調整率
調整率とは
調整率とは、労災保険の年金給付と厚生年金・国民年金の年金が同一の事由で併給される場合に、労災保険の年金額を減額するために用いられる率のことです。
たとえば、業務災害で障害が残り、労災の障害補償年金と厚生年金の障害厚生年金の両方を受けられる場合、両方を満額受け取ると、被災前の賃金を上回る過剰な補償となってしまいます。そこで、社会保険側は満額支給としたうえで、労災保険側の年金に調整率を乗じて減額する仕組みがとられています。
調整の仕組み
- 減額されるのは労災保険の年金側で、厚生年金・国民年金は全額支給されます
- 調整率は、併給される年金の組み合わせ(障害厚生年金のみか、障害基礎年金も併給か等)に応じて政令で定められています
- 調整後の労災年金額が、調整前の額から社会保険の年金額を差し引いた額を下回らないよう、最低保障があります
調整の対象となる給付
障害(補償)年金、遺族(補償)年金、傷病(補償)年金が対象です。特別支給金(障害特別年金・遺族特別年金など)は調整の対象外で、全額支給されます。
実務上の注意点
労災年金と社会保険年金の両方を受給する場合、どちらにどのような手続きが必要か、調整後の受取総額がいくらになるかは複雑です。受給額に疑問がある場合は、年金事務所・労基署への確認とあわせて、専門家に相談することをおすすめします。
労災の損害賠償請求について詳しくは、重篤な労働災害の損害賠償請求もあわせてご覧ください。
