電話で相談する LINE相談

基礎知識

KNOWLEDGE

死亡事故の慰謝料相場と請求出来る損害賠償の5つのポイントを解説

交通事故で被害者が亡くなってしまった場合、ご遺族の心の苦しみは計り知れません。そのお気持ちを金銭で埋めることは到底できませんが、法律上は、心の苦しみに対する慰謝料が発生します。また、慰謝料の他にも請求できる賠償金もあるのです。

電話での無料法律相談はこちら

この記事では

などについて解説します。
悲しみは賠償金を得ても消えるものではありませんが、ご遺族が新たな一歩を踏み出すためのお役にたてましたら幸いです。

「死亡事故」と「傷害事故」の違い

死亡事故とは

死亡事故とは交通事故の結果、当事者が亡くなった事故のことです。即死は免れたものの、事故が起きてしばらく入院した後に亡くなった場合も含みます。死亡事故の場合、傷害事故とは異なり、死亡慰謝料・死亡逸失利益・葬儀費用についても請求できますので、賠償金が高額になります。

傷害事故とは

傷害事故とは交通事故の結果、当事者が死亡はしなかったものの、ケガを負った事故のことです。車両が損壊するだけで人的被害がない場合は含みません。被害者が重度の後遺障害を負ってしまった場合を除くと、死亡事故と比べて賠償金額は低くなります。

死亡事故の慰謝料を受け取れる人とは?

2種類の慰謝料

死亡事故の慰謝料には、被害者本人の慰謝料と、遺族固有の慰謝料があります。被害者本人は亡くなっていますが、亡くなった人の精神的苦痛についても慰謝料が発生するとされています。遺族固有の慰謝料は本人に対する慰謝料とは別に、近親者が亡くなったことによって近親者が受けた精神的苦痛に対する慰謝料です。

被害者本人の慰謝料を受け取れる人

死亡事故では被害者本人は慰謝料を受け取ることが出来ません。
そのため、本人の慰謝料請求権を相続したものとして相続人が受け取ることになります。
法定相続人の範囲に関するルールの概要は以下の通りです。
・配偶者は必ず相続人になる。
・配偶者に加え、以下のうち最も順位が高いグループの全員が相続人になる。
  ・第1順位:子(死亡している場合は孫、孫も死亡している場合はひ孫)
  ・第2順位:直系尊属(父母、父母が死亡している場合は祖父母、祖父母も死亡している場合は曾祖父母)
  ・第3順位:兄弟姉妹(死亡している場合は甥姪)
配偶者以外については、順位の高い人だけが相続人になるので、子がいる場合には父母は相続人になりません。

遺族固有の慰謝料を受け取れる人

遺族固有の慰謝料を受け取れるのは、法律の条文上は、父母・配偶者・子となっています。それ以外の祖父母や兄弟などは含まれていません。
しかし判例では、父母・配偶者・子と同視できるような特別な関係があるとして、条文に記載されていない親族についても認められたケースがあります。

死亡慰謝料の計算における3つの基準

死亡慰謝料の算定においては「自賠責基準」「任意保険会社基準」「弁護士基準」の3つの基準があります。

1)自賠責基準

自賠責基準とは、自賠責保険から支払われる際の基準です。3つの基準の中で最も金額が低くなります。
具体的な金額は以下の通りです。

項目 慰謝料
被害者本人の死亡慰謝料 400万円
遺族固有の死亡慰謝料 請求者が1名:550万円
請求者が2名:650万円
請求者が3名:750万円
被害者に被扶養者がいる場合:上記の額に加えて200万円

※2020年3月31日以前に発生した事故については350万円

例えば、被害者に配偶者1名、扶養していた子が1名いる場合には
本人分400万円、遺族分850万(650万円+200万円)の計1250万円
となります。

2)任意保険会社基準

任意保険会社基準とは、加害者側の任意保険会社が支払う際の基準です。保険会社ごとに基準があり公表はされていませんが、自賠責基準と弁護士基準の間の金額になるのが一般的です。

3)弁護士基準

弁護士基準とは、弁護士が請求する際の基準で、裁判をした場合に認められる額をもとにしたものです。3つの基準の中で最も高額になります。弁護士基準では、被害者の家族の中での立場によって金額が異なります。以下の金額は本人分と遺族分の慰謝料を合算したものです。

項目 慰謝料
一家の支柱 2800万円
配偶者、母親 2500万円
その他 2000〜2500万円

子供、老人が死亡した場合の計算

子供が死亡した場合は、弁護士基準で2000~2500万円です。子供は扶養されている立場にあるので、家計を支えている人に比べると低額に抑えられてしまいます。ただし、裁判では個別の事情によって増額されることがあります。
高齢者が死亡した場合も、弁護士基準で2000~2500万円です。退職していると一家の支柱とは認められにくいためです。高齢者であっても働いていて家計を支える立場にあれば一家の支柱とされ、2800万円が基準になります。

電話での無料法律相談はこちら

死亡事故で慰謝料以外に請求できる賠償金とは?

