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労災の後遺障害等級が低い・非該当だったときの対処法|弁護士が解説


笹野皓平 弁護士

この記事の監修者

笹野 皓平(ささの こうへい)

弁護士法人ブライト|労災部部長/パートナー弁護士

弁護士歴15年(2011年登録)/大阪弁護士会/京都大学法学部卒・立命館法科大学院修了

専門:労災事故・交通事故・会社関係争訟・M&A・事業再生

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「症状はこれだけ重いのに、後遺障害等級が想定より低い等級でしか認められなかった」「障害補償給付の不支給(非該当)決定が届いた」「主治医に書いてもらった診断書の内容が労基署にきちんと評価されていない」――労災の後遺障害認定をめぐる不満は、被災労働者から最も多く寄せられる相談のひとつです。

労災の後遺障害等級は、1級から14級までの14段階に分かれており、等級ひとつ違うだけで給付額(障害補償一時金・年金)に大きな差が出ます。介護が必要な重度後遺障害(1〜3級)では年金支給ですが、等級が下がると一時金支給に切り替わり、生涯にわたる経済的補填の総額が桁違いに変わります。

結論から申し上げると、労災の後遺障害認定も「絶対」ではなく、再審査請求・行政訴訟で覆る可能性があります。ブライトでも、当初の認定を覆して上位等級を獲得した事例が複数あります。本記事では、等級認定の仕組みと、不満のある決定を覆すための具体的なアプローチを解説します。

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1. 「労災の後遺障害等級が低い」と感じる原因

1-1. 労災の後遺障害認定プロセス

労災の後遺障害認定は、症状固定後に被災労働者が障害補償給付請求書(様式10号)後遺障害診断書を労基署に提出することで開始されます。流れは次のとおりです。

  • 主治医による後遺障害診断書の作成
  • 労基署への請求書・診断書の提出
  • 労基署の地方労災医員(労災協力医)による医学的審査
  • 必要に応じて被災者本人の面談・追加検査
  • 等級認定または非該当の決定
  • 障害補償一時金または年金の支給

このうち外部から見えにくいのが、「地方労災医員がどのような医学的判断を下したか」です。決定通知書には等級と障害認定基準の該当条文が記載されるのみで、医学的論拠の詳細は明らかにされません。

1-2. 等級が低く出る・非該当になる典型パターン

  • 後遺障害診断書の記載不足:症状の経過・残存症状・他覚的所見が十分に記載されていない
  • 画像所見の引用不足:MRI・CT・レントゲン等の客観的画像所見が後遺障害診断書に反映されていない
  • 既往症との切り分けが不十分:既存疾患との関係で「業務との因果関係が不明」とされる
  • 症状固定時期が早すぎる:十分な治療を受ける前に症状固定とされた
  • 高次脳機能障害の評価軸が複数あって取りこぼされる:認知障害・人格変化・行動異常を網羅した評価がされていない
  • 身体機能障害の評価が手薄:可動域制限・筋力低下・しびれ等の評価が不足
  • 労災独自の認定基準と自賠責基準の混同:自賠責の後遺障害認定とは別の労災独自の判断基準がある

共通するのは、「主治医に書いてもらった後遺障害診断書」が労基署の認定に必要な医学的観点を網羅しきれていないという構造的な問題です。

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2. 等級認定が出る前に|後遺障害診断書を補強する

2-1. 後遺障害診断書を労基署に提出する前に弁護士チェック

ブライトでは、「障害給付の診断書は、労基署に提出前に弊所までお送りください」と依頼者に運用しています。提出後では遅く、提出前にチェックして主治医に追記を依頼する手順が重要です。

  • 残存症状の項目漏れがないか(高次脳機能障害なら認知・行動・人格の各軸)
  • 他覚的所見の記載があるか(画像所見・神経学的検査・筋電図等)
  • 既往症がある場合、既存障害と業務起因の障害が明確に切り分けられているか
  • 労災固有の評価軸(障害等級認定基準)に沿った記載になっているか
  • 労働能力喪失への影響に関する記載があるか

2-2. 主治医への追記依頼の具体的手法

ブライトの実務では、「カルテに書かれているはずなので、診断書の追記をご相談しましょう」「MRIやCTの画像所見があれば書いてもらった方がいい」と主治医に具体的に依頼する手順を定型化しています。

  • カルテ記載と診断書記載の突合チェック(カルテにあるが診断書にない記載を抽出)
  • 画像所見の引用(放射線科読影レポートの取り寄せと診断書への反映依頼)
  • 必要に応じて他科の意見書取得(整形+脳神経+精神科等)
  • 専門医意見書(主治医とは別の専門医による意見)

