 患者が訴えている内容であれば反映されることがあります。症状メモを渡す方法が有効です |
| 医師が認めていない症状・所見を書き加えてもらう | 低い | 医師の医学的判断に反する記載は依頼できません。無理に求めると関係が悪化します |
書き直しをお願いするときの進め方
- 受け取ったらすぐ内容を確認する。提出後に修正するより、提出前のほうがはるかに簡単です
- どこが問題かを具体的に伝える。「全部書き直してほしい」ではなく「症状固定日の欄が空欄なので記入をお願いしたい」と特定する
- 再作成の費用負担を確認する。訂正の理由によっては追加費用がかかることがあります
- それでも難しい場合は、無理に押し切らない。医師との信頼関係が壊れると、以後の照会にも協力が得られなくなります
医師が修正に応じてくれない場合でも、打つ手が無くなるわけではありません。実務では、カルテや画像を取り付けて別の医証で補う、協力医に画像を確認してもらう、不足部分を意見書や補足資料の形で補って申請する、といった対応を取ることがあります。なお、受傷から時間が経ってから転院すると、転院先の医師には受傷当時の経過が分からず、後遺障害診断書の作成自体を断られることがあります。転院を検討する場合は、この点も踏まえて判断してください。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
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後遺障害診断書について弁護士に依頼するメリット

内容が適切か確認してもらえる
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の内容に問題がないかを確認してもらえます。記入漏れがないか、必要な検査結果が記入されているかなどを専門家の目でチェックします。認定のために理想的な内容かを確認してもらえるので安心です。
修正が必要な場合は医師に説明してくれる
もし診断書の内容に不備があれば、修正の手伝いもします。医師に修正をお願いするのは一般の方にとってはハードルが高いケースもあるでしょう。弁護士は、修正点や修正が必要な理由を医師に直接説明するので、適切な内容の診断書を完成させることが可能です。症状固定のタイミングについても、必要に応じて主治医と調整を行います。
後遺障害申請手続を任せられる
診断書のチェックだけでなく、申請手続まで任せられます。被害者請求に必要な書類は多岐にわたり、自分で収集するのは大変な手間です。そもそも何が必要書類なのかを把握するのも簡単ではありません。弁護士に任せてしまえば、煩わしい手続に頭を悩ませられずに済みます。
参考文献・専門書籍
この記事の作成にあたり、以下の専門書籍・実務書を参考にしています。
- 『交通事故外傷と後遺障害 全322大辞典(別巻)』では、後遺障害診断書に記載すべき内容として、傷病名・自覚症状・自覚症状を裏付ける画像所見と検査結果の重要性が解説されています。また、後遺障害診断書の記載内容がそのまま等級認定の基礎資料になる(審査担当者が被害者本人と直接面接するわけではない)実務の構造についても紹介されています。
- 『後遺障害の認定と異議申立』(加藤久道著)では、後遺障害等級認定における非該当判断の考え方として、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見(神経学的検査所見・画像所見等)の有無が重視される点が解説されています。
- 弁護士向け実務セミナー資料では、後遺障害診断書作成時に確認すべきポイントとして、症状固定日の記載・自覚症状の記載漏れの有無・必要な検査の実施状況・想定される後遺障害のチェック漏れがないかが整理されています。
※ 上記はいずれも一般的な実務解説の紹介であり、個別事案の等級認定を保証するものではありません。実際の等級認定は、事案ごとの症状・検査結果・治療経過等を総合的に考慮して判断されます。
後遺障害診断書についてまとめ
それでは後遺障害診断書についてのまとめです。
まとめ
- 後遺障害診断書は後遺障害認定に必要な書類
- 書式は保険会社から入手するのが確実(当ページのPDFは参考用)
- 診察をした医師に書いてもらう
- 自覚症状の具体性・検査結果・可動域測定値が等級を左右する
- 通勤中・業務中の事故は労災の診断書もあわせて検討する
- 疑問があれば弁護士に相談しよう
後遺障害認定については医学・法律両面の専門的知識が必要で、簡単に理解できるものではありません。交通事故に精通した弁護士に任せてしまうのも得策といえます。後遺障害診断書を含めて、後遺障害全般についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。
ブライトの後遺障害診断書チェック事例
後遺障害診断書は、主治医が書いた内容がそのまま認定に直結します。ブライトでは依頼者の代わりに主治医とコミュニケーションを取り、認定獲得のための記載強化を多数手がけてきました。以下は複数の相談内容を組み合わせて抽象化した事例です(氏名・病院名等は伏せています)。
- むちうち14級:主治医の初稿では「症状軽快傾向」だったが、神経学的所見の追記を主治医に依頼し14級9号認定を獲得
- 圧迫骨折12級→8級への異議申立て:診断書の脊椎可動域制限の記載が不十分だったため、追加検査・再診断書取得で8級認定に変更
- 高次脳機能障害12級13号→上位等級狙い:日常生活状況報告書とのセットで主治医に追加意見書を依頼、神経心理学検査結果との整合性を強化中
- 骨盤・大腿部骨折で骨癒合不全(偽関節)が疑われたケース:症状固定後、一定期間をおいて改めてCT撮影を実施し、当初の診断書に記載がなかった骨癒合不全の所見を追加で立証
後遺障害診断書は「書いてもらってから提出」では遅いケースが多いです。書く前段階から、何を書いてもらうかを弁護士と相談するのが最適です。
後遺障害診断書の内容にご不安がある方へ
提出前の内容チェック・医師への働きかけについてご相談ください。
06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 後遺障害診断書の書式はどこで手に入りますか?ダウンロードはできますか?
A. 最も確実なのは、加入している保険会社や相手方保険会社に依頼して郵送してもらう方法です。あわせて、当ページでも参考書式(一般用・歯科用)をPDFでダウンロードいただけます。ただし提出前に、担当保険会社の最新様式と相違がないかご確認ください。
Q2. 後遺障害診断書を書いてもらうにはどうすればいいですか?
A. 症状固定の診断を受けたタイミングで、治療を担当してきた主治医に作成を依頼します。自覚症状(部位・頻度・生活や仕事への影響)を具体的に伝え、必要な検査を受けたうえで、丁寧にお願いすることが大切です。
Q3. 後遺障害診断書の作成費用はいくらですか?
A. 病院によって異なりますが、目安は5,000円〜20,000円程度です。作成にかかる金額は法令で一律に決まっているわけではないため、これより高額になることもあります。作成費用はいったん自己負担となりますが、後遺障害が認定されると後日、保険会社から支払われるのが通常です。
Q4. 「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じものですか?
A. 交通事故の実務で正式に使われるのは「後遺障害診断書」という名称です。「後遺症診断書」と呼ばれることもありますが、指しているのは同じ書類(自賠責保険で使用する統一様式の診断書)です。
Q5. 通勤中の事故ですが、労災の診断書と交通事故の診断書はどちらを使えばいいですか?
A. 通勤中・業務中の事故では、労災保険と自賠責保険(任意保険)の両方から補償を受けられる可能性があり、それぞれ書式が異なる後遺障害診断書が必要になります。詳しくは「労災の後遺障害診断書とは」もあわせてご確認ください。
Q6. 整骨院・接骨院に通っていますが、後遺障害診断書は書いてもらえますか?
A. 整骨院・接骨院の施術者(柔道整復師)は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師にしか作成できないため、整骨院・接骨院に通う場合でも、必ず病院にも定期的に通院して医師の診察を受けるようにしてください。
Q7. 後遺障害診断書を提出した後に、内容を訂正することはできますか?
A. 提出後の訂正は基本的にできません。提出前に、自覚症状の内容や検査結果に誤りがないか、必ずご自身でも確認してください。内容に不備があると感じた場合は、提出前に医師へ修正を依頼するか、弁護士にご相談ください。
執筆・監修弁護士のご紹介
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。。交通事故案件(被害者側)を専門に取り扱い、後遺障害認定・保険会社交渉を数多く経験。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。(大阪弁護士会所属)。企業法務・交通事故・労災など幅広い案件を統括。顧問先141社の実名公開で事務所の透明性を実践。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
医師への依頼のしかた|そのまま使える伝え方と「症状メモ」の文例
医師は治療の専門家であって、自賠責の等級認定基準の専門家とは限りません。「後遺障害の申請に使う書類である」という前提が共有されていないと、治療経過のまとめとしては正しくても、審査資料としては情報が足りない診断書になってしまうことがあります。
とはいえ、患者の側から書き方を細かく指定するような伝え方は、医師との関係を損ないます。「こう書いてください」ではなく「今の状態を正確に伝えたい」という形でお願いするのが実務的です。
依頼するときの伝え方の例
診察の時間は限られています。次のように、目的と困っている内容を短く伝えるところから始めてください。
- 「保険会社に後遺障害の申請をすることになりました。そのための診断書をお願いできますでしょうか」
- 「今も残っている症状を書き出してきました。お手数ですが、目を通していただけますか」
- 「日常生活で困っている動作があるのですが、その点も診断書に反映していただくことは可能でしょうか」
- 「可動域の測定について、他動での測定もお願いできますでしょうか」
診察前に渡す「症状メモ」の文例
診察室では、痛みや不便を思い出しながら口頭で説明するのは意外に難しいものです。あらかじめA4用紙1枚程度に症状を箇条書きにして持参し、診察時に渡す方法が有効です。当事務所でも、自覚症状が診断書に反映されるよう、残存症状を箇条書きに整理してお渡しする対応を取ることがあります。以下は書き方の一例です。
【症状固定にあたってのご報告(患者記入)】
・痛みのある部位:頚部、左肩から左上腕にかけて
・痛みの性質と強さ:じんじんとした持続的な痛み。強い時は集中できない
・しびれ:左手の親指・人差し指に終日しびれがある
・症状が強くなる場面:長時間のデスクワーク後、雨天・気圧が下がる日、上を向く動作
・できなくなった動作:上の棚の物を取る、長時間の運転、子どもを抱き上げる
・仕事への影響:連続して作業できる時間が事故前より短くなり、休憩を挟む必要がある
・現在も続けている治療:週◯回の通院、内服薬(薬剤名)、リハビリ
ポイントは、「痛い」で終わらせず、どの動作ができなくなったかまで書くことです。労働能力にどう影響しているかが伝わる記載は、等級判断でも逸失利益の交渉でも意味を持ちます。
後遺障害診断書を書いてもらえないことはある?
医師が後遺障害診断書を書いてくれないことはあります。理由としては以下が考えられます。
症状固定になっていない
症状固定になっていないと医師が判断している場合です。症状固定になっていなければ、後遺障害の有無を判断できません。症状固定の時期は医師が判断するものなので、この理由で後遺障害診断書を書いてもらえていないのであれば、医師の指示にしたがって治療を続けてください。
後遺障害がないと考えている
後遺障害が残っていないと考えているため、診断書を書いてくれないこともあります。たしかに、医師が後遺障害はないと判断しているのであれば、申請しても認定が出る可能性は高くないのかもしれません。しかし、医師は後遺障害認定には詳しくないこともあります。認定の可能性があるかを知るために、認定に精通した弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
整骨院にのみ通っていた
初回の診察だけ病院に行き、その後は整骨院に通っていたために診断書を書いてくれない可能性もあります。医師としては治療の経過がわからず、書くのが難しくなるからです。そもそも整骨院にしか通っていないと、認定を受けるのが困難になります。このような事態を避けるために、必ず病院にも定期的に通院するようにしてください。
病院を変えたばかり
病院を変えたばかりであることを理由に、後遺障害診断書の作成を拒まれることもあります。
病院を変えたばかりだと前の病院で受けた治療の経過がわからず、後遺障害診断書を書くための情報が少ないためです。ちなみに、病院を変えると後遺障害申請ができないということはありません。前の病院の治療記録を取り寄せるなどして、書いてもらえないか説得してみましょう。転院する前の段階であれば、協力してもらえるかあらかじめ確認しておくと安心です。
争いに巻き込まれたくない
交通事故の争いに巻き込まれたくないから診断書を書いてくれない可能性もあります。これは正当な理由とはいえませんので、書いてもらえるように働きかけてみてください。どうしても拒否されるのであれば、別の医師を探すのもひとつの手です。
後遺障害診断書の作成にかかる期間と費用
後遺障害診断書の作成にかかる期間や費用は病院によって異なります。
| 作成にかかる期間 | 作成にかかる費用 |
|---|---|
| 数日~1ヵ月 | 5,000~20,000円 |
作成にかかる金額は規定で決まっているわけではないので、より高額なこともあります。作成費用はいったん自己負担になりますが、後遺障害が認定されると後日保険会社から支払われるのが通常です。
被害者請求と事前認定で費用の扱いが変わることがある
作成費用の一時的な立替は、被害者請求・事前認定のどちらの方法で申請するかによって扱いが変わることがあります。被害者請求では、被害者自身が自賠責保険会社に費用も含めて請求するため、診断書作成料も損害の一部として明確に計上できます。事前認定では、相手方保険会社が手続きを進めるため、費用負担の流れが分かりにくくなることがあります。どちらの方法が適しているかは、事案の内容によって異なりますので、迷ったときは弁護士に相談することをおすすめします。
事前認定と被害者請求のどちらで申請すべきかは、認定結果そのものにも影響し得る重要な分岐です。詳しくは「事前認定と被害者請求はどちらが有利か|弁護士が解説」をご覧ください。
後遺障害診断書を入手した後はどうする?
内容に間違いがあれば修正してもらう
後遺障害診断書を作成してもらったら、まずは内容に間違いがないかを確認してください。記載漏れやミスがあっても、提出後には訂正できません。特に、自覚症状の欄に伝えたことが間違いなく書かれているかによく注意しましょう。もし間違いがあれば、医師に修正をお願いしてください。
後遺障害申請をする
内容に問題がなければ、後遺障害申請に進みます。申請の方法には、事前認定と被害者請求の2つがあります。
事前認定は、相手方保険会社に後遺障害診断書を送り、残りの必要書類の提出は任せてしまう方法です。被害者請求は、必要書類の収集・提出をすべて自分で行う方法です。
事前認定は手間がかからない一方で、資料が少ない状態のまま申請され、非該当や低い等級になりやすいリスクがあります。被害者請求は自分に有利な証拠(追加の検査結果や医師の意見書など)を揃えて提出できますが、手間がかかり大変です。被害者請求を自分だけで行うのが難しければ、弁護士に任せることもできます。
結果に不満があれば異議申し立てが可能
申請すると、一般的には2〜3ヶ月程度で結果が送られてきます。結果が思ったようなものでなければ、何度でも異議申し立てが可能です。ただし、結果を覆すだけの新たな資料が必要となります。
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「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じもの?呼び方と書式の種類を整理
検索では「後遺症診断書」という言葉もよく使われますが、自賠責の後遺障害申請で使う書類の正式な名称は「後遺障害診断書」です。「後遺症診断書」は、この書類を指す通称として使われていることがほとんどで、書式を取り寄せるときは「後遺障害診断書」と伝えれば話が通じます。
ただし、「後遺症が残ったことを証明する診断書」は用途ごとに書式が分かれており、1通あれば全部に使い回せるわけではありません。ここを取り違えると、書式が違うという理由で受け付けてもらえず、作成し直しになります。
| 用途 | 書類の呼び方 | 書式の入手先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害申請(交通事故) | 後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険用) | 相手方保険会社/自分の任意保険会社。当ページの参考書式も利用できます | 全国共通の書式。交通事故の等級認定はこの書類が中心資料になります |
| 労災保険の障害(補償)給付 | 労災用の診断書(障害給付請求書の添付書類) | 労働基準監督署 | 自賠責用とは書式が別です。ただし先に自賠責の等級認定を受けている場合、その後遺障害診断書と認定結果の写しを提出することで、労災用の診断書の作成を省略できることがあります。2通作成すると診断書費用が二重にかかるため、事前に労働基準監督署へ確認してください |
| 歯や顎の後遺障害 | 歯科用の後遺障害診断書 | 相手方保険会社 | 一般の書式とは様式が異なります |
| 生命保険・傷害保険の給付請求 | 各保険会社所定の後遺障害診断書 | 契約している保険会社 | 保険会社ごとに独自書式。自賠責用の写しでは受け付けられないことがあります |
通勤中や業務中の交通事故では、自賠責と労災の両方を使える場面があります。どちらの制度から先に受け取るかで最終的な手取りが変わることもあるため、第三者行為災害(労災と交通事故が重なる場合)の解説もあわせてご確認ください。
後遺障害診断書の書き直し・追記はお願いできる?断られたときの選択肢
結論から言うと、誤記の訂正や、実施済みの検査結果の追記であれば、医師にお願いできることが多いです。一方で、医師が診療上そう判断していない内容を書き加えてもらうことはできません。ここを区別しておくと、医師との話がこじれずに済みます。
| お願いする内容 | 対応してもらえる可能性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 日付の誤記(受傷日・診断日・症状固定日)の訂正 | 高い | カルテと突き合わせれば明らかな誤りであり、訂正は事実の是正にあたります |
| 測定済みの可動域について、他動値の追記 | 高い | 測定していれば追記できます。未測定の場合は再測定をお願いすることになります |
| 実施済みの検査結果(画像所見・神経学的検査)の追記 | 高い | すでにカルテにある情報を診断書に反映してもらう依頼です |
| 治療していた部位が傷病名から漏れている場合の追加 | 状況による | カルテに治療の記録があるかどうかが分かれ目になります |
| 自覚症状の記載を、より具体的にしてもらう | 状況による | 患者が訴えている内容であれば反映されることがあります。症状メモを渡す方法が有効です |
| 医師が認めていない症状・所見を書き加えてもらう | 低い | 医師の医学的判断に反する記載は依頼できません。無理に求めると関係が悪化します |
書き直しをお願いするときの進め方
- 受け取ったらすぐ内容を確認する。提出後に修正するより、提出前のほうがはるかに簡単です
- どこが問題かを具体的に伝える。「全部書き直してほしい」ではなく「症状固定日の欄が空欄なので記入をお願いしたい」と特定する
- 再作成の費用負担を確認する。訂正の理由によっては追加費用がかかることがあります
- それでも難しい場合は、無理に押し切らない。医師との信頼関係が壊れると、以後の照会にも協力が得られなくなります
医師が修正に応じてくれない場合でも、打つ手が無くなるわけではありません。実務では、カルテや画像を取り付けて別の医証で補う、協力医に画像を確認してもらう、不足部分を意見書や補足資料の形で補って申請する、といった対応を取ることがあります。なお、受傷から時間が経ってから転院すると、転院先の医師には受傷当時の経過が分からず、後遺障害診断書の作成自体を断られることがあります。転院を検討する場合は、この点も踏まえて判断してください。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書について弁護士に依頼するメリット

内容が適切か確認してもらえる
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の内容に問題がないかを確認してもらえます。記入漏れがないか、必要な検査結果が記入されているかなどを専門家の目でチェックします。認定のために理想的な内容かを確認してもらえるので安心です。
修正が必要な場合は医師に説明してくれる
もし診断書の内容に不備があれば、修正の手伝いもします。医師に修正をお願いするのは一般の方にとってはハードルが高いケースもあるでしょう。弁護士は、修正点や修正が必要な理由を医師に直接説明するので、適切な内容の診断書を完成させることが可能です。症状固定のタイミングについても、必要に応じて主治医と調整を行います。
後遺障害申請手続を任せられる
診断書のチェックだけでなく、申請手続まで任せられます。被害者請求に必要な書類は多岐にわたり、自分で収集するのは大変な手間です。そもそも何が必要書類なのかを把握するのも簡単ではありません。弁護士に任せてしまえば、煩わしい手続に頭を悩ませられずに済みます。
参考文献・専門書籍
この記事の作成にあたり、以下の専門書籍・実務書を参考にしています。
- 『交通事故外傷と後遺障害 全322大辞典(別巻)』では、後遺障害診断書に記載すべき内容として、傷病名・自覚症状・自覚症状を裏付ける画像所見と検査結果の重要性が解説されています。また、後遺障害診断書の記載内容がそのまま等級認定の基礎資料になる(審査担当者が被害者本人と直接面接するわけではない)実務の構造についても紹介されています。
- 『後遺障害の認定と異議申立』(加藤久道著)では、後遺障害等級認定における非該当判断の考え方として、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見(神経学的検査所見・画像所見等)の有無が重視される点が解説されています。
- 弁護士向け実務セミナー資料では、後遺障害診断書作成時に確認すべきポイントとして、症状固定日の記載・自覚症状の記載漏れの有無・必要な検査の実施状況・想定される後遺障害のチェック漏れがないかが整理されています。
※ 上記はいずれも一般的な実務解説の紹介であり、個別事案の等級認定を保証するものではありません。実際の等級認定は、事案ごとの症状・検査結果・治療経過等を総合的に考慮して判断されます。
後遺障害診断書についてまとめ
それでは後遺障害診断書についてのまとめです。
まとめ
- 後遺障害診断書は後遺障害認定に必要な書類
- 書式は保険会社から入手するのが確実(当ページのPDFは参考用)
- 診察をした医師に書いてもらう
- 自覚症状の具体性・検査結果・可動域測定値が等級を左右する
- 通勤中・業務中の事故は労災の診断書もあわせて検討する
- 疑問があれば弁護士に相談しよう
後遺障害認定については医学・法律両面の専門的知識が必要で、簡単に理解できるものではありません。交通事故に精通した弁護士に任せてしまうのも得策といえます。後遺障害診断書を含めて、後遺障害全般についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。
ブライトの後遺障害診断書チェック事例
後遺障害診断書は、主治医が書いた内容がそのまま認定に直結します。ブライトでは依頼者の代わりに主治医とコミュニケーションを取り、認定獲得のための記載強化を多数手がけてきました。以下は複数の相談内容を組み合わせて抽象化した事例です(氏名・病院名等は伏せています)。
- むちうち14級:主治医の初稿では「症状軽快傾向」だったが、神経学的所見の追記を主治医に依頼し14級9号認定を獲得
- 圧迫骨折12級→8級への異議申立て:診断書の脊椎可動域制限の記載が不十分だったため、追加検査・再診断書取得で8級認定に変更
- 高次脳機能障害12級13号→上位等級狙い:日常生活状況報告書とのセットで主治医に追加意見書を依頼、神経心理学検査結果との整合性を強化中
- 骨盤・大腿部骨折で骨癒合不全(偽関節)が疑われたケース:症状固定後、一定期間をおいて改めてCT撮影を実施し、当初の診断書に記載がなかった骨癒合不全の所見を追加で立証
後遺障害診断書は「書いてもらってから提出」では遅いケースが多いです。書く前段階から、何を書いてもらうかを弁護士と相談するのが最適です。
後遺障害診断書の内容にご不安がある方へ
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よくあるご質問(FAQ)
Q1. 後遺障害診断書の書式はどこで手に入りますか?ダウンロードはできますか?
