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交通事故で骨盤骨折を負ったら?後遺症や慰謝料について弁護士が解説

歩行中などに自動車に衝突されて腰やお尻を強打し、骨盤骨折をすることがあります。骨盤骨折を負うと、後遺症が残ってしまう可能性があり、その場合、正確な認定を受けることが必要です。
ところが、医師や保険会社とのやりとりがうまくいかないと、適正な賠償を受けられなくなってしまいます。
ここでは、交通事故で骨盤骨折を負ってしまった場合の後遺症や慰謝料について解説します。
骨盤骨折を負ってしまい、賠償を請求したいがどのようにすればよいかわからないという方はぜひ最後までお読みください。

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骨盤骨折とは?

骨盤骨折とは、骨盤を構成している尾骨・寛骨・仙骨といった骨に、強い衝撃が加わることで起こる骨折です。
骨盤は上半身と下半身をつなぐ重要な箇所であり、骨折してしまうと激しい痛みが生じるだけでなく、大量の出血や臓器の損傷を伴うこともあります。
交通事故の場合、歩行中や、自転車・バイクの走行中といった、腰やお尻の保護が不十分な状態で自動車に衝突されたケースで発生しやすいです。

治療の流れと休業補償について

骨折が軽度の場合は保存療法がとられますが、重度であれば手術や、器具による骨盤の固定が必要になります。
交通事故で骨盤骨折を負った場合、入院や通院に必要な治療費は相手方の保険会社が代わりに支払います。
治療費のほかにも、事故により仕事を休まざるを得なかった場合の休業損害についても請求可能です。
勤務先の担当者に依頼して休業損害証明書に必要事項を記入してもらい、保険会社に提出しましょう。
もし、入院や通院のために有給を取得していれば、その分についても補償されます。

症状固定はいつ頃にした方が良いですか?

治療が進むと、やがて症状固定と呼ばれる段階になります。
症状固定とは、医学的にみてそれ以上治療しても症状が改善しない状態のことをいいます。
症状固定とされると、その後の治療費は自分で負担しなければなりません。
保険会社は、治療費の支払いを打ち切るために症状固定を主張してくることがあります。
しかし、症状固定時期を判断できるのは保険会社ではなく医師です。
保険会社の言いなりにならずに、医師に相談して、医学的に適切な時期に症状固定とするようにしましょう。
関連記事:症状固定とは?最適なタイミングやポイントを弁護士が解説

骨盤骨折による後遺障害の種類と認定される等級

交通事故によるケガで後遺障害が残ってしまった場合、その程度に応じて1級~14級の等級が認定されます。
等級の数字が小さいほど重い障害を意味します。骨盤骨折によって生じる後遺障害と等級は以下の通りです。

障害の種類 認定される等級

変形障害(骨盤の変形)

12級

運動障害(股関節の可動域の制限)

8級、10級、12級

神経症状(痛みやしびれ)

12級、14級

正常分娩困難

11級

変形障害(骨盤の変形)

骨盤の骨折した部分がつながる際に元の状態にならず、変形してしまった場合変形障害とされる可能性があります。
裸になったときに、目で見て明らかにわかる程度にまで変形していると、変形障害として後遺障害12級が認定されます
外見からは変形が分からない場合には後遺障害としては認められません

運動障害(股関節の可動域の制限)

骨盤骨折の影響で、股関節を動かせる範囲(可動域)が狭くなってしまうことがあり、その程度によっては運動障害として後遺障害が認定されます。
認定される等級は以下の表の通りです。
人工関節をつけている場合には、通常の場合に比べて等級が重くなります

等級 通常の場合 人工関節の場合

8級

可動域が10分の1以下に制限

人工関節をつけても可動域が2分の1以下に制限

10級

可動域が2分の1以下に制限

人工関節をつけて可動域が2分の1超

12級

可動域が4分の3以下に制限

神経症状(痛みやしびれ)

骨盤骨折により神経が圧迫されたり損傷したりすることにより、痛みやしびれといった神経症状が残ることがあります。
認められる等級は12級または14級です。
MRIなどの画像からしびれのある部分の神経への圧迫が客観的にわかる場合には、12級が認定されます。
画像からは明らかでないものの神経症状がある場合には、14級が認定される可能性があります。

正常分娩困難

女性の場合、骨盤骨折による変形の影響で産道が狭くなってしまい、正常な分娩が困難になってしまうことがあります。
産婦人科での検査が必要になりますが、後遺障害として認められれば11級となります。

骨盤骨折後の後遺障害慰謝料と逸失利益

後遺障害が認定された場合、治療費や休業損害などとは別に後遺障害が残ってしまったことによる精神的苦痛について後遺障害慰謝料を請求することができます。
さらに、逸失利益も請求できます。これは、後遺障害によって事故前と同様に働くことができなくなり、将来得られるはずだった収入が得られなくなった分の補償です。

