このページは、ご本人の物語/大腿骨偽関節で「7級10号」を主張する依頼者と「8級9号」を主張する弁護士の実例を、賠償金の数字よりも「解決までの経緯」「ブライトの戦略」を中心に記録したものです(守秘のため一部を匿名化しています)。
📝 この記事の3秒結論
- 大腿骨偽関節(骨癒合不全)の典型的な認定は8級9号「1下肢に偽関節を残す」
- 7級10号「常に硬性補装具を必要」は外部装着の金属・プラスチック装具を要件
- 体内の髄内釘・スクリューは「内固定材」で外部硬性補装具とは別カテゴリ
- 機能的同等性主張は説得力あるが現行認定基準では7級認定は困難
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事故の概要
T様はバイク事故で右大腿骨を開放骨折、複数回の手術を経て骨癒合不全(偽関節)が残存しました。体内には大型の髄内釘が留置され、これによって辛うじて立位・歩行が可能な状態です。
自賠責の認定は14級9号で、ブライトが訴訟で8級9号を主張、依頼者は7級10号主張を希望されている事案です。
依頼者の希望:7級10号主張
T様は強い意志で「7級10号」の認定を主張したい意向でした。論理として:
- 体内の髄内釘がなければ立位・歩行不能
- 髄内釘は実質的に「常に硬性補装具」と同じ機能を果たしている
- 機能的同等性から7級10号該当と評価すべき
これは論理として一定の説得力があります。
弁護士の見解:8級9号が現実的な最善
ブライトは依頼者に対し、丁寧に次の説明を行いました。
- 7級10号「硬性補装具」の現行解釈:「外部に装着する金属・プラスチック製の装具」を指すと厳格に解釈されている
- 髄内釘の位置付け:医学的には「内固定材」として扱われ、外部硬性補装具とは別カテゴリ
- 制度上の区別の根拠:法・認定基準が外部装具と内固定材を区別するのは、外見的な客観性(装着なしでは歩行不能)を重視するため
- 過去判例の傾向:髄内釘を外部硬性補装具と等置した判例はほとんどない
つまり、「機能的同等性」を主張しても、現行の認定実務では7級認定の壁を突破することは極めて困難というのが実情でした。
8級9号での最大評価戦略
ブライトは、確実に認められる8級9号を前提として、その中で最大の評価を勝ち取る戦略を採用しました。
- 後遺障害慰謝料:830万円
- 労働能力喪失率:45%
- 逸失利益:年収ベースで5,706万円規模
合計で約5,700万円規模の請求で訴訟提起しました。
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依頼者への正直な説明
「7級を主張すれば+2,300万円規模の差額が出るが、認定見込みが極めて低い」「現状の最善は8級での最大評価」という率直な説明を、複数回の打合せで丁寧に行いました。
結果として、T様も8級9号での主張継続に同意。訴訟は静岡地裁浜松支部に係属中で、次回期日は2026年6月16日です。
将来の鑑定人選任の可能性も視野
訴訟段階で裁判所選任の鑑定人による身体鑑定が実施される可能性もあり、その結果次第では7級主張への請求拡張も視野に入れています。「力学的・機能的に不安定」との評価が得られれば、認定基準の柔軟解釈の可能性も残されています。
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同じ立場の方へ
大腿骨偽関節の事案では、自賠責14級認定→訴訟で8級主張のパターンが標準的です。依頼者の希望が7級でも、現行認定実務の壁を率直に説明し、確実に取れる8級での最大評価を狙うのが現実的戦略です。「弁護士は依頼者の希望に寄り添うが、認定実務の現実も率直に伝える」スタンスが大切です。
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監修:松本 洋明 弁護士(弁護士法人ブライト パートナー弁護士)
弁護士歴15年(63期)・元損保側代理人・年間100件超の交通事故案件を担当。重度後遺障害事案、外国籍被害者対応、素因減額の争い、個人事業主の収入立証など複雑事案に多数の実績。本件もブライトの実際の解決事例(守秘のため一部を匿名化)。
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