主治医にとっては診断書の追記は手間ですが、依頼の仕方や必要資料の準備によって負担を最小化できます。これが弁護士の腕の見せ所です。

2-3. 症状固定時期の主導権を主治医側に置く

労基署側から「そろそろ症状固定では」と打診されることがありますが、症状固定時期は主治医の判断が原則です。十分な治療を受けないまま症状固定とすると、残存症状の評価が低くなり、結果として等級が下がる原因になります。

ブライトでは、症状固定時期について労基署任せにせず、主治医と相談しながら適切なタイミングを見極める運用を取っています。

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3. 等級認定後に不満があるとき|再審査請求の手順

3-1. 不服申立ての3段階

等級認定や不支給(非該当)決定に不満がある場合、労災給付の不支給決定と同じ3段階の不服申立てが利用できます。

  • 第1段階:審査請求(労働者災害補償保険審査官、3ヶ月以内)
  • 第2段階:再審査請求(労働保険審査会、2ヶ月以内)
  • 第3段階:行政訴訟(地方裁判所、6ヶ月以内)

後遺障害等級の不服は、業務起因性そのものの争いより「医学的評価」の論争になることが多く、専門医の意見書や追加の医学的検査結果がカギを握ります。

3-2. 再審査請求段階で重要なこと

労働保険審査会(再審査請求の判断機関)は3名の合議制で、専門医の参与意見を取得することも可能です。第1段階(審査請求)よりも手続きが充実しており、複雑な医学判断を要する事案ではここで判断が覆る確率が比較的高いとされています。

  • 新たな主治医意見書・専門医意見書の追加提出
  • 追加検査結果(神経心理学的検査・脳血流SPECT・電気生理学的検査等)
  • 本人・家族の陳述書(日常生活上の支障・労働能力への影響)
  • 同種事案の認定例・裁判例の引用
  • 公開審理での口頭意見陳述

3-3. 調査復命書の開示請求で論点を特定

再審査請求の準備にあたっては、労働局に対する「保有個人情報開示請求」で調査復命書を取り寄せ、認定の根拠資料を確認することが不可欠です。

  • 地方労災医員がどの医学資料に基づいて意見を述べたか
  • カルテ・画像所見が十分に検討されたか
  • 適用された障害等級認定基準
  • 本人面談での所見記載

これにより、「どこの医学的評価を覆せば等級が上がるか」が明確になります。漠然とした不服申立てではなく、ピンポイントの反論が可能になります。

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4. ブライトの実例|労災後遺障害の等級獲得・逆転事例

事例A:60代男性/中小企業勤務(高次脳機能障害5級獲得)

業務上の高血圧脳症によるとみられる高次脳機能障害+癲癇+身体機能障害の重度残存症状が出現したケースです。当初の労基署判断では症状の評価が不十分で、等級も低位のものしか認定されない方向でした。

ブライトでは、まず労働局への保有個人情報開示請求で調査復命書を取り寄せ、認定根拠資料一式を検証。地方労災医員の意見が、高次脳機能障害の認知障害だけを評価し、癲癇発作・身体機能障害の網羅的評価がなされていないことを特定しました。

主治医とのやりとりで後遺障害診断書の補強(脳症・癲癇・画像所見の追記)を実施。認知機能・行動・人格・身体機能の各軸を網羅した医学評価を整備し、最終的に後遺障害5級相当の認定を獲得しました。

並行して、症状固定後の会社からの「部署変更・給与変更辞令」に対し、復職せず退職する方針で対応。会社の安全配慮義務違反追及にも展開しました。

事例B:50代男性/製造業勤務(下肢骨折・等級獲得後の差額賠償)

業務中に重機に巻き込まれて下肢を骨折し後遺障害認定を受けたものの、等級内訳について依頼者・ご家族が不満を持っていたケースです。

ブライトでは、可動域制限・筋力低下・しびれの評価不足を指摘し、主治医による補充意見書を取得。再審査請求は要しないと判断したものの、会社賠償(安全配慮義務違反)の段階で労災給付ではカバーされない逸失利益・慰謝料・近親者慰謝料を上乗せ請求し、賠償の総額を確保しました。

事例C:30代女性/介護職(腰部障害・非該当からの逆転)

移乗介助で腰部を負傷し、症状固定後の障害補償給付請求で当初「非該当」とされたケースです。神経学的所見と画像所見の不一致が理由でした。

ブライトでは、開示請求で得た調査復命書を分析し、地方労災医員がカルテ記載の神経症状を十分に評価していないことを特定。主治医に対し、神経症状に関する追加意見書の作成と、画像所見との突合説明を依頼しました。

再審査請求段階で14級相当の認定を獲得。その後、施設側の安全配慮義務違反(夜勤帯の人員配置・移乗介助マニュアルの不備)による損害賠償請求にも展開しています。

5. ブライトの強み|後遺障害認定獲得のためのノウハウ

5-1. 後遺障害診断書の事前チェック・補強

「障害給付の診断書は労基署提出前に弊所まで」を運用ルール化。カルテとの突合・画像所見の引用・労災固有の評価軸への対応を実施し、最初の診断書段階で勝負を決める設計です。