後遺障害慰謝料の金額

後遺障害慰謝料の金額には、「自賠責基準」、「任意保険基準」、「裁判基準」の3つの基準があります。
それぞれの内容は以下のとおりです。

基準 内容

自賠責基準

自賠責保険に請求した場合に受け取れる最低限の基準

任意保険基準

相手方の任意保険会社が支払う際の基準

裁判基準(弁護士基準)

裁判をした場合に受け取れる基準

金額は、「自賠責基準<任意保険基準<裁判基準」の順に大きくなります
任意保険基準は保険会社により異なりますが、自賠責基準と裁判基準は以下のとおりです。

等級 自賠責基準(※) 裁判基準

8級

331万円(324万円)

830万円

10級

190万円(187万円)

550万円

11級

136万円(135万円)

420万円

12級

94万円(93万円)

290万円

14級

32万円

110万円

※2020年(令和2年)3月31日以前に発生した事故の自賠責基準は()内の金額になります。

逸失利益の金額

逸失利益は、「1年あたりの基礎収入」×「労働能力喪失率」×「労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で算出されます。
1年あたりの基礎収入は、事故前の収入が基準になります。
専業主婦(主夫)で収入がない場合でも、女性の平均賃金を基準とした逸失利益が請求可能です。
学生や子供についても、平均賃金を基準に請求できます。
労働能力喪失率は、後遺障害等級によって異なります。

等級 労働能力喪失率

8級

45%

10級

27%

11級

20%

12級

14%

14級

5%

労働能力喪失期間とは、事故後に労働できるはずだった年数です。
具体的には、症状固定日から67歳になるまでの年数になります。
この期間に対応する「ライプニッツ係数」をかけあわせます。これは、中間利息控除という考え方に基づくものです。
逸失利益は、労働能力喪失期間に得られるはずであった収入を賠償金として事前に一括で受け取るものです。
単純に労働能力喪失期間の年数をかけあわせてしまうと、受け取ってから生じる利息分については、必要以上に受け取ってしまうことになります。
そこで、利息分についてはあらかじめ除いて賠償金を計算することとなっています。これが中間利息控除です。現在は、年利を3%として中間利息控除がなされています。
中間利息控除計算を簡単に行うために「ライプニッツ係数」というものがあります。国土交通省が示しているものを参照してください。

例えば、年収600万円、後遺障害12級、症状固定時の年齢40歳の場合の逸失利益は、
600万円×14%×18.327=約1539万円
となります。

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後遺障害認定までの流れと注意点

骨盤骨折を負って何らかの後遺症が残ってしまった場合、正確に後遺障害認定を受け、適正な賠償を請求しなければなりません。
なんとなく流れに従って請求してしまうと、適切な認定を受けられなくなってしまいますから注意点をしっかりとおさえておきましょう。

後遺障害診断書を正確に書いてもらう。

後遺障害の請求には、医師に「後遺障害診断書」という書類を書いてもらう必要があります。
後遺障害診断書には書式がありますので、保険会社などから入手してください。
後遺障害診断書の記入に慣れていない医師もいますので、以下の点に注意して正確な診断書を作成してもらいましょう。

骨盤骨折が原因で後遺症が生じていることを医師に記載してもらう。

必ず、骨盤骨折が原因で後遺症が生じていることを記載してもらいましょう。
例えば、「原因不明」といった記載をされてしまうと、交通事故によって後遺障害が生じたと証明できなくなってしまいます。
交通事故との因果関係がないと判断されないよう、明確な表現にしてもらいましょう。後に争いが生じた場合にも証拠になります。

可動域制限が残ったら、正確な測定と記載をしてもらう。

骨盤骨折によって股関節の可動域制限が残った場合には正しい方法で制限の程度を測定してもらい、診断書に記載してもらいましょう。
医師であっても、正しい方法への十分な理解がなく、誤った測定をしてしまうケースがあります。
後遺障害の認定においては書面上の数字が全てになりますので、必ず正確に測定・記載してもらうようにしてください。
測定方法に関しては、交通事故に精通した弁護士などの専門家に相談して確認するとよいです。

変形障害はレントゲン、CT画像で事前に主治医の意見をもらっておく。

変形障害の場合には、レントゲンやCTの画像により、変形があることについて主治医に事前に確認をとっておきましょう。
認定のためには、変形が確認できる旨の記載と画像による裏付けが必要です。
事前に画像による確認をとっておくと診断書作成を依頼する際にスムーズに進みます。