A. 最も確実なのは、加入している保険会社や相手方保険会社に依頼して郵送してもらう方法です。あわせて、当ページでも参考書式(一般用・歯科用)をPDFでダウンロードいただけます。ただし提出前に、担当保険会社の最新様式と相違がないかご確認ください。
Q2. 後遺障害診断書を書いてもらうにはどうすればいいですか?
A. 症状固定の診断を受けたタイミングで、治療を担当してきた主治医に作成を依頼します。自覚症状(部位・頻度・生活や仕事への影響)を具体的に伝え、必要な検査を受けたうえで、丁寧にお願いすることが大切です。
Q3. 後遺障害診断書の作成費用はいくらですか?
A. 病院によって異なりますが、目安は5,000円〜20,000円程度です。作成にかかる金額は法令で一律に決まっているわけではないため、これより高額になることもあります。作成費用はいったん自己負担となりますが、後遺障害が認定されると後日、保険会社から支払われるのが通常です。
Q4. 「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じものですか?
A. 交通事故の実務で正式に使われるのは「後遺障害診断書」という名称です。「後遺症診断書」と呼ばれることもありますが、指しているのは同じ書類(自賠責保険で使用する統一様式の診断書)です。
Q5. 通勤中の事故ですが、労災の診断書と交通事故の診断書はどちらを使えばいいですか?
A. 通勤中・業務中の事故では、労災保険と自賠責保険(任意保険)の両方から補償を受けられる可能性があり、それぞれ書式が異なる後遺障害診断書が必要になります。詳しくは「労災の後遺障害診断書とは」もあわせてご確認ください。
Q6. 整骨院・接骨院に通っていますが、後遺障害診断書は書いてもらえますか?
A. 整骨院・接骨院の施術者(柔道整復師)は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師にしか作成できないため、整骨院・接骨院に通う場合でも、必ず病院にも定期的に通院して医師の診察を受けるようにしてください。
Q7. 後遺障害診断書を提出した後に、内容を訂正することはできますか?
A. 提出後の訂正は基本的にできません。提出前に、自覚症状の内容や検査結果に誤りがないか、必ずご自身でも確認してください。内容に不備があると感じた場合は、提出前に医師へ修正を依頼するか、弁護士にご相談ください。
執筆・監修弁護士のご紹介
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。。交通事故案件(被害者側)を専門に取り扱い、後遺障害認定・保険会社交渉を数多く経験。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。(大阪弁護士会所属)。企業法務・交通事故・労災など幅広い案件を統括。顧問先141社の実名公開で事務所の透明性を実践。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書を医師へ依頼する際の注意点

自覚症状をはっきり伝える
自覚症状は医師にはっきりと伝えて、診断書に記入してもらう必要があります。
自覚症状は他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。
異常がある部位や頻度、日常生活や仕事への影響をもれなく伝えてください。
必要な検査を受け結果を記載してもらう
認定にあたって必要な検査は確実に受けて、結果を記載してもらってください。医師であっても、後遺障害認定について詳しいとは限りません。
認定に必要な検査を把握していないこともありますし、検査方法が間違っているケースすらあります。とはいえどんな検査をすればいいかは素人にはわかりませんよね。
そんな時は交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう、弁護士であれば後遺障害認定に必要な検査や後遺障害診断書の書き方を熟知しているので「こんな検査をしてください」と医師に対してお願いすることが出来ます。
丁寧にお願いする
医師に後遺障害診断書の作成を依頼する際には、丁寧にお願いするようにしましょう。医師のメインの仕事は診察や治療であり、診断書の作成には慣れていないこともあります。また、忙しい中で診断書を書くため、「書くのが当然」という雰囲気で頼まれると気分を害してしまいます。しっかりとした診断書を作成してもらうために、頼むときの態度には気をつけてください。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
医師への依頼のしかた|そのまま使える伝え方と「症状メモ」の文例
医師は治療の専門家であって、自賠責の等級認定基準の専門家とは限りません。「後遺障害の申請に使う書類である」という前提が共有されていないと、治療経過のまとめとしては正しくても、審査資料としては情報が足りない診断書になってしまうことがあります。
とはいえ、患者の側から書き方を細かく指定するような伝え方は、医師との関係を損ないます。「こう書いてください」ではなく「今の状態を正確に伝えたい」という形でお願いするのが実務的です。
依頼するときの伝え方の例
診察の時間は限られています。次のように、目的と困っている内容を短く伝えるところから始めてください。
- 「保険会社に後遺障害の申請をすることになりました。そのための診断書をお願いできますでしょうか」
- 「今も残っている症状を書き出してきました。お手数ですが、目を通していただけますか」
- 「日常生活で困っている動作があるのですが、その点も診断書に反映していただくことは可能でしょうか」
- 「可動域の測定について、他動での測定もお願いできますでしょうか」
診察前に渡す「症状メモ」の文例
診察室では、痛みや不便を思い出しながら口頭で説明するのは意外に難しいものです。あらかじめA4用紙1枚程度に症状を箇条書きにして持参し、診察時に渡す方法が有効です。当事務所でも、自覚症状が診断書に反映されるよう、残存症状を箇条書きに整理してお渡しする対応を取ることがあります。以下は書き方の一例です。
【症状固定にあたってのご報告(患者記入)】
・痛みのある部位:頚部、左肩から左上腕にかけて
・痛みの性質と強さ:じんじんとした持続的な痛み。強い時は集中できない
・しびれ:左手の親指・人差し指に終日しびれがある
・症状が強くなる場面:長時間のデスクワーク後、雨天・気圧が下がる日、上を向く動作
・できなくなった動作:上の棚の物を取る、長時間の運転、子どもを抱き上げる
・仕事への影響:連続して作業できる時間が事故前より短くなり、休憩を挟む必要がある
・現在も続けている治療:週◯回の通院、内服薬(薬剤名)、リハビリ
ポイントは、「痛い」で終わらせず、どの動作ができなくなったかまで書くことです。労働能力にどう影響しているかが伝わる記載は、等級判断でも逸失利益の交渉でも意味を持ちます。
後遺障害診断書を書いてもらえないことはある?
医師が後遺障害診断書を書いてくれないことはあります。理由としては以下が考えられます。
症状固定になっていない
症状固定になっていないと医師が判断している場合です。症状固定になっていなければ、後遺障害の有無を判断できません。症状固定の時期は医師が判断するものなので、この理由で後遺障害診断書を書いてもらえていないのであれば、医師の指示にしたがって治療を続けてください。
後遺障害がないと考えている
後遺障害が残っていないと考えているため、診断書を書いてくれないこともあります。たしかに、医師が後遺障害はないと判断しているのであれば、申請しても認定が出る可能性は高くないのかもしれません。しかし、医師は後遺障害認定には詳しくないこともあります。認定の可能性があるかを知るために、認定に精通した弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
整骨院にのみ通っていた
初回の診察だけ病院に行き、その後は整骨院に通っていたために診断書を書いてくれない可能性もあります。医師としては治療の経過がわからず、書くのが難しくなるからです。そもそも整骨院にしか通っていないと、認定を受けるのが困難になります。このような事態を避けるために、必ず病院にも定期的に通院するようにしてください。
病院を変えたばかり
病院を変えたばかりであることを理由に、後遺障害診断書の作成を拒まれることもあります。
病院を変えたばかりだと前の病院で受けた治療の経過がわからず、後遺障害診断書を書くための情報が少ないためです。ちなみに、病院を変えると後遺障害申請ができないということはありません。前の病院の治療記録を取り寄せるなどして、書いてもらえないか説得してみましょう。転院する前の段階であれば、協力してもらえるかあらかじめ確認しておくと安心です。
争いに巻き込まれたくない
交通事故の争いに巻き込まれたくないから診断書を書いてくれない可能性もあります。これは正当な理由とはいえませんので、書いてもらえるように働きかけてみてください。どうしても拒否されるのであれば、別の医師を探すのもひとつの手です。
後遺障害診断書の作成にかかる期間と費用
後遺障害診断書の作成にかかる期間や費用は病院によって異なります。
| 作成にかかる期間 | 作成にかかる費用 |
|---|---|
| 数日~1ヵ月 | 5,000~20,000円 |
作成にかかる金額は規定で決まっているわけではないので、より高額なこともあります。作成費用はいったん自己負担になりますが、後遺障害が認定されると後日保険会社から支払われるのが通常です。
被害者請求と事前認定で費用の扱いが変わることがある
作成費用の一時的な立替は、被害者請求・事前認定のどちらの方法で申請するかによって扱いが変わることがあります。被害者請求では、被害者自身が自賠責保険会社に費用も含めて請求するため、診断書作成料も損害の一部として明確に計上できます。事前認定では、相手方保険会社が手続きを進めるため、費用負担の流れが分かりにくくなることがあります。どちらの方法が適しているかは、事案の内容によって異なりますので、迷ったときは弁護士に相談することをおすすめします。
事前認定と被害者請求のどちらで申請すべきかは、認定結果そのものにも影響し得る重要な分岐です。詳しくは「事前認定と被害者請求はどちらが有利か|弁護士が解説」をご覧ください。
後遺障害診断書を入手した後はどうする?
内容に間違いがあれば修正してもらう
後遺障害診断書を作成してもらったら、まずは内容に間違いがないかを確認してください。記載漏れやミスがあっても、提出後には訂正できません。特に、自覚症状の欄に伝えたことが間違いなく書かれているかによく注意しましょう。もし間違いがあれば、医師に修正をお願いしてください。
後遺障害申請をする
内容に問題がなければ、後遺障害申請に進みます。申請の方法には、事前認定と被害者請求の2つがあります。
事前認定は、相手方保険会社に後遺障害診断書を送り、残りの必要書類の提出は任せてしまう方法です。被害者請求は、必要書類の収集・提出をすべて自分で行う方法です。
事前認定は手間がかからない一方で、資料が少ない状態のまま申請され、非該当や低い等級になりやすいリスクがあります。被害者請求は自分に有利な証拠(追加の検査結果や医師の意見書など)を揃えて提出できますが、手間がかかり大変です。被害者請求を自分だけで行うのが難しければ、弁護士に任せることもできます。
結果に不満があれば異議申し立てが可能
申請すると、一般的には2〜3ヶ月程度で結果が送られてきます。結果が思ったようなものでなければ、何度でも異議申し立てが可能です。ただし、結果を覆すだけの新たな資料が必要となります。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じもの?呼び方と書式の種類を整理
検索では「後遺症診断書」という言葉もよく使われますが、自賠責の後遺障害申請で使う書類の正式な名称は「後遺障害診断書」です。「後遺症診断書」は、この書類を指す通称として使われていることがほとんどで、書式を取り寄せるときは「後遺障害診断書」と伝えれば話が通じます。
ただし、「後遺症が残ったことを証明する診断書」は用途ごとに書式が分かれており、1通あれば全部に使い回せるわけではありません。ここを取り違えると、書式が違うという理由で受け付けてもらえず、作成し直しになります。
| 用途 | 書類の呼び方 | 書式の入手先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害申請(交通事故) | 後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険用) | 相手方保険会社/自分の任意保険会社。当ページの参考書式も利用できます | 全国共通の書式。交通事故の等級認定はこの書類が中心資料になります |
| 労災保険の障害(補償)給付 | 労災用の診断書(障害給付請求書の添付書類) | 労働基準監督署 | 自賠責用とは書式が別です。ただし先に自賠責の等級認定を受けている場合、その後遺障害診断書と認定結果の写しを提出することで、労災用の診断書の作成を省略できることがあります。2通作成すると診断書費用が二重にかかるため、事前に労働基準監督署へ確認してください |
| 歯や顎の後遺障害 | 歯科用の後遺障害診断書 | 相手方保険会社 | 一般の書式とは様式が異なります |
| 生命保険・傷害保険の給付請求 | 各保険会社所定の後遺障害診断書 | 契約している保険会社 | 保険会社ごとに独自書式。自賠責用の写しでは受け付けられないことがあります |
通勤中や業務中の交通事故では、自賠責と労災の両方を使える場面があります。どちらの制度から先に受け取るかで最終的な手取りが変わることもあるため、第三者行為災害(労災と交通事故が重なる場合)の解説もあわせてご確認ください。
後遺障害診断書の書き直し・追記はお願いできる?断られたときの選択肢
結論から言うと、誤記の訂正や、実施済みの検査結果の追記であれば、医師にお願いできることが多いです。一方で、医師が診療上そう判断していない内容を書き加えてもらうことはできません。ここを区別しておくと、医師との話がこじれずに済みます。
| お願いする内容 | 対応してもらえる可能性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 日付の誤記(受傷日・診断日・症状固定日)の訂正 | 高い | カルテと突き合わせれば明らかな誤りであり、訂正は事実の是正にあたります |
| 測定済みの可動域について、他動値の追記 | 高い | 測定していれば追記できます。未測定の場合は再測定をお願いすることになります |
| 実施済みの検査結果(画像所見・神経学的検査)の追記 | 高い | すでにカルテにある情報を診断書に反映してもらう依頼です |
| 治療していた部位が傷病名から漏れている場合の追加 | 状況による | カルテに治療の記録があるかどうかが分かれ目になります |
| 自覚症状の記載を、より具体的にしてもらう | 状況による | 患者が訴えている内容であれば反映されることがあります。症状メモを渡す方法が有効です |
| 医師が認めていない症状・所見を書き加えてもらう | 低い | 医師の医学的判断に反する記載は依頼できません。無理に求めると関係が悪化します |
書き直しをお願いするときの進め方
- 受け取ったらすぐ内容を確認する。提出後に修正するより、提出前のほうがはるかに簡単です
- どこが問題かを具体的に伝える。「全部書き直してほしい」ではなく「症状固定日の欄が空欄なので記入をお願いしたい」と特定する
- 再作成の費用負担を確認する。訂正の理由によっては追加費用がかかることがあります
- それでも難しい場合は、無理に押し切らない。医師との信頼関係が壊れると、以後の照会にも協力が得られなくなります
医師が修正に応じてくれない場合でも、打つ手が無くなるわけではありません。実務では、カルテや画像を取り付けて別の医証で補う、協力医に画像を確認してもらう、不足部分を意見書や補足資料の形で補って申請する、といった対応を取ることがあります。なお、受傷から時間が経ってから転院すると、転院先の医師には受傷当時の経過が分からず、後遺障害診断書の作成自体を断られることがあります。転院を検討する場合は、この点も踏まえて判断してください。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書について弁護士に依頼するメリット

内容が適切か確認してもらえる
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の内容に問題がないかを確認してもらえます。記入漏れがないか、必要な検査結果が記入されているかなどを専門家の目でチェックします。認定のために理想的な内容かを確認してもらえるので安心です。
修正が必要な場合は医師に説明してくれる
もし診断書の内容に不備があれば、修正の手伝いもします。医師に修正をお願いするのは一般の方にとってはハードルが高いケースもあるでしょう。弁護士は、修正点や修正が必要な理由を医師に直接説明するので、適切な内容の診断書を完成させることが可能です。症状固定のタイミングについても、必要に応じて主治医と調整を行います。
後遺障害申請手続を任せられる
診断書のチェックだけでなく、申請手続まで任せられます。被害者請求に必要な書類は多岐にわたり、自分で収集するのは大変な手間です。そもそも何が必要書類なのかを把握するのも簡単ではありません。弁護士に任せてしまえば、煩わしい手続に頭を悩ませられずに済みます。
参考文献・専門書籍
この記事の作成にあたり、以下の専門書籍・実務書を参考にしています。
- 『交通事故外傷と後遺障害 全322大辞典(別巻)』では、後遺障害診断書に記載すべき内容として、傷病名・自覚症状・自覚症状を裏付ける画像所見と検査結果の重要性が解説されています。また、後遺障害診断書の記載内容がそのまま等級認定の基礎資料になる(審査担当者が被害者本人と直接面接するわけではない)実務の構造についても紹介されています。
- 『後遺障害の認定と異議申立』(加藤久道著)では、後遺障害等級認定における非該当判断の考え方として、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見(神経学的検査所見・画像所見等)の有無が重視される点が解説されています。
- 弁護士向け実務セミナー資料では、後遺障害診断書作成時に確認すべきポイントとして、症状固定日の記載・自覚症状の記載漏れの有無・必要な検査の実施状況・想定される後遺障害のチェック漏れがないかが整理されています。
※ 上記はいずれも一般的な実務解説の紹介であり、個別事案の等級認定を保証するものではありません。実際の等級認定は、事案ごとの症状・検査結果・治療経過等を総合的に考慮して判断されます。
後遺障害診断書についてまとめ
それでは後遺障害診断書についてのまとめです。
まとめ
- 後遺障害診断書は後遺障害認定に必要な書類
- 書式は保険会社から入手するのが確実(当ページのPDFは参考用)
- 診察をした医師に書いてもらう
- 自覚症状の具体性・検査結果・可動域測定値が等級を左右する
- 通勤中・業務中の事故は労災の診断書もあわせて検討する
- 疑問があれば弁護士に相談しよう
後遺障害認定については医学・法律両面の専門的知識が必要で、簡単に理解できるものではありません。交通事故に精通した弁護士に任せてしまうのも得策といえます。後遺障害診断書を含めて、後遺障害全般についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。
ブライトの後遺障害診断書チェック事例
後遺障害診断書は、主治医が書いた内容がそのまま認定に直結します。ブライトでは依頼者の代わりに主治医とコミュニケーションを取り、認定獲得のための記載強化を多数手がけてきました。以下は複数の相談内容を組み合わせて抽象化した事例です(氏名・病院名等は伏せています)。
- むちうち14級:主治医の初稿では「症状軽快傾向」だったが、神経学的所見の追記を主治医に依頼し14級9号認定を獲得
- 圧迫骨折12級→8級への異議申立て:診断書の脊椎可動域制限の記載が不十分だったため、追加検査・再診断書取得で8級認定に変更
- 高次脳機能障害12級13号→上位等級狙い:日常生活状況報告書とのセットで主治医に追加意見書を依頼、神経心理学検査結果との整合性を強化中
- 骨盤・大腿部骨折で骨癒合不全(偽関節)が疑われたケース:症状固定後、一定期間をおいて改めてCT撮影を実施し、当初の診断書に記載がなかった骨癒合不全の所見を追加で立証
後遺障害診断書は「書いてもらってから提出」では遅いケースが多いです。書く前段階から、何を書いてもらうかを弁護士と相談するのが最適です。
後遺障害診断書の内容にご不安がある方へ
提出前の内容チェック・医師への働きかけについてご相談ください。
06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 後遺障害診断書の書式はどこで手に入りますか?ダウンロードはできますか?
