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📝 この記事の3秒結論
- 労働安全衛生法100条違反の犯罪行為、50万円以下の罰金
- 社名公表のリスクあり、公共工事入札にも影響
- 労基署への通報窓口あり(匿名可、報復禁止)
- 労災かくしで労災給付を受けられなかった被災労働者は、別途会社に損害賠償請求可能
「労災かくし」とは
事業者は、労働災害等により労働者が死亡又は休業した場合には、遅滞なく、労働者死傷病報告等を労働基準監督署長に提出する必要があります。
事業者が労災事故の発生をかくすため、労働者死傷病報告(労働安全衛生法第100条、労働安全衛生規則第97条)を、
(1)故意に提出しないこと、
(2)虚偽の内容を記載して提出した場合
には、「労災かくし」に当たります。
また、(2)の虚偽の内容の記載とは、一部虚偽の場合も含まれ、労災事故の日付、場所、主体等について虚偽の内容を記載するものも「労災かくし」です。
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「労災かくし」は犯罪です
上記のとおり、事業者は労働災害が発生した場合、遅滞なく労働者死傷病報告等を所轄労基署に提出する必要があり、「労災かくし」が行われた場合には、50万円以下の罰金刑が科される可能性があります(労働安全衛生法120条5号)。
このように、「労災かくし」は犯罪であり、刑事罰が科せられる可能性もあるのです。
なお、「労災かくし」による労働安全衛生法違反の公訴時効は3年ですので、事業者を告発することなどを考えている場合には、時効期間が経過しないよう注意する必要があります。
事業者が労災申請に協力してくれない場合には
労災給付を受けるためには、労働者またはその遺族が、医療機関や管轄の労働基準監督署に対して所定の保険給付請求書を提出する必要がありますが、当該請求書の用紙において、事業者に労働災害が発生した事実を証明してもらう必要があります。
そして、労働者災害補償保険法施行規則上、「保険給付を受けるべき者が、事故のため、みずから保険給付の請求その他の手続を行うことが困難である場合には、事業主は、その手続を行うことができるように助力しなければならない。」(第23条1項)「事業主は、保険給付を受けるべき者から保険給付を受けるために必要な証明を求められたときは、すみやかに証明をしなければならない。」(第23条2項)と定められており、事業者は労働者またはその遺族の求めに応じて、労災の手続きに協力する義務を負います。
しかしながら、事業者が「労災かくし」を行っているなど、労災の手続きに際して事業者の協力が得られない場合には、証明をもらえなかった事情を述べた文書を添えることで、事業者の証明を得ずに労災申請を行うことも可能です。
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労災給付と事業者への損害賠償請求
上記の通り、事業者の協力が得られなくても、労災申請を行うことができ、労災給付を受けることができます。
もっとも、労災保険では休業損害の全額の補償や慰謝料の支払いは受けられません。それらの支払いを受けるためには、事業者に対して別途損害賠償請求をする必要があります。
事業者側に損害賠償請求ができる場合とは
使用者等は被用者との間の労働契約に基づいて、労働者の生命・健康を危険から保護するよう配慮する義務(安全配慮義務)を負います。使用者等の安全配慮義務違反により災害・傷病等が発生した場合には、使用者等は労働契約上の債務不履行に基づく損害賠償責任や、民法上の不法行為責任を負うことになります。
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関連記事:労災(労働災害)とは?弁護士がわかりやすく解説(労災が起こった時の会社の責任)
刑事記録が利用できる場合も
事業者が「労災かくし」により刑事処罰を受けた場合には、捜査機関により労災事故に関する刑事記録が作られます。
通常、労災事故に関する資料の大半は事業者のもとにあり、労働者が事故状況を正確に把握することや資料を収集することは困難ですが、捜査機関の作成した刑事記録の開示を受けることで、捜査機関により収集された資料を事業者への請求の準備等に利用することができます。
当事務所が過去に扱った事例においても、「労災かくし」により罰金刑を受けた事業者に対して損害賠償請求を行う際に、事故に関する資料の収集のために、刑事記録の開示手続を行ったものもあります。
また、損害賠償請求に加えて、「労災かくし」について事業者の告発を行うことも考えられます。