痛みやしびれは後遺障害診断書の自覚症状欄に具体的に記載してもらう。

痛みやしびれといった神経症状は、診断書の自覚症状欄に具体的にもらすことなく記載してもらいましょう。
特に画像による裏付けが不十分な場合には重要になります。
自覚症状は本人にしかわかりませんので、痛みの状況や生活への支障を医師にしっかりと伝えてください。
具体的な記載があると、どのような症状があるかが認定判断をする人にも伝わります。
また、後遺障害と認定されるためには常に症状が継続していることが条件になります。
例えば雨の日に特に痛みが出る状態だとします、その時に「天気が悪いと痛みが出てくる」という表現をしてしまうと天気が悪いときにしか痛みがないのだと判断され認定がなされなくなってしまいます。
「ずっと痛みがあって、天気が悪いと特に痛みが出てくる」のように、言い方を工夫してください。

保険会社ではなく、被害者請求で申請する。

後遺障害申請には相手方の保険会社を通じて行う「事前認定」と、自身で書類を集めて請求する「被害者請求」の2種類の方法があります。
後遺障害の認定のためには、必ず被害者請求で申請してください。
たしかに、事前認定は保険会社に任せていればよいため手間はかかりません。
しかし、保険会社は支払額を抑えたいため後遺障害認定の獲得には消極的です。
どのような書類を提出するかをコントロールできないため、認定されづらくなってしまいます。
したがって、自身で認定に必要な書類を準備できる被害者請求の方法をとりましょう。
ただ、必要書類を集めるのは手間がかかりますし、どのようにすれば認定されるのかは簡単にはわかりません。
弁護士は書類の収集や申請手続を代行しますので、相談してみるとよいでしょう。

等級認定に納得できなかったら異議申立てを行う。

後遺障害認定を申請したものの、非該当となってしまったり思っていたより軽い等級が認定されてしまったりするケースもあります。
その場合、異議申立ての手続をとることができます
もっとも、同じ書類を提出しても結果は変わらないので、追加の証拠が必要です。
自身でどのような証拠が必要かを判断して用意するのは難しいです。専門家である弁護士の手を借りることも検討してみてください。

骨盤骨折を負ったとき、保険会社との交渉についての注意点

治療費・休業損害の支払い打切りを早い段階で行ってくる。

保険会社は、症状固定になったと主張して早期に治療費や休業損害の支払い打切りを宣告してくることがあります。
症状固定は保険会社が決められるものではなく医師が判断するものです。
医師の見解を聞き、まだ症状改善の余地があるということであれば、安易に保険会社の主張を受け入れないようにしましょう。

休業損害、付添介護費用などの支払い自体を拒否してくる。

休業損害や付添介護費用などの支払義務がないとして、支払い自体を拒否してくることもあります。
例えば、「主婦(主夫)は収入がないので休業損害は発生していない」「付添の必要があるような状態ではなかった」などと主張するのです。
保険会社は、本来は賠償として認められるような状況であっても、支払額を抑えるために一切認めないとの対応をすることがあります。
保険会社の主張が法的に正しいとは限りませんので注意してください。

慰謝料、逸失利益など裁判基準での賠償に応じない。

症状固定となると、保険会社が示談案を提示してきます。
示談案に記載されている慰謝料や逸失利益などは、任意保険基準によって算出されたもので裁判基準と比べると低額に抑えられていることがほとんどです。
本来は裁判基準で賠償すべきであるのにもかかわらずご自身で交渉していると、裁判基準の金額が支払われることはほぼありません。
弁護士に相談して、適正な示談案なのかを判断してもらいましょう。

骨盤骨折事案で弁護士に相談・依頼するメリットと弁護士費用

骨盤骨折は後遺障害が残るケースもあり、賠償額が高額になりやすいので弁護士に依頼するメリットが大きいです。
弁護士費用についても、着手金がかからず成功報酬としている場合もあるので、費用倒れになる心配は少ないです。
さらに、弁護士費用特約に加入していれば実質負担なく依頼できます。

治療費、休業損害の支払いを適切に請求できる。

弁護士に依頼すれば、治療中からサポートがつきます。
治療費や休業損害といったすぐに必要となる金銭についても適切に請求し受け取ることが出来ます。
お金の心配をせず、治療に専念することができるのです。
少しでも不安があれば、治療中の段階であっても弁護士に相談してみるとよいでしょう。

症状固定、治療費打切りに対応してくれる。

上で述べたとおり、保険会社は早期に症状固定を主張し治療費の打切りを宣告してくることがあります。
弁護士は医師にも確認しながら、症状固定・治療費打切りの時期について保険会社と交渉をして必要な治療を受けられるようにします。

後遺障害の等級を適切に獲得してくれる。

弁護士は被害者請求による後遺障害申請も行います。
後遺障害診断書については、認定のポイントを踏まえて医師に伝えるべき内容をアドバイスします。
完成した診断書の内容を確認し、不足があれば医師に修正をお願いすることも可能です。
その他の必要書類の収集も任せられるので、負担を大幅に軽減できます。
弁護士に依頼すれば、手間を抑えて適正な等級の認定を受けられるのです。

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