5-2. 主治医連携

主治医への追記依頼の手順、専門医意見書の取得ルート、画像鑑定の依頼先などを所内で共有。医師の負担を最小化しつつ、認定に必要な医学的記載を確保します。

5-3. 調査復命書の保有個人情報開示請求

労働局への開示請求書テンプレ、依頼者向け案内文、郵送と窓口の両運用までマニュアル化。認定根拠資料を取り寄せて自ら検証する手法を標準化しています。

5-4. 再審査請求での逆転実績

第1段階の審査請求では覆らなかった事案を、第2段階の労働保険審査会で逆転獲得した実績があります。追加証拠の戦略的提出と公開審理での口頭意見陳述を組み合わせます。

5-5. 労災給付+会社責任追及の二本立ての請求

後遺障害等級獲得後は、会社の安全配慮義務違反による損害賠償請求に展開。労災給付ではカバーされない慰謝料・逸失利益の差額・将来介護費・近親者慰謝料を取り戻します。

5-6. 着手金ゼロ・実費予納金のみで労災給付請求を引受け

労災給付請求(認定獲得・等級認定)は着手金ゼロ・実費予納金のみで受任。経済的に追い詰められた段階でも初期費用の心配なく依頼可能です。

5-7. 弁護士役割分担による品質確保

  • 和氣良浩弁護士:受任可否・所内方針決定
  • 松本洋明弁護士:実働(主治医対応・医学的証拠収集・労基署対応)
  • 笹野皓平弁護士:訴訟・難件の二次決裁

5-8. 住所秘匿運用

会社とのトラブルや家庭事情で住所を相手方に知られたくない場合、茶封筒・差出人名のみ・郵便局留めの郵送運用に対応します。

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6. こんな方は今すぐ弁護士相談を

  • 労災後遺障害の認定通知が届き、等級に納得できない
  • 「非該当」決定が届いた
  • 3ヶ月の審査請求期限が迫っている
  • 主治医に後遺障害診断書を書いてもらう前で、何を書いてもらうべきか分からない
  • 高次脳機能障害・脳症・癲癇など、評価軸が複雑な後遺障害がある
  • 労基署から「症状固定」と言われたが、まだ治療効果がある気がする
  • 労災等級は出たが、会社にも損害賠償を請求したい

不服申立ての期限は厳格です。後遺障害認定通知を受け取ったら、まずは無料相談で対応方針を確認することをおすすめします。

7. ご相談から受任までの流れ

  • お電話・LINE・LPフォームからご連絡
  • パラリーガルが事案概要・現在の進捗を簡単にヒアリング(約15分)
  • 担当弁護士による無料相談(オンライン可・約30〜60分)
  • ご依頼の場合は委任契約、即日で開示請求書・主治医依頼書の準備に着手

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8. ご相談時にお手元にあると話が早い書類

  • 労災後遺障害の認定通知書(または進行中の障害補償給付請求書類)
  • 後遺障害診断書(主治医が作成したもの)
  • 診療情報提供書・カルテ写し(取り寄せ済みの場合)
  • MRI・CT・レントゲン等の画像データ・読影レポート
  • 労災給付の支給決定通知(療養補償・休業補償等)
  • 会社からの通知書・労働条件通知書
  • 事故・発症の経緯メモ(時系列)

9. まとめ

労災の後遺障害等級は、提出する後遺障害診断書の内容と、提出後の不服申立て対応で結果が大きく変わります。「非該当」「等級が低い」と決定されても、再審査請求・行政訴訟で覆る可能性があり、ブライトでも逆転獲得の実績が複数あります。

カギとなるのは、調査復命書の開示請求で認定根拠を特定し、主治医・専門医と連携して医学的証拠を補強することです。さらに、認定獲得後は会社責任追及に展開し、労災給付ではカバーされない慰謝料・逸失利益の差額を取り戻す道筋もあります。

不服申立ての期限は厳格で、最初の不支給・低位認定の通知を受け取った時点から動き出さなければ間に合いません。「この等級では生活できない」と感じた段階で、まずは無料相談をご利用ください。弁護士法人ブライトは、後遺障害等級獲得から会社責任追及まで、一貫した戦略で被害者・ご家族を支援します。

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笹野 皓平弁護士

笹野 皓平 パートナー弁護士

労災事案の訴訟・難件の主担当。過労死・過労うつ(精神疾患)・脳心臓疾患労災・死亡労災の遺族補償と会社責任追及・重度後遺障害(5級以上)認定を一貫して担当。

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和氣 良浩 代表弁護士

弁護士法人ブライト代表。労災・交通事故で、高度・複雑な事案を担当。

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事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

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