電話で相談する LINE相談

基礎知識

KNOWLEDGE

後遺障害12級とは?慰謝料相場や認定のポイントを弁護士が解説

交通事故の被害者から、後遺障害12級に関するご相談が多く寄せられます。特にむち打ち症で後遺障害12級の認定を受けるにはいくつかのハードルがあります。本記事では、後遺障害12級の具体的症状、慰謝料や賠償金の中身を明らかにし、認定を受けるまでの手順をわかりやすく解説します。

電話での無料法律相談はこちら

後遺障害12級とは

後遺障害12級は正式には後遺障害等級12級といいます。
交通事故の被害によって体に後遺症が残ってしまい、事故以前のように働けなくなってしまう事があります。
以前と同じように働けなくなったことが法的に認められると後遺障害があると言えます。
被害の程度によって後遺障害は大きく1~14の等級に分けられており、このうちの一つが後遺障害等級12級です。

後遺障害12級に該当する症状

後でより詳しく解説しますが後遺障害12級と判断される症状は

  • 顔に傷跡が残った
  • 片手の小指がなくなってしまった
  • むち打ち症

などです。

後遺障害12級の認定率

後遺障害12級が残っていることを理由に慰謝料を受け取るためには後遺障害があることを申請して、それが認定される必要があります。
関連記事:後遺障害認定を受けるには?申請の方法やポイントを弁護士が解説
そして申請すれば必ず認定されるわけではありません。
損害保険料算出機構が発表している自動車保険の概況(2020年度版)によると2019年度では1,226,754件の損害調査受付に対して後遺障害が認定されたのは52,541件と認定率は約4%です
もちろん、申請の中にはおよそ認定される可能性が無いようなものもあるでしょうがそれでも認定率は高いとは言えません。
後遺障害認定を受けるためには様々な書類を準備する必要があるため詳しい弁護士に依頼するのが賢明でしょう。

後遺障害12級の慰謝料相場

後遺障害12級の認定を受けた場合、賠償金は

  • 弁護士基準:290万円
  • 任意保険基準:保険会社によって異なる
  • 自賠責基準:93万円

となります、弁護士基準・任意保険基準・自賠責基準とは

  • 弁護士基準:裁判で争うときに使われる基準
  • 任意保険基準:保険会社独自の基準
  • 自賠責基準:加入が義務付けられている自賠責保険で定められている基準

です。
最も高額な弁護士基準で請求するのが被害者にとって一番良いのですが多くの方はこの基準の存在を知らずに損をしてしまいます。

素因減額により賠償金が減ることがある

被害者に症状を引き起こす要因があった場合賠償金が減額されます。
これを、素因減額と言います。
たとえば、過去に骨折をしていてそれが交通事故で悪化したなどの場合は賠償金が減額される恐れがあります。

後遺障害12級の逸失利益

後遺障害12級の逸失利益は被害者の年齢や収入によって大きく変わります。
まずは逸失利益の計算方法についてご理解ください

逸失利益とは


交通事故により死亡や後遺障害の被害をうけて働けなくなり、将来得られたはずの収入が失われます。この失われた収入を逸失利益といいます。後遺障害を認定された被害者は加害者側(保険会社)に対し、逸失利益の賠償を求めることが可能です。

逸失利益は下記の計算式で算出します。

1年あたりの基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数
=逸失利益


1年あたりの基礎収入

年収のことで通常は事故日前年の収入を基礎収入とします。基礎収入の基準は以下の通りです。

・給与所得者(会社員)
事故日前年の源泉徴収票に記載されている年収になります。
・自営業者
事故日前年の確定申告額や納税証明書に記載されている年収になります。
・専業主婦
毎年厚生労働省から公表される「賃金センサス」の女性労働者の全年齢平均賃金から計算した数値が基準となります。パートで働いている場合、バート年間収入と賃金センサスで算出された数値のいずれか高い方が基準になります。
・学生
毎年厚生労働省から公表される「賃金センサス」の男女別全年齢平均賃金から計算した数値が基準になります。