A. 最も確実なのは、加入している保険会社や相手方保険会社に依頼して郵送してもらう方法です。あわせて、当ページでも参考書式(一般用・歯科用)をPDFでダウンロードいただけます。ただし提出前に、担当保険会社の最新様式と相違がないかご確認ください。
Q2. 後遺障害診断書を書いてもらうにはどうすればいいですか?
A. 症状固定の診断を受けたタイミングで、治療を担当してきた主治医に作成を依頼します。自覚症状(部位・頻度・生活や仕事への影響)を具体的に伝え、必要な検査を受けたうえで、丁寧にお願いすることが大切です。
Q3. 後遺障害診断書の作成費用はいくらですか?
A. 病院によって異なりますが、目安は5,000円〜20,000円程度です。作成にかかる金額は法令で一律に決まっているわけではないため、これより高額になることもあります。作成費用はいったん自己負担となりますが、後遺障害が認定されると後日、保険会社から支払われるのが通常です。
Q4. 「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じものですか?
A. 交通事故の実務で正式に使われるのは「後遺障害診断書」という名称です。「後遺症診断書」と呼ばれることもありますが、指しているのは同じ書類(自賠責保険で使用する統一様式の診断書)です。
Q5. 通勤中の事故ですが、労災の診断書と交通事故の診断書はどちらを使えばいいですか?
A. 通勤中・業務中の事故では、労災保険と自賠責保険(任意保険)の両方から補償を受けられる可能性があり、それぞれ書式が異なる後遺障害診断書が必要になります。詳しくは「労災の後遺障害診断書とは」もあわせてご確認ください。
Q6. 整骨院・接骨院に通っていますが、後遺障害診断書は書いてもらえますか?
A. 整骨院・接骨院の施術者(柔道整復師)は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師にしか作成できないため、整骨院・接骨院に通う場合でも、必ず病院にも定期的に通院して医師の診察を受けるようにしてください。
Q7. 後遺障害診断書を提出した後に、内容を訂正することはできますか?
A. 提出後の訂正は基本的にできません。提出前に、自覚症状の内容や検査結果に誤りがないか、必ずご自身でも確認してください。内容に不備があると感じた場合は、提出前に医師へ修正を依頼するか、弁護士にご相談ください。
執筆・監修弁護士のご紹介
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。。交通事故案件(被害者側)を専門に取り扱い、後遺障害認定・保険会社交渉を数多く経験。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。(大阪弁護士会所属)。企業法務・交通事故・労災など幅広い案件を統括。顧問先141社の実名公開で事務所の透明性を実践。
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後遺障害診断書の記入例|欄ごとの「等級につながる書き方」と「もったいない書き方」
後遺障害診断書の書式そのものは全国共通です。しかし、同じ書式・同じ症状でも、欄の埋め方ひとつで審査の結論が変わることがあります。自賠責の調査事務所は、原則として提出された書面だけを見て判断するためです。診察室で口頭では伝わっていることでも、書面に落ちていなければ「無かったこと」として扱われてしまいます。
ここでは、実務で特に差がつきやすい欄について、「もったいない書き方」と「等級につながる書き方」を並べて整理します。医師に記載をお願いするときの参考にしてください。
| 記載欄 | もったいない書き方(審査で拾われにくい) | 等級につながる書き方 |
|---|---|---|
| 傷病名 | 「頚椎捻挫」のみで、実際に治療した部位が漏れている | 受傷して治療を受けた部位をすべて記載してもらう。診断書に無い部位は原則として審査対象になりません |
| 自覚症状 | 「頚部痛」「しびれ」など単語だけで終わっている | 部位・性質・頻度・日常生活への支障をセットで、箇条書きで具体的に。例:「頚部から左肩にかけての持続的な鈍痛。左手指のしびれが終日持続し、字を書く・スマートフォンを持つ動作が困難。天候悪化時と長時間のデスクワーク後に増悪」 |
| 他覚症状および検査結果 | 「特記事項なし」「異常所見なし」で空欄に近い | MRI・レントゲン等の画像所見、神経学的検査(腱反射・徒手筋力テスト・知覚検査など)の実施した検査名と結果を数値・所見つきで記載してもらう |
| 関節機能障害(可動域) | 自動値(自分で動かせる角度)しか書かれていない | 評価の基準となるのは原則として他動値です。自動値とあわせて両方を、患側・健側の対比で記載してもらう。他動値の記載が無いと可動域制限の審査対象として扱われず、調査事務所から追記を求められて数か月遅れたり、そのまま非該当と判断されたりする原因になります |
| 症状固定日 | 空欄、またはカルテ上の実質的な治療終了日(通院の終期)と食い違っている | 症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めない状態)と判断した日付を明記し、実質的な治療期間の終期と整合させる。なお、診断書を作成してもらうためだけに後日受診した場合、症状固定日と最終受診日がずれること自体は問題ありません |
| 既存障害 | 事故前からの持病や既往が、事故との区別なく書かれている | 事故前から存在した障害と、本件事故で新たに生じた症状を分けて記載してもらう。区別が曖昧だと「既往症によるもの」と評価され、素因減額の材料になることがあります |
| 障害内容の増悪・緩解の見通し | 「不明」「経過観察」だけで終わっている | 「症状の改善は見込み難い」など、将来にわたり症状が残る見通しであることが読み取れる記載。ここが「緩解の見込みあり」と書かれると、後遺障害として残らないと評価される方向に働きます |
実務では、記載漏れや日付の不整合そのものが原因で審査が止まることがあります。当事務所でも、症状固定日や通院期間の終期の記載が抜けていたケース、診断日が明らかな誤記になっていたケースについて、提出前に病院へ修正を依頼して整えたうえで申請に進んだ例があります。提出してしまう前に気づけるかどうかが分かれ目です。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書を医師へ依頼する際の注意点

自覚症状をはっきり伝える
自覚症状は医師にはっきりと伝えて、診断書に記入してもらう必要があります。
自覚症状は他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。
異常がある部位や頻度、日常生活や仕事への影響をもれなく伝えてください。
必要な検査を受け結果を記載してもらう
認定にあたって必要な検査は確実に受けて、結果を記載してもらってください。医師であっても、後遺障害認定について詳しいとは限りません。
認定に必要な検査を把握していないこともありますし、検査方法が間違っているケースすらあります。とはいえどんな検査をすればいいかは素人にはわかりませんよね。
そんな時は交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう、弁護士であれば後遺障害認定に必要な検査や後遺障害診断書の書き方を熟知しているので「こんな検査をしてください」と医師に対してお願いすることが出来ます。
丁寧にお願いする
医師に後遺障害診断書の作成を依頼する際には、丁寧にお願いするようにしましょう。医師のメインの仕事は診察や治療であり、診断書の作成には慣れていないこともあります。また、忙しい中で診断書を書くため、「書くのが当然」という雰囲気で頼まれると気分を害してしまいます。しっかりとした診断書を作成してもらうために、頼むときの態度には気をつけてください。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
医師への依頼のしかた|そのまま使える伝え方と「症状メモ」の文例
医師は治療の専門家であって、自賠責の等級認定基準の専門家とは限りません。「後遺障害の申請に使う書類である」という前提が共有されていないと、治療経過のまとめとしては正しくても、審査資料としては情報が足りない診断書になってしまうことがあります。
とはいえ、患者の側から書き方を細かく指定するような伝え方は、医師との関係を損ないます。「こう書いてください」ではなく「今の状態を正確に伝えたい」という形でお願いするのが実務的です。
依頼するときの伝え方の例
診察の時間は限られています。次のように、目的と困っている内容を短く伝えるところから始めてください。
- 「保険会社に後遺障害の申請をすることになりました。そのための診断書をお願いできますでしょうか」
- 「今も残っている症状を書き出してきました。お手数ですが、目を通していただけますか」
- 「日常生活で困っている動作があるのですが、その点も診断書に反映していただくことは可能でしょうか」
- 「可動域の測定について、他動での測定もお願いできますでしょうか」
診察前に渡す「症状メモ」の文例
診察室では、痛みや不便を思い出しながら口頭で説明するのは意外に難しいものです。あらかじめA4用紙1枚程度に症状を箇条書きにして持参し、診察時に渡す方法が有効です。当事務所でも、自覚症状が診断書に反映されるよう、残存症状を箇条書きに整理してお渡しする対応を取ることがあります。以下は書き方の一例です。
【症状固定にあたってのご報告(患者記入)】
・痛みのある部位:頚部、左肩から左上腕にかけて
・痛みの性質と強さ:じんじんとした持続的な痛み。強い時は集中できない
・しびれ:左手の親指・人差し指に終日しびれがある
・症状が強くなる場面:長時間のデスクワーク後、雨天・気圧が下がる日、上を向く動作
・できなくなった動作:上の棚の物を取る、長時間の運転、子どもを抱き上げる
・仕事への影響:連続して作業できる時間が事故前より短くなり、休憩を挟む必要がある
・現在も続けている治療:週◯回の通院、内服薬(薬剤名)、リハビリ
ポイントは、「痛い」で終わらせず、どの動作ができなくなったかまで書くことです。労働能力にどう影響しているかが伝わる記載は、等級判断でも逸失利益の交渉でも意味を持ちます。
後遺障害診断書を書いてもらえないことはある?
医師が後遺障害診断書を書いてくれないことはあります。理由としては以下が考えられます。
症状固定になっていない
症状固定になっていないと医師が判断している場合です。症状固定になっていなければ、後遺障害の有無を判断できません。症状固定の時期は医師が判断するものなので、この理由で後遺障害診断書を書いてもらえていないのであれば、医師の指示にしたがって治療を続けてください。
後遺障害がないと考えている
後遺障害が残っていないと考えているため、診断書を書いてくれないこともあります。たしかに、医師が後遺障害はないと判断しているのであれば、申請しても認定が出る可能性は高くないのかもしれません。しかし、医師は後遺障害認定には詳しくないこともあります。認定の可能性があるかを知るために、認定に精通した弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
整骨院にのみ通っていた
初回の診察だけ病院に行き、その後は整骨院に通っていたために診断書を書いてくれない可能性もあります。医師としては治療の経過がわからず、書くのが難しくなるからです。そもそも整骨院にしか通っていないと、認定を受けるのが困難になります。このような事態を避けるために、必ず病院にも定期的に通院するようにしてください。
病院を変えたばかり
病院を変えたばかりであることを理由に、後遺障害診断書の作成を拒まれることもあります。
病院を変えたばかりだと前の病院で受けた治療の経過がわからず、後遺障害診断書を書くための情報が少ないためです。ちなみに、病院を変えると後遺障害申請ができないということはありません。前の病院の治療記録を取り寄せるなどして、書いてもらえないか説得してみましょう。転院する前の段階であれば、協力してもらえるかあらかじめ確認しておくと安心です。
争いに巻き込まれたくない
交通事故の争いに巻き込まれたくないから診断書を書いてくれない可能性もあります。これは正当な理由とはいえませんので、書いてもらえるように働きかけてみてください。どうしても拒否されるのであれば、別の医師を探すのもひとつの手です。
後遺障害診断書の作成にかかる期間と費用
後遺障害診断書の作成にかかる期間や費用は病院によって異なります。
| 作成にかかる期間 | 作成にかかる費用 |
|---|---|
| 数日~1ヵ月 | 5,000~20,000円 |
作成にかかる金額は規定で決まっているわけではないので、より高額なこともあります。作成費用はいったん自己負担になりますが、後遺障害が認定されると後日保険会社から支払われるのが通常です。
被害者請求と事前認定で費用の扱いが変わることがある
作成費用の一時的な立替は、被害者請求・事前認定のどちらの方法で申請するかによって扱いが変わることがあります。被害者請求では、被害者自身が自賠責保険会社に費用も含めて請求するため、診断書作成料も損害の一部として明確に計上できます。事前認定では、相手方保険会社が手続きを進めるため、費用負担の流れが分かりにくくなることがあります。どちらの方法が適しているかは、事案の内容によって異なりますので、迷ったときは弁護士に相談することをおすすめします。
事前認定と被害者請求のどちらで申請すべきかは、認定結果そのものにも影響し得る重要な分岐です。詳しくは「事前認定と被害者請求はどちらが有利か|弁護士が解説」をご覧ください。
後遺障害診断書を入手した後はどうする?
内容に間違いがあれば修正してもらう
後遺障害診断書を作成してもらったら、まずは内容に間違いがないかを確認してください。記載漏れやミスがあっても、提出後には訂正できません。特に、自覚症状の欄に伝えたことが間違いなく書かれているかによく注意しましょう。もし間違いがあれば、医師に修正をお願いしてください。
後遺障害申請をする
内容に問題がなければ、後遺障害申請に進みます。申請の方法には、事前認定と被害者請求の2つがあります。
事前認定は、相手方保険会社に後遺障害診断書を送り、残りの必要書類の提出は任せてしまう方法です。被害者請求は、必要書類の収集・提出をすべて自分で行う方法です。
事前認定は手間がかからない一方で、資料が少ない状態のまま申請され、非該当や低い等級になりやすいリスクがあります。被害者請求は自分に有利な証拠(追加の検査結果や医師の意見書など)を揃えて提出できますが、手間がかかり大変です。被害者請求を自分だけで行うのが難しければ、弁護士に任せることもできます。
結果に不満があれば異議申し立てが可能
申請すると、一般的には2〜3ヶ月程度で結果が送られてきます。結果が思ったようなものでなければ、何度でも異議申し立てが可能です。ただし、結果を覆すだけの新たな資料が必要となります。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じもの?呼び方と書式の種類を整理
検索では「後遺症診断書」という言葉もよく使われますが、自賠責の後遺障害申請で使う書類の正式な名称は「後遺障害診断書」です。「後遺症診断書」は、この書類を指す通称として使われていることがほとんどで、書式を取り寄せるときは「後遺障害診断書」と伝えれば話が通じます。
ただし、「後遺症が残ったことを証明する診断書」は用途ごとに書式が分かれており、1通あれば全部に使い回せるわけではありません。ここを取り違えると、書式が違うという理由で受け付けてもらえず、作成し直しになります。
| 用途 | 書類の呼び方 | 書式の入手先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害申請(交通事故) | 後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険用) | 相手方保険会社/自分の任意保険会社。当ページの参考書式も利用できます | 全国共通の書式。交通事故の等級認定はこの書類が中心資料になります |
| 労災保険の障害(補償)給付 | 労災用の診断書(障害給付請求書の添付書類) | 労働基準監督署 | 自賠責用とは書式が別です。ただし先に自賠責の等級認定を受けている場合、その後遺障害診断書と認定結果の写しを提出することで、労災用の診断書の作成を省略できることがあります。2通作成すると診断書費用が二重にかかるため、事前に労働基準監督署へ確認してください |
| 歯や顎の後遺障害 | 歯科用の後遺障害診断書 | 相手方保険会社 | 一般の書式とは様式が異なります |
| 生命保険・傷害保険の給付請求 | 各保険会社所定の後遺障害診断書 | 契約している保険会社 | 保険会社ごとに独自書式。自賠責用の写しでは受け付けられないことがあります |
通勤中や業務中の交通事故では、自賠責と労災の両方を使える場面があります。どちらの制度から先に受け取るかで最終的な手取りが変わることもあるため、第三者行為災害(労災と交通事故が重なる場合)の解説もあわせてご確認ください。
後遺障害診断書の書き直し・追記はお願いできる?断られたときの選択肢
結論から言うと、誤記の訂正や、実施済みの検査結果の追記であれば、医師にお願いできることが多いです。一方で、医師が診療上そう判断していない内容を書き加えてもらうことはできません。ここを区別しておくと、医師との話がこじれずに済みます。
| お願いする内容 | 対応してもらえる可能性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 日付の誤記(受傷日・診断日・症状固定日)の訂正 | 高い | カルテと突き合わせれば明らかな誤りであり、訂正は事実の是正にあたります |
| 測定済みの可動域について、他動値の追記 | 高い | 測定していれば追記できます。未測定の場合は再測定をお願いすることになります |
| 実施済みの検査結果(画像所見・神経学的検査)の追記 | 高い | すでにカルテにある情報を診断書に反映してもらう依頼です |
| 治療していた部位が傷病名から漏れている場合の追加 | 状況による | カルテに治療の記録があるかどうかが分かれ目になります |
| 自覚症状の記載を、より具体的にしてもらう | 状況による | 患者が訴えている内容であれば反映されることがあります。症状メモを渡す方法が有効です |
| 医師が認めていない症状・所見を書き加えてもらう | 低い | 医師の医学的判断に反する記載は依頼できません。無理に求めると関係が悪化します |
書き直しをお願いするときの進め方
- 受け取ったらすぐ内容を確認する。提出後に修正するより、提出前のほうがはるかに簡単です
- どこが問題かを具体的に伝える。「全部書き直してほしい」ではなく「症状固定日の欄が空欄なので記入をお願いしたい」と特定する
- 再作成の費用負担を確認する。訂正の理由によっては追加費用がかかることがあります
- それでも難しい場合は、無理に押し切らない。医師との信頼関係が壊れると、以後の照会にも協力が得られなくなります
医師が修正に応じてくれない場合でも、打つ手が無くなるわけではありません。実務では、カルテや画像を取り付けて別の医証で補う、協力医に画像を確認してもらう、不足部分を意見書や補足資料の形で補って申請する、といった対応を取ることがあります。なお、受傷から時間が経ってから転院すると、転院先の医師には受傷当時の経過が分からず、後遺障害診断書の作成自体を断られることがあります。転院を検討する場合は、この点も踏まえて判断してください。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書について弁護士に依頼するメリット

内容が適切か確認してもらえる
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の内容に問題がないかを確認してもらえます。記入漏れがないか、必要な検査結果が記入されているかなどを専門家の目でチェックします。認定のために理想的な内容かを確認してもらえるので安心です。
修正が必要な場合は医師に説明してくれる
もし診断書の内容に不備があれば、修正の手伝いもします。医師に修正をお願いするのは一般の方にとってはハードルが高いケースもあるでしょう。弁護士は、修正点や修正が必要な理由を医師に直接説明するので、適切な内容の診断書を完成させることが可能です。症状固定のタイミングについても、必要に応じて主治医と調整を行います。
後遺障害申請手続を任せられる
診断書のチェックだけでなく、申請手続まで任せられます。被害者請求に必要な書類は多岐にわたり、自分で収集するのは大変な手間です。そもそも何が必要書類なのかを把握するのも簡単ではありません。弁護士に任せてしまえば、煩わしい手続に頭を悩ませられずに済みます。
参考文献・専門書籍
この記事の作成にあたり、以下の専門書籍・実務書を参考にしています。
- 『交通事故外傷と後遺障害 全322大辞典(別巻)』では、後遺障害診断書に記載すべき内容として、傷病名・自覚症状・自覚症状を裏付ける画像所見と検査結果の重要性が解説されています。また、後遺障害診断書の記載内容がそのまま等級認定の基礎資料になる(審査担当者が被害者本人と直接面接するわけではない)実務の構造についても紹介されています。
- 『後遺障害の認定と異議申立』(加藤久道著)では、後遺障害等級認定における非該当判断の考え方として、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見(神経学的検査所見・画像所見等)の有無が重視される点が解説されています。
- 弁護士向け実務セミナー資料では、後遺障害診断書作成時に確認すべきポイントとして、症状固定日の記載・自覚症状の記載漏れの有無・必要な検査の実施状況・想定される後遺障害のチェック漏れがないかが整理されています。
※ 上記はいずれも一般的な実務解説の紹介であり、個別事案の等級認定を保証するものではありません。実際の等級認定は、事案ごとの症状・検査結果・治療経過等を総合的に考慮して判断されます。
後遺障害診断書についてまとめ
それでは後遺障害診断書についてのまとめです。
まとめ
- 後遺障害診断書は後遺障害認定に必要な書類
- 書式は保険会社から入手するのが確実(当ページのPDFは参考用)
- 診察をした医師に書いてもらう
- 自覚症状の具体性・検査結果・可動域測定値が等級を左右する
- 通勤中・業務中の事故は労災の診断書もあわせて検討する
- 疑問があれば弁護士に相談しよう
後遺障害認定については医学・法律両面の専門的知識が必要で、簡単に理解できるものではありません。交通事故に精通した弁護士に任せてしまうのも得策といえます。後遺障害診断書を含めて、後遺障害全般についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。
ブライトの後遺障害診断書チェック事例
後遺障害診断書は、主治医が書いた内容がそのまま認定に直結します。ブライトでは依頼者の代わりに主治医とコミュニケーションを取り、認定獲得のための記載強化を多数手がけてきました。以下は複数の相談内容を組み合わせて抽象化した事例です(氏名・病院名等は伏せています)。
- むちうち14級:主治医の初稿では「症状軽快傾向」だったが、神経学的所見の追記を主治医に依頼し14級9号認定を獲得
- 圧迫骨折12級→8級への異議申立て:診断書の脊椎可動域制限の記載が不十分だったため、追加検査・再診断書取得で8級認定に変更
- 高次脳機能障害12級13号→上位等級狙い:日常生活状況報告書とのセットで主治医に追加意見書を依頼、神経心理学検査結果との整合性を強化中
- 骨盤・大腿部骨折で骨癒合不全(偽関節)が疑われたケース:症状固定後、一定期間をおいて改めてCT撮影を実施し、当初の診断書に記載がなかった骨癒合不全の所見を追加で立証
後遺障害診断書は「書いてもらってから提出」では遅いケースが多いです。書く前段階から、何を書いてもらうかを弁護士と相談するのが最適です。
後遺障害診断書の内容にご不安がある方へ
提出前の内容チェック・医師への働きかけについてご相談ください。
06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 後遺障害診断書の書式はどこで手に入りますか?ダウンロードはできますか?
