定年後再雇用の建設作業員が高所から墜落し後遺障害7級──当初提示額の約3倍・約1,200万円で解決した事例(示談)

定年後再雇用の建設作業員が高所から墜落し後遺障害7級──当初提示額の約3倍・約1(解決事例アイキャッチ)

事案の属性

相談者 男性(建設作業員。定年退職後、同じ会社で再雇用されて勤務)
業種・規模 建設業
相談ジャンル 労働災害(高所からの墜落による重い後遺障害・会社への損害賠償請求)
後遺障害等級 後遺障害7級
解決額 約1,200万円(当初提示額の約3倍・示談による解決)
解決までの期間 約2年

ご相談時の状況

建設現場での作業中に高所から墜落し、胸部や腰の骨折など全身に及ぶ重傷を負われた事案です。命は取り留めたものの重い後遺症が残り、「適切な後遺障害等級が認定されるのか」「この体で今後どう生活していけばいいのか」という不安を抱えておられました。

さらに本件には、もう一つの心配がありました。ご本人は一度定年退職した後、同じ会社にアルバイトとして再雇用されて働いていたため、「正社員ではない自分は、賠償の計算で不利になるのではないか」という懸念です。後遺障害等級の申請も会社への損害賠償請求も、ご自身で進めることに大きな不安を感じ、労災事件に詳しい専門家として当法人にご相談くださいました。

争点・難しさ

  • 会社の責任の有無──会社側には代理人弁護士がつき、当初は使用者としての責任を否定し、または極めて限定的だと主張していました
  • 過失割合──事故は本人の不注意によるところが大きいとして、大幅な過失相殺を求めてきました
  • 基礎収入の算定──逸失利益や休業損害を、事故当時のアルバイト収入で計算するのか、それ以前の水準も考慮するのかで、賠償額が大きく変わる争点でした。会社側は低いアルバイト収入を基礎とすべきと主張しました
  • 証拠の不足──事故状況を裏づける公的書類が十分に揃っておらず、立証面の不安要素となりました

実際、会社側の当初の解決金提示は400万円台と、当方の想定する適正水準を大きく下回るものでした。

ブライトの方針・対応

当法人は、訴訟も視野に入れながら、交渉の主導権を握るための布石を段階的に打ちました。

  • 初動での証拠保全──重篤な受傷であることから、事故直後の客観的状況を残すため、救急搬送記録を速やかに取り付けました
  • 書類がなくても諦めない──書類が十分に揃っていない点については労働基準監督署に直接確認し、状況から業務上と明らかであれば労災認定される実務運用を把握。証拠の一部不足を理由に立ち止まらない方針を固めました
  • 交渉のステップを明確化──責任を否定したままの相手方に対しては、「責任を認めることを前提に損害の話ができるなら、算定根拠を開示する」と交渉の条件を明確に示し、安易にこちらの手の内を明かさずに主導権を確保しました
  • 具体的な金額レンジの提示──当初提示額とかけ離れた目標額を漠然とぶつけるのではなく、「提示額の3〜4倍のレンジで協議可能か」を会社側に検討させる形で交渉を前進させました

結果

粘り強い交渉の結果、当初提示額(400万円台)の約3倍にあたる約1,200万円の賠償金で示談が成立しました(期間は約2年)。目標としていた水準での解決であり、ご本人にも速やかにご了承いただきました。

担当弁護士(労災部統括弁護士・笹野皓平)のコメント

定年後の再雇用やアルバイトといった雇用形態を理由に、低い収入を前提とした低額の賠償提示がなされるケースは少なくありません。しかし、雇用形態だけで賠償額が機械的に決まるわけではなく、就労実態や事故前の収入水準を踏まえて争う余地があります。また、本件のように「あるはずの書類がない」場合でも、行政の実務運用を確認しながら進めれば道が開けることがあります。会社からの提示額に疑問を感じたら、そのままサインせず、まず適正水準の見立てを弁護士に確認してください。

関連情報

労災のご相談はこちら

高所からの墜落・転落で重いけがを負われた方、会社からの提示額に納得できない方は、労災に注力する弁護士法人ブライトにご相談ください。

※本事例は当時の個別事情に基づく解決例であり、結果を保証するものではありません。