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労災かくしによくある手口
「労災かくし」は、事業者が労働災害の発生を隠蔽するために行う不当な行為で、現場では以下のような手口で行われることが少なくありません。労働者として被害に気づくためにも、典型的なパターンを把握しておく必要があります。
手口1:労災事故を「私傷病」として処理する
業務中・通勤中の負傷であるにもかかわらず、会社が「業務外の事故」「自宅で転んだことにしてほしい」などと申し向け、私傷病扱いとして健康保険で治療を受けさせるパターンです。これは労災給付の請求権を奪うだけでなく、後の損害賠償請求の証拠も曖昧になるため、特に注意が必要です。
手口2:労働者死傷病報告を提出しない・虚偽記載する
労働者が休業4日以上となる労災事故では、労働者死傷病報告を労働基準監督署に提出する義務があります(労働安全衛生法第100条)。報告を意図的に怠ったり、事故日・場所・経緯について虚偽の記載をすると「労災かくし」に該当します。
手口3:事業主証明の拒否や口止め
労災申請には会社の事業主証明が必要となるため、これを拒否することで事実上労災申請を妨害するケースもあります。また、「労災にすると会社が困る」「次の契約に響く」などと労働者を心理的に追い詰め、労災申請を諦めさせる例も報告されています。
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労災かくしに気づいた労働者ができる対処法
会社が労災を隠そうとしていると感じた場合でも、労働者には自らの権利を守るための手段があります。以下の3ステップを早期に踏むことが重要です。
ステップ1:証拠を確保する
事故発生日時や状況を記録したメモ、医療機関の診断書・カルテ、現場の写真、目撃者の連絡先、会社とのやり取り(メール・LINE・録音)など、労災事故の発生を客観的に裏付ける資料を確保しましょう。後の労災申請や損害賠償請求でも、これらの証拠が決定的な意味を持ちます。
ステップ2:労働基準監督署に相談・申告する
会社の協力が得られなくても、労働者は自ら労働基準監督署に労災申請を行うことができます。事業主証明欄を空欄のまま提出し、別途「事業主の証明拒否理由書」を添付すれば、労働基準監督署が会社に対して直接調査を行います。労災かくしの疑いがある場合は、その旨もあわせて申告することで、行政指導や処罰の端緒になります。
ステップ3:弁護士に早期相談する
労災かくしのケースでは、会社との交渉、労災申請の手続き、安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求、刑事告発など、複数の対応を並行して進める必要があります。労働者個人で行うには負担が大きいため、労災事故の経験が豊富な弁護士に早期相談することで、最も有利なルートを選択できます。
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労災かくしに関するよくある質問
Q. 労災かくしを通報すると、会社にバレますか?
労働基準監督署への申告は実名・匿名のいずれでも可能です。労災申請を行えば調査の過程で会社にも事実関係が伝わりますが、労働者には労働基準法等で不利益取扱いの禁止が定められており、報復的な解雇や降格は違法となります。
Q. 既に健康保険で治療を受けてしまった場合でも労災に切り替えられますか?
業務上・通勤中の負傷であれば、健康保険から労災保険への切替は可能です。ただし切替には所定の手続きが必要となるため、できるだけ早く労働基準監督署や弁護士に相談することをおすすめします。
Q. 退職後でも労災申請はできますか?
労災給付の請求権は、療養補償給付・休業補償給付ともに2年(年金給付は5年)の消滅時効があり、その期間内であれば退職後でも申請可能です。退職を理由に会社が証明を拒んでも、上記の通り労働者単独で申請手続きを進めることができます。
労災の相談は弁護士法人ブライトへ
弁護士法人ブライトでは、「労災かくし」の被害に遭われている方について、事業者に損害賠償請求を行う事件も数多く受任してきました。
事業者に対する責任追及を行うことや、「労災かくし」を行う事業者の刑事告発、刑事記録の開示等を行うためには、弁護士の専門的な知識が不可欠となります。
我々弁護士法人ブライトでは、労災事故専門部があり、労災被害に遭われてお困りの方については、無料相談をお受けしいています。
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