A. 最も確実なのは、加入している保険会社や相手方保険会社に依頼して郵送してもらう方法です。あわせて、当ページでも参考書式(一般用・歯科用)をPDFでダウンロードいただけます。ただし提出前に、担当保険会社の最新様式と相違がないかご確認ください。
Q2. 後遺障害診断書を書いてもらうにはどうすればいいですか?
A. 症状固定の診断を受けたタイミングで、治療を担当してきた主治医に作成を依頼します。自覚症状(部位・頻度・生活や仕事への影響)を具体的に伝え、必要な検査を受けたうえで、丁寧にお願いすることが大切です。
Q3. 後遺障害診断書の作成費用はいくらですか?
A. 病院によって異なりますが、目安は5,000円〜20,000円程度です。作成にかかる金額は法令で一律に決まっているわけではないため、これより高額になることもあります。作成費用はいったん自己負担となりますが、後遺障害が認定されると後日、保険会社から支払われるのが通常です。
Q4. 「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じものですか?
A. 交通事故の実務で正式に使われるのは「後遺障害診断書」という名称です。「後遺症診断書」と呼ばれることもありますが、指しているのは同じ書類(自賠責保険で使用する統一様式の診断書)です。
Q5. 通勤中の事故ですが、労災の診断書と交通事故の診断書はどちらを使えばいいですか?
A. 通勤中・業務中の事故では、労災保険と自賠責保険(任意保険)の両方から補償を受けられる可能性があり、それぞれ書式が異なる後遺障害診断書が必要になります。詳しくは「労災の後遺障害診断書とは」もあわせてご確認ください。
Q6. 整骨院・接骨院に通っていますが、後遺障害診断書は書いてもらえますか?
A. 整骨院・接骨院の施術者(柔道整復師)は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師にしか作成できないため、整骨院・接骨院に通う場合でも、必ず病院にも定期的に通院して医師の診察を受けるようにしてください。
Q7. 後遺障害診断書を提出した後に、内容を訂正することはできますか?
A. 提出後の訂正は基本的にできません。提出前に、自覚症状の内容や検査結果に誤りがないか、必ずご自身でも確認してください。内容に不備があると感じた場合は、提出前に医師へ修正を依頼するか、弁護士にご相談ください。
執筆・監修弁護士のご紹介
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。。交通事故案件(被害者側)を専門に取り扱い、後遺障害認定・保険会社交渉を数多く経験。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。(大阪弁護士会所属)。企業法務・交通事故・労災など幅広い案件を統括。顧問先141社の実名公開で事務所の透明性を実践。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
後遺障害診断書の書式の入手方法
後遺障害診断書には決まった書式があります。定められた書式以外で作成しても申請の際には使用できないため、書式を手に入れなければなりません。自賠責保険で使用する後遺障害診断書は、保険会社の別を問わず全国共通の様式が使われています。
保険会社から入手する(最も確実な方法)
後遺障害診断書の書式は、保険会社から入手するのが最も確実な方法です。加入している任意保険会社(人身傷害保険を使う場合)や、事前認定であれば相手方保険会社に後遺障害申請をしたい旨を伝えれば、書式を郵送してくれます。書式は保険会社によって細部の様式が更新されることがあるため、実際に申請書類一式を取り寄せた保険会社の書式を使用するのが安全です。
参考書式として当ページからもダウンロード可能
保険会社から取り寄せた書式を無くしてしまった場合や、様式のイメージをあらかじめ確認しておきたい場合の参考として、当ページから書式をダウンロードいただけます。
ただし、実際に提出する際は、担当の保険会社が指定する最新の様式に相違がないか、事前にご確認ください。
使用する際には、A3サイズの用紙に印刷してください。
歯科用の後遺障害診断書は書式が異なる
後遺障害診断書の書式は障害の部位によらず共通なので先ほど紹介したものが使えます。
しかし歯の障害だけは書式が異なります。書式のタイトルに「(歯科用)」とついているものを使用しなければなりませんので、注意してください。歯の後遺障害診断書も以下からダウンロードしていただけます。
後遺障害診断書の記載項目を徹底解説|等級を左右するポイント
後遺障害診断書は、書かれている項目それぞれが等級認定の判断材料になります。ここでは各項目の内容と、認定にあたって特に重要になるポイントを解説します。
被害者の情報・受傷年月日・症状固定日・入通院期間
氏名・性別・生年月日・住所などの個人を特定するための基本情報のほか、交通事故のあった受傷年月日、医師が症状固定と判断した症状固定日、入院・通院していた期間が記載されます。事故の日にすぐに病院に行けず翌日以降に受診した場合や、複数の病院に通院していた場合には、記載内容に誤りがないかを特によく確認してください。
傷病名・既存障害
「頸椎捻挫」のようにケガの診断名が記載されるほか、事故以前から被害者が持っていた障害(既存障害)があれば、その部位や程度が記載されます。後遺障害認定には、事故によって障害が生じたといえることが必要であるため、元から有していた障害を記載する欄が設けられています。
自覚症状は「具体的に」記載してもらうことが重要
被害者が感じている症状(自覚症状)は、他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。実務上、以下のような記載では、症状の常時性や生活への支障が審査側に伝わりにくいとされています。
- 「天気が悪いと痛い」「パソコンを続けていると痛い」など、特定の条件下でのみ症状が出るような書き方
- 「いずれ症状は良くなる」など、今後の見通し欄で改善の見込みを示す記載
これに対して、症状がある部位・頻度(常時性)・日常生活や仕事への具体的な影響をもれなく伝えられれば、審査側にとって症状の実態が伝わりやすい記載になります。
なんとなく痛むが痛くない時もある。
しゃがむと膝が強く痛む、介護の仕事をしているが痛みのせいで仕事が続けられない。
雨の日は特に痛みが強い。
特に、むち打ちのようにレントゲン画像から症状が分かりにくいケースでは、自覚症状の記載が認定のために非常に重要になります。普段から医師に症状を伝える習慣をつけておくとよいでしょう。実務上も、通院頻度・通院期間の一貫性と自覚症状の一貫性が、他覚的な異常所見が乏しいケース(14級9号を想定するようなケース)での重要な判断材料になるとされています。
部位ごとの検査結果・可動域の測定値
後遺障害の認定を受けるうえで最も重要な部分です。障害の部位に応じて検査結果が記載され、レントゲンやCT、MRIなどの画像は添付資料として提出することになります。12級以上の関節の機能障害を主張する場合、MRI・CT等の画像所見で神経の圧迫や骨折・変形などの他覚的な異常所見が確認できるかどうかが重要なポイントになるとされています。
関節の可動域制限を主張する場合は、日本整形外科学会が定める測定方法(参考可動域)に基づいて、他動運動・自動運動の別や測定角度が正確に記載されているかを確認することが重要です。骨折の癒合不全(偽関節)が疑われるようなケースでは、症状固定からある程度の期間が経過した後に改めて画像検査を行うことで、当初の診断書には記載されていなかった所見を追加で立証できる場合もあります。
今後の見通し
今後の症状の見通しを記載する欄もあります。改善の見込みがある旨が記載されてしまうと認定がおりづらくなりますので注意してください。
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後遺障害診断書の記入例|欄ごとの「等級につながる書き方」と「もったいない書き方」
後遺障害診断書の書式そのものは全国共通です。しかし、同じ書式・同じ症状でも、欄の埋め方ひとつで審査の結論が変わることがあります。自賠責の調査事務所は、原則として提出された書面だけを見て判断するためです。診察室で口頭では伝わっていることでも、書面に落ちていなければ「無かったこと」として扱われてしまいます。
ここでは、実務で特に差がつきやすい欄について、「もったいない書き方」と「等級につながる書き方」を並べて整理します。医師に記載をお願いするときの参考にしてください。
| 記載欄 | もったいない書き方(審査で拾われにくい) | 等級につながる書き方 |
|---|---|---|
| 傷病名 | 「頚椎捻挫」のみで、実際に治療した部位が漏れている | 受傷して治療を受けた部位をすべて記載してもらう。診断書に無い部位は原則として審査対象になりません |
| 自覚症状 | 「頚部痛」「しびれ」など単語だけで終わっている | 部位・性質・頻度・日常生活への支障をセットで、箇条書きで具体的に。例:「頚部から左肩にかけての持続的な鈍痛。左手指のしびれが終日持続し、字を書く・スマートフォンを持つ動作が困難。天候悪化時と長時間のデスクワーク後に増悪」 |
| 他覚症状および検査結果 | 「特記事項なし」「異常所見なし」で空欄に近い | MRI・レントゲン等の画像所見、神経学的検査(腱反射・徒手筋力テスト・知覚検査など)の実施した検査名と結果を数値・所見つきで記載してもらう |
| 関節機能障害(可動域) | 自動値(自分で動かせる角度)しか書かれていない | 評価の基準となるのは原則として他動値です。自動値とあわせて両方を、患側・健側の対比で記載してもらう。他動値の記載が無いと可動域制限の審査対象として扱われず、調査事務所から追記を求められて数か月遅れたり、そのまま非該当と判断されたりする原因になります |
| 症状固定日 | 空欄、またはカルテ上の実質的な治療終了日(通院の終期)と食い違っている | 症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めない状態)と判断した日付を明記し、実質的な治療期間の終期と整合させる。なお、診断書を作成してもらうためだけに後日受診した場合、症状固定日と最終受診日がずれること自体は問題ありません |
| 既存障害 | 事故前からの持病や既往が、事故との区別なく書かれている | 事故前から存在した障害と、本件事故で新たに生じた症状を分けて記載してもらう。区別が曖昧だと「既往症によるもの」と評価され、素因減額の材料になることがあります |
| 障害内容の増悪・緩解の見通し | 「不明」「経過観察」だけで終わっている | 「症状の改善は見込み難い」など、将来にわたり症状が残る見通しであることが読み取れる記載。ここが「緩解の見込みあり」と書かれると、後遺障害として残らないと評価される方向に働きます |
実務では、記載漏れや日付の不整合そのものが原因で審査が止まることがあります。当事務所でも、症状固定日や通院期間の終期の記載が抜けていたケース、診断日が明らかな誤記になっていたケースについて、提出前に病院へ修正を依頼して整えたうえで申請に進んだ例があります。提出してしまう前に気づけるかどうかが分かれ目です。
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後遺障害診断書を医師へ依頼する際の注意点

自覚症状をはっきり伝える
自覚症状は医師にはっきりと伝えて、診断書に記入してもらう必要があります。
自覚症状は他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。
異常がある部位や頻度、日常生活や仕事への影響をもれなく伝えてください。
必要な検査を受け結果を記載してもらう
認定にあたって必要な検査は確実に受けて、結果を記載してもらってください。医師であっても、後遺障害認定について詳しいとは限りません。
認定に必要な検査を把握していないこともありますし、検査方法が間違っているケースすらあります。とはいえどんな検査をすればいいかは素人にはわかりませんよね。
そんな時は交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう、弁護士であれば後遺障害認定に必要な検査や後遺障害診断書の書き方を熟知しているので「こんな検査をしてください」と医師に対してお願いすることが出来ます。
丁寧にお願いする
医師に後遺障害診断書の作成を依頼する際には、丁寧にお願いするようにしましょう。医師のメインの仕事は診察や治療であり、診断書の作成には慣れていないこともあります。また、忙しい中で診断書を書くため、「書くのが当然」という雰囲気で頼まれると気分を害してしまいます。しっかりとした診断書を作成してもらうために、頼むときの態度には気をつけてください。
お問い合わせ、相談は無料です
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医師への依頼のしかた|そのまま使える伝え方と「症状メモ」の文例
医師は治療の専門家であって、自賠責の等級認定基準の専門家とは限りません。「後遺障害の申請に使う書類である」という前提が共有されていないと、治療経過のまとめとしては正しくても、審査資料としては情報が足りない診断書になってしまうことがあります。
とはいえ、患者の側から書き方を細かく指定するような伝え方は、医師との関係を損ないます。「こう書いてください」ではなく「今の状態を正確に伝えたい」という形でお願いするのが実務的です。
依頼するときの伝え方の例
診察の時間は限られています。次のように、目的と困っている内容を短く伝えるところから始めてください。
- 「保険会社に後遺障害の申請をすることになりました。そのための診断書をお願いできますでしょうか」
- 「今も残っている症状を書き出してきました。お手数ですが、目を通していただけますか」
- 「日常生活で困っている動作があるのですが、その点も診断書に反映していただくことは可能でしょうか」
- 「可動域の測定について、他動での測定もお願いできますでしょうか」
診察前に渡す「症状メモ」の文例
診察室では、痛みや不便を思い出しながら口頭で説明するのは意外に難しいものです。あらかじめA4用紙1枚程度に症状を箇条書きにして持参し、診察時に渡す方法が有効です。当事務所でも、自覚症状が診断書に反映されるよう、残存症状を箇条書きに整理してお渡しする対応を取ることがあります。以下は書き方の一例です。
【症状固定にあたってのご報告(患者記入)】
・痛みのある部位:頚部、左肩から左上腕にかけて
・痛みの性質と強さ:じんじんとした持続的な痛み。強い時は集中できない
・しびれ:左手の親指・人差し指に終日しびれがある
・症状が強くなる場面:長時間のデスクワーク後、雨天・気圧が下がる日、上を向く動作
・できなくなった動作:上の棚の物を取る、長時間の運転、子どもを抱き上げる
・仕事への影響:連続して作業できる時間が事故前より短くなり、休憩を挟む必要がある
・現在も続けている治療:週◯回の通院、内服薬(薬剤名)、リハビリ
ポイントは、「痛い」で終わらせず、どの動作ができなくなったかまで書くことです。労働能力にどう影響しているかが伝わる記載は、等級判断でも逸失利益の交渉でも意味を持ちます。
後遺障害診断書を書いてもらえないことはある?