死亡事故では慰謝料以外にも、以下の費目を賠償金として請求できます。

1)死亡逸失利益

死亡により、被害者が将来得られるはずだった収入が得られなくなってしまいます。その分を補償するものが死亡逸失利益です。死亡逸失利益は「基礎収入額×(1ー生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数」で計算します。

基礎収入額は、事故前に得ていた収入が基準です。主婦(主夫)や子どもで収入がない場合は、平均賃金を基準にします。

生活費控除率は、死亡したことによりその後の生活費がかからなくなることから、生活費分を差し引くために設けられているものです。被害者の立場によって以下のように異なります。

項目 割合
一家の支柱 被扶養者1人:40%
被扶養者2人以上:30%
女性(主婦、独身、幼児) 30%
男性(独身、幼児) 50%

就労可能年数は、原則として67歳までの年数です。「平均余命の2分の1」の年数の方が長い場合には、こちらを採用します。死亡逸失利益を計算する際には、就労可能年数をそのまま掛け合わせるのではなく、ライプニッツ係数を用います。

将来得られるはずの収入を賠償金として一括で受け取ることになるため、受け取ってから発生する利息分については事前に除いておく必要があり、その利息分の計算を簡単に行うための係数がライプニッツ係数です。具体的な数字は、 国土交通省が示しているものを参照すればわかります。

2)葬儀費用

通夜、葬儀、火葬、墓石などにかかる費用も請求できます。
金額は自賠責基準では100万円、弁護士基準では150万円が上限とされています。

3)入通院慰謝料

亡くなる前に入院していたという場合には、入通院慰謝料も支払われます。自賠責基準では1日4300円です。
弁護士基準では、入院のみしていた場合で以下の金額になります。

入院期間 入通院慰謝料
1ヶ月 53万円
2ヶ月 101万円
3ヶ月 145万円
4ヶ月 184万円
5ヶ月 217万円
6ヶ月 244万円

4)治療費、交通費、付添看護費

亡くなるまでの治療費、通院のための交通費、親族が付き添っていた場合の付添看護費も請求できます。

5)休業損害

亡くなるまでに治療のため仕事を休んでいた場合には、収入が減った分について休業損害として請求できます。
主婦(主夫)の場合でも、家事労働分について請求可能です。

死亡慰謝料が増額するケース(加害者の重過失、態度が著しく不誠実)
死亡慰謝料は、被害者や遺族の精神的苦痛が通常よりも増すような事情があれば増額されることがあります。具体的には以下のようなケースです。加害者に重大な過失がある(飲酒運転、ひき逃げ、スピード違反、信号無視など)
態度が著しく不誠実(不合理な主張をして責任を認めないなど)

死亡事故における損害賠償請求の流れ

請求方法

まずは加害者と示談交渉します。
加害者が任意保険に加入していれば、任意保険会社との交渉です。示談が成立しない場合、訴訟、調停、交通事故紛争処理センターといった選択肢があります。訴訟というと、判決が出るイメージがあるかもしれませんが、実際には判決に至る前に和解して終了することも多いです。

調停は、裁判所の場で仲介を受けて話し合いをするものだと考えてください。交通事故紛争処理センターは、交通事故紛争の解決を専門にしている機関で、弁護士が仲介して交渉が進められます。いずれの場合でも、専門的な知識がないと適正な賠償金が得られなくなってしまうので、弁護士に依頼するとよいでしょう。

分配方法

賠償金は、厳密には遺産ではなく、相続開始と同時に、法定相続分にしたがって当然に分割されます。
もっとも、相続人間の協議によって、賠償金も遺産に含めた上で、異なる分配方法にしても構いません。
なお、遺族固有の慰謝料についてはその遺族が受け取り、分配の対象とはなりません。

死亡慰謝料の分配方法は書面で残すべき

分配方法が決まったら、書面として残しておきましょう。
賠償金は高額であることから、後に相続人の間で争いになることもあります。争いを未然に防ぐためにも、必ず遺産分割協議書を作成してください。

死亡事故の賠償金を早めに受け取りたい場合は?