後遺障害12級の労働能力喪失率

労働能力喪失率とは、交通事故の後遺障害により労働能力が喪失した割合です。後遺障害12級の場合の労働能力喪失率は14%に定められています。

労働能力喪失期間に対するライプニッツ係数

労働能力喪失期間とは、将来いつまで労働できないかを年ベースで算出した数値です。
原則、症状固定日(これ以上治療を継続しても改善が見込めないと医師から診断された日)から67歳までの期間とされています。
またライプニッツ係数は、逸失利益で将来の金銭を前倒しで一括受け取り可能なため、受取予定額から将来発生する利息を差し引いて計算された数値です。

<出典元>国土交通省 就労可能年数とライプニッツ係数表
https://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/04relief/resourse/data/syuro.pdf

後遺障害12級が認定された場合の賠償金の試算例

では実際に慰謝料などを含めた後遺障害12級の賠償金はどのように計算するのでしょうか。交通事故で下記のような被害にあわれた被害者Aさんの事例で解説します。

<被害者Aさん>
・事故日:2020年4月20日(追突事故、加害者の過失100%)
・年齢40歳男性(症状固定日時点)、自営業、2019年の年収1,200万
・休業期間:3か月
・入院日数:60日(2か月)
・通院日数:30日(1か月)
・示談交渉のサポートを弁護士に依頼
 

後遺障害慰謝料


弁護士がサポートしていますので、弁護士基準の後遺障害12級の慰謝料290万円が適用されます。

逸失利益


基礎収入(1,200万円)×労働能力喪失率(14%)×労働能力喪失期間(67歳まで27年間)に対応するライプニッツ係数(18.327)=3,078万9,360円

その他の賠償金


後遺障害慰謝料と逸失利益以外に、事故日から症状固定日までの期間分の下記損害についても加害者(保険会社)に賠償請求できます。
1)治療費:治療のためにかかった治療代
Aさんは50万を負担した。
2)休業損害:交通事故により収入が減少した損害
Aさん休業期間は3か月収入なし。月収100万(1,200万÷12=100万)
で、300万の休業損害となります。
3)入通院慰謝料:精神的苦痛に対する慰謝料(後遺障害慰謝料とは別に賠償請求可能)
入院2か月、通院1か月の慰謝料(弁護士基準)は、122万
4)入通院付添費:付き添いの必要があった場合対象。
Aさんは必要なかったので0円
5)入院雑費:1日1,500円で計算。
Aさんの場合1,500円×60日(入院期間)=9万円
6)通院交通費:通院するためにかかった交通費
Aさんは2万円を負担した。

賠償金合計(Aさんの場合)


・後遺障害12級慰謝料:290万円
・逸失利益:3,078万9,360円
・治療費:50万円
・休業損害:300万円
・入通院慰謝料:122万円
・入院雑費:9万円
・通院交通費:2万円
 合計賠償金:3,851万9,360円

後遺障害12級に認められる後遺症と症状(認定基準)

後遺障害12級は体の部位や症状によって1~14号までの14つに分類されています。
一つ一つ定義と具体的な症状を解説します。

後遺障害12級1号

(定義)1眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
1眼とは片方の眼です。「著しい調節機能障害」とは、遠くや近くのものを見るときのピント機能が1/2以下になる状態をいいます。また「著しい運動障害」とは、眼だけでものを追うことができる範囲(注視野)が1/2以下になる状態をいいます。
詳しく説明すると・・・・
眼球の調節機能はD(ジオプトリ―)という単位であらわされ、これをもう片方の眼や年齢別の平均的な数値と比べて判断するのです。
片方の眼の調節機能が低下している場合でも負傷していない眼の調節力が1.5D以下の場合や、55歳以上で両目を怪我しているか1眼を怪我していてもう片方の眼にも異常がある場合は調節機能が失われているとは判断されないので注意してください。
注視野についての平均は片目で各方面50度、両目で各方面45度とされていますが個人差が大きいので病院で検査してもらいましょう。

後遺障害12級2号

(定義)1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
まぶたが十分に開かずに瞳孔が隠れたままの状態になることや、まぶたを閉じた時に瞳孔や角膜を完全に隠すことができない状態をいいます。