医師が後遺障害診断書を書いてくれないことはあります。理由としては以下が考えられます。
症状固定になっていない
症状固定になっていないと医師が判断している場合です。症状固定になっていなければ、後遺障害の有無を判断できません。症状固定の時期は医師が判断するものなので、この理由で後遺障害診断書を書いてもらえていないのであれば、医師の指示にしたがって治療を続けてください。
後遺障害がないと考えている
後遺障害が残っていないと考えているため、診断書を書いてくれないこともあります。たしかに、医師が後遺障害はないと判断しているのであれば、申請しても認定が出る可能性は高くないのかもしれません。しかし、医師は後遺障害認定には詳しくないこともあります。認定の可能性があるかを知るために、認定に精通した弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
整骨院にのみ通っていた
初回の診察だけ病院に行き、その後は整骨院に通っていたために診断書を書いてくれない可能性もあります。医師としては治療の経過がわからず、書くのが難しくなるからです。そもそも整骨院にしか通っていないと、認定を受けるのが困難になります。このような事態を避けるために、必ず病院にも定期的に通院するようにしてください。
病院を変えたばかり
病院を変えたばかりであることを理由に、後遺障害診断書の作成を拒まれることもあります。
病院を変えたばかりだと前の病院で受けた治療の経過がわからず、後遺障害診断書を書くための情報が少ないためです。ちなみに、病院を変えると後遺障害申請ができないということはありません。前の病院の治療記録を取り寄せるなどして、書いてもらえないか説得してみましょう。転院する前の段階であれば、協力してもらえるかあらかじめ確認しておくと安心です。
争いに巻き込まれたくない
交通事故の争いに巻き込まれたくないから診断書を書いてくれない可能性もあります。これは正当な理由とはいえませんので、書いてもらえるように働きかけてみてください。どうしても拒否されるのであれば、別の医師を探すのもひとつの手です。
後遺障害診断書の作成にかかる期間と費用
後遺障害診断書の作成にかかる期間や費用は病院によって異なります。
| 作成にかかる期間 | 作成にかかる費用 |
|---|---|
| 数日~1ヵ月 | 5,000~20,000円 |
作成にかかる金額は規定で決まっているわけではないので、より高額なこともあります。作成費用はいったん自己負担になりますが、後遺障害が認定されると後日保険会社から支払われるのが通常です。
被害者請求と事前認定で費用の扱いが変わることがある
作成費用の一時的な立替は、被害者請求・事前認定のどちらの方法で申請するかによって扱いが変わることがあります。被害者請求では、被害者自身が自賠責保険会社に費用も含めて請求するため、診断書作成料も損害の一部として明確に計上できます。事前認定では、相手方保険会社が手続きを進めるため、費用負担の流れが分かりにくくなることがあります。どちらの方法が適しているかは、事案の内容によって異なりますので、迷ったときは弁護士に相談することをおすすめします。
事前認定と被害者請求のどちらで申請すべきかは、認定結果そのものにも影響し得る重要な分岐です。詳しくは「事前認定と被害者請求はどちらが有利か|弁護士が解説」をご覧ください。
後遺障害診断書を入手した後はどうする?
内容に間違いがあれば修正してもらう
後遺障害診断書を作成してもらったら、まずは内容に間違いがないかを確認してください。記載漏れやミスがあっても、提出後には訂正できません。特に、自覚症状の欄に伝えたことが間違いなく書かれているかによく注意しましょう。もし間違いがあれば、医師に修正をお願いしてください。
後遺障害申請をする
内容に問題がなければ、後遺障害申請に進みます。申請の方法には、事前認定と被害者請求の2つがあります。
事前認定は、相手方保険会社に後遺障害診断書を送り、残りの必要書類の提出は任せてしまう方法です。被害者請求は、必要書類の収集・提出をすべて自分で行う方法です。
事前認定は手間がかからない一方で、資料が少ない状態のまま申請され、非該当や低い等級になりやすいリスクがあります。被害者請求は自分に有利な証拠(追加の検査結果や医師の意見書など)を揃えて提出できますが、手間がかかり大変です。被害者請求を自分だけで行うのが難しければ、弁護士に任せることもできます。
結果に不満があれば異議申し立てが可能
申請すると、一般的には2〜3ヶ月程度で結果が送られてきます。結果が思ったようなものでなければ、何度でも異議申し立てが可能です。ただし、結果を覆すだけの新たな資料が必要となります。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じもの?呼び方と書式の種類を整理
検索では「後遺症診断書」という言葉もよく使われますが、自賠責の後遺障害申請で使う書類の正式な名称は「後遺障害診断書」です。「後遺症診断書」は、この書類を指す通称として使われていることがほとんどで、書式を取り寄せるときは「後遺障害診断書」と伝えれば話が通じます。
ただし、「後遺症が残ったことを証明する診断書」は用途ごとに書式が分かれており、1通あれば全部に使い回せるわけではありません。ここを取り違えると、書式が違うという理由で受け付けてもらえず、作成し直しになります。
| 用途 | 書類の呼び方 | 書式の入手先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害申請(交通事故) | 後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険用) | 相手方保険会社/自分の任意保険会社。当ページの参考書式も利用できます | 全国共通の書式。交通事故の等級認定はこの書類が中心資料になります |
| 労災保険の障害(補償)給付 | 労災用の診断書(障害給付請求書の添付書類) | 労働基準監督署 | 自賠責用とは書式が別です。ただし先に自賠責の等級認定を受けている場合、その後遺障害診断書と認定結果の写しを提出することで、労災用の診断書の作成を省略できることがあります。2通作成すると診断書費用が二重にかかるため、事前に労働基準監督署へ確認してください |
| 歯や顎の後遺障害 | 歯科用の後遺障害診断書 | 相手方保険会社 | 一般の書式とは様式が異なります |
| 生命保険・傷害保険の給付請求 | 各保険会社所定の後遺障害診断書 | 契約している保険会社 | 保険会社ごとに独自書式。自賠責用の写しでは受け付けられないことがあります |
通勤中や業務中の交通事故では、自賠責と労災の両方を使える場面があります。どちらの制度から先に受け取るかで最終的な手取りが変わることもあるため、第三者行為災害(労災と交通事故が重なる場合)の解説もあわせてご確認ください。
後遺障害診断書の書き直し・追記はお願いできる?断られたときの選択肢
結論から言うと、誤記の訂正や、実施済みの検査結果の追記であれば、医師にお願いできることが多いです。一方で、医師が診療上そう判断していない内容を書き加えてもらうことはできません。ここを区別しておくと、医師との話がこじれずに済みます。
| お願いする内容 | 対応してもらえる可能性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 日付の誤記(受傷日・診断日・症状固定日)の訂正 | 高い | カルテと突き合わせれば明らかな誤りであり、訂正は事実の是正にあたります |
| 測定済みの可動域について、他動値の追記 | 高い | 測定していれば追記できます。未測定の場合は再測定をお願いすることになります |
| 実施済みの検査結果(画像所見・神経学的検査)の追記 | 高い | すでにカルテにある情報を診断書に反映してもらう依頼です |
| 治療していた部位が傷病名から漏れている場合の追加 | 状況による | カルテに治療の記録があるかどうかが分かれ目になります |
| 自覚症状の記載を、より具体的にしてもらう | 状況による | 患者が訴えている内容であれば反映されることがあります。症状メモを渡す方法が有効です |
| 医師が認めていない症状・所見を書き加えてもらう | 低い | 医師の医学的判断に反する記載は依頼できません。無理に求めると関係が悪化します |
書き直しをお願いするときの進め方
- 受け取ったらすぐ内容を確認する。提出後に修正するより、提出前のほうがはるかに簡単です
- どこが問題かを具体的に伝える。「全部書き直してほしい」ではなく「症状固定日の欄が空欄なので記入をお願いしたい」と特定する
- 再作成の費用負担を確認する。訂正の理由によっては追加費用がかかることがあります
- それでも難しい場合は、無理に押し切らない。医師との信頼関係が壊れると、以後の照会にも協力が得られなくなります
医師が修正に応じてくれない場合でも、打つ手が無くなるわけではありません。実務では、カルテや画像を取り付けて別の医証で補う、協力医に画像を確認してもらう、不足部分を意見書や補足資料の形で補って申請する、といった対応を取ることがあります。なお、受傷から時間が経ってから転院すると、転院先の医師には受傷当時の経過が分からず、後遺障害診断書の作成自体を断られることがあります。転院を検討する場合は、この点も踏まえて判断してください。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書について弁護士に依頼するメリット

内容が適切か確認してもらえる
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の内容に問題がないかを確認してもらえます。記入漏れがないか、必要な検査結果が記入されているかなどを専門家の目でチェックします。認定のために理想的な内容かを確認してもらえるので安心です。
修正が必要な場合は医師に説明してくれる
もし診断書の内容に不備があれば、修正の手伝いもします。医師に修正をお願いするのは一般の方にとってはハードルが高いケースもあるでしょう。弁護士は、修正点や修正が必要な理由を医師に直接説明するので、適切な内容の診断書を完成させることが可能です。症状固定のタイミングについても、必要に応じて主治医と調整を行います。
後遺障害申請手続を任せられる
診断書のチェックだけでなく、申請手続まで任せられます。被害者請求に必要な書類は多岐にわたり、自分で収集するのは大変な手間です。そもそも何が必要書類なのかを把握するのも簡単ではありません。弁護士に任せてしまえば、煩わしい手続に頭を悩ませられずに済みます。
参考文献・専門書籍
この記事の作成にあたり、以下の専門書籍・実務書を参考にしています。
- 『交通事故外傷と後遺障害 全322大辞典(別巻)』では、後遺障害診断書に記載すべき内容として、傷病名・自覚症状・自覚症状を裏付ける画像所見と検査結果の重要性が解説されています。また、後遺障害診断書の記載内容がそのまま等級認定の基礎資料になる(審査担当者が被害者本人と直接面接するわけではない)実務の構造についても紹介されています。
- 『後遺障害の認定と異議申立』(加藤久道著)では、後遺障害等級認定における非該当判断の考え方として、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見(神経学的検査所見・画像所見等)の有無が重視される点が解説されています。
- 弁護士向け実務セミナー資料では、後遺障害診断書作成時に確認すべきポイントとして、症状固定日の記載・自覚症状の記載漏れの有無・必要な検査の実施状況・想定される後遺障害のチェック漏れがないかが整理されています。
※ 上記はいずれも一般的な実務解説の紹介であり、個別事案の等級認定を保証するものではありません。実際の等級認定は、事案ごとの症状・検査結果・治療経過等を総合的に考慮して判断されます。
後遺障害診断書についてまとめ
それでは後遺障害診断書についてのまとめです。
まとめ
- 後遺障害診断書は後遺障害認定に必要な書類
- 書式は保険会社から入手するのが確実(当ページのPDFは参考用)
- 診察をした医師に書いてもらう
- 自覚症状の具体性・検査結果・可動域測定値が等級を左右する
- 通勤中・業務中の事故は労災の診断書もあわせて検討する
- 疑問があれば弁護士に相談しよう
後遺障害認定については医学・法律両面の専門的知識が必要で、簡単に理解できるものではありません。交通事故に精通した弁護士に任せてしまうのも得策といえます。後遺障害診断書を含めて、後遺障害全般についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。
ブライトの後遺障害診断書チェック事例
後遺障害診断書は、主治医が書いた内容がそのまま認定に直結します。ブライトでは依頼者の代わりに主治医とコミュニケーションを取り、認定獲得のための記載強化を多数手がけてきました。以下は複数の相談内容を組み合わせて抽象化した事例です(氏名・病院名等は伏せています)。
- むちうち14級:主治医の初稿では「症状軽快傾向」だったが、神経学的所見の追記を主治医に依頼し14級9号認定を獲得
- 圧迫骨折12級→8級への異議申立て:診断書の脊椎可動域制限の記載が不十分だったため、追加検査・再診断書取得で8級認定に変更
- 高次脳機能障害12級13号→上位等級狙い:日常生活状況報告書とのセットで主治医に追加意見書を依頼、神経心理学検査結果との整合性を強化中
- 骨盤・大腿部骨折で骨癒合不全(偽関節)が疑われたケース:症状固定後、一定期間をおいて改めてCT撮影を実施し、当初の診断書に記載がなかった骨癒合不全の所見を追加で立証
後遺障害診断書は「書いてもらってから提出」では遅いケースが多いです。書く前段階から、何を書いてもらうかを弁護士と相談するのが最適です。
後遺障害診断書の内容にご不安がある方へ
提出前の内容チェック・医師への働きかけについてご相談ください。
06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 後遺障害診断書の書式はどこで手に入りますか?ダウンロードはできますか?
A. 最も確実なのは、加入している保険会社や相手方保険会社に依頼して郵送してもらう方法です。あわせて、当ページでも参考書式(一般用・歯科用)をPDFでダウンロードいただけます。ただし提出前に、担当保険会社の最新様式と相違がないかご確認ください。
Q2. 後遺障害診断書を書いてもらうにはどうすればいいですか?
A. 症状固定の診断を受けたタイミングで、治療を担当してきた主治医に作成を依頼します。自覚症状(部位・頻度・生活や仕事への影響)を具体的に伝え、必要な検査を受けたうえで、丁寧にお願いすることが大切です。
Q3. 後遺障害診断書の作成費用はいくらですか?
A. 病院によって異なりますが、目安は5,000円〜20,000円程度です。作成にかかる金額は法令で一律に決まっているわけではないため、これより高額になることもあります。作成費用はいったん自己負担となりますが、後遺障害が認定されると後日、保険会社から支払われるのが通常です。
Q4. 「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じものですか?
A. 交通事故の実務で正式に使われるのは「後遺障害診断書」という名称です。「後遺症診断書」と呼ばれることもありますが、指しているのは同じ書類(自賠責保険で使用する統一様式の診断書)です。
Q5. 通勤中の事故ですが、労災の診断書と交通事故の診断書はどちらを使えばいいですか?
A. 通勤中・業務中の事故では、労災保険と自賠責保険(任意保険)の両方から補償を受けられる可能性があり、それぞれ書式が異なる後遺障害診断書が必要になります。詳しくは「労災の後遺障害診断書とは」もあわせてご確認ください。
Q6. 整骨院・接骨院に通っていますが、後遺障害診断書は書いてもらえますか?
A. 整骨院・接骨院の施術者(柔道整復師)は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師にしか作成できないため、整骨院・接骨院に通う場合でも、必ず病院にも定期的に通院して医師の診察を受けるようにしてください。
Q7. 後遺障害診断書を提出した後に、内容を訂正することはできますか?
A. 提出後の訂正は基本的にできません。提出前に、自覚症状の内容や検査結果に誤りがないか、必ずご自身でも確認してください。内容に不備があると感じた場合は、提出前に医師へ修正を依頼するか、弁護士にご相談ください。
執筆・監修弁護士のご紹介
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。。交通事故案件(被害者側)を専門に取り扱い、後遺障害認定・保険会社交渉を数多く経験。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。(大阪弁護士会所属)。企業法務・交通事故・労災など幅広い案件を統括。顧問先141社の実名公開で事務所の透明性を実践。
📝 この記事の3秒結論
- 後遺障害診断書は、加入している保険会社(または相手方保険会社)に依頼すれば全国共通の様式を郵送してもらえる。当ページでもダウンロード用に参考書式を掲載しています
- 作成は主治医に依頼するのが原則、作成費用の目安は5,000円〜20,000円
- 記載内容(自覚症状の具体性・検査結果・可動域の測定値・今後の見通し欄)で認定される等級が大きく変わる
- 提出前に弁護士のチェックを入れると、追記・修正で等級アップに繋がるケースが多数ある
- 通勤中・業務中の事故の場合は、労災保険の後遺障害診断書(様式が異なる)とあわせて検討が必要になることがある
後遺障害診断書とは?