一家の大黒柱が亡くなった場合など、生活資金が必要になり賠償金を早めに受け取りたい場合もあるでしょう。示談が成立していなくても賠償金の一部を受け取る方法はあります。

仮渡金制度

自賠責保険には、当座の資金が必要な人のために、仮渡金という制度があります。支払われる金額は死亡の場合には290万円です。加害者側の自賠責保険会社に必要書類を提出して請求します。必要な書類は自賠責保険会社に問い合わせればわかります。

被害者請求

被害者請求とは、示談成立前に、遺族が加害者側の自賠責保険会社に対して賠償金を直接支払うように請求する方法です。通常であれば、任意保険会社から自賠責の分もまとめて支払われますが示談成立を待たなくてはなりません。被害者請求によれば、自賠責保険の限度額3000万円の範囲内で、示談成立前に賠償金の一部を受け取れます。

死亡事故の賠償金Q&A

Q:加害者・保険会社対応を弁護士に任せるメリットは何ですか?

弁護士に依頼すると、精神的にも金銭的にもメリットがあります。
大事な身内を亡くされた大変な状態で、加害者・保険会社とやりとりをするのは精神的な負担が大きくなります。加害者・保険会社は不誠実な対応をすることもありストレスがかかるため、弁護士に任せて負担を減らすとよいでしょう。
また、弁護士は弁護士基準で賠償金を請求するため、自力で交渉する場合に比べて賠償金を増額することが可能です。適正な賠償金を得るためにも弁護士への依頼がオススメです。

Q:保険会社から過失割合を提示されましたが、合意して良いのでしょうか?

保険会社の主張をそのまま受け入れないでください。
保険会社は、賠償金を抑えるために、加害者に有利な過失割合を提示してくることがあります。
特に死亡事故の場合、亡くなった被害者の話は聞けないため、加害者の言い分だけで不合理な割合を示す可能性もあります。不当な過失割合で合意することのないよう、弁護士に相談しましょう。

Q:慰謝料を巡って裁判になるケースはあるのでしょうか?

交通事故では多くのケースが示談で終了しますが、示談が成立せずに裁判になってしまうこともあります。特に死亡事故では、賠償金が大きいため合意が難しくなりがちです。裁判の手続きには多くの時間を割くため、弁護士への依頼が得策です。

Q:法要までに遺族が決めておくべきことはありますか?

法要までに加害者への対応を決めておきましょう。
加害者が通夜や葬儀への参列を希望しても、遺族の感情として受け入れがたい場合があります。香典を受け取るかも含め、加害者にどのように対応するかを決めておくとよいです。

Q:示談交渉のタイミングとやっておくことを教えて下さい。

示談交渉は、四十九日の法要が終わってから始めましょう。
葬儀費用も請求できるため、費用が確定した段階で始めるのがベストです。それより早い段階で示談を持ちかけられても応じないようにしてください。示談交渉が始まるまでに、葬儀費用の領収書をまとめておくなど、賠償請求の根拠になるものを整理しておくとよいでしょう。

Q:消滅時効はいつになりますか?

死亡事故の場合、賠償請求権の消滅時効は死亡した日から5年になります。
もっとも、必ず5年以内に解決しないといけないわけではありません。時効の完成を猶予する合意書を作成したり、裁判を起こしたりするなど、時効の完成を防ぐ方法を用いれば、5年を過ぎても請求権は消滅しません。

Q:税金は発生するのでしょうか?

死亡事故の慰謝料は原則として非課税とされ、所得税や相続税はかかりません。
事故によって利益を得ているというわけではないからです。ただし、過大な見舞金を受け取ってしまった場合、人身傷害保険から被害者の過失分相当の保険金を受け取った場合など、利益を得ているようなものについては課税されます。

Q:生活保護を受給していますが、死亡慰謝料を受け取るとどうなりますか?

生活保護受給者が死亡慰謝料を受け取った場合、収入とみなされますので、交通事故後に支給された生活保護費を返還しなくてはいけなくなります。ただ、返還するのは生活保護費だけですので、賠償金全額を返還する必要はありません。
手元に残った賠償金の額によって生活保護が必要ないと判断されれば、生活保護は打ち切られます。

電話での無料法律相談はこちら

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-6366-8770

※受付時間 9:00-18:00