後遺障害12級3号

(定義)7歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
歯科補綴とは折れたり、抜けてしまった歯に対して入れ歯や差し歯、ブリッジ治療などで補う処置です。
つまり、7本以上の歯が折れたりかけたりしてしまって入れ歯や差し歯をせざるを得なくなった場合は12級3号に当てはまります。
また、7本以上の歯というのは治療のために削ったり抜いたりした歯も含みます。
例えば事故で5本の歯を無くしてしまい、その治療のために3本の歯の大部分を削ったり抜いたりした場合も当てはまります。

後遺障害12級4号

(定義)1耳の耳殻の大部分を欠損したもの
耳の軟骨部分が1/2以上失った状態です。
顔の一部である耳を失うことで「外見が醜くなった」と判断されて醜状障害というものに当てはまります。
醜状障害はより重い後遺障害等級7級の12号に認定される可能性があるので弁護士に相談してみましょう。

後遺障害12級5号

(定義)鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
脊柱以外の大きな骨が骨折し、治癒した際、著しく変形をしてしまった状態をいいます。
著しい変形、と言われてもどの程度かピンとこないと思うのでわかりやすくお伝えすると「裸になった状態で目で見て変形していると判断できる」状態です。
もしレントゲン写真など見て形が変わっていても肉眼で確認できなければ著しい変形とは言えません。
また、「デスクワークなんだけど鎖骨の変形で後遺障害が認められるの?」と疑問に思うかもしれません。
たしかに、デスクワークの場合ですと鎖骨の変形で労働能力が低下しない場合が多数です。
しかし、鎖骨に著しい変形を残している時点で労働能力喪失が認められるため実際に労働に影響がなくとも後遺障害等級が認定されます。
実際の示談交渉でも揉めることが多く、理論上の賠償金より少し低い金額での示談となることも少なくないです。

後遺障害12級6号

(定義)1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
片方の上肢(肩から手首まで)の肩関節・肘関節・手首のうち、1つの関節可動域が3/4以下になった状態や、手のひらの回内・回外運動の可動域が1/2になった状態をいいます。

後遺障害12級7号

(定義)1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
片方の下肢(足の付け根から足首まで)の股関節・膝関節・足首のうち、1つの関節の可動域が3/4以下になった状態をいいます。

後遺障害12級8号

(定義)長管骨に変形を残すもの
腕の上腕骨、橈骨、尺骨や、足の大腿骨、腓骨、脛骨に変形や欠損などの障害が残る状態をいいます。

後遺障害12級9号

(定義)一手の小指を失ったもの
片方の手の小指を失った場合です。
指を失う、とは根本からなくした場合だけでなく、第二関節からなくした場合も含みます。
第一関節からなくした場合は該当しません。

後遺障害12級10号

(定義)1手の人さし指,なか指又はくすり指の用を廃したもの
用を廃したものとは


  • 片方の手の人差し指、中指または薬指の指の長さが半分になった状態

  • 第2関節より先の可動域が1/2になった状態

  • 指先の痛みや温度、あるいは触感などの感覚が完全に失われた状態


をいいます。

後遺障害12級11号

(定義)1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの又は第3の足指以下の3の足指を失ったもの
片方の足の指で、第2の足指(人差し指)にあたる指を失った状態と、人差し指にあたる指ともう1本の指を失った状態と第3の足指(中指)以下の3本を失った状態をいいます。
足指を失ったものとは、足の指が根元から全くない状態を指します。

後遺障害12級12号

(定義)1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの


  • 片方の足の親指の第1関節が1/2の長さになった状態

  • 親指以外の4本の足の指の根元から第一関節の間で切断された状態

  • 親指以外の4本の足の指の第2関節の可動域が半分になった状態


を言います。

後遺障害12級13号

(定義)局部に頑固な神経症状を残すもの
局部の頑固な神経症状とは、主にむち打ち症で、画像検査や神経学的検査結果で、医学的に証明できる状態です。

むち打ち症について


交通事故などで首に強いい力がかかったことで生じる首の痛みです。病院などでの診断名は、「頸椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」といわれています。

14級 9号「神経症状」


後遺障害14級9号は、画像検査で症状の根拠が確認できなくても、神経学的検査の検査結果しだいで認定を受けられるケースがあります。そのほかにも、交通事故と症状の因果関係、症状が事故後も一貫して継続されているがポイントとなります。