後遺障害認定に必ず必要な書類
後遺障害診断書は、後遺障害申請の際に必ず添付しなければならない書類です。
被害者の個人情報や、怪我の状態などを詳しく記載しており、提出しなければ後遺障害申請が受理されません。
後遺障害等級の認定についての審査はこの後遺障害診断書の内容について行われるので、しっかりと正しい内容を書く必要があります。
後遺障害診断書は医師が作成する
後遺障害診断書を作成するのは医師です。ほとんどの場合で、治療経過を熟知している主治医の先生に作成をお願いすることになります。
整骨院や接骨院では後遺障害診断書を作成してもらえません。この二つで施術を行っているのは医師ではないためです。
そのため、整骨院や接骨院だけに通うと後遺障害申請ができません。必ず病院にも定期的に通院して、医師による継続的な診察を受けるようにしてください。
通勤中の交通事故の場合は「労災の後遺障害診断書」と混同しないよう注意
通勤中や業務中に交通事故に遭った場合、労災保険からも後遺障害の認定を受けられる可能性があります。しかし、労災保険で使用する後遺障害診断書(障害補償給付支給請求書の診断書欄)と、自賠責保険で使用する後遺障害診断書は書式がまったく異なります。どちらか一方の書式だけを提出しても、もう一方の制度では使用できません。
労災保険と自賠責保険(任意保険)は、どちらか一方しか使えないわけではなく、原則として両方から補償を受けられる可能性があります(労災保険給付と加害者側からの損害賠償は、二重取りにならない範囲で調整されます)。労災保険用の後遺障害診断書の書式・記載項目・等級認定後の会社への損害賠償請求までの流れは、通勤災害を専門的に扱う別記事「労災の後遺障害診断書とは|書式・もらい方・記載不備で等級が下がる理由」で詳しく解説していますので、通勤中・業務中の事故に遭われた方はあわせてご確認ください。
通勤中の事故と労災・自賠責保険の関係全般については「通勤・業務中の交通事故|労災保険と自賠責保険を両方使う方法・会社の責任まで完全解説」でも整理しています。
後遺障害診断書を作成してもらうメリット
後遺障害診断書を作成してもらい、後遺障害等級認定を得られると、賠償金が大幅に増えます。後遺障害慰謝料や逸失利益が発生するからです。その金額は、障害の重さによっては数千万円にのぼるケースも珍しくありません。適正な賠償金を得るための第一歩として、後遺障害診断書を作成してもらいましょう。
後遺障害認定について関連ページ:後遺障害認定を受ける手順と注意点を弁護士が分かりやすく解説
後遺障害等級について関連ページ:後遺障害等級とは?症状ごとの等級と慰謝料表
後遺障害診断書を書いてもらうタイミング
後遺障害診断書を医師に書いてもらうタイミングは、症状固定になったときです。症状固定になるまでは、完全に治癒する可能性もあるため後遺障害の有無を判断できません。
症状固定となるまでの期間は症状の部位や程度によって異なります。
たとえばむちうちでは、後遺障害が認定される治療期間はおおよそ6ヶ月以上です。むちうちの症状は、治療によってある程度は改善するため、後遺障害が認められるレベルの症状が残るかを判断するためには時間を必要とします。関節が以前のように動かなくなったような場合でも同様です。
これに対して、事故により片脚を失ってしまったなどの身体の一部を欠損してしまった場合では、早い段階で症状固定となっても後遺障害が認定されるケースがあります。たとえ長期間治療をしたとしてもその部位が回復しないことは明らかで、治療によって改善できる範囲が限られるためです。
いずれにしても、後遺障害診断書を作成するタイミングは、症状の改善が見込めなくなった段階であると覚えておくとよいでしょう。
保険会社から「そろそろ症状固定では」と打診されたら
治療を続けていると、相手方保険会社の担当者から「そろそろ症状固定でよいのではないか」と打診されることがあります。これは、治療費の対応(一括対応)を終了したいという保険会社側の意向が背景にあることが多く、症状固定の時期はあくまで主治医が医学的な観点から判断するものです。保険会社の打診をそのまま受け入れる前に、主治医に治療継続の必要性を確認することをおすすめします。
まだ改善の余地がある段階で症状固定としてしまうと、本来受けられたはずの等級よりも低い等級しか認定されない可能性があります。治療費の打ち切りを打診された段階で弁護士に相談すれば、主治医との連携も含めて対応を検討できます。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
後遺障害診断書の書式の入手方法
後遺障害診断書には決まった書式があります。定められた書式以外で作成しても申請の際には使用できないため、書式を手に入れなければなりません。自賠責保険で使用する後遺障害診断書は、保険会社の別を問わず全国共通の様式が使われています。
保険会社から入手する(最も確実な方法)
後遺障害診断書の書式は、保険会社から入手するのが最も確実な方法です。加入している任意保険会社(人身傷害保険を使う場合)や、事前認定であれば相手方保険会社に後遺障害申請をしたい旨を伝えれば、書式を郵送してくれます。書式は保険会社によって細部の様式が更新されることがあるため、実際に申請書類一式を取り寄せた保険会社の書式を使用するのが安全です。
参考書式として当ページからもダウンロード可能
保険会社から取り寄せた書式を無くしてしまった場合や、様式のイメージをあらかじめ確認しておきたい場合の参考として、当ページから書式をダウンロードいただけます。
ただし、実際に提出する際は、担当の保険会社が指定する最新の様式に相違がないか、事前にご確認ください。
使用する際には、A3サイズの用紙に印刷してください。
歯科用の後遺障害診断書は書式が異なる
後遺障害診断書の書式は障害の部位によらず共通なので先ほど紹介したものが使えます。
しかし歯の障害だけは書式が異なります。書式のタイトルに「(歯科用)」とついているものを使用しなければなりませんので、注意してください。歯の後遺障害診断書も以下からダウンロードしていただけます。
後遺障害診断書の記載項目を徹底解説|等級を左右するポイント
後遺障害診断書は、書かれている項目それぞれが等級認定の判断材料になります。ここでは各項目の内容と、認定にあたって特に重要になるポイントを解説します。
被害者の情報・受傷年月日・症状固定日・入通院期間
氏名・性別・生年月日・住所などの個人を特定するための基本情報のほか、交通事故のあった受傷年月日、医師が症状固定と判断した症状固定日、入院・通院していた期間が記載されます。事故の日にすぐに病院に行けず翌日以降に受診した場合や、複数の病院に通院していた場合には、記載内容に誤りがないかを特によく確認してください。
傷病名・既存障害
「頸椎捻挫」のようにケガの診断名が記載されるほか、事故以前から被害者が持っていた障害(既存障害)があれば、その部位や程度が記載されます。後遺障害認定には、事故によって障害が生じたといえることが必要であるため、元から有していた障害を記載する欄が設けられています。
自覚症状は「具体的に」記載してもらうことが重要
被害者が感じている症状(自覚症状)は、他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。実務上、以下のような記載では、症状の常時性や生活への支障が審査側に伝わりにくいとされています。
- 「天気が悪いと痛い」「パソコンを続けていると痛い」など、特定の条件下でのみ症状が出るような書き方
- 「いずれ症状は良くなる」など、今後の見通し欄で改善の見込みを示す記載
これに対して、症状がある部位・頻度(常時性)・日常生活や仕事への具体的な影響をもれなく伝えられれば、審査側にとって症状の実態が伝わりやすい記載になります。
なんとなく痛むが痛くない時もある。
しゃがむと膝が強く痛む、介護の仕事をしているが痛みのせいで仕事が続けられない。
雨の日は特に痛みが強い。
特に、むち打ちのようにレントゲン画像から症状が分かりにくいケースでは、自覚症状の記載が認定のために非常に重要になります。普段から医師に症状を伝える習慣をつけておくとよいでしょう。実務上も、通院頻度・通院期間の一貫性と自覚症状の一貫性が、他覚的な異常所見が乏しいケース(14級9号を想定するようなケース)での重要な判断材料になるとされています。
部位ごとの検査結果・可動域の測定値
後遺障害の認定を受けるうえで最も重要な部分です。障害の部位に応じて検査結果が記載され、レントゲンやCT、MRIなどの画像は添付資料として提出することになります。12級以上の関節の機能障害を主張する場合、MRI・CT等の画像所見で神経の圧迫や骨折・変形などの他覚的な異常所見が確認できるかどうかが重要なポイントになるとされています。
関節の可動域制限を主張する場合は、日本整形外科学会が定める測定方法(参考可動域)に基づいて、他動運動・自動運動の別や測定角度が正確に記載されているかを確認することが重要です。骨折の癒合不全(偽関節)が疑われるようなケースでは、症状固定からある程度の期間が経過した後に改めて画像検査を行うことで、当初の診断書には記載されていなかった所見を追加で立証できる場合もあります。
今後の見通し
今後の症状の見通しを記載する欄もあります。改善の見込みがある旨が記載されてしまうと認定がおりづらくなりますので注意してください。
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後遺障害診断書の記入例|欄ごとの「等級につながる書き方」と「もったいない書き方」
後遺障害診断書の書式そのものは全国共通です。しかし、同じ書式・同じ症状でも、欄の埋め方ひとつで審査の結論が変わることがあります。自賠責の調査事務所は、原則として提出された書面だけを見て判断するためです。診察室で口頭では伝わっていることでも、書面に落ちていなければ「無かったこと」として扱われてしまいます。
ここでは、実務で特に差がつきやすい欄について、「もったいない書き方」と「等級につながる書き方」を並べて整理します。医師に記載をお願いするときの参考にしてください。
| 記載欄 | もったいない書き方(審査で拾われにくい) | 等級につながる書き方 |
|---|---|---|
| 傷病名 | 「頚椎捻挫」のみで、実際に治療した部位が漏れている | 受傷して治療を受けた部位をすべて記載してもらう。診断書に無い部位は原則として審査対象になりません |
| 自覚症状 | 「頚部痛」「しびれ」など単語だけで終わっている | 部位・性質・頻度・日常生活への支障をセットで、箇条書きで具体的に。例:「頚部から左肩にかけての持続的な鈍痛。左手指のしびれが終日持続し、字を書く・スマートフォンを持つ動作が困難。天候悪化時と長時間のデスクワーク後に増悪」 |
| 他覚症状および検査結果 | 「特記事項なし」「異常所見なし」で空欄に近い | MRI・レントゲン等の画像所見、神経学的検査(腱反射・徒手筋力テスト・知覚検査など)の実施した検査名と結果を数値・所見つきで記載してもらう |
| 関節機能障害(可動域) | 自動値(自分で動かせる角度)しか書かれていない | 評価の基準となるのは原則として他動値です。自動値とあわせて両方を、患側・健側の対比で記載してもらう。他動値の記載が無いと可動域制限の審査対象として扱われず、調査事務所から追記を求められて数か月遅れたり、そのまま非該当と判断されたりする原因になります |
| 症状固定日 | 空欄、またはカルテ上の実質的な治療終了日(通院の終期)と食い違っている | 症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めない状態)と判断した日付を明記し、実質的な治療期間の終期と整合させる。なお、診断書を作成してもらうためだけに後日受診した場合、症状固定日と最終受診日がずれること自体は問題ありません |
| 既存障害 | 事故前からの持病や既往が、事故との区別なく書かれている | 事故前から存在した障害と、本件事故で新たに生じた症状を分けて記載してもらう。区別が曖昧だと「既往症によるもの」と評価され、素因減額の材料になることがあります |
| 障害内容の増悪・緩解の見通し | 「不明」「経過観察」だけで終わっている | 「症状の改善は見込み難い」など、将来にわたり症状が残る見通しであることが読み取れる記載。ここが「緩解の見込みあり」と書かれると、後遺障害として残らないと評価される方向に働きます |
実務では、記載漏れや日付の不整合そのものが原因で審査が止まることがあります。当事務所でも、症状固定日や通院期間の終期の記載が抜けていたケース、診断日が明らかな誤記になっていたケースについて、提出前に病院へ修正を依頼して整えたうえで申請に進んだ例があります。提出してしまう前に気づけるかどうかが分かれ目です。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
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後遺障害診断書を医師へ依頼する際の注意点

自覚症状をはっきり伝える
自覚症状は医師にはっきりと伝えて、診断書に記入してもらう必要があります。
自覚症状は他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。
異常がある部位や頻度、日常生活や仕事への影響をもれなく伝えてください。
必要な検査を受け結果を記載してもらう
認定にあたって必要な検査は確実に受けて、結果を記載してもらってください。医師であっても、後遺障害認定について詳しいとは限りません。
認定に必要な検査を把握していないこともありますし、検査方法が間違っているケースすらあります。とはいえどんな検査をすればいいかは素人にはわかりませんよね。
そんな時は交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう、弁護士であれば後遺障害認定に必要な検査や後遺障害診断書の書き方を熟知しているので「こんな検査をしてください」と医師に対してお願いすることが出来ます。
丁寧にお願いする
医師に後遺障害診断書の作成を依頼する際には、丁寧にお願いするようにしましょう。医師のメインの仕事は診察や治療であり、診断書の作成には慣れていないこともあります。また、忙しい中で診断書を書くため、「書くのが当然」という雰囲気で頼まれると気分を害してしまいます。しっかりとした診断書を作成してもらうために、頼むときの態度には気をつけてください。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
医師への依頼のしかた|そのまま使える伝え方と「症状メモ」の文例
医師は治療の専門家であって、自賠責の等級認定基準の専門家とは限りません。「後遺障害の申請に使う書類である」という前提が共有されていないと、治療経過のまとめとしては正しくても、審査資料としては情報が足りない診断書になってしまうことがあります。
とはいえ、患者の側から書き方を細かく指定するような伝え方は、医師との関係を損ないます。「こう書いてください」ではなく「今の状態を正確に伝えたい」という形でお願いするのが実務的です。
依頼するときの伝え方の例
診察の時間は限られています。次のように、目的と困っている内容を短く伝えるところから始めてください。
- 「保険会社に後遺障害の申請をすることになりました。そのための診断書をお願いできますでしょうか」
- 「今も残っている症状を書き出してきました。お手数ですが、目を通していただけますか」
- 「日常生活で困っている動作があるのですが、その点も診断書に反映していただくことは可能でしょうか」
- 「可動域の測定について、他動での測定もお願いできますでしょうか」
診察前に渡す「症状メモ」の文例
診察室では、痛みや不便を思い出しながら口頭で説明するのは意外に難しいものです。あらかじめA4用紙1枚程度に症状を箇条書きにして持参し、診察時に渡す方法が有効です。当事務所でも、自覚症状が診断書に反映されるよう、残存症状を箇条書きに整理してお渡しする対応を取ることがあります。以下は書き方の一例です。
【症状固定にあたってのご報告(患者記入)】
・痛みのある部位:頚部、左肩から左上腕にかけて
・痛みの性質と強さ:じんじんとした持続的な痛み。強い時は集中できない
・しびれ:左手の親指・人差し指に終日しびれがある
・症状が強くなる場面:長時間のデスクワーク後、雨天・気圧が下がる日、上を向く動作
・できなくなった動作:上の棚の物を取る、長時間の運転、子どもを抱き上げる
・仕事への影響:連続して作業できる時間が事故前より短くなり、休憩を挟む必要がある
・現在も続けている治療:週◯回の通院、内服薬(薬剤名)、リハビリ
ポイントは、「痛い」で終わらせず、どの動作ができなくなったかまで書くことです。労働能力にどう影響しているかが伝わる記載は、等級判断でも逸失利益の交渉でも意味を持ちます。
後遺障害診断書を書いてもらえないことはある?
医師が後遺障害診断書を書いてくれないことはあります。理由としては以下が考えられます。
症状固定になっていない
症状固定になっていないと医師が判断している場合です。症状固定になっていなければ、後遺障害の有無を判断できません。症状固定の時期は医師が判断するものなので、この理由で後遺障害診断書を書いてもらえていないのであれば、医師の指示にしたがって治療を続けてください。
後遺障害がないと考えている
後遺障害が残っていないと考えているため、診断書を書いてくれないこともあります。たしかに、医師が後遺障害はないと判断しているのであれば、申請しても認定が出る可能性は高くないのかもしれません。しかし、医師は後遺障害認定には詳しくないこともあります。認定の可能性があるかを知るために、認定に精通した弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
整骨院にのみ通っていた
初回の診察だけ病院に行き、その後は整骨院に通っていたために診断書を書いてくれない可能性もあります。医師としては治療の経過がわからず、書くのが難しくなるからです。そもそも整骨院にしか通っていないと、認定を受けるのが困難になります。このような事態を避けるために、必ず病院にも定期的に通院するようにしてください。
病院を変えたばかり
病院を変えたばかりであることを理由に、後遺障害診断書の作成を拒まれることもあります。
病院を変えたばかりだと前の病院で受けた治療の経過がわからず、後遺障害診断書を書くための情報が少ないためです。ちなみに、病院を変えると後遺障害申請ができないということはありません。前の病院の治療記録を取り寄せるなどして、書いてもらえないか説得してみましょう。転院する前の段階であれば、協力してもらえるかあらかじめ確認しておくと安心です。
争いに巻き込まれたくない
交通事故の争いに巻き込まれたくないから診断書を書いてくれない可能性もあります。これは正当な理由とはいえませんので、書いてもらえるように働きかけてみてください。どうしても拒否されるのであれば、別の医師を探すのもひとつの手です。
後遺障害診断書の作成にかかる期間と費用
後遺障害診断書の作成にかかる期間や費用は病院によって異なります。
| 作成にかかる期間 | 作成にかかる費用 |
|---|---|
| 数日~1ヵ月 | 5,000~20,000円 |
作成にかかる金額は規定で決まっているわけではないので、より高額なこともあります。作成費用はいったん自己負担になりますが、後遺障害が認定されると後日保険会社から支払われるのが通常です。
被害者請求と事前認定で費用の扱いが変わることがある
作成費用の一時的な立替は、被害者請求・事前認定のどちらの方法で申請するかによって扱いが変わることがあります。被害者請求では、被害者自身が自賠責保険会社に費用も含めて請求するため、診断書作成料も損害の一部として明確に計上できます。事前認定では、相手方保険会社が手続きを進めるため、費用負担の流れが分かりにくくなることがあります。どちらの方法が適しているかは、事案の内容によって異なりますので、迷ったときは弁護士に相談することをおすすめします。
事前認定と被害者請求のどちらで申請すべきかは、認定結果そのものにも影響し得る重要な分岐です。詳しくは「事前認定と被害者請求はどちらが有利か|弁護士が解説」をご覧ください。
後遺障害診断書を入手した後はどうする?
内容に間違いがあれば修正してもらう
後遺障害診断書を作成してもらったら、まずは内容に間違いがないかを確認してください。記載漏れやミスがあっても、提出後には訂正できません。特に、自覚症状の欄に伝えたことが間違いなく書かれているかによく注意しましょう。もし間違いがあれば、医師に修正をお願いしてください。
後遺障害申請をする
内容に問題がなければ、後遺障害申請に進みます。申請の方法には、事前認定と被害者請求の2つがあります。
事前認定は、相手方保険会社に後遺障害診断書を送り、残りの必要書類の提出は任せてしまう方法です。被害者請求は、必要書類の収集・提出をすべて自分で行う方法です。
事前認定は手間がかからない一方で、資料が少ない状態のまま申請され、非該当や低い等級になりやすいリスクがあります。被害者請求は自分に有利な証拠(追加の検査結果や医師の意見書など)を揃えて提出できますが、手間がかかり大変です。被害者請求を自分だけで行うのが難しければ、弁護士に任せることもできます。
結果に不満があれば異議申し立てが可能
申請すると、一般的には2〜3ヶ月程度で結果が送られてきます。結果が思ったようなものでなければ、何度でも異議申し立てが可能です。ただし、結果を覆すだけの新たな資料が必要となります。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じもの?呼び方と書式の種類を整理
検索では「後遺症診断書」という言葉もよく使われますが、自賠責の後遺障害申請で使う書類の正式な名称は「後遺障害診断書」です。「後遺症診断書」は、この書類を指す通称として使われていることがほとんどで、書式を取り寄せるときは「後遺障害診断書」と伝えれば話が通じます。
ただし、「後遺症が残ったことを証明する診断書」は用途ごとに書式が分かれており、1通あれば全部に使い回せるわけではありません。ここを取り違えると、書式が違うという理由で受け付けてもらえず、作成し直しになります。
| 用途 | 書類の呼び方 | 書式の入手先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害申請(交通事故) | 後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険用) | 相手方保険会社/自分の任意保険会社。当ページの参考書式も利用できます | 全国共通の書式。交通事故の等級認定はこの書類が中心資料になります |
| 労災保険の障害(補償)給付 | 労災用の診断書(障害給付請求書の添付書類) | 労働基準監督署 | 自賠責用とは書式が別です。ただし先に自賠責の等級認定を受けている場合、その後遺障害診断書と認定結果の写しを提出することで、労災用の診断書の作成を省略できることがあります。2通作成すると診断書費用が二重にかかるため、事前に労働基準監督署へ確認してください |
| 歯や顎の後遺障害 | 歯科用の後遺障害診断書 | 相手方保険会社 | 一般の書式とは様式が異なります |
| 生命保険・傷害保険の給付請求 | 各保険会社所定の後遺障害診断書 | 契約している保険会社 | 保険会社ごとに独自書式。自賠責用の写しでは受け付けられないことがあります |
通勤中や業務中の交通事故では、自賠責と労災の両方を使える場面があります。どちらの制度から先に受け取るかで最終的な手取りが変わることもあるため、第三者行為災害(労災と交通事故が重なる場合)の解説もあわせてご確認ください。
後遺障害診断書の書き直し・追記はお願いできる?断られたときの選択肢
結論から言うと、誤記の訂正や、実施済みの検査結果の追記であれば、医師にお願いできることが多いです。一方で、医師が診療上そう判断していない内容を書き加えてもらうことはできません。ここを区別しておくと、医師との話がこじれずに済みます。
| お願いする内容 | 対応してもらえる可能性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 日付の誤記(受傷日・診断日・症状固定日)の訂正 | 高い | カルテと突き合わせれば明らかな誤りであり、訂正は事実の是正にあたります |
| 測定済みの可動域について、他動値の追記 | 高い | 測定していれば追記できます。未測定の場合は再測定をお願いすることになります |
| 実施済みの検査結果(画像所見・神経学的検査)の追記 | 高い | すでにカルテにある情報を診断書に反映してもらう依頼です |
| 治療していた部位が傷病名から漏れている場合の追加 | 状況による | カルテに治療の記録があるかどうかが分かれ目になります |
| 自覚症状の記載を、より具体的にしてもらう | 状況による | 患者が訴えている内容であれば反映されることがあります。症状メモを渡す方法が有効です |
| 医師が認めていない症状・所見を書き加えてもらう | 低い | 医師の医学的判断に反する記載は依頼できません。無理に求めると関係が悪化します |
書き直しをお願いするときの進め方
- 受け取ったらすぐ内容を確認する。提出後に修正するより、提出前のほうがはるかに簡単です
- どこが問題かを具体的に伝える。「全部書き直してほしい」ではなく「症状固定日の欄が空欄なので記入をお願いしたい」と特定する
- 再作成の費用負担を確認する。訂正の理由によっては追加費用がかかることがあります
- それでも難しい場合は、無理に押し切らない。医師との信頼関係が壊れると、以後の照会にも協力が得られなくなります
医師が修正に応じてくれない場合でも、打つ手が無くなるわけではありません。実務では、カルテや画像を取り付けて別の医証で補う、協力医に画像を確認してもらう、不足部分を意見書や補足資料の形で補って申請する、といった対応を取ることがあります。なお、受傷から時間が経ってから転院すると、転院先の医師には受傷当時の経過が分からず、後遺障害診断書の作成自体を断られることがあります。転院を検討する場合は、この点も踏まえて判断してください。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書について弁護士に依頼するメリット

内容が適切か確認してもらえる
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の内容に問題がないかを確認してもらえます。記入漏れがないか、必要な検査結果が記入されているかなどを専門家の目でチェックします。認定のために理想的な内容かを確認してもらえるので安心です。
修正が必要な場合は医師に説明してくれる
もし診断書の内容に不備があれば、修正の手伝いもします。医師に修正をお願いするのは一般の方にとってはハードルが高いケースもあるでしょう。弁護士は、修正点や修正が必要な理由を医師に直接説明するので、適切な内容の診断書を完成させることが可能です。症状固定のタイミングについても、必要に応じて主治医と調整を行います。
後遺障害申請手続を任せられる
診断書のチェックだけでなく、申請手続まで任せられます。被害者請求に必要な書類は多岐にわたり、自分で収集するのは大変な手間です。そもそも何が必要書類なのかを把握するのも簡単ではありません。弁護士に任せてしまえば、煩わしい手続に頭を悩ませられずに済みます。
参考文献・専門書籍
この記事の作成にあたり、以下の専門書籍・実務書を参考にしています。
- 『交通事故外傷と後遺障害 全322大辞典(別巻)』では、後遺障害診断書に記載すべき内容として、傷病名・自覚症状・自覚症状を裏付ける画像所見と検査結果の重要性が解説されています。また、後遺障害診断書の記載内容がそのまま等級認定の基礎資料になる(審査担当者が被害者本人と直接面接するわけではない)実務の構造についても紹介されています。
- 『後遺障害の認定と異議申立』(加藤久道著)では、後遺障害等級認定における非該当判断の考え方として、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見(神経学的検査所見・画像所見等)の有無が重視される点が解説されています。
- 弁護士向け実務セミナー資料では、後遺障害診断書作成時に確認すべきポイントとして、症状固定日の記載・自覚症状の記載漏れの有無・必要な検査の実施状況・想定される後遺障害のチェック漏れがないかが整理されています。
※ 上記はいずれも一般的な実務解説の紹介であり、個別事案の等級認定を保証するものではありません。実際の等級認定は、事案ごとの症状・検査結果・治療経過等を総合的に考慮して判断されます。
後遺障害診断書についてまとめ
それでは後遺障害診断書についてのまとめです。
まとめ
- 後遺障害診断書は後遺障害認定に必要な書類
- 書式は保険会社から入手するのが確実(当ページのPDFは参考用)
- 診察をした医師に書いてもらう
- 自覚症状の具体性・検査結果・可動域測定値が等級を左右する
- 通勤中・業務中の事故は労災の診断書もあわせて検討する
- 疑問があれば弁護士に相談しよう
後遺障害認定については医学・法律両面の専門的知識が必要で、簡単に理解できるものではありません。交通事故に精通した弁護士に任せてしまうのも得策といえます。後遺障害診断書を含めて、後遺障害全般についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。
ブライトの後遺障害診断書チェック事例
後遺障害診断書は、主治医が書いた内容がそのまま認定に直結します。ブライトでは依頼者の代わりに主治医とコミュニケーションを取り、認定獲得のための記載強化を多数手がけてきました。以下は複数の相談内容を組み合わせて抽象化した事例です(氏名・病院名等は伏せています)。
- むちうち14級:主治医の初稿では「症状軽快傾向」だったが、神経学的所見の追記を主治医に依頼し14級9号認定を獲得
- 圧迫骨折12級→8級への異議申立て:診断書の脊椎可動域制限の記載が不十分だったため、追加検査・再診断書取得で8級認定に変更
- 高次脳機能障害12級13号→上位等級狙い:日常生活状況報告書とのセットで主治医に追加意見書を依頼、神経心理学検査結果との整合性を強化中
- 骨盤・大腿部骨折で骨癒合不全(偽関節)が疑われたケース:症状固定後、一定期間をおいて改めてCT撮影を実施し、当初の診断書に記載がなかった骨癒合不全の所見を追加で立証
後遺障害診断書は「書いてもらってから提出」では遅いケースが多いです。書く前段階から、何を書いてもらうかを弁護士と相談するのが最適です。
後遺障害診断書の内容にご不安がある方へ
提出前の内容チェック・医師への働きかけについてご相談ください。
06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 後遺障害診断書の書式はどこで手に入りますか?ダウンロードはできますか?
A. 最も確実なのは、加入している保険会社や相手方保険会社に依頼して郵送してもらう方法です。あわせて、当ページでも参考書式(一般用・歯科用)をPDFでダウンロードいただけます。ただし提出前に、担当保険会社の最新様式と相違がないかご確認ください。
Q2. 後遺障害診断書を書いてもらうにはどうすればいいですか?
A. 症状固定の診断を受けたタイミングで、治療を担当してきた主治医に作成を依頼します。自覚症状(部位・頻度・生活や仕事への影響)を具体的に伝え、必要な検査を受けたうえで、丁寧にお願いすることが大切です。
Q3. 後遺障害診断書の作成費用はいくらですか?
A. 病院によって異なりますが、目安は5,000円〜20,000円程度です。作成にかかる金額は法令で一律に決まっているわけではないため、これより高額になることもあります。作成費用はいったん自己負担となりますが、後遺障害が認定されると後日、保険会社から支払われるのが通常です。
Q4. 「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じものですか?
A. 交通事故の実務で正式に使われるのは「後遺障害診断書」という名称です。「後遺症診断書」と呼ばれることもありますが、指しているのは同じ書類(自賠責保険で使用する統一様式の診断書)です。
Q5. 通勤中の事故ですが、労災の診断書と交通事故の診断書はどちらを使えばいいですか?
A. 通勤中・業務中の事故では、労災保険と自賠責保険(任意保険)の両方から補償を受けられる可能性があり、それぞれ書式が異なる後遺障害診断書が必要になります。詳しくは「労災の後遺障害診断書とは」もあわせてご確認ください。
Q6. 整骨院・接骨院に通っていますが、後遺障害診断書は書いてもらえますか?
A. 整骨院・接骨院の施術者(柔道整復師)は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師にしか作成できないため、整骨院・接骨院に通う場合でも、必ず病院にも定期的に通院して医師の診察を受けるようにしてください。
Q7. 後遺障害診断書を提出した後に、内容を訂正することはできますか?
A. 提出後の訂正は基本的にできません。提出前に、自覚症状の内容や検査結果に誤りがないか、必ずご自身でも確認してください。内容に不備があると感じた場合は、提出前に医師へ修正を依頼するか、弁護士にご相談ください。
執筆・監修弁護士のご紹介
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。。交通事故案件(被害者側)を専門に取り扱い、後遺障害認定・保険会社交渉を数多く経験。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。(大阪弁護士会所属)。企業法務・交通事故・労災など幅広い案件を統括。顧問先141社の実名公開で事務所の透明性を実践。
交通事故で後遺障害等級認定を申請する際に、必ず必要になるのが後遺障害診断書です。後遺障害診断書は等級認定にあたって最も重要な資料となるため、正確に作成しなければなりません。後遺障害診断書がしっかりと作成されずに適切な等級が認定されないと、賠償金が大きく減ってしまいます。
この記事では、後遺障害診断書の書式の入手方法・記載項目ごとの書き方のポイント・作成費用・書いてもらえない場合の対処法まで、弁護士法人ブライトが交通事故被害者の方から日々受けるご相談をもとに解説します。適切な後遺障害等級の認定を受けるためにも、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
- 後遺障害診断書とは?
- 後遺障害診断書の書式の入手方法(正規ルート)
- 等級を左右する記載項目ごとの書き方のポイント
- 後遺障害診断書を医師に依頼する際の注意点
- 後遺障害診断書の作成にかかる費用
- 通勤中の事故で「労災」の診断書と迷ったときの考え方
📝 この記事の3秒結論
- 後遺障害診断書は、加入している保険会社(または相手方保険会社)に依頼すれば全国共通の様式を郵送してもらえる。当ページでもダウンロード用に参考書式を掲載しています
- 作成は主治医に依頼するのが原則、作成費用の目安は5,000円〜20,000円
- 記載内容(自覚症状の具体性・検査結果・可動域の測定値・今後の見通し欄)で認定される等級が大きく変わる
- 提出前に弁護士のチェックを入れると、追記・修正で等級アップに繋がるケースが多数ある
- 通勤中・業務中の事故の場合は、労災保険の後遺障害診断書(様式が異なる)とあわせて検討が必要になることがある
後遺障害診断書とは?
後遺障害認定に必ず必要な書類
後遺障害診断書は、後遺障害申請の際に必ず添付しなければならない書類です。
被害者の個人情報や、怪我の状態などを詳しく記載しており、提出しなければ後遺障害申請が受理されません。
後遺障害等級の認定についての審査はこの後遺障害診断書の内容について行われるので、しっかりと正しい内容を書く必要があります。
後遺障害診断書は医師が作成する
後遺障害診断書を作成するのは医師です。ほとんどの場合で、治療経過を熟知している主治医の先生に作成をお願いすることになります。
整骨院や接骨院では後遺障害診断書を作成してもらえません。この二つで施術を行っているのは医師ではないためです。
そのため、整骨院や接骨院だけに通うと後遺障害申請ができません。必ず病院にも定期的に通院して、医師による継続的な診察を受けるようにしてください。
通勤中の交通事故の場合は「労災の後遺障害診断書」と混同しないよう注意
通勤中や業務中に交通事故に遭った場合、労災保険からも後遺障害の認定を受けられる可能性があります。しかし、労災保険で使用する後遺障害診断書(障害補償給付支給請求書の診断書欄)と、自賠責保険で使用する後遺障害診断書は書式がまったく異なります。どちらか一方の書式だけを提出しても、もう一方の制度では使用できません。
労災保険と自賠責保険(任意保険)は、どちらか一方しか使えないわけではなく、原則として両方から補償を受けられる可能性があります(労災保険給付と加害者側からの損害賠償は、二重取りにならない範囲で調整されます)。労災保険用の後遺障害診断書の書式・記載項目・等級認定後の会社への損害賠償請求までの流れは、通勤災害を専門的に扱う別記事「労災の後遺障害診断書とは|書式・もらい方・記載不備で等級が下がる理由」で詳しく解説していますので、通勤中・業務中の事故に遭われた方はあわせてご確認ください。
通勤中の事故と労災・自賠責保険の関係全般については「通勤・業務中の交通事故|労災保険と自賠責保険を両方使う方法・会社の責任まで完全解説」でも整理しています。
後遺障害診断書を作成してもらうメリット
後遺障害診断書を作成してもらい、後遺障害等級認定を得られると、賠償金が大幅に増えます。後遺障害慰謝料や逸失利益が発生するからです。その金額は、障害の重さによっては数千万円にのぼるケースも珍しくありません。適正な賠償金を得るための第一歩として、後遺障害診断書を作成してもらいましょう。
後遺障害認定について関連ページ:後遺障害認定を受ける手順と注意点を弁護士が分かりやすく解説
後遺障害等級について関連ページ:後遺障害等級とは?症状ごとの等級と慰謝料表
後遺障害診断書を書いてもらうタイミング
後遺障害診断書を医師に書いてもらうタイミングは、症状固定になったときです。症状固定になるまでは、完全に治癒する可能性もあるため後遺障害の有無を判断できません。
症状固定となるまでの期間は症状の部位や程度によって異なります。
たとえばむちうちでは、後遺障害が認定される治療期間はおおよそ6ヶ月以上です。むちうちの症状は、治療によってある程度は改善するため、後遺障害が認められるレベルの症状が残るかを判断するためには時間を必要とします。関節が以前のように動かなくなったような場合でも同様です。
これに対して、事故により片脚を失ってしまったなどの身体の一部を欠損してしまった場合では、早い段階で症状固定となっても後遺障害が認定されるケースがあります。たとえ長期間治療をしたとしてもその部位が回復しないことは明らかで、治療によって改善できる範囲が限られるためです。
いずれにしても、後遺障害診断書を作成するタイミングは、症状の改善が見込めなくなった段階であると覚えておくとよいでしょう。
保険会社から「そろそろ症状固定では」と打診されたら
治療を続けていると、相手方保険会社の担当者から「そろそろ症状固定でよいのではないか」と打診されることがあります。これは、治療費の対応(一括対応)を終了したいという保険会社側の意向が背景にあることが多く、症状固定の時期はあくまで主治医が医学的な観点から判断するものです。保険会社の打診をそのまま受け入れる前に、主治医に治療継続の必要性を確認することをおすすめします。
まだ改善の余地がある段階で症状固定としてしまうと、本来受けられたはずの等級よりも低い等級しか認定されない可能性があります。治療費の打ち切りを打診された段階で弁護士に相談すれば、主治医との連携も含めて対応を検討できます。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
後遺障害診断書の書式の入手方法
後遺障害診断書には決まった書式があります。定められた書式以外で作成しても申請の際には使用できないため、書式を手に入れなければなりません。自賠責保険で使用する後遺障害診断書は、保険会社の別を問わず全国共通の様式が使われています。
保険会社から入手する(最も確実な方法)
後遺障害診断書の書式は、保険会社から入手するのが最も確実な方法です。加入している任意保険会社(人身傷害保険を使う場合)や、事前認定であれば相手方保険会社に後遺障害申請をしたい旨を伝えれば、書式を郵送してくれます。書式は保険会社によって細部の様式が更新されることがあるため、実際に申請書類一式を取り寄せた保険会社の書式を使用するのが安全です。
参考書式として当ページからもダウンロード可能
保険会社から取り寄せた書式を無くしてしまった場合や、様式のイメージをあらかじめ確認しておきたい場合の参考として、当ページから書式をダウンロードいただけます。
ただし、実際に提出する際は、担当の保険会社が指定する最新の様式に相違がないか、事前にご確認ください。
使用する際には、A3サイズの用紙に印刷してください。
歯科用の後遺障害診断書は書式が異なる
後遺障害診断書の書式は障害の部位によらず共通なので先ほど紹介したものが使えます。
しかし歯の障害だけは書式が異なります。書式のタイトルに「(歯科用)」とついているものを使用しなければなりませんので、注意してください。歯の後遺障害診断書も以下からダウンロードしていただけます。
後遺障害診断書の記載項目を徹底解説|等級を左右するポイント
後遺障害診断書は、書かれている項目それぞれが等級認定の判断材料になります。ここでは各項目の内容と、認定にあたって特に重要になるポイントを解説します。
被害者の情報・受傷年月日・症状固定日・入通院期間
氏名・性別・生年月日・住所などの個人を特定するための基本情報のほか、交通事故のあった受傷年月日、医師が症状固定と判断した症状固定日、入院・通院していた期間が記載されます。事故の日にすぐに病院に行けず翌日以降に受診した場合や、複数の病院に通院していた場合には、記載内容に誤りがないかを特によく確認してください。
傷病名・既存障害
「頸椎捻挫」のようにケガの診断名が記載されるほか、事故以前から被害者が持っていた障害(既存障害)があれば、その部位や程度が記載されます。後遺障害認定には、事故によって障害が生じたといえることが必要であるため、元から有していた障害を記載する欄が設けられています。
自覚症状は「具体的に」記載してもらうことが重要
被害者が感じている症状(自覚症状)は、他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。実務上、以下のような記載では、症状の常時性や生活への支障が審査側に伝わりにくいとされています。
- 「天気が悪いと痛い」「パソコンを続けていると痛い」など、特定の条件下でのみ症状が出るような書き方
- 「いずれ症状は良くなる」など、今後の見通し欄で改善の見込みを示す記載
これに対して、症状がある部位・頻度(常時性)・日常生活や仕事への具体的な影響をもれなく伝えられれば、審査側にとって症状の実態が伝わりやすい記載になります。
なんとなく痛むが痛くない時もある。
しゃがむと膝が強く痛む、介護の仕事をしているが痛みのせいで仕事が続けられない。
雨の日は特に痛みが強い。
特に、むち打ちのようにレントゲン画像から症状が分かりにくいケースでは、自覚症状の記載が認定のために非常に重要になります。普段から医師に症状を伝える習慣をつけておくとよいでしょう。実務上も、通院頻度・通院期間の一貫性と自覚症状の一貫性が、他覚的な異常所見が乏しいケース(14級9号を想定するようなケース)での重要な判断材料になるとされています。
部位ごとの検査結果・可動域の測定値
後遺障害の認定を受けるうえで最も重要な部分です。障害の部位に応じて検査結果が記載され、レントゲンやCT、MRIなどの画像は添付資料として提出することになります。12級以上の関節の機能障害を主張する場合、MRI・CT等の画像所見で神経の圧迫や骨折・変形などの他覚的な異常所見が確認できるかどうかが重要なポイントになるとされています。
関節の可動域制限を主張する場合は、日本整形外科学会が定める測定方法(参考可動域)に基づいて、他動運動・自動運動の別や測定角度が正確に記載されているかを確認することが重要です。骨折の癒合不全(偽関節)が疑われるようなケースでは、症状固定からある程度の期間が経過した後に改めて画像検査を行うことで、当初の診断書には記載されていなかった所見を追加で立証できる場合もあります。
今後の見通し
今後の症状の見通しを記載する欄もあります。改善の見込みがある旨が記載されてしまうと認定がおりづらくなりますので注意してください。
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後遺障害診断書の記入例|欄ごとの「等級につながる書き方」と「もったいない書き方」
後遺障害診断書の書式そのものは全国共通です。しかし、同じ書式・同じ症状でも、欄の埋め方ひとつで審査の結論が変わることがあります。自賠責の調査事務所は、原則として提出された書面だけを見て判断するためです。診察室で口頭では伝わっていることでも、書面に落ちていなければ「無かったこと」として扱われてしまいます。
ここでは、実務で特に差がつきやすい欄について、「もったいない書き方」と「等級につながる書き方」を並べて整理します。医師に記載をお願いするときの参考にしてください。
| 記載欄 | もったいない書き方(審査で拾われにくい) | 等級につながる書き方 |
|---|---|---|
| 傷病名 | 「頚椎捻挫」のみで、実際に治療した部位が漏れている | 受傷して治療を受けた部位をすべて記載してもらう。診断書に無い部位は原則として審査対象になりません |
| 自覚症状 | 「頚部痛」「しびれ」など単語だけで終わっている | 部位・性質・頻度・日常生活への支障をセットで、箇条書きで具体的に。例:「頚部から左肩にかけての持続的な鈍痛。左手指のしびれが終日持続し、字を書く・スマートフォンを持つ動作が困難。天候悪化時と長時間のデスクワーク後に増悪」 |
| 他覚症状および検査結果 | 「特記事項なし」「異常所見なし」で空欄に近い | MRI・レントゲン等の画像所見、神経学的検査(腱反射・徒手筋力テスト・知覚検査など)の実施した検査名と結果を数値・所見つきで記載してもらう |
| 関節機能障害(可動域) | 自動値(自分で動かせる角度)しか書かれていない | 評価の基準となるのは原則として他動値です。自動値とあわせて両方を、患側・健側の対比で記載してもらう。他動値の記載が無いと可動域制限の審査対象として扱われず、調査事務所から追記を求められて数か月遅れたり、そのまま非該当と判断されたりする原因になります |
| 症状固定日 | 空欄、またはカルテ上の実質的な治療終了日(通院の終期)と食い違っている | 症状固定(これ以上治療を続けても改善が見込めない状態)と判断した日付を明記し、実質的な治療期間の終期と整合させる。なお、診断書を作成してもらうためだけに後日受診した場合、症状固定日と最終受診日がずれること自体は問題ありません |
| 既存障害 | 事故前からの持病や既往が、事故との区別なく書かれている | 事故前から存在した障害と、本件事故で新たに生じた症状を分けて記載してもらう。区別が曖昧だと「既往症によるもの」と評価され、素因減額の材料になることがあります |
| 障害内容の増悪・緩解の見通し | 「不明」「経過観察」だけで終わっている | 「症状の改善は見込み難い」など、将来にわたり症状が残る見通しであることが読み取れる記載。ここが「緩解の見込みあり」と書かれると、後遺障害として残らないと評価される方向に働きます |
実務では、記載漏れや日付の不整合そのものが原因で審査が止まることがあります。当事務所でも、症状固定日や通院期間の終期の記載が抜けていたケース、診断日が明らかな誤記になっていたケースについて、提出前に病院へ修正を依頼して整えたうえで申請に進んだ例があります。提出してしまう前に気づけるかどうかが分かれ目です。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書を医師へ依頼する際の注意点

自覚症状をはっきり伝える
自覚症状は医師にはっきりと伝えて、診断書に記入してもらう必要があります。
自覚症状は他人からはわからないため、言わなかったことは記載されません。
異常がある部位や頻度、日常生活や仕事への影響をもれなく伝えてください。
必要な検査を受け結果を記載してもらう
認定にあたって必要な検査は確実に受けて、結果を記載してもらってください。医師であっても、後遺障害認定について詳しいとは限りません。
認定に必要な検査を把握していないこともありますし、検査方法が間違っているケースすらあります。とはいえどんな検査をすればいいかは素人にはわかりませんよね。
そんな時は交通事故に詳しい弁護士に相談しましょう、弁護士であれば後遺障害認定に必要な検査や後遺障害診断書の書き方を熟知しているので「こんな検査をしてください」と医師に対してお願いすることが出来ます。
丁寧にお願いする
医師に後遺障害診断書の作成を依頼する際には、丁寧にお願いするようにしましょう。医師のメインの仕事は診察や治療であり、診断書の作成には慣れていないこともあります。また、忙しい中で診断書を書くため、「書くのが当然」という雰囲気で頼まれると気分を害してしまいます。しっかりとした診断書を作成してもらうために、頼むときの態度には気をつけてください。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
医師への依頼のしかた|そのまま使える伝え方と「症状メモ」の文例
医師は治療の専門家であって、自賠責の等級認定基準の専門家とは限りません。「後遺障害の申請に使う書類である」という前提が共有されていないと、治療経過のまとめとしては正しくても、審査資料としては情報が足りない診断書になってしまうことがあります。
とはいえ、患者の側から書き方を細かく指定するような伝え方は、医師との関係を損ないます。「こう書いてください」ではなく「今の状態を正確に伝えたい」という形でお願いするのが実務的です。
依頼するときの伝え方の例
診察の時間は限られています。次のように、目的と困っている内容を短く伝えるところから始めてください。
- 「保険会社に後遺障害の申請をすることになりました。そのための診断書をお願いできますでしょうか」
- 「今も残っている症状を書き出してきました。お手数ですが、目を通していただけますか」
- 「日常生活で困っている動作があるのですが、その点も診断書に反映していただくことは可能でしょうか」
- 「可動域の測定について、他動での測定もお願いできますでしょうか」
診察前に渡す「症状メモ」の文例
診察室では、痛みや不便を思い出しながら口頭で説明するのは意外に難しいものです。あらかじめA4用紙1枚程度に症状を箇条書きにして持参し、診察時に渡す方法が有効です。当事務所でも、自覚症状が診断書に反映されるよう、残存症状を箇条書きに整理してお渡しする対応を取ることがあります。以下は書き方の一例です。
【症状固定にあたってのご報告(患者記入)】
・痛みのある部位:頚部、左肩から左上腕にかけて
・痛みの性質と強さ:じんじんとした持続的な痛み。強い時は集中できない
・しびれ:左手の親指・人差し指に終日しびれがある
・症状が強くなる場面:長時間のデスクワーク後、雨天・気圧が下がる日、上を向く動作
・できなくなった動作:上の棚の物を取る、長時間の運転、子どもを抱き上げる
・仕事への影響:連続して作業できる時間が事故前より短くなり、休憩を挟む必要がある
・現在も続けている治療:週◯回の通院、内服薬(薬剤名)、リハビリ
ポイントは、「痛い」で終わらせず、どの動作ができなくなったかまで書くことです。労働能力にどう影響しているかが伝わる記載は、等級判断でも逸失利益の交渉でも意味を持ちます。
後遺障害診断書を書いてもらえないことはある?