12級13号と14級9号の違い


後遺障害12級13号の認定を受けるには、症状の根拠(存在)を医学的に証明しなければなりません。症状が本人にしか証明できない(自覚症状)しかできない場合は、12級認定にはなりません。

後遺障害12級14号

(定義)外貌に醜状を残すもの
外貌(日常的に露出している頭や顔や首)に大きな傷跡が残ってしまった場合をいいます。
頭や首ニワトリの卵大より大きい傷跡が残った場合、顔に10円玉サイズ以上の傷跡や長さ3cm以上の線上の傷跡が残った場合などがあります。
傷跡には手術の痕も含まれます。
また、傷跡が残ったからと言って労働能力が下がったとは言えない場合も多いため示談交渉の際に争いになりやすいポイントでもあります。
提示された金額に疑問があるときは迷わずに弁護士に相談しましょう。

電話での無料法律相談はこちら

後遺障害12級認定までの手順と流れ

交通事故の被害で後遺症が残る状態になっても、それだけで慰謝料が支払われるわけではありません。損害保険料算出機構に後遺障害の等級認定を申請しなければなりません。では、後遺障害12級認定の手続き手順を説明します。

症状固定の診断

後遺障害の等級認定を受けるためには、まず担当医に症状固定の診断をうけます。

後遺障害診断書の準備

後遺障害診断書(所定の書式)の作成を依頼し取付をします。尚、12級3号の歯牙障害については、歯牙障害専用の後遺障害診断書となりますので注意してください。

後遺障害等級認定の申請

後遺障害等級認定の申請方法には、被害者自身が請求を行う被害者請求と、相手方の保険会社に申請手続きを任せる事前認定の2つがあります。
より詳しく交通事故の後遺障害認定を受けるには?流れとポイントを弁護士が解説で解説しています。

認定を却下された場合の対処法

後遺障害を申請したにもかかわらず、非該当や想定していた等級より下の結果になることがあります。認定結果に満足できない場合は損害保険料率算出機構に「異議申し立て」が可能です。

示談交渉の本格スタート

後遺障害等級が正式に決定されると、慰謝料など賠償金をいくら支払ってもらえるか、加害者側(任意保険会社)との示談交渉が本格的にスタートします。

後遺障害12級に認定されなかったら異議申し立て

もし、後遺障害12級に該当する症状だったにも関わらず後遺障害等級が認定されなかった場合は異議申し立てをすることが出来ます。
異議申し立てについて詳細は「後遺障害の異議申し立てのコツを弁護士が詳しく解説」で解説しています。
異議申し立てでの後遺障害認定率は約5%程度と決して高くないので後遺障害に精通している弁護士の助けを借りましょう。

後遺障害12級の認定事例

後遺障害等級12級に認定、賠償金は通常の2倍以上に!

【相談者】女性  20代 
【職業】 看護師
【事故態様】出会い頭衝突
【傷病名】 足関節内果骨折,腓骨骨折
【後遺障害等級】 12級7号

【活動のポイント】 後遺障害申請にあたり,あらかじめ協力医の意見書を証拠として追加提出することで,スムーズに等級認定を受けることができた。示談交渉において,基礎収入及び就労可能年数を最大として後遺障害逸失利益の金額の交渉を行った。
【結果】通常,12級であれば労働能力喪失期間は10年とされることが多いところ,就労の終期(67歳)までの40年強について認められ,また基礎収入も職業別の平均賃金が認められ,後遺障害逸失利益について通常の倍の金額の示談に成功した。
【ご依頼されなかった場合に想定される示談提示額とご依頼後の最終示談金額】
約350万→789万

まとめ

不幸にも交通事故で、むち打ち症などの後遺症で苦しい思いをされていらっしゃる方がたくさんいます。後遺障害の認定や満足のいく賠償金ではなく、ご不満を抱えていらっしゃる場合は、ぜひ弊所にご相談ください。被害者の皆さまが納得できる補償が受けられるようにサポートします。

電話での無料法律相談はこちら

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-6366-8770

※受付時間 9:00-18:00