医師が後遺障害診断書を書いてくれないことはあります。理由としては以下が考えられます。
症状固定になっていない
症状固定になっていないと医師が判断している場合です。症状固定になっていなければ、後遺障害の有無を判断できません。症状固定の時期は医師が判断するものなので、この理由で後遺障害診断書を書いてもらえていないのであれば、医師の指示にしたがって治療を続けてください。
後遺障害がないと考えている
後遺障害が残っていないと考えているため、診断書を書いてくれないこともあります。たしかに、医師が後遺障害はないと判断しているのであれば、申請しても認定が出る可能性は高くないのかもしれません。しかし、医師は後遺障害認定には詳しくないこともあります。認定の可能性があるかを知るために、認定に精通した弁護士に相談してみるのもよいでしょう。
整骨院にのみ通っていた
初回の診察だけ病院に行き、その後は整骨院に通っていたために診断書を書いてくれない可能性もあります。医師としては治療の経過がわからず、書くのが難しくなるからです。そもそも整骨院にしか通っていないと、認定を受けるのが困難になります。このような事態を避けるために、必ず病院にも定期的に通院するようにしてください。
病院を変えたばかり
病院を変えたばかりであることを理由に、後遺障害診断書の作成を拒まれることもあります。
病院を変えたばかりだと前の病院で受けた治療の経過がわからず、後遺障害診断書を書くための情報が少ないためです。ちなみに、病院を変えると後遺障害申請ができないということはありません。前の病院の治療記録を取り寄せるなどして、書いてもらえないか説得してみましょう。転院する前の段階であれば、協力してもらえるかあらかじめ確認しておくと安心です。
争いに巻き込まれたくない
交通事故の争いに巻き込まれたくないから診断書を書いてくれない可能性もあります。これは正当な理由とはいえませんので、書いてもらえるように働きかけてみてください。どうしても拒否されるのであれば、別の医師を探すのもひとつの手です。
後遺障害診断書の作成にかかる期間と費用
後遺障害診断書の作成にかかる期間や費用は病院によって異なります。
| 作成にかかる期間 | 作成にかかる費用 |
|---|---|
| 数日~1ヵ月 | 5,000~20,000円 |
作成にかかる金額は規定で決まっているわけではないので、より高額なこともあります。作成費用はいったん自己負担になりますが、後遺障害が認定されると後日保険会社から支払われるのが通常です。
被害者請求と事前認定で費用の扱いが変わることがある
作成費用の一時的な立替は、被害者請求・事前認定のどちらの方法で申請するかによって扱いが変わることがあります。被害者請求では、被害者自身が自賠責保険会社に費用も含めて請求するため、診断書作成料も損害の一部として明確に計上できます。事前認定では、相手方保険会社が手続きを進めるため、費用負担の流れが分かりにくくなることがあります。どちらの方法が適しているかは、事案の内容によって異なりますので、迷ったときは弁護士に相談することをおすすめします。
事前認定と被害者請求のどちらで申請すべきかは、認定結果そのものにも影響し得る重要な分岐です。詳しくは「事前認定と被害者請求はどちらが有利か|弁護士が解説」をご覧ください。
後遺障害診断書を入手した後はどうする?
内容に間違いがあれば修正してもらう
後遺障害診断書を作成してもらったら、まずは内容に間違いがないかを確認してください。記載漏れやミスがあっても、提出後には訂正できません。特に、自覚症状の欄に伝えたことが間違いなく書かれているかによく注意しましょう。もし間違いがあれば、医師に修正をお願いしてください。
後遺障害申請をする
内容に問題がなければ、後遺障害申請に進みます。申請の方法には、事前認定と被害者請求の2つがあります。
事前認定は、相手方保険会社に後遺障害診断書を送り、残りの必要書類の提出は任せてしまう方法です。被害者請求は、必要書類の収集・提出をすべて自分で行う方法です。
事前認定は手間がかからない一方で、資料が少ない状態のまま申請され、非該当や低い等級になりやすいリスクがあります。被害者請求は自分に有利な証拠(追加の検査結果や医師の意見書など)を揃えて提出できますが、手間がかかり大変です。被害者請求を自分だけで行うのが難しければ、弁護士に任せることもできます。
結果に不満があれば異議申し立てが可能
申請すると、一般的には2〜3ヶ月程度で結果が送られてきます。結果が思ったようなものでなければ、何度でも異議申し立てが可能です。ただし、結果を覆すだけの新たな資料が必要となります。
お問い合わせ、相談は無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。また、お問い合わせいただいた事案について、SMSで回答させていただく場合がございますので、予めご了承ください。)
「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じもの?呼び方と書式の種類を整理
検索では「後遺症診断書」という言葉もよく使われますが、自賠責の後遺障害申請で使う書類の正式な名称は「後遺障害診断書」です。「後遺症診断書」は、この書類を指す通称として使われていることがほとんどで、書式を取り寄せるときは「後遺障害診断書」と伝えれば話が通じます。
ただし、「後遺症が残ったことを証明する診断書」は用途ごとに書式が分かれており、1通あれば全部に使い回せるわけではありません。ここを取り違えると、書式が違うという理由で受け付けてもらえず、作成し直しになります。
| 用途 | 書類の呼び方 | 書式の入手先 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自賠責の後遺障害申請(交通事故) | 後遺障害診断書(自動車損害賠償責任保険用) | 相手方保険会社/自分の任意保険会社。当ページの参考書式も利用できます | 全国共通の書式。交通事故の等級認定はこの書類が中心資料になります |
| 労災保険の障害(補償)給付 | 労災用の診断書(障害給付請求書の添付書類) | 労働基準監督署 | 自賠責用とは書式が別です。ただし先に自賠責の等級認定を受けている場合、その後遺障害診断書と認定結果の写しを提出することで、労災用の診断書の作成を省略できることがあります。2通作成すると診断書費用が二重にかかるため、事前に労働基準監督署へ確認してください |
| 歯や顎の後遺障害 | 歯科用の後遺障害診断書 | 相手方保険会社 | 一般の書式とは様式が異なります |
| 生命保険・傷害保険の給付請求 | 各保険会社所定の後遺障害診断書 | 契約している保険会社 | 保険会社ごとに独自書式。自賠責用の写しでは受け付けられないことがあります |
通勤中や業務中の交通事故では、自賠責と労災の両方を使える場面があります。どちらの制度から先に受け取るかで最終的な手取りが変わることもあるため、第三者行為災害(労災と交通事故が重なる場合)の解説もあわせてご確認ください。
後遺障害診断書の書き直し・追記はお願いできる?断られたときの選択肢
結論から言うと、誤記の訂正や、実施済みの検査結果の追記であれば、医師にお願いできることが多いです。一方で、医師が診療上そう判断していない内容を書き加えてもらうことはできません。ここを区別しておくと、医師との話がこじれずに済みます。
| お願いする内容 | 対応してもらえる可能性 | 考え方 |
|---|---|---|
| 日付の誤記(受傷日・診断日・症状固定日)の訂正 | 高い | カルテと突き合わせれば明らかな誤りであり、訂正は事実の是正にあたります |
| 測定済みの可動域について、他動値の追記 | 高い | 測定していれば追記できます。未測定の場合は再測定をお願いすることになります |
| 実施済みの検査結果(画像所見・神経学的検査)の追記 | 高い | すでにカルテにある情報を診断書に反映してもらう依頼です |
| 治療していた部位が傷病名から漏れている場合の追加 | 状況による | カルテに治療の記録があるかどうかが分かれ目になります |
| 自覚症状の記載を、より具体的にしてもらう | 状況による | 患者が訴えている内容であれば反映されることがあります。症状メモを渡す方法が有効です |
| 医師が認めていない症状・所見を書き加えてもらう | 低い | 医師の医学的判断に反する記載は依頼できません。無理に求めると関係が悪化します |
書き直しをお願いするときの進め方
- 受け取ったらすぐ内容を確認する。提出後に修正するより、提出前のほうがはるかに簡単です
- どこが問題かを具体的に伝える。「全部書き直してほしい」ではなく「症状固定日の欄が空欄なので記入をお願いしたい」と特定する
- 再作成の費用負担を確認する。訂正の理由によっては追加費用がかかることがあります
- それでも難しい場合は、無理に押し切らない。医師との信頼関係が壊れると、以後の照会にも協力が得られなくなります
医師が修正に応じてくれない場合でも、打つ手が無くなるわけではありません。実務では、カルテや画像を取り付けて別の医証で補う、協力医に画像を確認してもらう、不足部分を意見書や補足資料の形で補って申請する、といった対応を取ることがあります。なお、受傷から時間が経ってから転院すると、転院先の医師には受傷当時の経過が分からず、後遺障害診断書の作成自体を断られることがあります。転院を検討する場合は、この点も踏まえて判断してください。
後遺障害診断書の記載内容についてのご相談は、相談料は何度でも無料です
(※お電話での受付は平日9:00~18:00となっております、それ以外の時間はメールやLINEでのお問い合わせをお願いします。)
後遺障害診断書について弁護士に依頼するメリット

内容が適切か確認してもらえる
弁護士に依頼すれば、後遺障害診断書の内容に問題がないかを確認してもらえます。記入漏れがないか、必要な検査結果が記入されているかなどを専門家の目でチェックします。認定のために理想的な内容かを確認してもらえるので安心です。
修正が必要な場合は医師に説明してくれる
もし診断書の内容に不備があれば、修正の手伝いもします。医師に修正をお願いするのは一般の方にとってはハードルが高いケースもあるでしょう。弁護士は、修正点や修正が必要な理由を医師に直接説明するので、適切な内容の診断書を完成させることが可能です。症状固定のタイミングについても、必要に応じて主治医と調整を行います。
後遺障害申請手続を任せられる
診断書のチェックだけでなく、申請手続まで任せられます。被害者請求に必要な書類は多岐にわたり、自分で収集するのは大変な手間です。そもそも何が必要書類なのかを把握するのも簡単ではありません。弁護士に任せてしまえば、煩わしい手続に頭を悩ませられずに済みます。
参考文献・専門書籍
この記事の作成にあたり、以下の専門書籍・実務書を参考にしています。
- 『交通事故外傷と後遺障害 全322大辞典(別巻)』では、後遺障害診断書に記載すべき内容として、傷病名・自覚症状・自覚症状を裏付ける画像所見と検査結果の重要性が解説されています。また、後遺障害診断書の記載内容がそのまま等級認定の基礎資料になる(審査担当者が被害者本人と直接面接するわけではない)実務の構造についても紹介されています。
- 『後遺障害の認定と異議申立』(加藤久道著)では、後遺障害等級認定における非該当判断の考え方として、自覚症状を裏付ける客観的な医学的所見(神経学的検査所見・画像所見等)の有無が重視される点が解説されています。
- 弁護士向け実務セミナー資料では、後遺障害診断書作成時に確認すべきポイントとして、症状固定日の記載・自覚症状の記載漏れの有無・必要な検査の実施状況・想定される後遺障害のチェック漏れがないかが整理されています。
※ 上記はいずれも一般的な実務解説の紹介であり、個別事案の等級認定を保証するものではありません。実際の等級認定は、事案ごとの症状・検査結果・治療経過等を総合的に考慮して判断されます。
後遺障害診断書についてまとめ
それでは後遺障害診断書についてのまとめです。
まとめ
- 後遺障害診断書は後遺障害認定に必要な書類
- 書式は保険会社から入手するのが確実(当ページのPDFは参考用)
- 診察をした医師に書いてもらう
- 自覚症状の具体性・検査結果・可動域測定値が等級を左右する
- 通勤中・業務中の事故は労災の診断書もあわせて検討する
- 疑問があれば弁護士に相談しよう
後遺障害認定については医学・法律両面の専門的知識が必要で、簡単に理解できるものではありません。交通事故に精通した弁護士に任せてしまうのも得策といえます。後遺障害診断書を含めて、後遺障害全般についてお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。
ブライトの後遺障害診断書チェック事例
後遺障害診断書は、主治医が書いた内容がそのまま認定に直結します。ブライトでは依頼者の代わりに主治医とコミュニケーションを取り、認定獲得のための記載強化を多数手がけてきました。以下は複数の相談内容を組み合わせて抽象化した事例です(氏名・病院名等は伏せています)。
- むちうち14級:主治医の初稿では「症状軽快傾向」だったが、神経学的所見の追記を主治医に依頼し14級9号認定を獲得
- 圧迫骨折12級→8級への異議申立て:診断書の脊椎可動域制限の記載が不十分だったため、追加検査・再診断書取得で8級認定に変更
- 高次脳機能障害12級13号→上位等級狙い:日常生活状況報告書とのセットで主治医に追加意見書を依頼、神経心理学検査結果との整合性を強化中
- 骨盤・大腿部骨折で骨癒合不全(偽関節)が疑われたケース:症状固定後、一定期間をおいて改めてCT撮影を実施し、当初の診断書に記載がなかった骨癒合不全の所見を追加で立証
後遺障害診断書は「書いてもらってから提出」では遅いケースが多いです。書く前段階から、何を書いてもらうかを弁護士と相談するのが最適です。
後遺障害診断書の内容にご不安がある方へ
提出前の内容チェック・医師への働きかけについてご相談ください。
06-4965-9590(平日9:00〜18:00)
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 後遺障害診断書の書式はどこで手に入りますか?ダウンロードはできますか?
A. 最も確実なのは、加入している保険会社や相手方保険会社に依頼して郵送してもらう方法です。あわせて、当ページでも参考書式(一般用・歯科用)をPDFでダウンロードいただけます。ただし提出前に、担当保険会社の最新様式と相違がないかご確認ください。
Q2. 後遺障害診断書を書いてもらうにはどうすればいいですか?
A. 症状固定の診断を受けたタイミングで、治療を担当してきた主治医に作成を依頼します。自覚症状(部位・頻度・生活や仕事への影響)を具体的に伝え、必要な検査を受けたうえで、丁寧にお願いすることが大切です。
Q3. 後遺障害診断書の作成費用はいくらですか?
A. 病院によって異なりますが、目安は5,000円〜20,000円程度です。作成にかかる金額は法令で一律に決まっているわけではないため、これより高額になることもあります。作成費用はいったん自己負担となりますが、後遺障害が認定されると後日、保険会社から支払われるのが通常です。
Q4. 「後遺症診断書」と「後遺障害診断書」は同じものですか?
A. 交通事故の実務で正式に使われるのは「後遺障害診断書」という名称です。「後遺症診断書」と呼ばれることもありますが、指しているのは同じ書類(自賠責保険で使用する統一様式の診断書)です。
Q5. 通勤中の事故ですが、労災の診断書と交通事故の診断書はどちらを使えばいいですか?
A. 通勤中・業務中の事故では、労災保険と自賠責保険(任意保険)の両方から補償を受けられる可能性があり、それぞれ書式が異なる後遺障害診断書が必要になります。詳しくは「労災の後遺障害診断書とは」もあわせてご確認ください。
Q6. 整骨院・接骨院に通っていますが、後遺障害診断書は書いてもらえますか?
A. 整骨院・接骨院の施術者(柔道整復師)は医師ではないため、後遺障害診断書を作成できません。後遺障害診断書は医師にしか作成できないため、整骨院・接骨院に通う場合でも、必ず病院にも定期的に通院して医師の診察を受けるようにしてください。
Q7. 後遺障害診断書を提出した後に、内容を訂正することはできますか?
A. 提出後の訂正は基本的にできません。提出前に、自覚症状の内容や検査結果に誤りがないか、必ずご自身でも確認してください。内容に不備があると感じた場合は、提出前に医師へ修正を依頼するか、弁護士にご相談ください。
執筆・監修弁護士のご紹介
執筆:松本 洋明(まつもと ひろあき)弁護士
弁護士法人ブライト 交通事故主任。。交通事故案件(被害者側)を専門に取り扱い、後遺障害認定・保険会社交渉を数多く経験。
監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)弁護士
弁護士法人ブライト 代表。(大阪弁護士会所属)。企業法務・交通事故・労災など幅広い案件を統括。顧問先141社の実名公開で事務所の透明性を実践。






